ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

雨ばっかり降って蒸し暑いので中野飲み歩きツアーに行ってきた

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はじめに

 もう秋もそろそろ終わりね、という時期になって本記事を書いておりますが、まだ夏真っ盛りだった8/26にまた飲んだくれてまいりました。今回の街は「中野」。中野サンプラザや駅前商店街のマニアックゾーン:ブロードウェイが有名ですが、ここも下町、どうも飲み屋街があるとのこと。オレ、何度か中野来たけど、そんなのあったかなぁ……?


 そんなわけでちょっくら確認すべく中央線に揺られて行ってきました。


 以下は、毎度おなじみこのイベントのルール説明。ルール自体はだいたいいつもと一緒です。今回は割合守れたんじゃないかな、知らんけど。

  • 一軒の店で飲むお酒はだいたい1〜3杯まで。
  • 一人一品ずつ、上限1,000円を目処につまみを注文する
  • お残しは許しませんえ
  • より沢山の店を巡ることを目標にする
  • 目標:6軒
  • ルールにあまりこだわり過ぎず、楽しくをモットーに

中野散策

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 今回中野を候補地に強く推したリンゴさん。アンタはガタイがデカイからグラサンだといかついんだよ。ちなみに集合は16時。このタイミングで集まっているのはオレ含めて3人、所用等で遅れてきたメンバーが5人全員揃ったのが17時。何故かいつも集まりが良いんだよな、この企画。(だいたいいつも一番遅刻するのはオレです)


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 北口に中野駅のメインストリートであるサンモールがありますが、こちらには飲み屋はほぼ無いので、一旦回避。サンモールの東側に飲み屋街は存在します。


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 見た目レトロでオシャレな雰囲気のパブ。廃墟じゃなくてちゃんと営業してますよ。我々が一番最初に通りかかったときには若い女の子が写真撮ってました。インスタ映えしそう?



1軒目:立ち食い寿司

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 時刻はおやつ時+α。ちょっと小腹が空いたので軽く寿司でもつまもうか、と目に入った立ち食いすし屋さんに入りました。ちょうど店を開けたばかりのご様子。


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 なにはともあれ、最初はビールでしょ!


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 3人とも思い思いに握り寿司を注文、だいたい5貫ずつをペロッと平らげます。ビール一杯と合わせてちょうど1,000円。毎回こう鮮やかに立ち去れるといいんですけどねぇ。(だいたいいつも一店舗で飲みすぎる)



散策再び

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 再び裏通りの散策に戻ります。思った以上に飲み屋だらけでビックリ。この街全部制覇しようと思ったら大変なことになるな。


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 ここは中野ブロードウェイの裏、つまり北側、駅の反対側から見た入り口です。こんな風になってるのか。駅からだとサンモールと直結だから境目がよくわかんないんですよね。
 と言うわけで、ディープワールド:中野ブロードウェイを散策してみます。


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 まずは最上階にあたる4Fまで一気にエスカレーターを上がっていきます。着いて一番最初に目に入るのが「中野ジンガロ横丁」。ちゃんと営業している飲み屋街みたいですが……。


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 ……会員以外お断りですって。意外なところに意外な敷居の高さが。


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 こちらは反対側の入り口。やっぱり会員以外お断りの張り紙。


 後から調べて分かったんですが、実はこの「中野ジンガロ横丁」、飲み屋街ではなく、芸術家の村上隆さんのオフィスらしいです。いかにもレトロな飲み屋街ですが、あくまでそう見せているだけでお酒は出さない模様。面白いこと考える人もいるもんだ。


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 こちらはその横丁入り口にあるタバコ屋さん。ちょっと前に閉店した旨が張り紙に書かれていますが、おそらくはオフィスレイアウトの一環なんでしょうな。芸が細かい。


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 中野ブロードウェイといえばシャッター街。閉店だらけに見えますが、実際には倉庫として活用されてるみたいです。


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 レトロなゲーセン。こんな辺鄙な場所にあるのにすごい人気だ。


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 自動販売機もレトロ。同じタイプを上野でも見た記憶があります。


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 中野ブロードウェイといえば「まんだらけ」。マニア垂涎のレトロなオモチャや本がところ狭しと並べられています。



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 こちらもまんだらけ、「まんだらけ変や」と看板に書かれています。確かに入り口からして変だ。



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 田中角栄のビニール人形。これ、誰が買うんだ?


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 ゴジラのブリキ人形。これは良くできてるなぁ。素人目にもちょっと目を引きます。シン・ゴジラが話題になったばかりだから、欲しいと思う人はいっぱいいるでしょうね。


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 階段を下りて3Fへ。真っ先に目に飛び込んでくるゼンハイザーの明るくサイバーな店舗が、まんだらけの巣窟から脱出した安心感をかもし出してくれます。とはいえ、3Fもまんだらけはあるんですけどね。


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 続いて2Fへ。華やかで人通りも一気に多くなったけど、やっぱりまんだらけ漫☆画太郎の抱き枕が表のディスプレイに飾られていました。これ、抱いて寝たいか?


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 ジョークグッズのお店。これ欲しいなぁ。


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  よくあるアダルトグッズショップ、と思いきや、「男の娘用下着」なる不思議なものが陳列されていました。それ履くの? はみ出しちゃわない?


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 清く正しい鉄っちゃんの聖地。好きな人は好きなんでしょうね、オレはあんま鉄成分がないのでよう分からんです。


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 これでもかっていうくらいTENGA。2Fになったらまた別ベクトルではしゃいできたな、ブロードウェイ。


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 確実に人が殺せる釘バッド。貫通させちゃダメだろ。


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 こういう普通の飲食店もちゃんとあります。


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 ブロードウェイを出て中野サンモール商店街へ。繋がっているので明確な境界線は無いんですが、店舗の傾向が明らかにブロードウェイと異なるのでハッキリ違いが分かります。やっぱりこっちのほうが混雑してますね。


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 遅れてくるメンバーを回収するために中野駅北口に戻ってきました。……が、あまりの暑さに我慢できず、冷房と酒を求めて路地をのぞいてみたり。



二軒目:泡や(バー)

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 中野駅北口から徒歩1分、サンモールのちょっと脇の細い路地の奥にある小さなお店がこの「泡や」さん。ハイボールを湯のみで出してくれるという一風変わったサービスを提供してくれます。


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 こちらの名物ドリンク:中野ハイボール、略して「中ハイ」。これを言いたいがためにこのメニューを作ったんだそうな。マスターお茶目だな。


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 くんたまに燻製チーズ。いかにもバーっぽいおつまみが揃っています。軽くつまんで軽く飲んだら次の店へ、ってのが通なんでしょうね。
 遅れてきたメンバー2人と合流すると、我々も次の店を探しに行きます。店を出るときに「行ってらっしゃい」と声をかけてくれるのがうれしいですね。



夜の飲屋街散策

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 メンバーも揃ったところで再出発。まだ明るいうちに散策した街をもう一回眺めていきましょう。

3軒目:5丁目チキン(ローストチキン&アジア料理)

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 ……って、大して歩かないうちに3軒目を決定。ユーカリではなくパクチーを主食にするドアラがいるので、パクチー臭に釣られて店に入っちゃいました。


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 店名にもあるローストチキン。グルグルしてます。早う来い。


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 前菜いっぱい。


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 5人揃って乾杯。時間はまだ18時なので、まぁ飲み始めの時間としては普通なんですが、既に3軒目というおかしさ。



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 辛いチキン。オレが無理なヤツ。なんでみんな辛いもの好きかなぁ?


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 辛くないチキン。こっちは美味しく頂けました。


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 飲んだくれはワイングラス傾けても飲んだくれ。シャレオツになったりはしない。


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 ちょっと珍しい銘柄のホッピーがあったので頼んでみたんですが、よくよく考えたらホッピーって強制3杯おかわりなんですよねぇ。思いつきで頼んじゃダメだな、いやぁエラい目にあった(グビグビ。


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 パクチーだらけのテーブル。オレも好きだけどさすがにこの量は引く。パクチーって香菜なんだからちょこっとあればいいもんだと思うんだけどなぁ。


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 珍しくて頼んでみたナス餃子。これが美味かったです。


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 酔いが回ってきたのか、みんなやってることに意思統一が取れなくなってきていますな。まぁ最初っから意思統一も結束も皆無ですが。



ペンギン村(もんじゃ)

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 割としっかり飲んで食ったところで、また夜の中野へ。よりどりみどり、目移りして困っちゃう。


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 ちょっと薄暗い感じのもんじゃ焼き屋さんを発見。4軒目はここにしますか。
 ……早々に炭水化物食って〆になっちゃったらどうするかって? それはその時考えます。


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 店内にメガネのロボットとかはいませんでしたが、有名人のとおぼしきサインがいっぱい。もしかして結構有名なお店?


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 紅生姜もんじゃにカレーもんじゃ。紅生姜のは完全に酒のツマミでした。カレーもビールによく合う。


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 このお店のスペシャルメニュー、その名も「ペンギン村スペシャル」。あられちゃんのド突きが脳裏に浮かびますが、ゴージャスなだけで痛いとかは無いです。


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 下町育ちのイッセイさんに調理をお任せ。さすが下町っ子、手際がいい。あっという間に出来上がった。こういう人が一人くらいメンバーにいると飲み会のとき便利ですね。(我ながら元上司の扱いとは思えないセリフだ)


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 イカのワタ焼き。完全に酒のツマミ。もうここで終わっていい気もしてきたけど、もうちょっとだけ続くんじゃよ。






5軒目:イタリアン(Pizzaria Ostaria Buon Appetito Papa)

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 ペンギン村におはこんばんちわ……じゃなかった、さよおならして、再び夜の中野へ。イッセイさんとドアラが不倫カップルにしか見えない。(イッセイさんは一応既婚者なのでシャレにならない)


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 矢吹丈とイッセイさん。アンタ燃え尽きた割には顔がにやけとるぞ?


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 なんか怖い絵が描いてあるシャッター。アートって難しい。


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 時間的に最後の店に選んだのはイタリアン。最後はこれまでの中野っぽくないオシャレな店になりました。

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 ピザとパスタとワインをガッツリと。〆だからね、炭水化物だよね。
 (さっきの店から炭水化物だらけ)


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 う~ん、相当酔っぱらっとるな。



総括

 酔っ払いに総括とかありません。今宵も楽しいお酒でした。
 中野は思った以上に飲み屋がいっぱいありました。あの狭い裏通りだけでも100軒くらいあったんじゃないでしょうか。また機会を作って飲み歩いてみたいです。


 さて、次回の街は「恵比寿」です。オシャレな街だと思ってませんか? オレもずっとそう思ってました。でも意外と色んな顔を持つ街だったので、その辺がご紹介できればと思います。






 それ以外の写真はこちら。


 以前の飲み歩きはこちら。


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10/20(金)「BPStudy#122〜いかにプログラミングを学ぶか?プログラミング教育を考える」に参加しました。

はじめに

 先週金曜(10/20)は「BPStudy#122〜いかにプログラミングを学ぶか?プログラミング教育を考える」に参加してきました。2020年秋に小中学校で義務化されるプログラミング教育について最近ちょこちょこ調べているので、その一環です。BPStudyはこれで2回目の参加なんですが、受付の際に主催の佐藤さんがオレのことを覚えて下さっていてビックリしました。(どうやらドラゴンズファンつながりということで覚えて下さってたみたいです。ドラゴンズファンなのが役に立ったのは初めてだ)


bpstudy.connpass.com


この日はノートPCを持ち歩いていなかったのでメモはあきらめ、Twitterに走り書きを垂れ流していました。が、意外にログとしてちゃんと成立しそうなので、感想と合わせて掲載します。



第1部-1:子どものためのプログラミング道場「CoderDojo」とは? (CoderDojo Japan代表 安川要平氏)

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 10分ほど遅刻してきたので、最後の方をチラッと聞けた程度でした。100拠点以上ってすごいな!



第1部-2:子どもも大人もプログラミングで遊んで学ぶ!「CoderDojo」が楽しい!(CoderDojo藤沢代表 向井アリー氏)

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 「親御さんとお子さんを一緒にしちゃダメ」ってのがなかなか興味深かったです。あとで別の方と話していたら「自分もそうなってるので反省しなきゃなぁ」とおっしゃってました。」子供が学ぶのに親が邪魔になる、子の学びを親の邪魔しないよう、仕組みか親の忍耐が必要。親であるというのもなかなか難しいですね。



第1部-3:CoderDojoと教育行政 (CoderDojo柏代表 宮島衣瑛氏)

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 この勉強会で一番驚いた発表でした。柏だけで4拠点が存在し、しかもそれを学生主体で運営している。行政や教育委員会とも連携をとり、実際にカリキュラム作りで提携も行い、実際に学校での授業も行っている。行政や教育は閉じた場だというのがオレの認識だっただけに、それがオープンに開かれて草の根で広まりを見せていることにただただ驚きました。
 懇親会で宮島さんにお話を伺ったところ、柏市特有のレギュレーション(元々小中学校のIT化がさかん、行政側に課題感が強く、積極的に外部からの意見を求めている、etc)もあるそうですが、それにしても2020年を待たずに実践できているのは本当にすごいと思います。



第1部-4:元プログラマが辿り着けたプログラミングコミュニティ「CoderDojo」 (CoderDojo市川代表 土屋健一氏)

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 土屋さんは以前POStudyでお会いしたことがあり(たしか7つの習慣ゲームだった気がする)、Facebookでも繋がっているので、今日の発表者の方々の中では接点がある方でしたが、CoderDojoを運営されてるとは知らなかったです。企業(ビジネス)目線でどのようにマネタイズしていくか、からスタートし、紆余曲折を経て現在の形になるまでの話はとても参考になりました。



第2部−1:私の異常なプログラミング教育、あるいはどうやってプログラミングを教えているのか (株式会社クオリティスタート ゆもとみちたか氏)

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 超有名ブログ「GoTheDistance」の執筆者:ござ先輩こと ゆもとさんの発表。今回の発表資料もシレッとホッテントリ入りしててさすが!という感じです。


gothedistance.hatenadiary.jp


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 某大手企業のプログラミング研修にPythonを用いた経緯と、実際の研修で苦労されたことを語って頂きました。ループで苦労したことは、実はオレ自身はなかったんですよねぇ。あ、でもPHPはじめた時に初めて触った鬼のような多次元配列には、最初のうちは苦労させられました。オレが教える立場だとしても、つまずくのはループでしょうね、きっと。


 ござ先輩の意見に反するようではありますが、オレは社内研修のようなある程度強制力を持って教育を行える場では、Javaを教えるべきだと思っています。ござ先輩のおっしゃったように、Javaは非常に融通が利かなく、堅く、めんどくさい、というイメージを持っている言語で、それはある程度真実なのですが、それゆえに「覚える過程で堅く丁寧に書く習慣を強制的に身につけさせる」というメリットがあるとオレは思っています。(だから十把一絡げが集まる大型SI案件ではJavaが多く採用された)
 丁寧に書く習慣なんて後からでも身につくだろ、とか言う台詞は、オレは過去に既存PHPWebサービス案件に参画した際にドブに捨てました。書けんヤツは書けん。三つ子の魂百まで。なので、SIerで今後も大して勉強しないだろう駆け出しエンジニアを育てるには、最初くらい徹底的に勉強させるという意味で、Javaのようなある程度スパルタな養成ギブスを用いることは必要だろう、というのがオレの持論です。
 ちなみに、自分で自学自習でプログラミングを始めるのならJavaScriptをオススメしてます。なぜなら環境構築がほぼ要らないから。



第2部−2:PyQの学習者サポートから学んだPython初学者への解説ノウハウ (株式会社ビープラウド 大村亀子氏 & 清原弘貴氏)

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 ビープラウド社で運営されているPython学習サイト「PyQ」の開発・運営を担当されているお二人から、サービスの紹介と、ユーザーから寄せられる問い合わせの内容を発表頂きました。


pyq.jp

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 ユーザーからの問い合わせといってもクレームとかではなく「ここ分かんないんだけど」という学習内容に対する質問が主な内容。ユーザーのレベルがバラバラなので、全角半角ミスから前述のループ処理の理解まで、問い合わせの内容はさまざまです。オンラインサービス特有の苦労も聞けて面白かったですね。オンライン学習サイトって、オレ個人はドットインストールくらいしか試したことが無いですが、東進ゼミナールしかり、これからの学習スタイルの中心になっていくんでしょうね。



クロージング&懇親会



 懇親会は、パッと見30人くらいが参加。普段のBPStudyだと10人程度ということでしたから、それだけプログラミング教育についてもっと話を聞きたい、という人が多かったんでしょう。



感想

 2020年秋から始まるプログラミング教育の義務化は、オレに言わせれば、ハッキシ言って文部科学省の仕切りがかなりデタラメです。

 まず「プログラミング」っていう科目が増えるわけじゃないんですよね。国語・算数・理科・社会といった既存科目にプログラミング的要素を取り入れる、というのがその内容。しかもその方法は現場に任せる、という投げっぱなしジャーマンにもほどがあるだろ、と全力往復ビンタものの要項です。既存授業に組み入れる形だと、年間通した授業の流れが存在するし、既存科目の教員スキルとプログラミングスキルが混在するため、プログラミング授業だけの専任教師みたいなのは用意できないし、外注も無理。

 おそらくベネッセみたいな教育資材を扱う会社が、今まさにプログラミング授業の商材を一生懸命開発している最中だと思いますが、それらのどれが最もいいのかを現場の教師が選ばなければならないわけで、それもプログラミング知識の乏しい人には大変な作業です。当たり前ですけど、現場の教師のみなさんはプログラミング経験なんてほぼ皆無なんですね。しかも教師の業務は多岐にわたり、普段の4~6コマの授業の準備に加え、生徒の生活指導・進路指導、学校行事の準備、部活の顧問、いじめ・暴力・不登校といったトラブルへの対応。残業代も支払われない壮絶ブラックな環境でこれだけのことをこなさなければならないのに、さらにその上プログラミング教育まで課される。

 PG・SEとして15年以上飯を食っているオレから言わせてもらうと、プログラミングを自分の体感として身についた状態でこなせるようになるには、最低2年くらいの実務経験、あるいはそれに相当するプログラミング経験が必要です。これらを教師の方々が普段の仕事をこなしながら習熟するのは、ほぼ不可能に近い所業です。ちゃんとプログラミングを理解したうえで子供たちに教え、問題が生じたときに一緒に解決する、なんてのはまず無理でしょう。


 とはいえ、子供たちにプログラミングを覚えてもらう、という方針自体は大賛成です。以前以下の記事でも書きましたが、当人が今後プログラミングを行わない立場であっても、発注側に立つ可能性は十分に考えられると思います。その時、過去にプログラミングを経験していれば、ある程度システムを作るということを理解した上で適切な発注ができるのでは、という淡い希望をオレは抱いています。今回の文部科学省のプログラミング教育の方針でそこまでの理解を身につけてもらえるか、はかなり怪しいですが、それでも0と1とでは雲泥の差でしょう。


takigawa401.hatenablog.com


 で、あるならば、やはりITエンジニア側が教育現場に寄り添っていくのが直近の問題解決の近道であり、それを実践しているのがCoderDojoのみなさんだと思います。その存在はなんとなく耳にしていたのですが、今回こうやって話を聞いてみると、オレの思っていた以上に活発に、かつ広範囲で活動されていることに驚きました。実際にやるのは相当難しいんじゃないかな、と思ってたんですが、やってできるもんなんだなぁと素直に感心しています。


 ただ、いくつか課題もあると思っていました。たとえばCoderDojoが無償・ボランティアであること。当たり前ですがサポート側も生活があるので、無償で続けることは不可能です。他者の善意にかまけていては、いつかその人のモチベーションがなくなったときに活動が途絶えてしまう。どうしても有償化は必要なはずなんですが、この時無償のCoderDojoの存在が逆にその動きを阻害してしまうのではないか、と。
 この疑問には、懇親会で宮島さんが答えてくれました。CoderDojoはプログラミングの場の提供と若干のサポートをする程度で、基本的には何も教えないんだそうです。質問されたら答えるし、相談されれば可能な限り乗るし、でも教えたりカリキュラムを用意したりはしない。継続性を高めるために準備コストを極力軽くしている一方で、きちんと教えているわけではないので、有償の塾のような存在とはきちんと住み分けができるはず、とおっしゃっていました。事実、宮島さんは自身の会社では有償でプログラミングを教える事業をやっていらっしゃるそうです。なるほどねー。


 あとは地域格差なども気になるのですが、それも何らかの対策を講じている人がいるかもしれません。オレ自身、プログラミング教育の現状を知り始めたばかりなので、もう少し突っ込んで調べて、現状把握と対策を考えてみたいと思いました。

「普通のアジャイル」のなにがダメのか?

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less-study.doorkeeper.jp


 Large-Scale Scrum(LeSS:大規模なアジャイル開発のフレームワーク)の勉強会「Less Study」、次回は明日開催の予定です。少人数で地道にちょっとずつ翻訳と解釈を進めてますので、良かったらご参加下さい。明日は前回からの続きで「待ち行列理論」と、滝川が「顧客価値による組織化」を担当する予定です。ちなみに滝川担当分は、翻訳はGoogle先生がほぼほぼカンペキにやってくださったので(最近のGoogle翻訳スゴイな!)、あとは発表の資料準備だけです、まぁ明日までになんとなかるでしょう。(たぶん)




 さて、本題。
 前回のLess Studyは珍しく初参加の方が何名かがいらっしゃいました。本編も割と初心者向けというか、スクラムは分かるけどLeSSは分からないという人のために、比較的噛み砕いた説明が多かったんですが、その傾向は懇親会でも続きました。そんな折、初参加の方からこんな質問を受けました。


LeSSは他と比べるとどっちが大変なんですか?


 それに対し、オレが「普通のアジャイルで開発した場合と比べると……」とうっかり返してしまったところ、その場に居た既存メンバーのほぼ全員からコンマ2秒で


「「「普通の!?」」」



 と総ツッコミを受けた次第です。言われてすぐアチャーッと自分の失敗に気付き、即座に訂正しました。


 さて、オレはなにをやらかしたでしょうか?



takigawa401.hatenablog.com



 以前、上記の記事でも書きましたが、「アジャイル」は開発・ビジネス・組織を少しでも良くするためのTIPSの集まりを指す言葉で、とても範囲が広く、またそれぞれのTIPSによって目的も用途も適用範囲も様々です。
 ところが、「普通のアジャイル」なんて言い方をしてしまうと、アジャイルのどのプラクティス・どのフレームワークを指し示しているのか、主語が大きすぎて分からないんです。同じ開発現場は2つとありません。同じ「アジャイルな開発をやっている現場」でも当然その度合いや導入しているプラクティスは異なるのです。なので、「普通のアジャイル」などと言おうものなら「『普通』ってなんだよ!?」「俺の『普通』とお前の『普通』が同じだとでも思ってんのか!?」って指摘を受けるのは必然でしょう。今回もオレが指摘されたのはこの点でした。指し示す主語が曖昧すぎる、と。


 要は「曖昧さを取り除いて、共通認識を得やすい言葉に置き換える」ことが必要です。じゃあどうすんのか、なんですけど、オレ個人が普段確認するのには、思考プロセスのフレームワークである「TOC(Theory of Constraints - 制約理論)」の中にあるチェックツール「CLR(Categories of Legitimate Reservation - 論理性の検証)」を用いています。使い方が難しい(特に他人に不用意に用いると他者を傷つけたり追い込んだりしてしまうことがある)んですが、自分で使う分には便利だと思っています。


monoist.atmarkit.co.jp

  1. 意味の明瞭性
  2. 実体(事実)が存在するか
  3. 因果関係の存在
  4. 原因の不十分
  5. 追加の原因
  6. 原因と結果の逆転
  7. 予想される結果の存在
  8. 同語反復/循環論理

 上記記事にもあるとおり、CLRのチェック項目は全部で8つあります。が、これは問題が発生した際の原因究明に使うものなので、そうではないケースでは上の2項目だけで十分だと思います。つまり「①言葉の意味が理解できて、②その言葉が指し示すものの存在の有無や大きさが確認できる」状態であれば問題ないと思います。


 今回、オレはLeSSとの比較対象を列挙する際、「普通のアジャイルで開発した場合」と表現したものを「8人1チーム程度の一般的なお手本どおりのスクラムで開発した場合」と訂正しました。これでもまだ曖昧な内容ではあるんですが、あまり細かく定義しすぎると汎用性が失われますし、とりあえずこの内容で「まぁそれならいいんじゃない」とメンバーにもお許しいただけたので、本記事上でもよしとして頂けると嬉しく思います。


 何事においても、言葉の意味は明確にし、誤解や拡大解釈を防ぐよう心がけることが必要です。CLRシステム開発でも要件定義やテストの際に活用すると便利だと思っています。興味がある方はTOCやその教育(子供)向けのTOCfEに関する書籍が何冊か出ているほか、セミナー等も定期的に開催されていますので、良かったら調べて学んでみて下さい。……あ、でもCLRを普段の会話で使い過ぎると、「お前と話すのはめんどくさい」と周囲から煙たがられるのでご注意あれ。特に男性が女性に対して使い過ぎると喧嘩の原因になりかねません。使用はあくまで自己責任でお願いします。



XP祭り2017 #xpjug :LT祭り発表内容「オペレーション戦略をご存知ですか?」公開資料

はじめに

takigawa401.hatenablog.com

 というわけでXP祭り2017:LT祭りで発表した内容はSlideShare等に上げるつもりは無かったんですが、後から「もう少し詳しく」という話をごく一部の方に頂きましたので、しゃべった内容を追記して書いてみます。





LT発表内容

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(via: https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00J486UXU/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=teammfria-22&camp=247&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=B00J486UXU&linkId=40027280845b33984ace72541c9cf354 )

 それでは「オペレーション戦略をご存知ですか?」というタイトルで始めさせて頂きます。テックファームの滝川と言います。何度も出てきてスミマセン。もうちょっとだけお付き合い下さいね。
(※筆者注:この日は既に野良LT、ビブリオバトルと登壇しており、LT祭りで3回目の登壇でした。A会場にずっと居た人は「またコイツか!」と思ったでしょうね、笑)


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(via: https://www.google.co.jp/maps )

 みなさんご承知のとおり、今回のXP祭りはいつもと異なる場所でしたが、オレはちょっとだけ馴染みがありまして。オレは5年くらい前に早稲田大学の早稲田キャンバスに月2ペースで半年くらい通っていたことがありました。今回の会場変更を聞いて懐かしく思い、それじゃあその時の話でもしようかなと思いLTを準備してきたんですが……。


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(via: https://www.google.co.jp/maps )

 実は早稲田キャンバスじゃなくてビミョーに場所が違ったんですねぇ。いやぁ弱った。でもまぁ今更内容変更も出来ないので、このまま押し切ります。


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(via: http://school.nikkei.co.jp/special/mba2017w2/ )

 さて、なんで月2ペースで半年も通っていたかというと、早稲田大学と日経が「MBAエッセンシャルズ」という講座を開講していて、それを受講していたんですね。


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(via: https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00J486UXU/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=teammfria-22&camp=247&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=B00J486UXU&linkId=40027280845b33984ace72541c9cf354 )

 「MBA」はご存知の方も多いと思いますが、ざっくり説明すると経営者のための知識体系で、ビジネスパーソンが身に着けていると喜ばしいとされるものです。この講座ではその「MBA」の要素、簡単なさわりだけを一科目あたり2時間程度の講座で教わって、なんとなくMBAの雰囲気を掴もうというものです。全部で8万ちょいするんで、一講座あたりだいたい5,000円くらいですかね。今はもうちょっと受講しやすくなっていて半分ずつを4万強で受講できるようになっているみたいです。興味があったら後で調べてみて下さい。あ、ちなみにオレは早稲田大学や日経から金貰ってるわけでも回し者でもありませんのであしからず。


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(via: http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301663717-7 )

 この「MBAエッセンシャルズ」の中でオレが特に興味を持ったのは、遠藤功教授の「オペレーション戦略」という講座です。


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(via: https://ameblo.jp/iigokuu/entry-10909530981.html )

 では「オペレーション戦略」とはなんなのか? 「オペレーション」とは普段の業務・作業・運用のことを指します。ざっくり企業活動における「ボトムアップ」のことです。


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(via: https://flymee.jp/gallery/144/ )

 一方で「戦略」とは「経営方針」や「企業指針」の事を指します。こちらもざっくり「トップダウン」のことになります。


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(via: http://takigawa401.hatenablog.com/entry/20120920/1348730509 )

 MBAの「オペレーション戦略」はSCMなどマーケティングを仕事にしていない人にはあまり耳馴染みの無い内容も多いんですが、この遠藤教授の授業は「そんなものより今日本でオペレーションが強い会社からもっと学ぶべきだ!」とばかりに、主に事例を中心に紹介して頂きました。ここからはその事例を紹介していきます。


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(via: http://www.1101.com/yamato/ )

 まず一つ目ですが、宅急便の「クロネコヤマト」です。2011年に起きた東日本大震災のわずか2日後の写真なんですが、ガレキの中をヤマトのトラックが走っている様子です。これ、誰かにトラック走らせろ、と言われた訳じゃなく、現場のセンターの方たちが自分たちの判断で営業を震災後たった1日で再開させてるんですね。「荷物が来なかったらみんな困るだろう」って。何十kmも歩いて、時にはガレキもどかしながら。本社の経営陣もまさか営業再開しているなんて思いもよりません。

 で、その経営陣の方がこの写真を見てまず一番最初になんて言ったか。「おい、うちの車が盗まれたぞ。」


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(via: https://www.jibtv.com/programs/resilient/20130531.html )

 続いて、鉄道整備の「TESSEI(テッセイ)」という会社です。新幹線などの掃除を請け負う会社なんですが、ちなみに新幹線に乗ったことのある人は?(会場挙手) まぁほぼ全員乗ったことありますよね。じゃあ絶対このオバちゃんたちを見たことがあるはずです。このオバちゃんたち、あの十何両もある新幹線を、たった7分で完璧に掃除しちゃうんです。トイレ掃除もゴミ捨ても忘れ物の捜索も、全部含めてたった7分です。車両掃除の時間はそのまま電車の発車までの準備時間になります。どれだけ早く掃除できるかが、どれだけ多くの新幹線を走らせられるか、に直結するんです。新幹線が今これだけ頻繁に走っているのは、彼女たちのおかげなんです。


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(via: http://toyokeizai.net/articles/-/134844 )

 さらに、彼女たちは、新幹線がホームに入ってくるとき、出て行くとき、必ず一列に並んで一礼をします。こんなことをやれ、なんて彼女らは上から言われてないんですよ。全部オバちゃんたちが自分たちで考えて自分たちの判断でやってるんですね。


 これを視察で来日したフランスの国鉄総裁が、こんなことを言ったそうです。「あのオバちゃんたちを我が国に輸出してくれ!」人身売買だからダメです。


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(via: http://kiirowa.biz/teiban/teiban6/teiban6-00300.html )

 ヤマトにもTESSEIにも言えることですが、どちらも現場の判断で動いて、現場をより良くしていこうとカイゼンを続けています。なぜこんなことができるのか? それは経営陣が現場を信じて、現場に多大な権限委譲をしているからなんですね。ヤマトなんかも現場の権限が物凄く強くて、センター長くらいの立場だと現場に関わる判断は殆ど上にいちいちお伺いを立てずにできるそうです。


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(via: http://www.yamato-hd.co.jp/investors/kojin/yamato/02.html )

 ではなぜそんなに権限委譲ができるのか? それは戦略=方針がハッキリと明示されており、しっかり現場の人ひとりひとりに浸透しているからなんです。ヤマトの「ヤマトは我なり」から始まる社訓はとても有名で、会社のことを我がコトとして捉えています。その理念を体感するための仕組みとして「いかに自分たちの提供するサービスが世の中の役に立っているか」「ヤマトのサービスが世の中に必要とされているか」を説明した映像を新入社員に見せるのだそうです。


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(via: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A%E8%A8%98%E5%BF%B5%E6%97%A5 )

 この辺は自衛隊もおなじだそうです。自衛隊に入隊すると、体力を鍛えることよりも、重機の扱いを覚えることよりも、まず「自分たちの国が如何に素晴らしくて如何に尊く、自分たちが命を賭して守る価値があるか」を教えられるのだそうです。それが無かったら鍛えた身体も重機も意味をなさないし、逆にそれがあるからこそ、甚大な災害が起こるたびに身体を張って災害救助にあたってくれるのですね。


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(via: https://twitter.com/beerbearbeat/status/783283236612866048 )

 遠藤教授は「トップダウン=求心力」「ボトムアップ=遠心力」とおっしゃっていました。どちらが欠けても企業としていびつになるし、体をなさなくなる。ただ、どちらがより重要かといえば、「ボトムアップ」だとおっしゃっていました。客に見えない部分(=経営陣)がポンコツでもある程度まではどうとでもなるけど、客に接するオペレーションの部分がポンコツだと仕事はうまく回らなくなってしまう。


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(via: http://www.suginamigaku.org/2015/01/val-laboratory.html )

 この会場(XP祭り)に居る人たちに最も身近な例は、「駅すぱあと」のヴァル研究所さんじゃないかなと思います。


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(via: http://gaiax.hatenablog.com/entry/2016/08/09/155403 )

 5年くらいまではよくある老舗の会社……悪く言えば現場の勢いが落ちて停滞しぎみだった会社だったのが、今やカイゼンを続け会社の至るところにカンバンがある元気のある会社に変貌しています。この写真はたぶん総務の方が自分たちのカンバンを紹介されている様子だと思いますが、総務でカンバンやってるところなんてありますか? どんな進んだ会社でも業務部門でこんなことやっている会社、そうはないですよ。


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(via: https://twitter.com/araratakeshi )

 で、その立役者であるヴァル研究所の新井さんに以前話を聞いてみました。元々レガシーだった会社に耐えかねて、ある日取締役会に直談判に乗り込んだとのこと。それを見た当時の経営陣が「そんじゃあちょっくらやってみろ」ということになり、それまで平社員だったのがいきなり役職を与えられてしまったそうな。後は地道なボトムアップを繰り返していたら、だんだん周りの人が手伝ってくれるようになり、いつの日にか会社見学ツアーで数ヶ月待ちの順番待ちが生じてしまうような有名な「カンバン・カイゼンの会社」になってしまったそうです。
 新井さんは聞くたびに「僕は何もしてない」と繰り返しおっしゃられていますが、まず直談判して経営陣に承認させたことが重要なんです。承認を得た・自分が地位を得たことでそれを戦略として明示させた。承認した以上、上の人も放置するわけには行かないので、結果的にウォッチし続けることになる。そしてその中でボトムアップによるカイゼンを繰り返し続けた。それによってたった5年でヴァル研究所を他に類を見ない「現場が元気な会社」を作り上げたんです。おそらく新井さんは意識しなかったでしょうが、まさに遠藤教授のおっしゃるオペレーション戦略に則り、ボトムアップトップダウンの両方の力学を作用させた結果と言えます。


 ちなみにヴァル研究所さんからもお金は頂いてませんし回し者でもありませんが、これからお声がけ頂く分にはぜひご相談させていただきます。


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(via: https://www.instagram.com/p/BKbKHvtALp-/ )

 そのほか、遠藤教授はことさら「飲みに行く」ことを強調されていました。現場で飲みに行く、愚痴を言い合う、腹を割って話す、そうやって現場で一致団結し覚悟が決まっていくのだそうです。酒は元気な現場の礎です。なので我々もこの後ガッツリ飲みに行きましょう!
(※筆者注:LT祭りの後はクロージングを経て懇親会でした)


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(via: https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00J486UXU/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=teammfria-22&camp=247&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=B00J486UXU&linkId=40027280845b33984ace72541c9cf354 )

 以上、MBAのオペレーション戦略のご紹介でした。現場を元気にしたい、カイゼンしたい、という方は参考になさってみて下さい。


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 ちなみに、遠藤教授は昨年(2016年)に退官し、「MBAエッセンシャルズ」の講師も辞められてしまったそうです。それじゃあ何してるのかなぁ、と思ってついさっき調べてみたら……。


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(via: https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01M9K3R9H/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=teammfria-22&camp=247&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=B01M9K3R9H&linkId=adbfd052b33d5aaa745578973b6cb613 )

 なんか身も蓋も無いタイトルの本を書いていました。いやぁ弱っちゃいましたね。それではご清聴有難うございました。




おわりに

 公開にあたりだいぶ内容を足したので、このまま読んでもLTの枠5分は超えてしまうことはご承知置き下さい。


 今回のLTには、とある2つの狙いがあって「画像のみ」のスライドを作成しました。


 1つ目は、スライド作成コスト削減のため。
 LTとはいえプレゼンスライドを作るのはなかなか大変なので、ちょっとでも楽しようとした次第です。「画像探すのも結構大変じゃない?」とも聞かれたんですが、難しいのは「画像と文章の組み合わせ」で考えることあって、画像だけだと文章側をいくらでも柔軟に変更できるので、多少それっぽければ割となんとでもなります。


 2つ目は、撮影対策。
 最近IT系の勉強会やセミナーでは、他人のシャッター音がうるさくて講義に集中できない、という意見がチラホラ見られます。オレ自身は全くそういうのを気にしないんですが、せっかくなので「撮影しても意味の無いスライドにすれば撮影されない=シャッター音が響かないのでは?」という提言も兼ねていました。スライドの作り方次第で、シャッター音の抑制はある程度できるんじゃないか、と仮説を立ててみました。問題を聴講者にばかり押し付けるのではなく、登壇者が我がコトとしてもっと捉えてもいいんじゃないかな、とオレは考えています。


 今回、前者に関しては、スライド作成時間が1時間程度なんで、使い回しとかしてない割には、まぁ上手く行ったかなぁと思います。後者は、まぁそもそもLT祭りで全スライドを撮影する人は皆無なので、効果のほどを測定することはできませんでした。1時間くらいのセッションが持つ機会があったら、また試してみたいですね。




 以下は今回発表のネタをお借りした遠藤功教授の著書です。オレもまだ全部読めてないので、早めに読むようにします。


XP祭り2017に参加してきました。 #xpjug #随時更新終了

 本日は早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構で開催されている「XP祭り2017」に参加しています。久々に随時更新にチャレンジ。さらっと雰囲気だけ分かるようなものを書いていきます。

※2017/09/18 追記

 最終更新を完了いたしました。

www.waseda.jp




まんざい

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 毎度おなじみ、Agile仙人こと小井土さん・福井さんによるアイスブレイク。オレはちょっと遅刻して着席したんですが、その時にはXP入門と題してかなりまじめな講義をなさっていました。
 ……が、いつの間にか完全に雑談になってました。XP祭りらしいユルい始まりですね。安定で安心。




【基調対談】ワークスタイル改革を実践者する二人が、働き方の本質を語る(青野 慶久さん、倉貫 義人さん)

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 サイボウズ青野さんとソニックガーデン倉貫さんの社長コンビによる、「働き方改革」というテーマでの対談。

  • 倉貫さん
    • ソニックガーデン社長
    • 社員の半分が地方
    • 納品のない受託開発
  • 青野さん
    • サイボウズ社長
    • イイカンジにブラック
    • 不満があったら言って→これでもかとばかりに不満が出てくる
  • 二人ともプログラマ(青野さんはかつて、倉貫さんは現役)
  • 倉貫さん「プログラミングは遊びなのに金がもらえる」
  • 青野さん「開発者は運用を嫌がる」
    1. クラウド導入
    2. 客のデータ預かってるのに落としたら不味いよね
    3. 開発者も運用をやるようになった
  • 倉貫さん「運用専任者がいるけど運用することそんなにない」
    1. プログラミングしだした
    2. 開発者が危機感持ち出した「開発だけやってるとまずいぞ」
  • クラウドやってると開発者も運用できる(プログラマブル)
  • 運用者もRubyとかだとメモリとか細かいこと気にしないでプログラム書ける
  • 個人の中でDevOps
  • 開発と運用を一気通貫するのが良いかなと
  • 次に何をなくすか
    • 倉貫さん「管理をなくそうとしている」
      • 経営はさすがになくせない
      • 中間管理職を置きたくない
        • その言葉だけで悲劇
      • 部署をなくした
      • 上司がいない
        • 承認プロセスがない
          • 購入申請とか休暇申請がない
      • クレジットカードの暗証番号を社内公開した
        • 誰が何買ったか、フルオープン
          • 社長もフルオープン、美味いもの食うとすぐバレる
      • 個人評価をなくした
        • プログラマは評価しづらい
          • プログラマは良いコードを書きたい
          • 良いコードを書いてもすぐにお金を生まない
          • 数年後にメンテするときに楽になるかも
      • 賞与はみんなで山分け
      • 給料はいきなりMAXであげる
        • でもこれ以上は上がらないよ
        • もっと欲しかったら副業して
        • 地域格差がないから社員がみんな地方に移住する
          • 社員の方が社長より良い家に住み、良い車を乗ってる
          • 長野に移住した社員
            • 毎日スノーボード
              • 1ヶ月に40回スノボ行ってる→倉貫さん「計算合わねーぞ」
  • ほしのカンパニー
    • 「働き方改革」じゃなくて「休み方改革」
    • 星野さんはスキー大好き、スキーを中心にスケジュールを組む
      • それに合わせて会社の働き方も変えた
  • 「自立」
    • 自分で考えて
    • 自分で決めて
    • 自分で責任を取る
    • ちょっと前まで全部会社が決めてくれた時代があった
      • それはもう成り立たない
  • 社長は社員んを洗脳して抱え込みがちだけど、そうではない考え方
    • マイキャリ
      • 自分のキャリアを考えさせる(議事録取って)
      • 社内ドラフト会議
    • 逆ドラフト
      • 伸び悩みがちな社員を上司が指名して部署移動させる
        • 断るのもOK
  • 人が会社から出ていくのを必ずしも悪いと思わない方がいい
  • 会社からみんな去るような会社にはそもそも存在意義がない
  • 経営者としては覚悟がいる
    • 社員の抱え込みではなく魅力で社員が残ってくれる会社
  • 退職金制度
    • 20年は辞めるな、という制度
    • 「今辞めたら損だよ」←どんな脅迫だよ!?
  • 目標管理制度
    • 目標を低く(難易度低く)するしかない
  • 子供の時には人生について考えるタイミングが3年に一回くらいある
    • 小中高大
  • おとなの進路相談が必要
    • YWT
      • 新人はキラキラしたこと言う
      • ベテランほどネガティブなことを言う「営業やってみたけど成果出ないし向いてませんでした」→「じゃあどうすんの?」→「こっちが得意だからこっち頑張ります」→覚悟が決まるからか、本当に頑張る
      • 普通の会社ではネガティブなことは発言できない
  • 部署間の仲が悪いのは、相手がどんな仕事するか知らないから
    • 相手の仕事が楽そうで目立ってたりするとイラっとする
  • 副業の話
    • 伊藤さん:ソニックガーデンのリモートワーク第一号
      • 「なんで上京できない?」→「奥さん大好き」奥さんが関西で家建ててパン屋やってる
        • 木金がスケジュールいつも埋まってる「パン屋の従業員として働いてる」
        • そのうちソニックガーデン社内でパン売り始めた「ソニックガーデンの方に特別枠で10個通信販売します!」
  • 日本の会社は余計なことをいっぱいやってる
    • 働き方改革以前に余計なことを止めろ!
  • これからは複数スキルが必要
    • 楽するためにプログラミングすればいいじゃん
      • 総務のお姉さんにkintone教えたら業務やりながらアプリ作って、そのアプリで業務改善しちゃった
  • 日本で業務をハックする業務ハッカーを増やしたい
  • 社内風土を作るのがマネジメントの仕事
  • まとめ
    • 青野さん
      • ITエンジニアはもっと声を上げてほしい
    • 倉貫さん
      • スタッフから「青野さん紹介してくれ。XP祭りで。」大丈夫かホントに!?って思ってた→盛り上がってよかった
      • 小井戸さん「倉貫さん働いてるか遊んでるか分からないね」←最高の誉め言葉
      • 遊ぶ感覚で働く文化をもっと広めたい

 ちゃんとアジャイルを踏まえた内容になってたのがすごいなぁと思って聞いてました。お二人ともトークがめちゃくちゃ面白いですね。ソニックガーデンさんもサイボウズさんも働き方改革の先駆者とあって普通の会社とは全然違いますね。ただ、「会社の仕組みをカリカリにチューニングして無駄を徹底的に省いている」からこそ実現できているのであって、残業禁止とか、20時になったら電気消すとか、小手先だけ変えるアプローチをやってる会社が「実現が難しい」とか言っちゃうのはちがうよなぁ、としみじみ思った次第です。


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野良LT

 お昼休み恒例の野良LT。会場が狭い普段と違うせいか、エラく盛況でした。ちなみにオレも発表しました。ノースライド・ノープランで喋ったの初めてだ。オレがしゃべったのは以下のブログ記事の続きの話です。

takigawa401.hatenablog.com



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lp.bellare.jp




XP祭り2017:大企業だけど新規ビジネス開発をモブプログラミングでやってみた

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 楽天の川口恭伸さんから、自社でやられているモブプログラミングへの取り組みと、そこから得た学びの話を発表されていました。セッションタイトルが変更されていたんですが、ちょっとメモしきれなかったので、XP祭り2017のプログラムから引用しました。直前の野良LTの及部くんと内容がかぶっとる……完全に同士討ちだ。
 オレは普段から及部君や川口さんとはお話させていただく機会がちょいちょいあるので、モブプログラミングの話も割と聞いていた内容だったのですが、今回の川口さんのお話はオレの中ではそれをアップデートする形でした。楽天テクノロジーカンファレンスでもいくつかセッションがあるほか、本家モブプログラミングのHunter社のクリスが来るらしいので、興味ある人は10/27, 28は空けといてくださいませ。


www.youtube.com
A day of Mob Programming - YouTube



モブプログラミングという働き方 #DevLOVE // Speaker Deck


www.eventbrite.com

tech.rakuten.co.jp



新米エンジニアがレガシーシステムを死に物狂いでグロースハックした話

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 リクルートテクノロジーズの横山翔さんの発表。いやぁ、物凄い分量でした。発表終わった後で「本当にあの分量をたった4ヶ月でやったんですか?」と質問させて頂いたんですが「本当です(キリッ」とこいつマジかよみたいな回答が返ってきました。ドメイン駆動設計とか読むだけで4ヶ月使い切っちゃいそうな感じですけどねぇ。ブートキャンプもビックリなハードトレーニングですな。スライドの丁寧さなんかを見ても、まじめで実直な方なんだろうなぁ、というのが伺えます。こういう人がちゃんと報われてよい働き方ができるようになるといいんですけどねぇ。(まだ午前中の対談の影響を受けてる)




xUTPから学ぶ、記述性の高いユニットテスト

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 リクルートジョブズリクルートテクノロジーズの高橋陽太郎師匠のセッション。コードだらけだから前の方に来てえ!という呼びかけからスタート。お話の最中にちょいちょい「宗教上の理由」っていうパワーワードが入ってくるので、気になって気になってしょうがなかったです。あと聞いてて思ったけど、オレもう数年レベルでJava書いて無いなぁ。(直近はnode.jsかな、ちゃんとテスト書いてましたけど、苦手ではあります。)


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シンプルデザインについて

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 渋川よしきさんのセッション。時間枠を大幅に超える熱の入った発表でした。「シンプルってデザインってなんやねん?」ってお話なんですが、UIの話ではなく、デザイン=設計、つまりシンプルなプロダクト・プログラミング設計に関するお話。「シンプルデザインのパタンランゲージ」という提言をされていて、パタンランゲージのお話をついこないだ聞いてきたばかりのオレにとっては、とても親近感のある話でした。「シンプル」と一口に言ってもシチュエーションや人によって「シンプル」の定義は異なるものを「パタンランゲージ」で共通理解を得ようとするアプローチは、個人的には正攻法だと考えます。

 あとで懇親会で渋川さんとお話しさせてもらったんですが、「初心者がパタンランゲージを学んだり、ソフトウェア開発のパタンランゲージを考える場が無くなっているのではないか。」とおっしゃっていたのが印象的でした。既にパタンランゲージを学んでいる人がマニア的に突き詰める場はあるのかもしれないけれど、初心者が置いてきぼりになっている、パタンランゲージのハードルが上がりすぎてる、というご意見でした。たしかにその通りかもなぁ。




リソース効率性とフロー効率性について

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 リクルートジョブズリクルートテクノロジーズの黒田樹さんのセッション。リソース効率性(人員をいかに有効活用するか)とフロー効率性(製品・サービスをいかに早く提供するか)の話で、最後のまとめにあるようにマルチタスクとシングルタスクどっちを取りますか?という結論でした。なかなかフロー効率を選択することって、やっぱり難しいんですかね。どっちがより良いか、価値が分かっててもできない、という話を先日別のところでも聞いてきただけに、なかなか選択する勇気が出せない状況が大勢なのかな、という気はします。



「システムメタファ」再考 – 秘匿されたXPのオリジナルプラクティス

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 永和システムマネジメントの天野勝さんのセッション。XPのプラクティスの1つ「メタファー」について取り上げられていました。何かを「たとえ」て相手に説明する手法をメタファーと言っていますが、「たとえ」を何にするかで与える影響が異なる、ということを簡単なワークを通して(ワークが成功したかどうかはともかく)説明されていました。ソフトウェア開発にはメタファーが高頻度で採用されているのは、ソフトウェア開発という領域が産業活動の中で比較的後発で、参考にできるものが既に巷にあふれてる=新たに言葉を定義する必要がないからじゃないかなぁ、となんとなく思いました。あるいは、ソフトウェア自体に実体が無く、具体的な形あるものでたとえることが理解につながりやすいのかな、と。
 オレもよく例え話をするんですが、まーーー「お前の例え話は分からん」と言われるとショックっすな、割とセンスを要するイメージなので、自分のセンスを否定された感はあります。抽象化能力を高めればいいんですかね。抽象化能力ってどう上げりゃいいんだ?


 

ビブリオバトル

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 昨年から始まったビブリオバトル。有志が本の紹介をし、一番みんなが欲しいと思った本を投票を決めよう、というイベントです。XP祭りは出版社からいっぱい献本いただいてるのに、意外と出版社に対して感謝の意を述べてないんじゃないか?という問題提起からXP祭りでも開催されるようになりました。今回は6人+時間が余った管理人の納富さんが発表。結果はクロージングで発表される予定です。
 ちなみに昨年一位になった本は、XP祭り後にAmazonで売り切れる事態になったそうです。すごいな。


中さん:いちから聞きたい放射線のほんとう: いま知っておきたい22の話(筑摩書房)

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城ケ崎さん:異文化理解力(英治出版)

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川鯉さん:ビジネスモデル症候群(技術評論社)

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及部さん:チームが機能するとはどういうことか(英治出版)

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滝川:よくわかる人工知能 最先端の人だけが知っているディープラーニングのひみつ(アスキーメディアワークス)



横山さん:金哲彦のマラソン練習法がわかる本(実業之日本社)

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納富さん:インターネット的(PHP研究所)

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LT祭り

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 XP祭り名物のLT祭り。今回はなぜか計画段階でタイムオーバー確定だそうです。エクストリームすぎるだろ。

原田巌さん

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手島尚人さん

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小田博司さん

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川鯉光起さん

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滝川陽一

※スライド公開の予定はないんですが、後で気が向いたら解説チックな記事は書こうかと思います。以下の記事は今回の発表の内容そのまんまなメモです。

takigawa401.hatenablog.com

石橋琢磨さん

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高柳謙さん

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faciliview.connpass.com

及部敬雄さん

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中大和さん

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クロージング

 一番最初に会場をご提供いただいた早稲田大学の鷲崎先生からの宣伝というか告知というか。以下のようなイベントやセミナーがありますよ、とのことでした。
(※サイトが見つからなかったものについては掲載出来ておりません。)

www.computer.org
www.wikicfp.com
www.ipsj.or.jp
www.inderscience.com




 続いてビブリオバトルの結果発表。城ケ崎さん「異文化理解力(英治出版)」が圧倒的大差で優勝しました。いやぁ、あれには勝てんわ。ご自身の海外経験でのご苦労を踏まえての話は、参加者の中でもダントツに面白かったです。




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 出版社からご提供いただいた本のプレゼント祭り。若い人や初参加、初登壇の人から自由に一冊ずつ選んでもらっていってます。寄贈いただいた本は以下。良い人に貰われていくんだよ。


XP祭り2017:協賛・寄贈本









 オレもLTとビブリオバトルに登壇したので貰えたんですが……。


 その間、本を執筆・翻訳された方の宣伝タイム。


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懇親会

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 懇親会はこんな感じでした。XP祭りの懇親会で立食って、オレは初めてな気がしますね。最初のビールの待ち行列がなかなかどうして辛かったですが、あとは概ね楽しくワイワイやってたんじゃないでしょうか。
(さすがに疲れ果てていたので、ボッチの人を救済するところまでは行けなかった、スミマセン)

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 こちらは二次会の様子。帰り道がたまたま一緒だった人に声をかけたら、なんと8人ほど引っかかりました。なんかずーっと漫画とアニメの話をしてた気がするな。

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ch.nicovideo.jp


 ちなみに、今回現金の持ち合わせがなかったオレは、一次会・二次会共にてらひでくんから飲み代を借りました。いやぁ、持つべきものは良い友人ですね。(来週あたり返すから予定教えてくれい)



感想

 全体の大まかな流れは以下のTwitterまとめからご覧ください。
togetter.com


オレ自身、XP祭りは何度も参加している気がしていましたけど、過去の記録を見返すと、2011年が初回参加で、今回2017年で4回目らしいです。意外と少ないな。いつ参加しても、良い意味でユルいたてつけで、誰でもいつでも登壇側に回れて、本当に良いイベントだなぁと思います。



 今回は及部くんと同様、オレも野良LT → ビブリオバトル → LT祭りと登壇三連覇を果たしました。3つ合わせてもトータル準備時間が3時間弱という低コストっぷりで臨んだんですが、それなりに形にはなったものの出来としてはイマイチでしたねぇ。準備コストが低いっていう点では及部くんも同様だったはずなのに、アイツのは結構クオリティ高いんだよなぁ。実に腹立たしい限りですが、実力不足を素直に認めて、来年また出直してきます。(そういえば及部くんは来年は仙人漫才の枠を乗っ取るらしいです。マジかよ。)


 とは言いつつも、ちょっとでしゃばりすぎてしまったんじゃないか、と後になって心配もしています。オレがLTやセッションをやることで、若手の枠を奪ってしまっていないか、などなど。会場での振る舞いも含め、自分が「老害」と化してないか、はどうしても気になります。
 かといって、単なる傍聴者・参加者というのもなんだかなぁ、と。オレの立場は、単に受け取るだけではなく、恩返しをする側に回るべきでしょうし、ただ参加して楽しかったです、で終わるのはいかがなものかと思っています。恩返しの形が登壇だけなのか、他にないのかは、今後考えて行かなくちゃならんですね。


 今回のXP祭りは会場がいつもと違ったんですが、そのせいで公募総数に対して実際に設けられたセッション数がだいぶ少なかったらしいです。なんでも倍率が2〜3倍だったとか。つまりそれだけの数の人が発表の場が無かったわけですが、まぁこればっかりはしょうがないですね、会場都合なわけだし。スタッフの皆さんがどんなに頑張っても限界がある。
 毎回XP祭りが終わると「もうちょっと補足しておきたい」とか「(発表の内容の)その続きをやりたい」という声がチラホラ出てきます。大抵は形にならずに終わっちゃうんですが、そういうのと合わせて別の形で開催できるように手助けできないかなぁ、と個人的には考えています。(オレ自身は今回だいぶ大暴れした感あるんで、もういいや)
 なので、「XP祭りの公募枠から漏れて発表できなかった」「XP祭りに参加したら自分もなんかやりたくなった」って人がいたら、裏方仕事は(ある程度は)引き受けるので、気軽に声かけてください。XP祭り以上にラフなしきりでなんかテキトーにやれたらいいな、と思っています。


 最後に、スタッフのみなさん、お疲れ様でした & ありがとうございました。また来年も楽しく遊びましょう♪


「ファシリテーターズ・インタビュー vol.22 中埜博×ガオリュウ」に参加してきました。

はじめに

 昨晩は秋葉原某所で行われた対談イベントを聴講してきました。ファシリテーターとして活動していらっしゃる高柳さん(@DiscoveryCoach)が、パタンランゲージで有名な中埜博(なかのひろし)先生にインタビューをする、というのが主な内容。(裏テーマに、中埜先生とのコラボ企画を複数作り出す、というものがあるらしいが、それはさておき)以下イベント詳細。

ファシリテーターはどこにいますか?」そんな問いから始まったこの企画。ファシリテーターが気になってるファシリテーターにインタビューして、聞きたいことを聴きだそうという企画です。

 今回はとある方から縁をいただいてパタンランゲージやまちづくりで有名な中埜博さんにインタビューさせていただけることになりました。私にとってはワークショップという面で、場づくり(とくに空間の使い方)についての考え方など知りたいことがたくさんあり、2時間で聴ききれるものではないとすでに楽しみになっています。対話の空間、ファシリテーションのパタンランゲージなど私のファシリテーションの視点で切り込んでみたいと思います!

ファシリテーターズ・インタビュー - Facebook




 オレ自身のパタンランゲージに対する理解は、以前書いた以下の記事をお読みいただければと思います。

takigawa401.hatenablog.com


 このイベントに際して、オレ自身のスタンスは単なる一聴講者であり、自分用のメモを取る以外はひたすら聞くことに徹しようと思ってたのですが、なぜか以下のようなキラーパスが来てしまい……。



 しょうがないから、メモとして放流したTweetのまとめと、簡単な感想のみを記録として残しておきたいと思います。


メモ代わりのツイート



感想

 いやぁ、久々にホンモノのオタクの本気の話を聞きました。こういう体験ができるのは、積極的に勉強会とかに参加していたとしても、せいぜい数年に一度あるかないか、というレベルですね。中埜先生の話は深く、それでいて広い。まさかパタンランゲージの話を聞きに来て、量子物理学や化学、宗教学にまで発展するとは思いもしませんでした。圧倒的に面白かったです。
※オレの「オタク」という用語の定義は以下の記事で行っておりますのでご確認ください。


takigawa401.hatenablog.com


 オレのこれまでの理解では、「パタンランゲージ」の「パタン」とは「道具」であり、いわばカードゲームのカードだと理解していました。カードそのものを端的に表す「名称」があり、それがすなわちその道具を把握するためのショートカットの役割をなす。カードは「効能」と「副作用」の両方を持ち、状況や相手によって「効能」が強まったり弱まったり、あるいは「副作用」が顕著に現れてたり逆に打ち消されて効能と同等の効果を発揮したりする。組み合わせで使う(=コンボ)ことで複合的に作用し、本来の個々の力以上のものを発揮しうる。そんなイメージです。遊戯王カードやマジック:ザ・ギャザリングをプレイしたことがある方なら、イメージがわき易いんじゃないかと思います。


 その理解はおおよそでは間違ってなかったという認識なんですが、今回のインタビューの中では「意見」「情報」「思い」「状況」と言ったものにも「パタン」は存在する、それらを個人に留めておくのではなく共通し理解を得るために言語化することが「パタンランゲージ」だと伺いました。ここはオレがこれまで誤解していた最も大きな点だと思っています。
 これらは人が持つ「意見」や「思い」、場が持つ「状況」から特定の要素を具体化して取り出し、共通認識を持つ作業で、原子や分子を見つけ出して特性を明らかにし命名する行為に近いのかな、と思っています。ただし中埜先生はその行為を「観察が始まった瞬間に形を変えてしまう」ことから「量子物理学」だと表現されていました。確かに、最初のプリミティブな「意見」「情報」「思い」「状況」から特定要素を取り出して言語化してしまうと、少なからず最初のプリミティブな状態からは変質してしまいます。それでも、言語化しないと相手には伝わらないし、共通認識を得ることはできない。この辺の話は、以下の美大生と工大生のやりとりを分析・解説した記事が、とても分かりやすく表現しているなぁと思って読んでいました。中埜先生は「秩序を取り戻す作業」とおっしゃっていましたが、個人的にはとても腑に落ちました。


medium.com


 また、パタンランゲージは、東洋人、というか、多神教国家の人間の方が理解が早い、というのも個人的な意見と同じで嬉しかったです。特性を分析し抽象化し言語化して、それらを別の生きている何か(精霊・妖怪)に置き換えることができる。「場」や「モノ」が特性とエネルギーを持ち、生命力を感じることができる。擬人化なんてのが最たる例だ、なんて話も感想で言わせて頂きました。日本人はパタンランゲージが得意、なんて言われたら、そこそこ悪い気はしないっすね。


 今回はインタビュアーがファシリテーターを本職とする高柳さんだったので、パタンランゲージとファシリテーションをどう結びつけるか、という話が多かったですが、個人的には勉強会等で高柳さんの振る舞いを拝見するに、結構パタンを活用してるよなぁと思っていたりします。あとはご自身でその手法に命名するだけかな、と。中埜先生の話が高柳さんの中でどういう気付きになったのか、は、いづれまた別の機会にゆっくり聞かせていただければ嬉しいです。



余談

 メモをTwitterに放流してたら友人にこんなこと言われてた。


 ( ゚∀゚)o彡゜オッパイ!オッパイ!

たとえ趣味が同じでもなにかしら仕組みがないと関連した友達は作れない

 突然ですが、今週末9/08(金)に新宿:bit&innovationで開催される「TOC実践分科会:TOC思考プロセスを超える第3++世代TPvs第4世代TP」に参加します。今回は登壇者の西原さんと森さんが対決するためのお題提供という形でお手伝いさせてもらいました。よかったらご参加ください。(オレ自身は発表するかどうか今の所ビミョーです)


www.j-toc.jp



 TOCがよう分からん、という人は、とりあえずロジカルシンキング的な何かだと思ってもらえればOKです。一応解説記事を貼っておきます。


mba.globis.ac.jp
www.goal-consulting.com


 あとついでに、以前オレが書いたTOCfE(TOCの教育向け)の記事を以下に貼っておきます。(手前味噌で恐縮ですが)


takigawa401.hatenablog.com




 さて、本題。
 このイベント用にオレから出させてもらったお題は、Jリーグのサッカーチームの運営に関するものなんですが、昨日そのお題について取り組んでいる時に、ふと「サッカー観戦って、意外と人を誘いにくくないか?」という話になりました。

  • サッカーを知らない人に見どころを伝えにくい
  • それなりにお金がかかる
    • 自由席で2,000〜3,000円
  • 必ず楽しいことがあることを保証されていない
    • 有名(ex:日本代表経験)選手が出場するかどうか
      • そもそもそのチームに有名選手がいるか
    • どちらが勝つか負けるか
    • ゴールが入るか
  • チャラチャラしたイメージがある
  • 割と駅から遠いことが多い
  • サポーターが暴れるイメージを持っている
  • etc...


 オレは会社の先輩が熱烈なサッカーファンで、その先輩に半ば強引に誘われたのがきっかけでした。オレの他にも社内で彼に誘われて試合を見に行った人間は沢山いましたが、結局その後も趣味としてサッカー観戦を定期的に行っているのは、オレも含め2〜3人だけです。
 ではオレ自身は、というと、ちゃんと誘ったことがあるのは会社の同僚が数人と自分の母くらい。母は今やオレを遥かにしのぐサカヲタと化し、Jリーグのみならずリーガ・エスパニョーラプレミアリーグも観戦しますが、まぁ正直イレギュラーでしょう。他の人間は一度きりスタジアム観戦に付き合ってもらったのみです。


 じゃあ既にその趣味を行っている同士だとどうか、というと、それもなかなか繋がりにくいようです。オレ自身10年以上FC東京サポーターですが、同じFC東京サポーターの知り合いは、同じ会社の同僚・上司が数人いる程度です。スタジアムや遠征先で知り合ったり仲良くなった人は一人もいません。
 それは、同じようにFC東京の試合を観に行く西原さんも同じだったようで、ご家族で観には行くが、それ以外の人とは話さずに帰宅されることが多いようです。西原さんの場合、ご子息がサッカークラブに入っているので、その繋がりで親御さんたちがFC東京のファン・サポーターだったりすると話題に上ることがある、とのことでした。


 どうもオレの周囲だけ観測している限りでは、ほぼ毎試合スタジアム観戦するようなコアサポーターでも、なかなかそれだけで知り合って仲良くなる、ということはあまり無いように見受けられます。会社だったり子供の引率だったり、といった、何らか既存の繋がりが無いと、趣味だけで仲良くなる、というのは難しいのかもしれませんね。


 これはどうも他の趣味でも同じようです。
 先週末幕張メッセで開催されたバーチャルアイドル初音ミクのライブ「マジカルミライ2017」に、オレは今年も参加してきたんですが、そのついで(?)に、土曜に有志で開催された「マジカルミライ非公式大規模OFF会」にも参加してきました。友人が運営サイドだったのと、どうもこのイベント色々頭がおかしい(モチロン良い意味で、ですよ。自費で数十万かけてライブを再現したり、非公式なのに各社問い合わせて音楽・映像の権利を全てクリアにしてたり、オリジナルスプーン作って参加者に配ったりしてました)ので、参加することにしたんですが、これまでオレは初音ミクが好きなことはSNS等では割とオープンにしてきたものの、それで繋がりを作るような動き方は一切してこなかったし、SNS以外では殆ど話題に挙げたことさえないんですよね。つまり、OFF会にはボッチ参加、知り合い皆無です。オレは割と人見知りなんで、結構つらいなぁ、やっぱ参加しなきゃ良かったかな、と思いながら会場に向かったんですね。
 ところが、蓋を開けてみるとOFF会の参加者のほぼ全員がボッチ参加。ミク廃でボッチの烏合の衆、というとんでもない集まりだったことが会の割と初期に判明しました。その驚愕の事実が判明したあとは垣根も無くなり、同じ趣味を持つもの同士、酒の力もあってみんな仲良くなりました。いやぁ、良かった良かった。
 でも、そんなことでもなければ、ここに集まった人たちはみんな同じ趣味=初音ミク繋がりの友達を持つことができなかったんですよね。ライブのチケットが買えない人が続出するくらい人気のあるジャンルであるにも関わらず、です。初音ミクVOCALOIDには既にピアプロニコニコ動画Twitterに代表されるSNSがあり、それによって発展してきましたが、それらを愛する人同士がFace to Faceでつながるまでに至るには、それだけでは足りない、ということなのかもしれません。


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 スポーツにせよサブカルにせよ、趣味が同じであるからといって、それを起因に人と繋がりを持つ、同好の士を持つ、というのは、どうもかなり難易度が高いようです。オレの知ってる中で例外はMMO-RPGでしょうか、オレの元部下にはMMO-RPGをきっかけに嫁さん見つけて結婚した奴がいます。あれは、システム自体に半ば強制的に人との繋がりを持つような仕組みがある(=パーティを組まないと倒せない敵がいる、等)からこそ、なのかもしれません。
 その仕組みがない趣味については、何かしら仕組みを別途作っていく必要があるのかもしれません。


 冒頭のサッカーのお題を考える中で、我々の中で出た意見には「やっぱり酒」でした。たとえば試合後1時間以上スタジアムの近くで飲める「アフターゲームパブ」のようなものを開催するとか。浦和レッズなんかはその辺は上手くやっている気がします。それは初音ミクのOFF会も同じような役割を果たしていたように思います。


 あとは、別の繋がりに趣味の繋がりを乗せていくこと。Jリーグの場合にはサッカースクールが上手く働いているように見えるので、趣味に関連した何かを学べる場を用意すれば、その場で知り合った同士は仲良くなれそうな気がします。既存の繋がりだと、会社程度の広さだと、同好の士を探せるかどうかはその趣味によってはビミョーなラインですし、既存の繋がりに良くない影響が出てしまうことがあるかもしれないので、あまり上手く機能しないかもしれませんね。


 趣味なんて個人で勝手に楽しめばいい、とも思わんでもないですが、やっぱり同じ趣味の話で盛り上がれる人が他にいたほうが楽しいですし、日常に張り合いが出るってもんです。逆にその趣味のジャンルをビジネスとして展開・運営していく側としては、如何にその繋がりを作る仕組みを用意するか、が重要なのだと思います。今回我々は「」くらいしか思いつきませんでしたが、もっと色々な仕組みを考えることができれば、人同士をつないで上手にビジネスを展開していけるのかもしれませんね。