コミックマーケットC92(2017夏)2日目で撮ったコスプレ写真いっぱい #C92
はい、コミックマーケットC92の2日目です。この日は午後から会場入り、3時間ほどかけてコスプレイヤーさんたちの写真を撮らせていただきました。その一部をこちらで紹介させていただきます。
ちなみにこの記事は、コミケ3日目の東会場入場待機列に並びながら書いています。オレの前には何万人並んでるんだろうか……? 日差しが暑いのと、日差しが強すぎてディスプレイ見づらいのと、ネットワークが混んでて写真が参照しづらいのと、ともかくここはPC作業をするにはどうも不向きですな。いやぁ、弱った。早く開場しねえかな。
にゅん♪( 'ω' و(و(@@nyun25nyun) さん
近衛まり(@knemari) さん & なな未(@nanami8no) さん
冷凍とれこ㌠(@mopepeko)さん & もに(@mo2ni_) さん
るい (@49hmlouis) さん & 黄瀬ちぇーりす(@chalice_kise)さん
律子:こま茶 みり(@miri_mi_) さん
あずさ:かみてゃん(@kami_teya) さん
唯:稚雪もえの(@moecandy123) さん
ここではお一方写真1枚ずつの紹介です。その他の写真は以下からご覧ください。
コミックマーケットC92の1日目の写真はこちら。
過去のコミケで撮影してきた写真は以下になります。良かったらそちらもご覧下さい。
- コミックマーケットC80で撮ってきた写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット #C82 で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- 冬のコミックマーケット(コミケ) #C83 で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2013夏(コミケ) #C84 3日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2013夏(コミケ) #C84 2日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット(冬コミ)C85 1日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット(冬コミ)C85 2日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2014夏(夏コミ)2日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい #c86 - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2014夏(夏コミ)3日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい #c86 - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2014冬 (コミケ) C87 で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2014冬(C87)二日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2014冬(C87)三日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケットC88(2015夏)で撮ったコスプレ写真いっぱい #C88 - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケットC88(2015夏)3日目で撮ったコスプレ写真いっぱい #C88 - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケットC91(2016冬)1日目で撮ったコスプレ写真いっぱい #C91 - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケットC91(2016冬)2日目で撮ったコスプレ写真いっぱい #C91 - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケットC91(2016冬)3日目で撮ったコスプレ写真いっぱい #C91 - ミッションたぶんPossible
昨日に引き続き、またローアングラーを見かけました。女性が制止しているのに止めないんですよね。どういう神経してるんでしょうか?
この日は初めて友人を連れてコスプレ会場に行きました。友人はスタジオで人物を撮る機会は割とあるそうですが、同じ人物を撮るのでも、コミケとスタジオとでは随分と勝手が違うようです。しっかり構えて準備して撮影に臨めるスタジオと比べ、屋外でスペースもあまり自由にできず、他の人も干渉するコスプレ会場とでは、例えるなら野球とサッカーくらい異なると言っていました。なるほどねぇ。
撮影後、銭湯で汗を流してから反省会と称して飲みに行ったんですが、友人はかなりコスプレ撮影を楽しんでくれたそうです。撮影後に写真を見ながらやいのやいのと話をするのは楽しいですね。またぜひやりたいです。
コミックマーケットC92(2017夏)1日目で撮ったコスプレ写真いっぱい #C92
今年も熱い夏がやってきました。祝日:山の日から始まる週末三連休にコミックマーケットが今年も開催されています。
で、毎度懲りもせずコスプレイヤーさんの写真を撮らせていただいたので、その一部をこちらで紹介させていただきます。
白崎未依(@srskmi)さん & 桃園さゆり(@sayuri_0218)さん
ここではお一方写真1枚ずつの紹介です。その他の写真は以下からご覧ください。
過去のコミケで撮影してきた写真は以下になります。良かったらそちらもご覧下さい。
- コミックマーケットC80で撮ってきた写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット #C82 で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- 冬のコミックマーケット(コミケ) #C83 で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2013夏(コミケ) #C84 3日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2013夏(コミケ) #C84 2日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット(冬コミ)C85 1日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット(冬コミ)C85 2日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2014夏(夏コミ)2日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい #c86 - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2014夏(夏コミ)3日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい #c86 - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2014冬 (コミケ) C87 で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2014冬(C87)二日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケット2014冬(C87)三日目で撮ってきたコスプレ写真いっぱい - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケットC88(2015夏)で撮ったコスプレ写真いっぱい #C88 - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケットC88(2015夏)3日目で撮ったコスプレ写真いっぱい #C88 - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケットC91(2016冬)1日目で撮ったコスプレ写真いっぱい #C91 - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケットC91(2016冬)2日目で撮ったコスプレ写真いっぱい #C91 - ミッションたぶんPossible
- コミックマーケットC91(2016冬)3日目で撮ったコスプレ写真いっぱい #C91 - ミッションたぶんPossible
今年のコミケは時折小雨も降る涼しい天候でした。とはいえ、コスプレ広場の「囲み」の中とかは、人の熱気でとんでもない暑さでしたけどね。人の輪から外れると涼しいのが嬉しかったですね。
今回残念ながら撮影できなかった(別の列に並んでいるうちに見失ってしまった)コスプレイヤーの方で興味深かったのが、沖田総司のコスをされていた方。10歳というのも驚いたんですが、もっと驚いたのが彼女のカメラ小僧たちとの受け答え。大人も顔負けなくらいハキハキしてたんですよね。絶対素人じゃねーだろ、と思って観察していたら、やっぱりアイドルの卵だったようです。噂には聞いていましたが、コスプレ広場はそういう方たちのプロモーションの場としても活用されてるんですねぇ。
ほかにも、男の娘(ちゃんと声も女性声、でもよく見れば男性)のレイヤーの方もいたりと、新たな発見も多かったです。いやぁ、オレもここには結構な回数来ているはずなんですけど、毎回新しい何かに出会うことには驚きます。
驚いたといえば、今回初めて、思い切り露骨なローアングラー(地面スレスレから女性のスカートの中を撮影するカメラ小僧)を目撃しました。ちょっと信じられないですね、完全な犯罪だと思うんですが。
オレの持論ですが、マナー違反・女性に対して失礼・痴漢で犯罪、等々当たり前のことはさておき、「そもそもそんなどこでも撮れるものをわざわざコミケにまで来て撮ってどうするんだ?」と思うんですがね。せっかくレイヤーの方がみなさん趣向を凝らして衣装を準備し化粧をし体を鍛えてこの場に臨んでいるのに、それを撮らずしてパンツみたいなAmazonで好きなだけデリバリーされるものを撮って、一体何が楽しいんだと。ここでしか撮れないものを撮るべきじゃねーの、と常々思ったりするわけです。
一方でレイヤーさん側もさまざまな防止策を講じていました。面白かったのは「ローアングラーとか、うちの旦那に殺されますんで絶対に止めてくださいね。」と呼びかけをされている女性レイヤーの方がいました。これはなかなか効果あるんじゃないかな、と思っています。そもそもこういうオタク系の人は、(偏見も甚だしいですが)非処女が嫌いですし、非リア充が苦手だし、男の気配がしてましてやそいつが暴力を振るうとなると全力で逃げるでしょう。彼女が本当に既婚者か、配偶者が実際にバウンサーよろしく不届き物を暴力制裁するタイプの人間か、に一切関係なく、そういうニュアンスを女性レイヤーが醸し出すことで、ある程度の抑止力を発揮するんじゃ無いかと思います。あれはうまいなぁ、と思って周囲の様子を観察していたら、案の定顔色変えるカメラ小僧が何人かいましたね。
ちなみに1日目は後輩のおつかいをしていたこともあって、撮影は2時間、撮影枚数423枚、うち残せるクオリティだったのが54枚でした。腕が落ちたのか、カメラがへたってきたのか、白飛びしたりブレたりする写真が多かったです。う〜ん、せっかく撮影させてもらってるのに本当に申し訳ない、残り2日はリベンジすべく頑張ります。
やっとサークル列に並んだ。150m x 3列って無理ゲー感あるな。 pic.twitter.com/ABvY5XJDUk
— Youichi Takigawa (@takigawa401) 2017年8月11日
待機列に「並んで買えないのが当たり前!それが人生や。」とかのたまわってるオタクがいる。ご高説ごもっともだが、一縷の望みをかけて並んでるヤツも多いんだから、もっと声を潜めて! #c92
— Youichi Takigawa (@takigawa401) 2017年8月11日
ミッションコンプリート! pic.twitter.com/rwTrcZjBQK
— Youichi Takigawa (@takigawa401) 2017年8月11日
電子工作を体験するついでに秋葉原飲み歩きツアーをやってきた
はじめに
前回に引き続き時間を随分とさかのぼるのですが、3ヶ月前のゴールデンウィークに飲み歩きツアーをやってきました。場所はクールジャパンが誇る萌える趣都:秋葉原。
元々のきっかけはゴールデンウィークのちょっと前、飲み会前に友人たちと秋葉原を散策していた時のこと。面白半分に盗聴器がないか探し歩いていたんですが、運良く見つかったものの、値段はなんと7万円強。やー、やっぱ高いねぇ、なんて話をしていたら店主から「盗聴器ってのはつまるところ、マイクで拾った音を電波を飛ばして離れたところで聞くだけだからね。性能さえ気にしなければ自作するのはそれほど難しくないよ。ラジオのINとOUTさえ作れればそれで完成しちゃうからね。」と完全商売度外視なアドバイスが。ラジオといえば子供が自由研究で作ったりすることもあるほどの初心者向きなイメージ。その時一緒にいた面子には「そもそも電子工作とかやったことない」という人もいたので、「どうせなら電子工作といつもの飲み歩きをセットにして、ここ秋葉原でやってみようか」という話に相成りました。
以下は、毎度おなじみこのイベントのルール説明。ルール自体はだいたいいつもと一緒です。今回はメインイベントがもうひとつ「電子工作」がありますが、電子工作は夕方まで、夕方から飲み歩き、と時間帯で完全に切り分けて行うことにしました。……まぁお昼にちょっと飲んだりもしましたが。
- 一軒の店で飲むお酒はだいたい1〜3杯まで。
- 一人一品ずつ、上限1,000円を目処につまみを注文する
- お残しは許しませんえ
- より沢山の店を巡ることを目標にする
- 目標:6軒
- ルールにあまりこだわり過ぎず、楽しくをモットーに
散策&お買い物
この企画にしてはめずらしく、当日は朝10時に秋葉原電気街口に集合。午前中に電子工作のキットを購入し、お昼を挟んで午後から夕方まで電子工作に充てよう、というプランです。
今年はDTMソフト:初音ミクは今年で発売から10周年。秋葉原駅電気街口にあるatreではコラボ企画をやってました。
メンバーのひとり、イッセイさんはマイ半田ごてとテスターを持参。なんという気合の入りよう。
まずはラジオセンターへ。この中にある電子工作カフェを作業場所として目星をつけていたのですが……。
なんとこの日はお休み。ホームページにそんなこと書いてあったかなぁ?
途方にくれていてもしょうがないので、作業場所を急遽検索。どうやらそれほど遠くないところに電子工作カフェがあるようです。そちらのオープンは13時からだったので、下見は断念。
この後は電子工作キットの買出しの予定だったんですが、お店が開店するのは11時以降。早めに集合にしたのがアダになったなぁ。それまで1時間弱は秋葉原を散策してつぶすことにします。
www.akihabara-radiokaikan.co.jp
秋葉原駅前にある目立つビル、世界のラジオ会館。建て替え前にはシュタインズゲートのタイムマシーンが刺さったりしてましたが、今は外観的にはアニメやらの広告が貼り出されているだけです。
上から下までくまなく歩くと、ゲーム・ミリタリー・ドール・プラモ・アニメ・様々なテナントが軒を連ねています。まるで秋葉原の縮図のようだ。
11時を過ぎたので移動開始。
大通り沿いにある坂口電熱さん。「工業用ヒーターっていうマニアックなものを扱っているのに、一等地に店を構えてしかも潰れる様子がない!どんだけ市場を独占しているんだ!?」と熱弁を振るうイッセイさん。オレの元上司なんですが、それに気付いて興奮してるアンタも十分マニアックですがな。
電子機器のお店の軒先にあったLED初音ミク。さすがにここまでのものは今日は作れない(確信)。
まずは千石電商から。店自体は狭い土地にあるんですが、3階建てで品揃えは申し分なし。オレともう一人はここでお目当てのキットをさっさと見つけて購入しました。
そして続いて秋月電子通商。こちらの方が有名ですね。店の中はこちらの方が綺麗で明るかったんですが、あまり広くない店にたくさんの人が押し寄せているので、店内を歩くのに難儀しました。残ったメンバーもこちらでキットを無事購入。なんとかファーストミッションをクリア。
無事全員キットを購入できたので、次はお昼ご飯。
一軒目:クラフトビール(テイスティングスタンド)
この万世橋に期間限定で入っているクラフトビールバー。5/21までなので既に閉店しています。いわゆるキャッシュオンデリバリー形式で、お金を先に支払って品を受け取り、席で飲み食いするシステム。10種類以上のクラフトビールがメインで、食事は軽食程度ですね。お腹いっぱいガッツリ食べる、というのは難しいかも。我々はこれから電子工作で、そのあとすぐ飲み歩きだから、まぁ軽く食っておけば十分でしょう。
おまちかねのクラフトビール。昼に飲むビールってなぜか背徳感ありますよね。
梅のピクルスとナッツ、レバーペースト。
このお店唯一の食事らしい食事、と言っても過言ではないホットドッグ。当然オレもこれを注文しました。メンバーの殆どが注文してましたね。
お店のすぐ脇を総武線が走り抜けていきます。良い天気だなぁ。
電子工作
さて、腹ごしらえも済んだので、最初のメインイベント会場へ。
誰が呼んだか、通称「メイド喫茶通り」。メイド喫茶が乱立しており、その呼び込みのメイドさんがそこかしこに立っています。実はオレは大昔にメイド喫茶ツアーもやったことあるんですが、ちょっとブログ記事に仕上げるのが難しいんですよねぇ。なにせ店内撮影禁止・メイドさん撮影有料のお店ばかりなので。まぁそういうビジネスモデルだし、しょうがないのか。
そのメイド喫茶どおりにあった「おそ松さん」のコインロッカー。外国人観光客が物珍しそうに撮影してました。
今回(急遽)作業場所に選んだのは、「創造空間ナノラボ」さん。漫画喫茶と同じようなシステムで、時間ごとに料金が発生し、滞在時間中は工作に使用する道具の貸し出しは無料、フリードリンク、スタッフの方に声をかければ途中で外出もOK(※後述)です。13時のオープンと同時に入店したのですが、既に先客あり。我々は全員会員登録を済ませ、一番奥の6人がけのテーブルに陣取ります。
さっそく作業開始!
オレが先ほど千石電商で買ってきた、AM/FMトランジスタラジオとラジオ用マイクのキット。
当たり前ですが、電子部品は細かいです。うっかりクシャミもできない。
作業する様子は真剣そのもの。イッセイさんとフジタさんの買ったオシロスコープのキットは、見た目がとてもカッコイイんですが、実は上級者向けで、抵抗値の計算を自分でやんなくちゃいけなかったんですよね。二人で協力し合いながらヒーヒー言いながら作業している様子は、見ていて非常に微笑ましかったです。
フジタさん人生初の半田付け。
オレのラジオは3時間ほどで完成したんですが、いざ試運転しようとしたら電池を買い忘れたことに気付きます。なるほど、こういうことがあるから、店のシステムに外出手続きがあるのか。急いで秋月電子で電池を購入。ナノラボは秋月電子から歩いて2~3分のところにあるので、ちょっと買い忘れがあっても気軽に買い足しに行けるのでとても楽チンです。
そんなこんなでラジオ完成!メンバー5人の中でオレがもっとも完成が早かったです。やっぱラジオは他と比べて作るの簡単なんだろうな。自分の声がラジオから聞こえてきたときには感動しました。
元々盗聴器を想定してラジオ&マイクを作ったんですが、ラジオはともかく、マイク側の電波が弱く、また集音も弱いので、とてもじゃないけどこれじゃ盗聴器にはなりませんね。そう簡単に悪さはできないってことですな。
続いてもりのんも完成。USBをナンチャラするツール、って言ってたけど、なんだったか忘れたな。
一方、高難易度のオシロスコープを作ったイッセイさん。どこかでミスったらしく、上手く動作しないとのこと。自分で持ってきたテスターで色々と検査しています。
その苦労の甲斐あって、なんとか動作。この後自宅で半田付けを全部やり直したら、もっとちゃんと動作するようになったそうです。
同じキットを作っていたフジタさんは、なんとか組み上げることはできたものの、残念ながら正常動作せず。
最も難易度の高いキットに取り組んでいたカメも、時間ギリギリで無事完成。簡単なマイコンで、入力に応じて操作できるとのこと。高専出身だからこその完成でしょうな。
どうも結果から見るに、千石電商のキットの方が難易度が低く、秋月電子の方が高難易度なようでした。初心者のフジタさんはやむを得ないとしても、手馴れてるはずのイッセイさんやカメがここまで苦労するとは思わなかったですねぇ。
電子工作を終えて店を出ると、すっかり夕暮れ模様でした。
ラブライブのヘッドフォン。さすが秋葉原。(ラブライブの舞台:国立音ノ木坂学院は神田・神保町・秋葉原辺りの地域にあるという設定)
さあ、酒だ酒だ!
二軒目:鳥庄
電気街の大通りに連ねるビルの合間にたまたま見つけた、いかにも老舗な焼き鳥屋さんを、飲み歩き最初のお店にチョイス。今まで秋葉原には幾度となく来ていたけど、こんなお店があったの全然知らなかった。
飲み歩きからは「深夜アニメカバレッジ90%」でおなじみのてらひでが参戦。最近突然女装に目覚めたらしく、この日は化粧までしてました。こういうオバちゃんいるよなぁ、がオレの感想。それ以上きかないでくれ。
右から、もりのん、てらひで、カメ。通称「TOCfE Bootcamp3馬鹿」(命名:オレ)。その目隠しはなんだ、風俗かここは。
手前の後姿の女性が「UX界の荒ぶる有袋類」ことフジタさん。4時間も電子工作に集中していたので、この時点でヘロヘロです。まぁビール飲んだら復活するんですけど。
ファーストドリンクが来るまで、突如始まった半田付け品評会。自分の仕事に納得したのかしないのか、マニアックなふたりがなにやらぶつくさ言っています。
店の壁にはなんともレトロなポスター。その横には吉田類の酒場放浪記の撮影があったことが紹介されていました。
やっとビールが届いた!カンパーーーーイ!!!
もつ煮にツナトマトサラダ。かざらない居酒屋の定番メニューが美味しいです。
焼き鳥屋さんなので、当然焼き鳥もいっぱい頼みます。というか、今回の飲み歩きは現時点で6人だから、品数も自然と多くなるんだよなぁ。
お勘定をお願いすると、シメの鶏スープが出てきました。美味いんだなこれが。
三軒目:しんがり
三軒目は30分くらい散々歩き回って、やっと入れました。ゴールデンウィークに6人で飛び込みで居酒屋に入るのって、まぁ無謀ですね。
このお店はシステムが面白いです。キャッシュオンで注文の都度お金を支払うんですが、注文自体は自分の席で店員さんを呼んで行うことができます。で、料理が届くと、テーブルにあるカゴ(ザル?)にあらかじめ我々でお金を入れておき、それを店員さんが料金の分だけ持っていく、というシステムです。これはなかなか便利ですね、予算オーバーする心配もないですし。こういうお店がもっと増えて欲しい。
ビール大ジョッキがつらつらと。これだけ大ジョッキが並ぶと迫力あります。
日本酒も割と本気のラインナップ。
鯛かま焼きにほっけ焼き、と魚ばっかりになっちゃったな。
ここで今回の最後のメンバー、のーどみさん登場。彼はゴールデンウィーク中家族旅行に出かけており、家族サービスに費やしていたそうですが、我々が飲み歩いているのを知り我慢できずに、旅行から戻るやいなや駆けつけたとのこと。せっかく家族サービスで稼いだポイントをあっという間に目減りさせなくても……。
どうですか、この飲みっぷり。これが本物のビールクズです。
さて、全員揃ったので、一杯飲んだら次の店へ。まだまだ酔っ払ってないですよ。
……いや、やっぱり酔っ払ってるかな。
夜の万世橋。酔い覚ましの散歩で見る光景としては贅沢な気がしますな。
四軒目:鈴木酒販 小売部 神田店
次のお店は居酒屋ではなく、酒屋さんです。ですが、角打ちのスペースがあり、お店で扱う特定の日本酒を店内で立ち飲みスタイルで飲ませてもらうことができます。
日本酒は二合まで、とのこと。あくまで試飲の範囲ってことですね。
各々2杯ずつ好きなお酒を注文。
簡単なおつまみも売っています。こちらはホタルイカの一夜干し。なんとチャッカマンで炙って食べます。日本酒にめちゃくちゃ合うんだな、これが!
我々は閉店間際に入店したので、我々が飲んでいる間にメニューが明日のものに刷新されていました。
我々が店を出るのと同時に閉店。遅い時間に押しかけてスミマセンでした。
さすがにみんな酔ってますな。挙動がおかしい。
五軒目:シェフズキッチンスタジオ#51
再び万世橋に戻ってきました。五軒目は中華。とはいえ、店構えはオシャレなカフェっぽいです。
ワイン & スパークリングワイン。中華料理でワインってあんまり無い組み合わせですね。まぁ既に酔っ払ってるので、細かいことは気にしない。
四川麻婆豆腐。メッチャ辛い。が辛いもの好きな人には程よいらしいです。オレは辛いの苦手なので、これは他の人に任せよう。
ナッツは安心して食べられてありがたい。
安定のよいどみ。この人、一番最後に参戦したんじゃなかったっけ?
さて、そろそろ時間的にも最後かな。フィニッシュにふさわしい店を探しに行きましょう。
移動中ののーどみ&もりのん。ホモカップルにしか見えない。
六軒目:居酒屋三蔵 秋葉原総本店
最後はいつも良く利用している三蔵。岩本町店のほうがよく利用しているんですが、そちらは満席だったので、総本店に来ました。ちなみにオレも相当酔ってたらしく、このお店では殆ど写真を撮っていませんでした。
メガレモンサワー。飲み終わるとホッピーのように中(サワー)だけ足すことができます。
で、それを抱えるてらひで。可愛いと思う人がいたら一回で良いから見てみたい。
これ何の肉だったかな? 最後なんで結構好き勝手に頼んだのですが、料理で撮影してあったのはこれだけでした。あるいはピンボケで使い物にならなかったか、のどちらか。
総評
前半の電子工作は、フジタさんが動くものを作れなかったのはとても残念でした。キットの難易度をはかる術がなかったのがキツイですねぇ。とはいえ、作業自体は当人は楽しんでくれたようでよかったです。
後半の飲み歩きについては、特に言うべきことはなし。今回も相変わらずのクズっぷりでした。強いて挙げるとするならば、今回は最終7人で飲み歩いていたのですが、この人数で飲み歩くのは正直シンドイですね。かといって、少なすぎると食べられる料理に限りがあるし。やっぱりベストな人数は4人かなぁ。
さて、次はどの街に行こうかな。噂ではブロードウェイ的な何かがある街らしいですが。さてはて。
それ以外の写真はこちら。
以前の飲み歩きはこちら。
- 秋の気配に誘われたので吉祥寺ハモニカ横丁呑んだくれツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- 木枯らしに吹かれたので赤羽一番街呑んだくれツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- 新緑が色鮮やかだったので三軒茶屋飲み歩きツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- 夏が勘違いして舞い戻ってきたので京成立石呑んだくれツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- 使徒が襲来する年がやってきたので上野アメ横飲んだくれツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- GWがちっともゴールデンじゃなかったので築地飲み歩きツアーをやってこようと思ったらなぜか東京おっ散歩になったんだぜ - ミッションたぶんPossible
- この暑さで有袋類が荒ぶったので高田馬場飲み歩きツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- 映画「バクマン。」を観に行ったついでに感想戦と称して有楽町呑んだくれツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- おでんが食べたかっただけのはずなのに何故か新宿飲んだくれツアーをやってきた - ミッションたぶんPossible
- デレステ廃人が集ったので吉祥寺飲み歩きツアーをやってみた。 - ミッションたぶんPossible
- 三月に獅子が吼えるから月島呑んだくれツアーをやってきた - ミッションたぶんPossible
- GWにラブドールを愛でるついでに神保町呑んだくれツアーをやってきた - ミッションたぶんPossible
- 梅雨の合間を縫って立石飲み歩きツアーをやってきた - ミッションたぶんPossible
- 台風がありえない方向からやってくる前に四谷荒木町で飲み歩きツアーをやってきた - ミッションたぶんPossible
- 新年明けまして大山飲み歩きツアーをやってきたが記憶が無かった - ミッションたぶんPossible
帰り際に駅で見かけた幼女先輩。うまるちゃんのコスプレかしら。
新年明けまして大山飲み歩きツアーをやってきたが記憶が無かった
はじめに
皆様、新年あけましておめでとうございます。……と書くと、ついに頭が年中正月になったか、と心配されるかもしれませんが、本記事は諸事情によりカレンダーを半年ほど戻した上でお読みいただきたいと思います。出来ればエアコンをガンガンきかせて室温を氷点下まで下げるか、大型冷蔵庫の中で読まれることを推奨します。推奨しますが、その際に生じた不都合や事故・損害等については当方では一切責任を負いかねます。やっぱり通常通り常温の室温でお読みください。
というわけで(どういうわけだ?)、約半年前、2017年も始まったばかりの1/07に新春恒例飲み歩きツアーをやってきました。場所は東武東上線の隠れたディープワールド:大山。味ん輝が話題になったので色々調べてみたんですが、この辺りは結構面白い飲み屋が多そうだ、という話になって、ちょっくら行ってきた次第です。
……で、なんでこんなに記事公開が遅くなったかというと、この飲み歩きツアーの記憶が、途中からさっぱり無いんですよね。本企画初!記憶が全くなくて記事が書けなかった!というパターンでした。後から他のメンバーに聞くところによると、オレ、どうやら酔い潰れて寝てたらしいです。寝てりゃ記憶ねえわな、そりゃ。
そうは言っても、なぜか写真だけはそこそこ撮れているので、無い記憶を振り絞って書いてみたいと思います。
以下は、毎度おなじみこのイベントのルール説明。ルール自体はだいたいいつもと一緒です。途中から記憶が無いので遵守のほどは定かではないですが、記憶が無いほど飲んだってことは、まぁ間違いなく守れてないでしょう。
- 一軒の店で飲むお酒はだいたい1〜3杯まで。
- 一人一品ずつ、上限1,000円を目処につまみを注文する
- お残しは許しませんえ
- より沢山の店を巡ることを目標にする
- 目標:6軒
- ルールにあまりこだわり過ぎず、楽しくをモットーに
一軒目:居酒屋(魚猫)
大山駅から商店街をちょっと歩いたところにある居酒屋さんを一軒目にチョイス。メンバーが一人遅れてくるのをこの店で待ちます。
我々が通されたのは別館。ほぼお隣。
最初はビールでしょ。たしかハートランドだったかな?
あえて瓶ビールを選ぶメンバーも。
はい、あけましておめでとー!かんぱーーーい!
白子。
何の貝だったかな? ともかくお刺身。
シラスのピザ。
早くもビール二杯目。若干しょうがない!
ブリ焼き。このお店は全体的に和風創作といった感じでしょうか。時間も早いのに混んでいて、おそらくは人気店なのだと思われます。
だいたい1時間くらい食ったり飲んだりしてると、遅れてきたメンバーが到着したので、次の店に移動。冒頭で言及してなかったですが、今回はオレ含め男4人と女性1名で飲み歩きました。
二軒目:北海道系居酒屋
一軒目がおしゃれな感じだったので、二軒目はいかにも居酒屋なお店をチョイス。
男は黙って黒ラベル。
お通しのお豆腐。
もつ煮にホッケ焼き。いかにもなメニューを敢えて選んでいくスタイル。
ジンギスカン。道産子な紅一点が焼いてくれました。というか、焼きたいといって菜ばしを他の人に譲らなかった。
ザンキ。鳥のから揚げ北海道版ですな。
既に全員3杯以上飲んでますが、まだ平気。オレもまだ記憶が残ってます。たぶんこの次くらいからだな、おかしくなったの。
三軒目:フレンチ(Seeq)
三軒目は知り合いの店へ。オレが昔よく通っていた高田馬場「ソウジュ」の姉妹店に。
看板娘兼店長のみゆさん。沖縄人らしい明るい軽いノリがチャームポイント、らしい。高田馬場でもお世話になりました。
お通し。プレートにちょっとずつ乗ってくるやつ。だいたい女性連れて行くとオシャレだと喜ばれます。喜ばれる以上には何もないのがオレらしいけど。
鶏肉と野菜のグリルかな。やっぱりシャレオツ。
シラスのパスタ。完全にフレンチじゃなく、イタリアン寄りの料理も出してくれます。
ここで初めて、今回の飲み歩きのメンバー全員の写真。手前から、元上司のイッセイさん、後輩で10歳以上年下なのにそうは見えないカメ、同僚で最近結婚・子供が生まれたリンゴさん、一番奥で思い切りピンボケてるのが「UX界の荒ぶる有袋類」ことフジタさん。フジタさんは飲み歩きのレギュラーメンバーとは初顔合わせなので、馴染めるかちょっと心配してたんですが、あっちゅう間に馴染んだのでビックリしました。酒の力は偉大だ。
実はオレ、このあたりから殆ど記憶がありません。たぶんワインボトルの2本目を出してもらったのが良くなかったんだろうなぁ……。写真も枚数だけは撮ってあったんですが、殆どピンボケで使えませんでした。わずかでもちゃんとした写真があって本当に良かった。
四軒目:カレー屋
カレー屋に入った記憶はかろうじてあるなぁ。フジタさんが「辛いもの食べたい」と騒いでた気がする。ちなみにオレは辛いものが苦手(汗が大量に出るから)で、リンゴさんは痔で長期入院した経験あり。2人にとっては割とデンジャーフード。
リンゴさんは誰とでも仲良くなる謎の能力があります。こういう人が飲み歩きの時にいると、色んな人からオススメとか聞きだしてくれてとても便利。
これでもか!とばかりに辛いものオンパレード。あとパクチー冷奴。オレは辛い辛いと騒ぎながらシンハービールがぶ飲みしてた記憶がうっすらあります。たぶんこれもよくなかったなぁ。
それでもちゃんと撮影してるあたりは我ながらすごい。というわけで次のお店へ。
五軒目:地鶏とワイン(キンクラ)
オーラスは地鶏とワインのお店。……ってオレはまったく記憶にないですけどね。
よっぽど寒かったのか、ストーブの前に全員集合。ここだけはちょこっと記憶にあるなぁ。
パクチーサラダ。単なる草の山盛りに見える。というか、前の店でパクチー食ってなかった?
写真で観るととっても美味しそうですが、何せまったく記憶にないです。食べたはずなのに!食べたはずなのに!
ちなみにこの店でオレは潰れて寝てたみたいです。完全にアウト。
総評
お酒はほどほどに!
この企画をやってたらもっと早くこうなってもおかしくなかったはずなんですが、なんと酒で潰れたのは今回が初。いやぁ、量を抑えるとか、水を間に飲むとか、それなりにケアしないとダメですな。反省。
酔って記憶のない店にはまたいづれ折を見て伺いたいと思います。
さて、次回はなんでも秋葉原あたりに出没したらしいですよ。乞うご期待ってことで。
それ以外の写真はこちら。
以前の飲み歩きはこちら。
- 秋の気配に誘われたので吉祥寺ハモニカ横丁呑んだくれツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- 木枯らしに吹かれたので赤羽一番街呑んだくれツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- 新緑が色鮮やかだったので三軒茶屋飲み歩きツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- 夏が勘違いして舞い戻ってきたので京成立石呑んだくれツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- 使徒が襲来する年がやってきたので上野アメ横飲んだくれツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
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- この暑さで有袋類が荒ぶったので高田馬場飲み歩きツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- 映画「バクマン。」を観に行ったついでに感想戦と称して有楽町呑んだくれツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- おでんが食べたかっただけのはずなのに何故か新宿飲んだくれツアーをやってきた - ミッションたぶんPossible
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- 三月に獅子が吼えるから月島呑んだくれツアーをやってきた - ミッションたぶんPossible
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- 梅雨の合間を縫って立石飲み歩きツアーをやってきた - ミッションたぶんPossible
- 台風がありえない方向からやってくる前に四谷荒木町で飲み歩きツアーをやってきた - ミッションたぶんPossible
アニメのOP/EDを見るのか見ないのか、それからいったい何がわかるのか?
先週土曜は隅田川の花火大会でした。いやぁ、あんな土砂降りでも花火って上げるもんなんですねぇ。なんでも花火は使い回しが効かないらしいので、億単位の準備費用がかかっている以上強行したいだろう運営側の思惑は察して余りあるものとして、浴衣で見物に来たカップルがホテルに寄っていく口実を与えてしまうのは苦々しく思わなくもない、なんてことをそこはかとなしに考えながら隅田川の雨模様を眺めていました。
かく言うオレは基本的に人混みが嫌いなので、この手のイベントと積極的に関わることは普段はないのですが、今回は打ち上げ会場に程近いところに居を構える友人にご招待いただいたので、おいしいお酒を頂戴しつつ何年ぶりかの花火をのんびり堪能させて頂きました。友人とその奥様に感謝。
さて、今回の本題はここから。
友人宅で飲みすぎたオレは、そこからちょっと離れたところに一人暮らしをする別の友人宅に転がり込み、そのまま泊めてもらいました。翌朝、やや二日酔い気味に起きだすと、ちょうど友人も目を覚ましたことろでした。起きて早々キッチンに向かい、冷蔵庫から金麦のロング缶を取り出し、「カシュッ!」という音と共に栓を開けそれを縦に傾ける……って、朝から何飲んでんだコイツ!? オレが呆気にとられていると、金麦を飲みながらリモコンを器用に操作し、オレの存在も意に介さず録り溜めていたアニメを見始めました。Fate/Apocrypha、シンフォギア、ひとりじめマイヒーロー……、30分アニメを次々と見ていきます。おそらくは今クール(2017年7-9月期)のアニメなのでしょう、同じ作品はひとつとしてなく、作品傾向もバラバラです。友人曰く「週末のどちらかはこうやってひたすらアニメを消化している」とのこと。さすが「深夜アニメカバレッジ90%」を標榜しているだけのことはある。毎週毎週律儀にその週の放送分を消化しているのでしょうね、積読ならぬ積録が無いから、同じ作品を続けて観ることも無いのでしょう*1。
ここであることに気付きます。友人はどのアニメもOPは必ず観ます。OPが終わると最初のCMを早送りでスキップし、本編を視聴する。しかし、EDは観ないで再生を停止するのです。次回予告も観ない。「EDや次回予告は観ないの?」と聞くと「観ない。」とキッパリと返答がありました。「だからCパート(ED後に放映される本編)がたまにあると見逃したりする」とも。OPについては「この曲はカラオケで歌いにくそう。」などと真剣に検討しているあたり、かなり執着もあるようでした。でもEDには執着が無い。
これにはオレはかなり違和感を覚えました。何故なら、同じようにアニメを大量に録画・視聴しているオレの妹とは、まったく視聴スタイルが異なったからです。
妹はOPは初回一度だけ見たら以降の話では全て早送りします。そして、EDと次回予告は必ず観ます。というか、おそらくは30分アニメの視聴時間中でEDがもっとも集中度合いが高いです。場合によっては巻き戻して再確認することもあるほどです。
これは、オレの妹と友人の、趣向や立場から来る「アニメに臨むスタンス」の違いが明確に現れた結果なんじゃないか、と考えました。
妹はどちらかというと声優さんに強く興味を持ち、どの声優さんが出演されているかを重要視して視聴するアニメをシーズン開始前にあらかじめ絞り込みます。また、職業的にもプロのアニメ制作者の立場におり、「仕上」や「色指定」と呼ばれる、アニメ制作の最後のほうの工程を担当しています。自身や同僚がスタッフロールに名を連ねることも珍しくないですし、違う会社の作品でも専門学校時代の同級生や趣味のつながりの知人の名を見つけることもたまにあるようです。だからこそ、ED……というか、スタッフロールを欠かさず観るのが習慣になっているのでしょう。
一方で妹は、OPは視聴時間短縮のためスキップします。アニメ制作会社は週6勤務で、国民の祝日であってもだいたい出勤*2です。少ない休みはアニメ・声優系のイベントに費やしているので、当然アニメ視聴に当てられる時間は限られており、視聴時間の短縮は必須です。これも時間の関係からなのか、財布の都合なのか、カラオケとか飲み会とかいった一般的な遊びはあまりやってないみたいですね*3。OPに興味が無いのは、カラオケに興味が無いからなのかもしれません*4。
話を戻してオレの友人のケースですが、深夜アニメカバレッジこそ圧倒的に高いものの、やっていることはそこらにいるライトアニメオタクと同じです。地上波で放映しているアニメの録画&視聴、DVD & Blu-rayは買わない。ねんどろいど等の多少のアニメグッズはファッションの一部というか嗜みとして購入し、身につけたり飾ったりしている*5。カラオケで*6歌うことを前提なので、比較的メロウな曲が多いEDよりはキャッチーな曲が多いOPに興味がある。声優さんには興味はあるし実際詳しいものの、メインのキャストは基本シリーズ中は固定だから、一度見れば十分でしょうしね。
アニメ制作は別の世界の出来事で、自分の領域でもないし、自分の知人の領域でもない。知らない世界だから知った名前が出てくることも無く、だからスタッフロール、すなわちEDを観ないのでしょう。それよりは1作品でも多くを限られた時間で見たいのだと思われます。
こんな風に書くと、友人がまるで「制作者にリスペクトの無いファッションライトアニメオタク」のように読み取れるでしょうが、実のところオレはそうは認識していません。「OP/EDを観る・観ない」は単に「その人がどのような立場でその作品に臨んでいるか」を示すもののごく一部に過ぎませんし、興味が無い・興味を持つきっかけがないことは、それをリスペクトしていないこととそのままイコールではありません。また、彼のように一般消費者の立場で、大量にかつフラットに作品らを視聴してくれ、その忌憚無い感想を拡散してくれるからこそ、どの作品が面白いか・どのように面白いか、を他の人間は信頼した情報として知ることができ、そのおかげでその作品に興味を持つきっかけを持てるわけですから。形こそ違えどアニメ作品に貢献してるといえると思います。
今回は「OP/EDを観る・観ない」程度の情報であっても、その人のスタンスを推理推測する一助となりえる、というのがオレなりにたどり着いた答えのひとつです。まぁケーススタディが2例しかないので、もっと色々視聴スタイルを聞いていけば、様々な傾向が分析できるかもしれませんが。
まぁそうは言っても、兄貴としてはもちろん妹の作品はスタッフロールまでしっかり見てほしいですし、もし気に入ってくれたなら、できればBlu-rayまで買ってくれると嬉しいですけどね*7。
*1:タキガワ家ではシリーズ一気視聴とかはザラにある
*2:国民の祝日が出勤の場合には振替休日はあります。が、作品の〆切(放映日)があるので、むやみやたらに取得できるわけではないみたいです、タイミング重要。有休の有無は確認したこと無いけど、出来高制だからもしかしたら無いかも。
*3:会社の打ち上げ等の飲み会後にカラオケに行くことはあるようです。
*4:そういえば兄貴=オレもカラオケにはまるで興味が無いです。歌なんかあんな狭苦しいところに行かなくたって好きなときに好きなように口ずさめばよいと思ってます。
*5:グッズを買わないので物が少ないのか、友人の家は物凄く綺麗です。妹の部屋とはエライ違いだ。
*7:うちの妹には一銭も入ってこないらしいですが
6/16(金)、「駅すぱあと」× EXPERTプロジェクト ストームチェイサー青木豊氏 トークイベント に参加してきた
はじめに
6/16(金)は高円寺:ヴァル研究所で開催された「「ストームチェイサー青木豊氏トークイベント 」に参加してきました。ストームチェイサーとは、嵐・竜巻・雷などの異常気象を専門に扱うカメラマンのこと。日本では青木さん唯お一人のみがプロのストームチェイサーとして活動されているそうです。人が逃げる危険な異常気象を敢えて間近で撮影するその日常ぶりは常軌を逸しており、あまりの凄まじさにTBS系ドキュメンタリー系バラエティ「クレイジージャーニー」でも特集を組まれたほど。
今回このイベントは、ITコミュニティづてでご紹介頂き、開催を知りました。オレ自身、写真が趣味で、親父も野鳥撮影が趣味ですが、親父から聞く野鳥の撮影は、普段写真を撮り慣れているオレからしてもかなり過酷です。それをさらに上回る困難さが付きまとう異常気象の撮影というのはどういうものなのか、ぜひお話を伺いたいと思い参加した次第です。
以下、トークショーのメモ。最初の10分程度は遅刻したこともあって聞き逃していますのでご了承ください。
聴講メモ
- 食っていけるか?
- 1人しか知らない
- 自身もバイトしながらやってる
- 普段は普通のカメラマンと同じ
- きっかけ
- 最初の一枚
- 昼間は撮れない
- 動体視力があれば行けるんじゃね?
- バッティングセンター
- 被写体の特性を知らねば撮影をはできない
- ネット
- 図書館
- 雷の特性
- ストームチェイサーのお仕事
- 自営業
- 事務処理も自分で行う
- 実は事務処理は嫌い
- パチンコ屋の早朝清掃
- (色々あってパチンコ屋のエピソードは自主規制)
- 雷は午後が多い
- シーズンオフ
- ブライダル撮影
- 商品撮影
- リフォーム物件撮影
- 本当は好きな写真を撮って暮らしたい
- 日本には写真を買うという文化が根付かない
- 最盛期は寝ない
- 夜遅くまで作業
- 仮眠取るつもりがいつの間にか深夜に
- バイトで得た収入は生活費
- 撮影で得た収入は撮影機材やガソリン代
- ガソリン代は馬鹿にならない、シーズンは月7万の時も
- チェイスをするための準備
- アメリカはどこに停めても撮影できる
- 高速道路は無料
- 停車は禁止だが停めて撮影している人はいっぱいいる
- そのせいで曳かれて死ぬ撮影家も
- 3日前
- 情報収集
- ネット
- 天気予報
- 天気図
- 発雷確率
- 2日前
- 予報や確率のっ変化を気にしながら撮影地を模索
- 予報は当たらないことが多い
- 当日
- レーダーを気にしながら
- 目視で確認
- 輪郭のはっきりした雲が狙いやすい
- 雲は動きが早い
- 30km/hくらい
- 日本は信号や渋滞が多い
- 車を停められる場所が見つからない
- 停められる場所を探している間に雲をロストすることも
- めったに撮れない
- 撮れたらうれしい
- 奮発してお酒やお肉が食べたくなる
- 楽しみながら撮りたい
- 長続きしない
- 五感を研ぎ澄ます
- 自分で見て肌で風を感じて危険を察知する
- 危険を感じた場合、車がシェルターになる
- 金属に囲まれていると安全
- 窓が開いているとNG
- 金属に触れているとNG
- 鉄板が薄いと突き抜ける?
- 危ないと思ったときにはもう遅い
- 雨が降ってきたら移動を考える
- 目当ての雲が迫ってきたら
- 雨が降ってきたら雨が降ってない場所まで移動して撮影
- 虹は10分くらいで消える
- モチベーション
- いつか理想の一枚を撮りたい
- 雲や天気のことをもっと知りたい
- 撮影時のエピソード
- 小さめなカメラの使用
- 「えっプロなのにこんなので撮影してるんですか」
- 車の中で撮影するので、小さくて使いやすいカメラがよい
- 最近のカメラは性能が良いので、小さくてもちゃんと写真は撮れる
- 認められた一枚
- 日経に掲載された
- 反響がすごかった
- これがきっかけでプロ宣言に
- 情熱大陸
- まるまる一年かけて撮影
- ストレスで4kgやせた
- 撮影日に雷がとれるとは限らない
- プライベートまで撮影
- 食事
- 洗濯
- 言わなければトイレまでついてくる
- ディレクターと折り合いが悪い
- こいつとは一生友達になりたくない
- アメリカロケ
- 放送4日前
- 予告が入った後でも撮影は続いた
- 人工物・建物を比較対象として写すことが多い
- 火災旋風
- ガストフロント
- ダウンバースト
- 茨城県下館市
- 国内最大級のダウンバースト(F2 / 20年前)
- テレビのアンテナが全部とんだ
- 死者発生
- 太陽光パネルが吹き飛ばされてそれに直撃
- F0・F1、風速はそれほどでもない
- 体感的にはかなり風が強い
- 木がバタバタとゆれる
- 被害範囲が広い
- 飛行機には大変危険
- ダウンバーストを解明したのが藤田博士
- Fレベルは藤田博士の頭文字から
- アメリカでは神様みたいな人、亡くなった時には特番まで組まれた
- 測定するためにセスナ機をチャーターしてダウンバーストに特攻した
- 米国人「イッツアクレイジー!!!」
- ダウンバーストをTVで撮影したがお蔵入りになってしまった
- 被害が出るとテレビが買いたがる
- 画像データが大きいので、データが簡単に送れない
- ADSLを未だに使っていたり
- 夕方の番組に間に合いませんでした
- 雷
- 電車にとって脅威
- 駅すぱあとを活用してね
- 雷の軌跡を追えるソフト
- 雷の予報に役立てる?
- 学者の言ってることが難しくてよくわからなかった
- 横走りの雷が増えると積乱雲が衰退してきた証拠
- まとめ
感想
いやぁ、思っていた以上に大変ですね。このトークショーの後で「クレイジージャーニー」の放送回も観たのですが*1、あれだけ下調べをしていても空振りが圧倒的に多いことにビックリしました。本当に好きでなければ続けられないっすわ。また青木さんの場合は、「異常気象がどれほど危険か知らせたい」「研究機関に提供することで将来の災害予測に役立てたい」と使命感を持たれており、「雷が好き」「良い写真が撮りたい」以外のモチベーションもそれを支えているようです。
オレはあくまで趣味で写真を撮っており、できればその趣味で撮った写真をプレゼンやブログで活かしたい、とは思って続けていますが、さすがにあそこまでのめり込むことは……。ただただ感心するばかりでした。あの辛抱強さと執念は見習いたいです。
お話の中には、青木さんの生活感あふれる話や、「情熱大陸」で長期間の密着取材があった際の撮影スタッフとのイザコザの話など、青木さんの生身の部分が見えて親近感がわきました。「クレイジー」と評される人であっても、視点を変えればただの人、というのは、個人的には安心感もありますし、立ち入れない領域ではないのかもしれないと感じて心強くもあります。
トークショー最後にはじゃんけん大会も。勝ち抜いた女性お二人が、会場に展示されていた青木さんのお写真のパネルをプレゼントされていました。また、自己申告で「今日が誕生日だから自分にも写真をくれ」という若い男性にもパネルがプレゼントされるという太っ腹な一面も。……クレイジージャーニーで青木さんの平均月収を知っていたら、とてもじゃないけど「タダでくれ!」とは言えないですね。今思い返せばじゃんけんで早々に負けてよかったのかも。
帰り際に写真集も購入、青木さんから直々にサインも頂きました。オレの購入した費用だと、印税が10%だとして……残念ながら唐揚げ&ビールには到底届かないですが、また機会を見つけて買わせて頂きます。
最後に、このイベントを教えて頂いた@Toshiaki0315さんと丸山さんに多大なる感謝を。イベント最後に回答したアンケートから察する限り、ヴァル研究所さんの「駅すぱあと× EXPERTプロジェクト」では、また青木さんと同じようなエキスパートな方のお話が聞けそうなので、今後もチェックしてみたいと思います。
*1:一応リンクは貼りますが、違法だったら消えると思うので、その旨ご了承ください
「開発をアジャイルで」「でも契約は一括で」と言ってくる顧客がいたらどうすべきか?
はじめに
このブログでは言及してませんでしたが、宣言どおり無事転職して、今年の1月から新宿のSIerで働いています。まぁその辺の話は来月あたりの暇な時にでも書くとして*1、今回は別の話。
ついこの間、その新会社で、PM的役割をこなす社員を対象に開かれた「法務研修」という名のついた社内セミナーに参加しました。内容は、SIerの立場で契約に携わる時にどうすべきか、というもの。SIerあるあるの契約にまつわる揉め事を事例に、それを回避するために何に気をつけるべきか、といったことが扱われました。まぁこれ自体は目新しい内容ではなく、SIerに所属する者なら当然知っておく・気をつけるべきことばかり。再確認という意味では非常に有意義でしたが、それ以上でもそれ以下でも無かったなぁ、というのがオレの率直な意見でした。……研修本編終了までは。
ちょっとこれ大丈夫か、と思ったのは、Q&Aに入ってから。社員の誰かが、壇上に立つ法務部の人間に、こんな質問を投げかけました。
「たまにお客さんから『アジャイルで開発したいんだけど、契約は一括(作成請負)にしてほしい』って言われるんだけど、こういう場合はどうしたらいい?」
あまりに驚いたのでその後の経緯をあまり覚えていないのですが、確か壇上の人間には答えられず、会場脇にいた講師役社員の上司にあたる人物が、「契約をできるだけ細かく区切るしかない」みたいな回答でその場は収まったような記憶がおぼろげながらにあったり無かったりします。
そのやり取りを聞いていたオレは、「どうしたらいい?じゃねーよ!契約以前にやること山ほどあるだろうか!!」と怒鳴りつけたくなるところでしたが、この場は法務研修、アジャイルの議論をする場ではない、とそっと胸の内の矛を収めた次第です。
今回のQ&Aで出てきた、客からの「開発をアジャイルで」「でも契約は一括で」という要望は、いったい何が問題なのでしょうか?
開発費用が高くなる
問いに対して法務部の上役が回答した「契約をできるだけ細かく区切るしかない」は、おそらく開発プロセスに「スクラム」を採用して開発を進めることを想定して言ったのでしょう。巷では昨今どうやら「アジャイル」=「スクラム」というイメージが定着しているようなので、ソフトウェア開発を主務としていない法務部の人間がこう勘違いしてしまうのは、まぁ止む無いことだと思います。(質問してたヤツは絶対許さん!)
スクラムでは1イテレーションの開発対象(タスク)を確定すると、基本的にそのイテレーションの最中はタスクの変更は行いませんので、イテレーション単位で見積を作成しその都度契約を行うことは、まぁ可能か不可能かでいえば可能でしょう。
でも、契約作業にかかる工数は、非常に膨大です。工数見積を作成して、付帯条件作って、利益乗せて、正式な見積書作って、顧客側企業内で稟議通して、発注して。どんなに早くても2~3日はかかるでしょうし、1週間~10日はかかるのがザラ、というのがオレの個人的な感覚です。ところが、スクラムのイテレーションは、長くても3週間、短いところでは1週間というところも多いです。1ヶ月のイテレーション期間、というのはオレは今のところ聞いたことが無いので、少なくとも単月契約よりは短いスパンで契約作業が強いられることになります。これをやるのは相当シンドイですよ?
SIerサイドは契約作業にかかる工数を明示的に顧客に請求したりはしない(「見積は無料」という悪しき文化が定着している)ので、開発工数のいづれかにまぶして請求することになるのでしょう。結果、開発工数は多くなり、費用も高くなる。「アジャイルで開発する費用」として見込んでくれているならいいですが、費用が高くなることを顧客サイドは了承してくれているのかは甚だ疑問ではあります。
スクラムのメリットが失われる
またもや「顧客のいうアジャイル開発」=「スクラム」という仮説に基づいて弁を進めます。
以前たしか、原田騎郎さん(「カンバン仕事術」や「ジョイ・インク」「スクラム現場ガイド」らの訳者のお一人)がこんな事をSNSでおっしゃられていたと記憶しています。(ニュアンスが異なっていたり、そもそも発言者が原田さんじゃなかったらスミマセン)
「スクラムは開発チームにマーケティングを取り入れるための開発プロセス」
そもそも開発対象にブレが無かったら、ウォーターフォールで開発した方が楽ですし確実です。そうではなく、市場やユーザーのニーズに対応し随時開発の方向を見直す必要があるからこそ、スクラムでイテレーションまわして開発する必要があるのです。*2
イテレーションごとに契約を行うことによるオーバーヘッド増加について前述しましたが、費用だけでなく開発スピードにも弊害が生じます。仮に、イテレーション期間を3週間として設定し、契約手続きに毎回1週間必要だとすると、最低でもイテレーション開始2週間前にはそのイテレーションで開発する対象を確定し、見積を開始する必要があります。結果、実質1ヶ月強も開発対象を変更することが出来ないわけです。前イテレーションで作ったものが気に入らなかったとき、顧客側はどうするつもりなんですかね? SIer側に無理を言って強引にねじ込むのでしょうか? それとも泣く泣く我慢して次の機会を待つのでしょうか?
また、一括(作成請負)契約にする時点で、顧客側の担当者がどの程度このプロダクトにコミットする気があるのかが気になります。理想としてはプロダクトオーナーとしてフルタイムをプロダクトにコミットするのが望ましいですが、そこまで行かないにせよ、ある程度開発サイド(チーム)と対話しやすい距離にい続けることは非常に重要です。それにも関わらず、開発を発注した時点で要件をすべて伝えた気になり、以降をSIerに任せきりにするつもりなら、そもそもスクラムで開発する意味は皆無でしょう。開発契約を一括にしたい理由が、値段を先に決めたい・社内稟議を通しやすくしたい のであれば、心情的には理解はできますが、単にITに関わる作業を丸投げしたいだけであれば、おまえちょっとチャランポラン過ぎないか、と思わなくも無いです。
客がそもそも「アジャイル」が何なのかを分かっていない
だいたいにおいて、「開発をアジャイルでやりたい」とか言い出す輩ほど、アジャイルのことを何も分かってないケースが多いです。
そもそも「アジャイル開発」などと言うものは存在しません。「アジャイル(agile)」は「俊敏な」「素早い」「小回りのきく」といった意味を示す形容詞であり、「アジャイルな開発」というものはあっても「アジャイル開発」という開発手法や開発プロセスがこの世にあるわけではないです。アジャイルソフトウェア開発宣言(アジャイルマニフェスト)とその背後にある12の原則に沿う開発プラクティスがいくつも存在し、それらを総じて「アジャイル」と呼ばれているのに過ぎないのです。
前述のように「アジャイル=スクラム」のイメージを持っていてくれているならまだマシですが、そんなレベルにさえないことが残念ながら大半のようです。
一年ほど前、「アジャイルがダメだと思う7つの理由」について議論する会というイベントが開催されました。その3年ほど前に鈴木雄介さんが問題提起した「アジャイルがダメだと思う7つの理由」について、もう一度議論してみようというのがイベントの主な目的。
この会でオレは「6.手段が目的になっている」の議論の場のファシリテーターを担当しました。アジャイルな開発を実施する上で「Don't do Agile, Be Agile.」(アジャイルをしようとするな、アジャイルであれ)という有名な格言があります。この格言の指摘にもあるように「アジャイル開発をすること自体が目的になっていないか?」というのが、この議論の場の主な議題。もっともこのイベントの参加者はアジャイルな開発に熟練しており、さすがに手段と目的を履き違えているような方はお一人もいらっしゃいませんでしたが、一方で面白い話が議論の中心になりました。
「最近は顧客から『アジャイルで開発してほしい』と言われることが多い」
冒頭のうちの会社の話とまるで同じです。が、でも詳細を聞いていくと、アジャイルで開発してほしいと言ってきた顧客の、実際の要望はまったく違うようです。
当たり前ですが、開発の本質はアジャイルにしようが何も変わらないので、アジャイルな開発手法に変えても吉野家のごとく旨く早く安く開発対象が出来上がることはありません。普通に考えれば当たり前なんですが、アジャイルという言葉がIT業界に定着した今、ユーザーサイドにはそれがバズワードとして広まり、背びれ尾びれが付いた状態で、まるで魔法かなにかのように認識されているのでしょう。前述のイベントの最後に自分たちの議論の場のまとめを簡単に発表したのですが、まるで童話の「オズの魔法使い」だなと思い、皮肉を交えて以下のように紹介したところ、会場からは大爆笑を頂戴しました。笑い話で済めば幸せだったのですが、残念ながらこれが今のソフトウェア開発の現実のようです。
「『アジャイルやっている』と言うと愛だの勇気などを要求されることがあります」 #アジャイルがダメだと思う7つの理由
— 鈴木雄介/Yusuke SUZUKI (@yusuke_arclamp) 2016年5月18日
顧客から「開発をアジャイルで」「でも契約は一括で」と言われた時にすべきこと
では、SIer側は「開発をアジャイルで」「でも契約は一括で」と顧客に言われた場合、どうすべきでしょうか? オレのたしない頭で3案考えてみました。
1.アジャイルに何を求めるのかを確認する
要は顧客に「お前の言うアジャイルってなんなんだ?」と確認する、ということです。コストダウンがしたいのか、なんとなくモノをヨロシク作りたいのか、要件があいまいでフワフワした状態から開発を始めたいのか、流行だからなんとなくやってみたいのか。顧客にこんなことを聞くと失注するのでは、と不安に思うのかもしれませんが、そこをあやふやにしたまま契約しても、双方ともに不幸を見るだけです。勇気を持って、まずは要求を明確に確認するところからはじめるべきでしょう。間違っても「アジャイル=スクラム でやりたいのね」などと早合点しないように。
2.準委任(SES)契約を勧める
スクラムで開発することになった場合、納品物を最初に確定する一括(作成請負)契約はとてもリスキーです。契約期間中に数イテレーションを挟めば、最初の要求と異なる成果物になる可能性が十分ありえるからです。であれば、契約物を確定しない準委任(SES・作業請負)契約を勧めるのが望ましいです。準委任契約は成果物を保証しないので、顧客から嫌がられる場合が考えられますが、であればスクラムで開発を諦めるか、選択を迫ってみるべきでしょう。
3.一括契約ながら成果物をあいまいにしておく
スクラムで開発することは断れない、でも一括契約も避けられない、失注もしたくない。そんなジレンマを抱えた時の最終手段です。開発期間と案件参画人員数を単純に掛け算して工数を算出し、それを元に見積を作成、しかし成果物はなるべく明確に定義しない、という契約にします。一括契約ながら中身は実質準委任契約、みたいな契約にすることを目指したものです。顧客が「値段を先に決めたい・社内稟議を通しやすくしたい」という目的で一括契約を望んでいるのであれば、ある程度実現性はあるのかな、と思います。ただ、成果物があいまいになる都合、開発中に問題が発生して、最悪裁判沙汰になったりした場合には、結構大変なことになりそうな気がします。成果物とは異なる作業エビデンスを随時残しておく必要は出てくるかもしれません。
おわりに
色々書きましたが、こういうノウハウを持って対処していらっしゃる企業さんはきっといるのでしょう。どこかでそういうのを共有出来る機会*3があるといいんですけどね。
今オレは現場に出ていて、顧客企業内で働いています。この現場では、一応ウォーターフォールプロセスで開発しているんですが、要求はプロダクトバックログで管理して、都度(3ヶ月単位)でビジネスサイドからの要望を見直して開発対象を決めていたりと、ちょっとスクラムっぽいところもあるんですね。こういうやり方もあるんだなぁと密かに感心してました。
ちなみに今のオレの契約は準委任……いや、上司からは時間清算って強調されたなぁ、時間に見合った成果物が出せないとすぐリリースされるから、そうならないようにちゃんと働けよと散々釘を刺されました。ハーイ、気をつけマース。
上記に書いたような内容は、以前SlideShareに資料をあげてますので、良かったらそちらもご覧ください。