ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

「ファシリテーターズ・インタビュー vol.22 中埜博×ガオリュウ」に参加してきました。

はじめに

 昨晩は秋葉原某所で行われた対談イベントを聴講してきました。ファシリテーターとして活動していらっしゃる高柳さん(@DiscoveryCoach)が、パタンランゲージで有名な中埜博(なかのひろし)先生にインタビューをする、というのが主な内容。(裏テーマに、中埜先生とのコラボ企画を複数作り出す、というものがあるらしいが、それはさておき)以下イベント詳細。

ファシリテーターはどこにいますか?」そんな問いから始まったこの企画。ファシリテーターが気になってるファシリテーターにインタビューして、聞きたいことを聴きだそうという企画です。

 今回はとある方から縁をいただいてパタンランゲージやまちづくりで有名な中埜博さんにインタビューさせていただけることになりました。私にとってはワークショップという面で、場づくり(とくに空間の使い方)についての考え方など知りたいことがたくさんあり、2時間で聴ききれるものではないとすでに楽しみになっています。対話の空間、ファシリテーションのパタンランゲージなど私のファシリテーションの視点で切り込んでみたいと思います!

ファシリテーターズ・インタビュー - Facebook




 オレ自身のパタンランゲージに対する理解は、以前書いた以下の記事をお読みいただければと思います。

takigawa401.hatenablog.com


 このイベントに際して、オレ自身のスタンスは単なる一聴講者であり、自分用のメモを取る以外はひたすら聞くことに徹しようと思ってたのですが、なぜか以下のようなキラーパスが来てしまい……。



 しょうがないから、メモとして放流したTweetのまとめと、簡単な感想のみを記録として残しておきたいと思います。


メモ代わりのツイート



感想

 いやぁ、久々にホンモノのオタクの本気の話を聞きました。こういう体験ができるのは、積極的に勉強会とかに参加していたとしても、せいぜい数年に一度あるかないか、というレベルですね。中埜先生の話は深く、それでいて広い。まさかパタンランゲージの話を聞きに来て、量子物理学や化学、宗教学にまで発展するとは思いもしませんでした。圧倒的に面白かったです。
※オレの「オタク」という用語の定義は以下の記事で行っておりますのでご確認ください。


takigawa401.hatenablog.com


 オレのこれまでの理解では、「パタンランゲージ」の「パタン」とは「道具」であり、いわばカードゲームのカードだと理解していました。カードそのものを端的に表す「名称」があり、それがすなわちその道具を把握するためのショートカットの役割をなす。カードは「効能」と「副作用」の両方を持ち、状況や相手によって「効能」が強まったり弱まったり、あるいは「副作用」が顕著に現れてたり逆に打ち消されて効能と同等の効果を発揮したりする。組み合わせで使う(=コンボ)ことで複合的に作用し、本来の個々の力以上のものを発揮しうる。そんなイメージです。遊戯王カードやマジック:ザ・ギャザリングをプレイしたことがある方なら、イメージがわき易いんじゃないかと思います。


 その理解はおおよそでは間違ってなかったという認識なんですが、今回のインタビューの中では「意見」「情報」「思い」「状況」と言ったものにも「パタン」は存在する、それらを個人に留めておくのではなく共通し理解を得るために言語化することが「パタンランゲージ」だと伺いました。ここはオレがこれまで誤解していた最も大きな点だと思っています。
 これらは人が持つ「意見」や「思い」、場が持つ「状況」から特定の要素を具体化して取り出し、共通認識を持つ作業で、原子や分子を見つけ出して特性を明らかにし命名する行為に近いのかな、と思っています。ただし中埜先生はその行為を「観察が始まった瞬間に形を変えてしまう」ことから「量子物理学」だと表現されていました。確かに、最初のプリミティブな「意見」「情報」「思い」「状況」から特定要素を取り出して言語化してしまうと、少なからず最初のプリミティブな状態からは変質してしまいます。それでも、言語化しないと相手には伝わらないし、共通認識を得ることはできない。この辺の話は、以下の美大生と工大生のやりとりを分析・解説した記事が、とても分かりやすく表現しているなぁと思って読んでいました。中埜先生は「秩序を取り戻す作業」とおっしゃっていましたが、個人的にはとても腑に落ちました。


medium.com


 また、パタンランゲージは、東洋人、というか、多神教国家の人間の方が理解が早い、というのも個人的な意見と同じで嬉しかったです。特性を分析し抽象化し言語化して、それらを別の生きている何か(精霊・妖怪)に置き換えることができる。「場」や「モノ」が特性とエネルギーを持ち、生命力を感じることができる。擬人化なんてのが最たる例だ、なんて話も感想で言わせて頂きました。日本人はパタンランゲージが得意、なんて言われたら、そこそこ悪い気はしないっすね。


 今回はインタビュアーがファシリテーターを本職とする高柳さんだったので、パタンランゲージとファシリテーションをどう結びつけるか、という話が多かったですが、個人的には勉強会等で高柳さんの振る舞いを拝見するに、結構パタンを活用してるよなぁと思っていたりします。あとはご自身でその手法に命名するだけかな、と。中埜先生の話が高柳さんの中でどういう気付きになったのか、は、いづれまた別の機会にゆっくり聞かせていただければ嬉しいです。



余談

 メモをTwitterに放流してたら友人にこんなこと言われてた。


 ( ゚∀゚)o彡゜オッパイ!オッパイ!