ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

「人にやさしい組織マネジメント勉強会」はここまでどのように運営してきたか


(踊る埴輪 & 見返り美人修理プロジェクト 見返り美人ミク より引用 https://mikaerimiku.official.ec/ )



はじめに

adventar.org

 本記事は「Management 3.0 Advent Calendar 2022」の4日目です。エントリーしていたのを思い出したのが12/04(日)の23:17ですが、きっと12/04の00:00に投稿されるはずです。(そういう日付を誤魔化すチートがはてなブログにはあるんです)


 ちなみに次回は12/19(月)にセレブレーショングリッドというワークを体験してもらうネタとして、2022年のふりかえり回を開催します。年の最後に一年を振り返って気持ちよく新年を迎えるお手伝いが出来たらいいなぁと思っております。もちろん、セレブレーショングリッドもぜひ持ち帰って現場で試してもらえるように考えていますので、チームのふりかえり(レトロスペクティブ)が上手くいっていないなぁ・ふりかえりのネタが無いなぁというリーダー・スクラムマスターの方もぜひお気軽にご参加ください。

management30.connpass.com


 「ふりかえり」というキーワードだけのうっすいつながりで正直なところ全く関係ありませんが、冒頭に掲載した見返り美人ミクは独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館文化財活用センターが実施する「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト」の一環として生まれたアート作品です。関連グッズの売り上げの一部は、「埴輪 踊る人々」と「見返り美人図」の2作品をはじめとする所蔵文化財の修理に関連する費用として、東京国立博物館に寄附されます。掛け軸や複製画など一部作品は今だけの受注生産なので、ご注文はお早めに。


本題

 さて、宣伝は終わったので個人的にはここで筆を置いても良いのですが、それだとさすがにアドベントカレンダーの発起人に怒られそうなのでちゃんと書きます。

運営JOINのきっかけ


 オレは2021年06月に「人にやさしい組織マネジメント勉強会 (旧:Management3.0勉強会)」の運営にJOINしました。


 オレが運営にJOINしたきっかけですが、たしかてらひでくんが夜中酔っ払って唐突に「ここで飲んでるから来い!」とメッセぶん投げて来て、それがManagement3.0勉強会のDiscordサーバのURLだったと記憶しています。たしかその日が旧:Management3.0勉強会のイベントだったんじゃないかな、そのままオンライン飲み会になだれ込んだらしく、オレは件のメッセにうっかり反応してしまったがためにその飲み会*1に巻き込まれ、そこでたぶん初めてくらいのレベルで中原さんとちゃんと話したんじゃなかったかな?(たぶんそれ以前から知り合いではあったはず) ともかく色々話をしました。これがオレの旧:Management3.0勉強会Management3.0を知るきっかけにもなりました。


 旧:Management3.0勉強会の当時の運営は中原さん、羽飼さん、寳田さんの実質3名で、運営が回ってないわけじゃないけど、色々と課題感を感じていたそうです。3人ともManagement3.0ファシリテーター資格を持っていて、Management3.0が良いものだと信じていて、それを日本に広めたいという強い情熱を持っている。とは言え、コミュニティ・イベント運営自体は慣れているわけではないので、手探りでやっているけど思っているほど手応えがない、とざっくりこんな感じだったでしょうか。
 この時の話を聞く限りでは、この時旧:Management3.0勉強会の運営に足りてないのは、勉強会イベントの開催パターンの引き出しと、イベント開催に向けて淡々と物事を進めていける事務方なのではないか、と感じました。これは同時に、コミュニティ運営の経験をこれまでそれなりに積んできていたオレが埋められる穴なんじゃないか、と感じ、オレから運営に加えてほしいと中原さんに頼み、メンバーに加えてもらいました。


 オレのこの時の狙い、というか、モチベーションは2つです。


 ひとつはManagement3.0を知りたい、あわよくば自分の手持ちのカードとして自由に使えるようになりたい、という知識的欲求です。前述の通り、オレは全くManagement3.0について知らなかったのですが、中原さんたちがあれほど情熱を注いで広めようとしている知識体系なら、決して役に立たないものではないだろうとふみました。以前コミュニティ伝手で知ったTOC/TOCfEが、その時点で自分の手持ちのカードの中でも有力な1枚として活用できていたので、似たような経緯で知った今回もそれほどハズレではないはずだ、と過去の成功体験から判断したところもあります。自分で使えるようになるのが理想ですが、少なくともアウトラインくらいは掴めるだろう、あわよくば知識体系としてどの領域にあるものなのか、マッピングくらいはできるんじゃないか、という思いがありました。


 もうひとつは、これだけ情熱をもって頑張っている人が上手く行ってないのは、シンプルに勿体ないし気の毒だなと思ったからです。そこにたまたま足りないピースが埋められそうな自分がいた。自分が上手く手助けして彼らが望む世界が作れれば、彼らの努力が報われるんじゃないかな、と思ったんです。


 そんなこんなで運営に加えてもらいました。JOINした直後には既存のメンバー3人 + オレでかなりしっかりディスカッションをし、その後の方針を決めています。



旧:Management3.0勉強会 時代


 オレが運営に参画して以降、これだけのイベント開催に携わってきています。


 自らふりかえっても、実に色んな方向性でイベントを開催しているのが見て取れます。とにかく「広める=参加者を増やす・定着させる」を目標に、手探りに・思いつくままに実施してきた感があります。イベントごとに手を変え品を変え実験を繰り返している形でした。


 また、オレがJOINしたタイミングから「出来るだけ準備コストを低くしてイベント開催する」のを観点として加えていました。イベント開催の準備コスト(手間)が高いと、運営が疲弊してしまってイベントの継続開催が難しくなってしまうのをオレは何度も体験してきていたので、この点は割としつこいくらい提言してきましたし、他の既存運営メンバーも過去に思いっきり準備も当日運営もシンドいイベント開催を体験していたので、イベント計画時の運営メンバーの共通認識となっていました。


management30.jp


 運営コストは下がったんですが、肝心の「広める=参加者を増やす・定着させる」がなかなか実現できないのがネックでした。イベントによっては参加人数が跳ねることはあるんですが、それが継続しない。このまま続けていて目的は達成されるのかな?という疑念が生まれてきています。


 イベント開催の内容もそうでしたが、なによりコミュニティ名が疑念の対象でした。Management3.0は提唱者のヨーガン・アペロが名付けたものですが、「ナンチャラ3.0とかナンバリングでインクリメントされてる知識体系って胡散臭いよな」「みんなManagement3.0勉強会っていうコミュニティ名が胡散臭くて参加しづらいんじゃね?」という少なからず疑念があったのです。


 小手先でチョコチョコ変えて試すのはそろそろ限界で、ボチボチ大きくシフトチェンジするべきなんじゃないの?というのが運営メンバーの中でたびたび話し合われるようになりました。


仕切り直し


 それまで一ヶ月に一回のペースで開催してきたイベントを、2022/02月末に全てストップし、コミュニティの方向性を運営メンバーで改めて話し合いました。ちょうどこの直前くらいのタイミングでてらひでくんとさていさんも運営メンバーに加わっており、改めて足並みを揃えようという目的もありました。長らく疑念があったコミュニティ名も、このタイミングで改名に着手しています。





 「Management3.0勉強会」が胡散臭いから、と改名に着手したわけですが、結果「人にやさしい組織マネジメント勉強会」とより胡散臭い名前になってしまったのは非常に謎なのですが、ともかく「Management3.0が目指すものは何か?」がシンプルに伝わる名称にはなったんじゃないかなと運営メンバー一同思っています。
 様々なことを話し合って、改めて6月に人にやさしい組織マネジメント勉強会として再スタートを切りました。コミュニティアイコンもさてい画伯の素敵なマーティーくんイラストに差し替えています。



人にやさしい組織マネジメント勉強会 時代のはじまり

 新たに2022/06月に人にやさしい組織マネジメント勉強会として再スタートを切ってから、以前通り月一ペースでイベントを開催してきました。


 仕切り直し後のイベント開催の軸は2つです。


 まずひとつはワークショップに重きを置いていること。
 Management3.0は研修を受講すると分かるのですが、ワークショップが大半で、そのまま組織の運営・改善に使えるツールに仕立てられています。ただ、研修自体が非常に高額なので、気楽に体験してもらうのが非常に難しい。またManagement3.0は権利関係が割とうるs……もとい、しっかりしているので、ワークショップ自体の開催や、ワークショップに用いる素材・ツール等の利用ラインが厳しい、というのがあります。
 なので、ファシリテーター資格を持っていて利用ラインをしっかり把握している運営メンバーが、無料開催して問題ないレベルでライトにワークショップ体験の場を提供することが、Management3.0を広めるのにもっとも効果的で、かつ参加者から見てお得感が強いのではないか、という判断をしました。


 もうひとつは、仕切り直しとタイミングをほぼ同じくして、Management3.0の関連本が立て続けに2冊も日本語に翻訳されたことです。日本にManagement3.0が広まらなかった理由として、日本語の文献、特に書籍が無かったことが大きかったのですが、ここに来てヨーガン・アペロの代表書籍が2冊翻訳されたことは潮流の大きな変化のきっかけになると我々は考えました。特に「マネージング・フォー・ハピネス」は運営メンバーである寳田さんが翻訳されていたのも要素として大きかったです。
 出版記念イベントや関連イベントで「広める=参加者を増やす・定着させる」を加速させよう、と考えてイベントを企画し、実際のところ2回の出版記念イベントは、これまでのイベントと比べても非常に多くの方にご参加いただくことができました。




今後について

 人にやさしい組織マネジメント勉強会として仕切り直してからまだ半年経ったか経たずか、ですので、現時点で成果云々を判断するのは拙速でしょう。仕切り直し時に定めた

  • ワークショップを中心に推し進める
  • 2冊の翻訳本を軸に企画を考える

を今後しばらく継続し、「広める=参加者を増やす・定着させる」に繋がっているのか、都度都度判断しながら運営していくことになると思います。


 また、それとは別に、かつて開催した大規模カンファレンスをもう一度開催できないか?と企画を進めています。現時点ではやっと方向性が定まったか否かくらいですが、近いうちに皆さんになんらかの報告ができるんじゃないかと思います。ぜひお楽しみに。



おわりに

 他の運営メンバーに特に相談もなく、運営の裏話を書いちゃいましたが、大丈夫かしら?……まぁ大丈夫だろ。


 オレ自身が運営参画時に掲げたモチベーションのうちのひとつ、「Management3.0を理解し、あわよくば使えるようにする」は、さすがに1年半近く関わっていることもあり、多少は理解が深まってきました。知識体系としてどこに位置づけられるのか、自分の中でもマッピングがある程度できている状態ではあります。ワークショップを自分で開催するレベルはまだほど遠いので、今後の活動を通して少しずつ手の内に収めていきたいなと考えています。

 もうひとつのモチベーション「Management3.0を広める手助けをする」はまだまだ道半ばです。情熱を持つ人たちが心折れず活動できるように、準備コストを低く・あるいはオレが事務方を肩代わりすることで、普及活動のサポートを継続していけたらいいなと考えています。

*1:正確には飲み会解散後の延長戦