ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

今日でSIerを卒業するのでSIビジネスについてダラダラと書いてみる

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はじめに

 実際には有休消化があるので7/10が正式な退職日ですけどね。2年半働いた初台のSIerを退職することになりました。今日が最終出社で事務手続きとかも基本全部終わらせたので、事実上の退職日が今日となります。
 本当に色々なメに遭ったので、会社辞めたら色々書いてやろうと思ったんですが、ご他聞に漏れず「SNSやブログ等に会社に関わる一切を書くな!」って誓約書にサインさせられたので、ここは大人力を発揮してとりあえず黙ることにしました。残念ながらオレの人生ももうちょっとだけ続くんじゃよ。


 今回退社する会社で3社目の在籍、途中でコンテンツ配信サービスなんかにうつつを抜かした時期もありましたが、トータルで14年強もの間、SIビジネスの渦中にいました。これで一旦SIビジネスの会社に所属するのは最後になるので、2年半のうらみつらm……もとい、体験記を書く代わりに、SIビジネスについて思うことをダラダラと書いてみようと思います。個人の感想に寄るところが多いので、多少狭視的だったりピントハズレだったりするところは勘弁してください。

SIerは滅びぬ!何度でもよみがえるさ!

takigawa401.hatenablog.com


 この記事書いてから7年経ちます。あの時は「SIerが滅びるかどうかなんて分からん」って書きましたが、案の定滅びませんでしたね。少なくともオレの周りでSIビジネスがシュリンクしたという話は聞かないし、当時オレがいたn次請けのSIerは、オレがいた時よりも元気っぽいです。今のIT業界の好景気に支えられてる面は否めないのでしょうけど、大方の予想を覆して活況なんじゃないかなぁというのがオレの雑感です。
 旧態依然としたレガシーな開発も相変わらず同じような規模で存在しています。インターネット上では「アジャイル」のキーワードが跋扈するようになって久しいですが、そんな風潮はどこ吹く風、ウォーターフォール型だったり大型護送船団方式だったりも相変わらず健在です。

いつまでもSIerに頼ってばっかりでもない

 一方で、ServicerがSIerに頼らずに独自にITエンジニアを雇い、自力でシステム開発を進めるようになったのも、肌感覚としては増えているように感じます。外部に依頼すると契約に縛られてフレキシブルに開発が進められない、コミュニケーションコストばかりかかって本来の目的をなかなか達することができない、さまざまな理由があるんでしょうが、ITの価値を正しく理解した人たちが増えて、自分達の欲しい道具を自分達のコントロールしながら作るようになった、というのがその傾向の根底にあるんだと思います。

バブルはいつか終わる

 今はIT業界が好景気で活況、と前述しました。業界内では、どこで話を聞いても人手不足だと一様に言います。働き方改革とかクラウド移行とかBCPとか色んな理由があるんでしょうが、どれが原因で結果強烈な人手不足になるほどシステム開発が増えているのかはオレには不明です。なんでなんでしょうね? 誰か教えてぷりーず!

 とはいえ、オレが思うに、この好景気はあくまで一時のもの。しょせんはバブルで、いつか終わるんじゃないかと思っています。
 そもそもシステム開発の発注側である企業が倒産するリスクが非常に高い昨今です。三洋や東芝の例を挙げるまでもなく、大企業でさえいつ潰れるか分かりません。それらの企業が1つ潰れたら、いったいどれだけの工数の発注が消し飛ぶのやら(まぁその前に開発自体がストップするでしょうけど)。

「丸投げ」から「共創」へ

 大企業を見てると、ことITに関しては「ものづくりがヘタクソだなぁ」と思うときがあります。これだけ市場の変化が激しいのに、ユーザーの声を聞かずに思い込みだけで製品・サービスを作っているところが今でも沢山あるように感じられます。従来のマーケット調査みたいなのはしてるんでしょうけど、直接エンドユーザーの声を聞かない・ユーザーインタビューをしない、なんてのがザラ。延々とピントのずれ続けたモノを作り続けて、気付いたら数年・数十億費やしてる、みたいな悲劇だか喜劇だか良く分からないことが起こったりします。探索型開発ができないというか、アジャイルじゃないというか。
 じゃあアジャイルをやればいいかっていうと、そうは問屋が卸さなかったりします。


takigawa401.hatenablog.com


 以前こちらの記事にも書いたんですが、アジャイルな開発をしようとすると、従来のSIビジネスの根幹である一括契約が邪魔をして、そもそもアジャイルな開発にちっとも移行しないんですよね。トライアルでアジャイル専門プロジェクトを立ち上げて果敢に挑んでも、時をさほどおかずして失敗→元通り。フォルダ名だったりサーバーだったり施設名だったりに不自然に「アジャイル」がくっついてる資産が、その時の名残としてあちらこちらに残り続け、後世に引き継がれたりするわけです。デジタル時代の「つわもの共が夢の跡」は、他者から見れば滑稽でしかありません。


 ユーザー企業の実施するアジャイルな開発にSIerが関わろうと思うと、信頼関係を築いた上で納品物の取り決めを物凄く緩く設定した一括契約にするか、あるいはSES(準委任)契約でやるしかないんじゃないかなぁ、と思っています。しかもできるかぎり常駐でやるのが望ましいです、当然リモートワークをある程度許容することも前提で。ユーザー企業のシステム開発を肩代わりするのではなく、ユーザー企業と一緒になって同じ目線で開発するわけです。アジャイルな開発が主となった世界でSIerがユーザー企業とかかわり続けるのなら、一括契約を捨てると言う判断をしていかなくちゃいけないんじゃないかと推測します。

集団の力から個の力へ

 一括契約からSES(準委任)契約に切り替わるとなると、これまでよりも個人の技術力にフォーカスされるようになるでしょう。一括契約なら誰が開発に関わっていようが、何人関わっていようが、モノさえちゃんと納品されれば関係なかったわけです。ところがSES(準委任)契約、特に常駐型だと、どうしても顧客から個人が見えるので、会社うんぬんよりは個人の能力が問われることになります。優秀な技術者がいっぱい輩出される会社は必然的に優秀なSIerとして評価される、みたいな。まぁ個人の技術力が重要なんてのは今だって違いは無いんですが、十把一絡げで一括開発ばかりやってた会社だと、それなりにインパクトがあるのかもしれませんね。

教育とR&Dを頑張れるところが良いSIer

 となると、SIerの役割が「システム開発の肩代わり」から「優秀な技術者の育成」に変わってくるんじゃないでしょうか。更に言えば、開発チームは解散せず長く一緒に開発に携わるのがよいとされるので、「優秀な開発チームの育成」が出来るのが望ましいと思われます。会社全体でITエンジニアの技術力を高めるのであれば、整備された教育カリキュラムが必要ですし、新しい技術要素の活用方法を探究し、他者に伝播できるようブレイクダウンする必要があるはずです。必然的に社内の教育部門とR&D部門の重要性が高まるんじゃないでしょうか。

SIerの株式市場上場に初めて意味が出てくる

 オレはこれまで、SIerの株式市場への上場は無意味だと考えていました。SIerって結局ビジネスが人駆ありきなんで、投資先が「人」しか無いんですよね。一方で上場には莫大なお金がかかり、上場してからも莫大なお金がかかります。その割に得られるメリットが、SIerの場合少なすぎるように感じます。上場にかかる費用を給料に上乗せした方が、人駆だったらもっと質も量も集まるっての。顧客企業だって結局は信頼した会社にしか発注しないので、上場が信頼の証でそれによって仕事が集まるかと言うと、わりと眉唾じゃないかなと思っています。あんなもの、経営者のステータスのためか新卒を騙して集めるためのカンバンにしかなりえないってのがオレの持論です。


 しかし、社内の教育部門とR&D部門の重要性が高まるのであれば、投資先が「人」以外にもできたことになります。ここまでいって初めて上場で資金調達する意味が出てくるんじゃないかな、と。
 現在でも上場が企業の社会的ステータスを高めるという事実は変わりませんし、個人を売るために企業のステータスを高めるのは、どうしても必要だと思います。

ITエンジニアがタレントになる時代

 個人やチームが注目されるようになれば、バイネームで顧客企業から呼ばれるようになるでしょう。単価も人気によって変わるでしょうし、SIerも個人をタレントさながらにアピールする必要が出てくるかもしれません。
 以前きょんさんが「ITエンジニアで武道館ライブをやりたい」と言っていたのを思い出しました。あの時は突拍子が無さ過ぎてピンときていませんでしたが、もし個人やチームがバイネームで呼ばれるのが当たり前の時代になれば、ITエンジニアで武道館ライブをやるのも絵空事ではなくなるのかな、なんて思いました。


おわりに

 以上、ダラダラとSIer卒業記念にSIビジネスについて考察してみました。当たるも八卦、当たらぬも八卦。今日はプレミアムフライデーですし、これを酒の肴に色々と夢想してみるのも面白いかもしれませんね。


 来月からオレは一旦フリーランスとして働く事になります。故郷に年内に帰ることを大前提にしていたので、リモートワークを認めてもらえる顧客企業と個人で契約する、という方法しか思いつかず、結果良縁に恵まれてそれを実現することが出来ました。
 その後のビジョンも当然ありますが、まずは新しい働き方を確立して自分の足でしっかりIT業界に立ち続けることを目指したいです。

閾値を超えるジレンマ


 昨日はてなブックマークホッテントリ入りしていたこちらのツイート、このツイート自体は「何を脳みそお花畑なことを……」とアラフォー独り身なおっさんのオレなんかは苦々しく思ったりしたわけですが、このツイートに付いているコメントやリプライの内容がなかなか秀逸でした。みんな上手いこと言うもんだ。

  • とんかつ食ったことないやつがとんかつ無しでは生きていけないなんて言わない、っていうコピペが的を射ている(miraiez)
  • 崖から落ちたら死ぬけど、最初から崖の下に住んでる分には平気だろ(uzusayuu)
  • 麻薬やったことないから麻薬使わなくても全然苦しくないです(nmcli)
  • 深海魚は太陽を求めない(@nagkirio)
  • タバコ吸わない人が、禁煙しても平気なのと一緒。酒飲まない人が、禁酒しても平気なのと一緒。(@Tadakatu03)


(@vacationzc)


 こういう例を出されると、なるほど「あるある」だなぁと思います。実際の@miki0423smallさんの状況がそれらと合致するのかはさておき、オレはこれらの現象を以前から「閾値を超えるジレンマ」と呼んでいました。




 端的に言うと「体験の上位互換が発生することによって、それ以前まで何の不満も無かった体験に苦痛を感じるようになる、更には苦痛が強すぎてそれを実施できなくなる状況」を、オレは「閾値を超えるジレンマ」と呼んでいます。
 この現象について、オレなりに例を挙げてみました。

  • 今まで毎日のように通っていたラーメン屋が、別のもっとおいしいラーメン屋で食べた後では不味く感じてしまい、二度と行かなくなった
  • 築地で回らないお寿司を食べたら、たまの晩飯に楽しみに食べていたスーパーの半額パック寿司が美味しく感じなくなった
  • 本格的なバーで竹鶴を飲んだら、いつもの自宅での晩酌の安いウイスキーが美味しくないと感じた
  • 32インチデュアルディスプレイの環境でのプログラムに慣れたら、自宅の小さなノートPCでプログラムを書くとイライラした
  • 20万のロードバイクに慣れたらママチャリにタルくて乗る気がしなくなった
  • 大型冷蔵庫に慣れたら、単身赴任先の小さな冷蔵庫にストレスを感じる
  • 自家用車で移動することに慣れてしまい、電車やバスに乗るのが面倒に感じる


 「閾値を超えるジレンマ」は体験の上位互換によって発生するので、ちょっとでも体験のベクトルが逸れると回避できる場合があります。たとえば、

  • クラフトビールに飲みなれたら日本の生ビールが飲めなくなった
  • 築地で寿司を食べたら自宅で子供達と楽しみにしていた手巻き寿司パーティーができなくなった

みたいなのを挙げると、クラフトビールと日本の生ビールだと味の方向性が微妙に異なるので上位互換にならなかったり、また築地の寿司と自宅の手巻き寿司パーティーだとシチュエーションの違いがあるので上位互換が起こらなかったりします。もちろん、体験の中身は個々人で異なるので、必ずしも起こらないとも限らないですし、一見全く異なる体験でも上位互換が発生してしまう場合もあります。


 「閾値を超えるジレンマ」を解消し、以前の体験を受け入れられるようにする方法は、オレが知る限りでは今のところひとつしかありません。「閾値を超えるジレンマをはるかに上回る苦痛に晒されることで、本来不可逆であるはずの体験のボーダーラインを強制ロールバックする」というものです。
 具体的には、美味しいものに食べなれてエンゲル係数が爆発的に上昇してしまった人が、事故等で多額の借金を背負って極貧生活を強いられ、必然的に食事のレベルを長期間にわたりダウンさせる必要に迫られる、みたいな状況を指します。
 なので、冒頭の@miki0423smallさんの場合、仕事や学業に長時間拘束される状況に強制的に置かれれば、忙しすぎて彼ピッピどころではなくなるわけです。ブラック勤怠が治療薬になるというまさかの結論!依存症などの他の精神疾患が原因の場合にはこの限りではありません、あしからず。




 ちょっと前にあったニュースで、幸福度が一番高かったのは極貧国のブータンだったという話があった記憶があります。過ぎたるは及ばざるが如し、上見て暮らすな下見て暮らせ、ってのは、あながち間違ってないのかもしれませんね。もっとも、SNSが発達して強制的に体験の上書きをさせられる現代日本では、なかなかそういうわけにもいかないんでしょうけど。



追記

 公開後、@_N_A_@itow_pondeから関連情報を貰いました。多謝!


wired.jp

 オレが「閾値を超えるジレンマ」と呼んでいる現象は、認知科学において「参照点バイアス」という名称で研究されているそうです。上記記事では、他人の行動によって相対的に自分の提供する体験の価値が下がり、自分が低く見られるものを嫌気する傾向が顕著に現れたことを報告しています。


service.plan-b.co.jp

 一方こちらは経済行動学から、「アンカリング効果」について説明しています。先行する何らかの数値(アンカー)によって後の数値の判断が歪められ、正常に判断できなくなることを指すようです。事前に手持ちの情報が不足している場合に発生するようですので、オレの言葉で直すと、閾値を超える以前が情報が不足しており狭い世界で判断している状態、閾値を超えた後が情報が追加され比較的広い世界で判断している状態、と言えるかもしれません。

夢でもし逢えたら

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 先週金曜は弟の結婚式でした。大好きなミッフィーの誕生日に式を挙げたいというお嫁さんのたっての希望で、平日の結婚式というちょっと珍しい形になりましたが、まあ参列者が両家の親族だけなので、その辺はフレキシブルにできたんでしょうね。上の写真は式場のほんの一部。式場はこんな感じでミッフィーやそのほか色々なキャラクターで埋め尽くされていました。なんなら神前式の神棚にまでミッフィーがいたもんなぁ。しかもこれが全部お嫁さんの私物だってんだからビックリしちゃう。なんでも車にぬいぐるみをめいいっぱい詰め込んで、式場と2往復したんだそうな。「まだ家にはお留守番してる子たちがいっぱいいるんですよぉ」って嬉しそうに話してました。弟はそんな環境で新婚生活を送っているのかぁと、兄貴が知らない世界線をつたない想像力で想像したりもしましたが、さすがにちょっとピンときませんでしたねぇ。
 まぁともかく、色々ちょっとずつ珍しい形ではありましたが、手作り感に溢れ、とても良い結婚式だったと思います。あらためて、ふたりともおめでとう!


 いやぁ、でもなんというか、感慨深いというか驚きが多いというかですね。実家でニートというかパチプロというかを10年近くしていてフラフラしていた弟が、近所に工場ができたのをきっかけにきちんと働き始め、生涯の伴侶となる女性とそこで出会い、結婚して家庭を持つ。それだけでも相当な驚きでしたが、お嫁さんから聞く弟の特徴に「すごく気遣ってくれてやさしい」なんて言葉があったり、式の最中にお嫁さんを喜ばせようとさまざまなサプライズを仕掛けていたりと、オマエそんな色々気遣いできるヤツだったっけ?と衝撃を覚えました。更には、将来子供ができたタイミングで実家に戻って二世帯住宅を建てて両親と一緒に住もうと思っている、というようなことも言っていたようです。それすなわち、実家を継ぐという意思表明なのでしょう。オレの中で弟はあんまり良いイメージがなかったんですが、ちゃんと将来のこともしっかり考えてくれていたんだなぁと感心しました。男子三日会わざれば刮目してみよ、とは言いますが、いやまさにそのとおりだなと思いました。




 ちょっと話は変わるんですが、夢……寝ると見るほうです……を見ると、起きた後も割と印象に残っているのが、弟と祖父母が出てきたときの夢だったりします。


 人は睡眠中に記憶の整理・定着を行うそうです。不要な記憶を消したり、大事だと思う記憶を保存したり、他の記憶と結びつけたり。いわゆる脳のデフラグですね。睡眠は深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)をだいたい90分単位で繰り返すそうですが、脳のデフラグの最中に浅い眠りに突入すると、意識の表層に整理中の記憶が映像として現れることがあり、これが「夢」になるんだそうです。夢で見た内容は海馬を介さないので記憶として取り込まれず、眠りから覚めると次第に忘れてしまうのだそうです。夢の内容を覚えていたければ、起きて目が完全に覚めきらないうちにメモを取るか、夢の内容を反芻して海馬から新規情報として取り込む必要があるんだそうな。そんな話を聞いたことがあります。ところどころ間違ってるかもしれませんし、それを差し置いても10年以上前に聞いた話なので、信憑性はさだかではありませんが。


 話は戻して、オレの夢の話。本来忘れるべき内容を強い印象を以って記憶しているのには、それなりに理由があります。弟は夢に出てくるとき、必ず子供の姿なのです。

 先に結論と言うか、自己分析した結果を書くと、弟を内心子ども扱いしているとかではなく、オレが18で上京したときに弟はまだ小学生だったので、おそらくはその時のままの姿で夢に現れてるのでしょう。潜在意識の中の弟の姿が、実家を出てから20年以上アップデートされていないのではないかと思います。もちろん帰省した際には毎回顔を合わせますし、子供の頃と今とでは似ても似つかない姿であることはとっくに認識しています。しかし、どうも潜在意識の中の弟の姿はアップデートされていない。アップデートされていないから、夢でだけは未だに弟は子供の姿のままなのでしょう。

 で、夢に弟が出てくるたびに、「あれ、弟ってとっくに成人してるし、なんならオッサンの域だよな?」と気付いて驚かされるわけです。毎回毎回律儀に驚かされるのだから大したものです。

 これに関しては祖父母も状況が似ていて、とっくに亡くなっているはずの祖父母が夢に出てくるわけです。それも、最期に会った姿ではなく、昔の元気な姿で、です。夢なのではっきり覚えてはいませんが、やっぱりオレが上京した頃の姿のような気がします。不思議なもので、夢を見ている間はそれに気付かないモンで、目が覚めてから「そうだ、じいちゃん(ばあちゃん)は死んだんだった。」って思い出すんです。せつなくもかなしくもないです。だってもう何十回も夢に出てきてるんだもの。亡くなった人が夢枕に立つにしちゃあ頻繁すぎるし、あの世はあの世でそれなりに忙しいでしょうから、いちいち不肖の孫に構ってるヒマもないでしょう。だから、まぁ、これはオレ自身の問題だってことです。


 故郷から遠く離れたといってもそこでの時間は止まらないし、苦労を重ねたり何かを学んだりしてきたのは自分だけではない、なんてのは当たり前の話なんですけど、オレの潜在意識はその辺のことがイマイチ分かってなかったみたいです。まぁだからって、表層意識はちゃんとその辺は認識できているので、日常生活に支障があるわけじゃあないんですが、夢みたいにふとしたことでうっかり認識できちゃうものなんですねぇ。




 話は結婚式に戻しますが、今回オレは式を通して弟の成長をまざまざと目の当たりにしました。あれからまだ弟が夢に出てきたことはないですが、もしかしたら次に夢に出てくるときには、子供の姿ではなく結婚式に見た紋付袴かもしれないなぁなんて考えていて、それはそれで面白いかもしれません。
 今、オレは故郷に戻るためにあれこれ動いており、年内にはそれを完遂するつもりでいます。今は故郷の側が潜在意識の中で時が止まっていますが、もう少ししたら時が止まるのは東京側になるのかもしれません。そうしたら東京で知り合った友人達はオレの夢にどんな姿で出てくるんでしょうか。今からちょっと楽しみだったりしています。

プログラミング教育義務化を前に知育ゲームが人気らしいので、自腹購入してレビュー会をやってみた。

はじめに

 2020年4月から小中学校でプログラミング教育が義務化します。……と端的に言うと色々誤解を生んでしまうのですが、実際には文科省の狙いは「論理的思考を養いましょうね」とか「PCやタブレットといったデバイスに慣れましょうね」とか、割ともうちょっと手前と言うか、根源的なところだったりするんです。まぁ「プログラミング教育」なんて名前つけちゃったら「プログラミング」のイメージが先行しちゃうのは仕方ないですね。
 それに煽られているのか触発されているのかは知らんけど、いわゆる「知育ゲーム」といいますか、遊びながら論理的思考が学べる・プログラミング教育に備えられる、というふれこみのおもちゃがフォーカスされているようで、伊勢丹なんかでもキャンペーンというか専用の売り場が作られていました。

japan.cnet.com

 で、この伊勢丹の専用売り場をオレも覗いてきたんですけど、大人が遊んでも面白そうなものが色々とあったんですよ。これはちょっと実際に遊んでみたいなぁ、と。でも自分で買って自分だけで遊ぶのは、さすがに人として寂しすぎる!……ので、それなりに体裁を保ちつつ、でも実際にこれらのおもちゃで自分が遊べるように建前を考えてみました。

  1. 知育ゲームと称されるゲームをいくつか購入する。ついでに知育ゲームではないけど人気のボードゲームを購入する
  2. 知育ゲームのレビュー会を開催してレビュアーを公募し、購入したゲームをみんなで遊んで、比較・分析する
  3. 比較・分析した結果をレポートにまとめる (※つまりこのブログ記事のこと)
  4. 購入したゲームのうちのひとつを、小さなお子さんのいる友人夫婦にプレゼントする (※令和初日に友人宅にホームパーティにお呼ばれしてたので、御礼も兼ねて)


 というわけで、令和目前の10連休初日にレビュー会を開催しました。イベント自体は、元々自分が主催してた「MF電脳部」という月例のもくもく会でクローズドに開催、参加者はFacebookで公募し、そういうガジェットが大好きなイカれたGUYSが集まってくれました。おひとりは小1のお子さんも連れてきてくださったので、ちょうどこれらのおもちゃのターゲットとなるお子さんの意見も聞けたのはラッキーでした。
(※「MF電脳部」については、気が向いたらそのうちこのブログで書こうかなと思います。今は気が向かないからパス。)





レビュー基準

 知育ゲームをレビューする、といっても、基準なしにレビューしてもらうのはなかなか難しいので、オレの方でこんな感じでレビュー基準を作ってみました。メモどっか行っちゃったので、うろ覚えを思い出して書いています。なお、レビュアーには、これらについて全て書く必要は無く、これらを基準にしながら思いついた感想だけ書いてくれればOK、とお願いしました。

■価格
 実際の値段はさておき(伏せた上でプレイしてもらった)、自分がこのゲームを自腹で買うならいくら払えるか。

■管理のしやすさ
 壊れにくいか、なくさないか、片付けしやすいか、掃除・洗浄しやすいか、などなど、遊ばない・遊び終わった後の管理のしやすさ全般。

■ルールの難易度
 ルールがどの程度難しいか、漢字の使用頻度は多い/少ないか、遊ぶうえでの必須前提知識がどの程度存在するか。

■安全性
 怪我しにくいか。

■年齢層
 子供が面白がりそうか、どの年齢層の子供なら楽しめるか、大人が遊んでいて飽きないか(子供の遊びに付き合っていて飽きにくいか)、など。

■プレイ人数
 何人同時に遊べるか、親子で同時に遊べるか。

■学習効果
 対象のゲームを通して学べることは何か、どんな能力が身に付きそうか。

実際の様子

 レビュー会当日は、上記のような基準はいったん脇において、自分の興味のあるおもちゃを好きに遊んでもらいました。とはいえ、みんなワークショップ慣れしてるんで、バランスよく色んなおもちゃに触りながら、別の遊び方は無いかと模索しながらやっている様子が印象的でした。子供はこういう遊び方しないかもなぁ。
 前述の通り、小1のお子さんが1人参加していたので、彼がまざったところは彼中心に遊ぶことが多かったです。



カタミノ


 木製のパズルゲームです。プレイエリアとなる木板のサイズを3~12に可変することができ、その中を決められた木片(パズル)で埋めていきます。木製なので、お値段はちょっとお高めですが、さわり心地がとてもよく、なんとなく触っているだけで癒される感じがあります。木のおもちゃはみんなあまり自分で購入したことが無いので、値段を聞くと実際の価格よりかなり安い値段を言ってくるのが面白いなぁと思いました。木のおもちゃは作るのに手間がかかるんやで。
 一人飲みの習慣がある人に比較的好評で、ウィスキーとかちょっと強めのお酒をチビチビやりながらポツポツ遊んだら楽しそう、という感想もありました。
 サイズが3くらいだと瞬殺できるんですが、5くらいになると途端に難易度が跳ね上がり、大人でもなかなか解けないのも長く遊べそうではありました。解けるときは割と運といいますか、色々トライ&エラーしたら偶然できた、みたいな感じなことが多かったです。再現性皆無。
 ちなみに、友人夫婦へのプレゼントは、これと後述のグラビティメイズを持って行き、好きなほうを選んでもらうようにしたんですが、お父さんの強権発動でこれになりました。


 レビュアーからのコメントは以下。

  • ブロックの手触りイイね!
  • 上下まちがえる……
  • 答えあわせあるのイイネ!:)
  • ルールの難易度:★☆☆☆☆
  • 壊れにくさ(管理の容易さ):★★★★★
  • 紛失しにくさ(管理の容易さ):★★★★★
  • 収納(管理の容易さ):★★★★★
  • 怪我しにくさ(管理の容易さ):★★★☆☆
  • 汚れにくさ(管理の容易さ):★★★☆☆
  • 洗いやすさ(管理の容易さ):★★★☆☆
  • 面白さ - 大人:★★★★☆ / 子供:★★☆☆☆
  • 年齢:4才〜
  • 人数:1人
  • 値段:3,500円〜
  • 戦略を立てて試行するのが身につくかも?
  • 集中力が身につく
  • できなくても積木のような感触を楽しめる
  • 偶然できても達成感がある
  • 遊び方いろいろ
  • 値段:5,000円
  • ハマル!大人もはまる
  • 大人は見てるとヤキモキするかも
  • 何も説明しなくても並べだす。直感的!
  • レベル変えれるのいいね
  • ルールわかりやすい
  • 人数:2〜3人でもOK!!
  • 値段:2,980〜3,500円くらいなら
  • つまったら飽きるかも
  • 子供が長く使うと角とれそう
  • ¥7,000- オセロみたいに一生もののおもちゃ
  • 値段は高いがやり込む時間等を考えると買っても良い
  • 耐久性:花マル!
  • レベルが低いものなら3才未満でも大丈夫かも
  • レベルが上がった時は親子(家族)で考えて遊べそう
  • 解答がないので諦めそう
  • プレイ人数:1人。子どもなら + 大人もありか?
  • 山登り法が通用しない
  • 親がアドバイス困難 → 親が飽きる
  • 上手くなる道筋が見えない
  • ルールはわかりやすい
  • 木のさわりごこち良し
  • ルールが分かりやすい
  • 手ざわりがいい
  • 音が楽しい

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グラビティメイズ


 複数のトンネルが組み合わさったブロックを組んで、パチンコ玉を狙い通りの場所に上から下へ転がす3次元パズルです。スタート位置とゴール位置が提示されたお題カードが難易度別に複数用意されており、このお題を解く、というのが一般的な遊びになりそうですが、小さいお子さんに任せると「どこに行くか分からないボールの行方を、実際に転がして楽しむ」遊びになってました。(本来の遊び方はまだ出来ない・小2&5歳の子供らにはまだ早い、という理由で、友人宅へのプレゼントはこちらではなくカタミノに決まりました)
 これはプログラマな人達には超大人気で、アラサーのおっさんが4人がかりで取り組み、お題が解けるたびに大騒ぎしてハイタッチしてる様子には、さすがの主催者(つまりオレ)もちょっと引きました。あまりに盛り上がりすぎて、1時間すぎても別のゲームを試してもらえそうも無いので、「頼むからそろそろ別のゲームも……」と強制終了しなくてはならないくらい熱中してたので、ある程度ロジカルな考え方ができる人であれば、面白さは間違いないです。
 ブロックの素材はプラスチックなのですが、割と力を入れてはめたり外したりしなくてはならないシーンが頻繁にあるので、その辺に慣れていない子供は力入れすぎて壊しちゃうかもね、なんて意見がありました。


 レビュアーからのコメントは以下。

  • パチンコ玉飲まなくなったお子様からOK
  • 4,000〜5,500円
  • お値段:¥3,000〜¥5,000
  • 難易度の幅が広く、子供〜大人まで遊べる
  • 子供と大人が一緒に遊ぶのはむずかしいかも
  • 子どもは楽しめる。大人も楽しめる。※大人がハマってムキになって子どもが引く
  • ブロックの横がこわれやすい
  • ルールが少し分かりにくいかも(8才〜の設定だから適切かも)
  • こわれやすそう
  • 子供は自由に遊ぶなぁw (※実際に小学生プレイヤーが遊んでいる様子を見ての感想)
  • 4,000円〜
  • 難易度:ルール難しめ
  • 面白さ:子供と付き合うと大人がイライラしそう
  • 管理:こわれやすい
  • 年齢:小学生〜大人
  • 「取れるんじゃね?」→バキッっとなりそう
  • レベルが違うので4才〜大人までOK
  • しっかりはめるのがけっこう大変
  • 人数:大人 1〜4人 / 子どもだと1〜2人?
  • 大人向け
  • 人数:2〜3人
  • 値段:4,000円
  • チャレンジ精神や達成感が学べる

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顧客が本当に必要だったものゲーム

booth.pm


 こちらは知育ゲームではなく、一般向けのボードゲーム。とはいえ、この「顧客が本当に必要だったものゲーム」は同人販売しか行っていないので、一般のショップでは買うことが出来ません。お買い求めの際はBOOTH等から買ってみてください。

 ITエンジニアだったら一度は見たことがあるはず、顧客のニーズと、それを関係者がそれぞれどのように捉えたかのギャップを例えたイラストを、陣取りゲームに仕立てたボードゲームです。プレイ人数は4人まで。最初は通常のルールで遊んでいたんですが、用意された課題がなかなか達成できないのはツマラン、とプレイヤー全員で協力して課題を全て達成する、という新しい遊び方を試していたのが印象的でした。この遊び方だとチームビルディングとかにも使えそうな気がしますね。
 肝心の知育ゲームとしての要素は「あんまり無い」という判定。漢字も多くふりがなも振ってないので、子供だけで遊ぶのはなかなか難しそうです。課題のイラストがスティーブ・ジョブズだったり孫正義だったりと、ちょっとした皮肉が利いていて見た目にも楽しいのがこのゲームの特徴なんですが、お子さんには当然分からないので、面白さが全部伝わらないのも残念ポイントだったりするかもしれませんね。


 レビュアーからのコメントは以下。

  • 人数:4人
  • 値段:1,500円
  • 駆け引きが学べる、かも
  • 管理はカードなので楽
  • 年齢:15才〜
  • 難易度:難しい
  • 面白さ:子供には難しい
  • 子供なら、チーム(全員協力プレイ)で一定ターン以内にいくつ課題を達成できるか、と言うプレイが良い
  • ルール:「置けない条件」がむずいかも
  • 年齢:8〜10才くらい?大人むけ
  • 値段:1,500円
  • 年齢:6才から
  • 値段:1,500円なら

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ノッカノッカ

NOCCA × NOCCA(ノッカノッカ)第二版

NOCCA × NOCCA(ノッカノッカ)第二版


 こちらも知育ゲームではなく、一般向けのボードゲーム東急ハンズのゲームコーナーにあったんで、なんとなく買ってみました。個人的には最強の知育ゲームは「囲碁」「将棋」「麻雀」だと思っているのですが、それを選ぶのはベタすぎてレビューにならないので却下。このゲームは囲碁や将棋のかなり手前の入り口くらいの位置づけになるかな、と。あとは、「コリドール (Quoridor)」を買いたかったけどやや予算オーバーだったので、なんとなく似てるような気がするものを選んだ、というのも購入の理由のひとつです。
 実際にプレイしてみると、立体的挟み将棋というか、なんというか。思ってたよりは戦略性があるかなぁと感じました。ルールもシンプルなので覚えやすいですし、道具もシンプルな形状のプラスチックなので簡単に洗ったりもできますし。簡単に遊べる半面、大人は割合早く飽きてしまうかもしれませんね。


 レビュアーからのコメントは以下。

  • 意外と奥が深い
  • 2,000円なら
  • 管理はしやすい
  • 早くあきそう
  • 洗いやすい
  • ブロックしまくって終わりになっちゃいそう
  • 小さいので、幼いと飲み込む
  • 年齢:6才〜
  • 値段:2,500円〜
  • 先を考える力が身につきそう
  • 難易度:カンタン
  • 面白さ:子供に付き合える
  • 子供でもできそう
  • (積み上げたときにうっかり)落としてコマの場所が動く
  • 口に入れる年齢の子にはNG
  • 乱暴に扱っても(盤は)多分割れない
  • はさみ将棋の練習用

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テストプレイなんてしてないよ

テストプレイなんてしてないよ

テストプレイなんてしてないよ


 こちらも一般ゲーム。どうも大人気らしく、東急ハンズでは1人あたりの購入点数に規制がかかってました。後でほかの人に聞いたら、買いたくても売り切れだった、という話もありました。そんなに面白いのかよ!?
 一度にプレイできる人数が多いのと、1ゲームが最短1分で終わるのが特徴。いかにもパーティーゲームな内容で、一度もプレイせずにカードだけ眺めているとさっぱり遊び方が分からないんですが、実際に遊んでみるとあっさり遊べる内容になっているのも特徴。若干カードに書かれた内容の意図を読み解く必要があるため、子供だけだと難しいかも、という意見はありましたが、一度でも大人と一緒に遊んだことがあれば、意向は子供だけでも遊べそうな感じではありました。
 学び? 気づき? なにそれ美味しいの? みたいなところがあり、まぁぶっちゃけ本日のキングオブバカゲーではありました。せめてもの救いを求めて「たとえばチームビルディングとかアイスブレイクとかに使えたりしない?」とプレイした人に尋ねてみましたが「いやぁ、そんな感じでもないなぁ」と一蹴。
 ま、まぁ、ゲームとしてはかなり面白いようなので、単純に遊びたい時にはいいのかもしんないです。難易度低すぎてつまらない、と言う人向けに、上級者向けも発売されています。

テストプレイなんてしてないよ 黒

テストプレイなんてしてないよ 黒

テストプレイなんてしてないよ レガシー

テストプレイなんてしてないよ レガシー



 レビュアーからのコメントは以下。

  • バリエーションが少なかった
  • 6才〜
  • 1,500円〜
  • 酒飲みながらやりたい
  • 小5, 小6〜(マクドナルドでJSがプレイしてたのを見た)
  • このバカゲーがすごく面白い令和2019
  • 知育?なにそれおいしいの?
  • カードに書かれたプレイ内容を解釈しないといけないので、子供には難しい
  • すぐ終わって、2周目突入とか難しい
  • クソゲー (※筆者注釈:小学生プレイヤーによるツンデレ発言。複数あり)
  • テストしてないけどおもしろい
  • 漢字…… (※筆者注釈:漢字が読めなくて小学生プレイヤーが止まるシーンがあった)
  • 漢字読めない
  • カード折れそう

総括

 知育ゲームを名乗るゲームは、やっぱりちゃんと理由があるんだなぁって思いました。(小並感) 今回は、知育ゲームと銘打ってないゲームも一緒に遊んでみたので、その辺が割とはっきり比較できて良かったと思います。

 お子さん向けとなると、今回のレビュー会を見る限りでは、なんのかんの、どのゲームでも遊びますね。漢字が読めない・ルールが分かりづらい・などなど色々とっつきにくさはあるみたいですが、大人がちゃんと丁寧に説明するときちんと遊べるようになるようでした。「テストプレイなんてしてないよ」みたいなバカゲーがお気に入りだったみたいです。お子さん当人からすれば学びとかは二の次で、ギャハハと笑ってギャーギャー言いながら楽しめる方がいいんでしょうな。

 一方、大人はやっぱり頭を使う方が好きで、グラビティメイズなんかは、プログラマを多く抱える会社はリフレッシュルームに置いておくと良い効果があるかもですね。リフレッシュしに行ったっきり帰ってこない可能性も無くはないですが。カタミノはトライ&エラーはできるけど、イマイチ頭を使う感じではないので、その辺がグラビティメイズよりは見劣りしたように見受けられました。まぁ一方でカタミノは酒飲みには大好評で、一家に一台欲しいという意見もありました。みんな木のおもちゃに慣れてないので、値段感がないのも面白かったです。


 今回のレビュー会はオレ自身がオモチャで遊びたいがために企画したんですが、その後の感想戦(=飲み会)まで含めて凄く楽しかったです。また面白いおもちゃ見つけて、財布に余裕があったら、ぜひもう一回やってみたいなぁ。

大企業の新卒の女の子って、なぜか美人が多い気がするんだけど?

 社会人の皆さんは、4月に新卒入社を受け入れて最初の金曜日になりますね。おそらくはまだ新人研修の最中で、実際の現場配属は3~6ヶ月先でしょうが、場合によっては今晩さっそく新歓に繰り出すという方もいらっしゃるでしょう。ぜひ先輩社員の皆さん、特に三十歳以降のおじ様方には、アルハラパワハラにならないよう自制心を持って宴席に臨んでいただきたいところです。自分たちが思っているより圧倒的に鬱陶しいですよ、貴方たち。


 さて、オレは今のSIerに入社した直後から、とある大企業に常駐勤務となり、早2年が経過しました。自社でも新卒入社があった旨がメールで連絡があったんですが、なんか妙に日本人以外の名前が多かった気がしますねぇ。ま、どうせ永久に会うことはないので知ったこっちゃあないですが。なのでどちらかというと常駐企業の方をつぶさに観察できる状況にあるんですが、実は配属当初からずーーーっと気になっていることがありまして。




 なんかこの会社、妙に美人が多くないか?




 以前所属していた事業会社もまぁまぁそこそこ女性もいて、器量のよろしい方も沢山いたんですが、その会社では女性はほとんどが営業職で、意図的に外見の良い人を集めてた意図が透けて見えるので、美人ばっかりって状況も理解できるんです。(何せ元アイドルなんてキャリアの人までいましたし)
 ところが、今の常駐先は日本でも間違いなくトップ100には入るような会社で、日本在住の方であれば子供からおじいちゃんおばあちゃんまで絶対に名前を知っている、という超有名企業です。それだけ大きければ職種も多岐に渡りますし、フロントに立つことを前提に採用される人だけではないはず。一定数は自然に紛れ込んでくるだろうし、意図的に器量の良い方を集める必要は無いはずなんですよ。まぁ美人が職場がいるにこしたことはないですが。


 実際の理由はその会社の人事担当なり経営者なりに聞いてみないと分からないですが、そんな機会は未来永劫来ないので、オレが自分で勝手に考えてみることにしました。つまり以下はオレの妄想であり妄言です。



1.実際に美人を集めている

 「大きな企業でフロント業務だけじゃない」とは前述しましたが、そうは言ってもフロント業務も沢山あります。都市圏だと一駅ごとに1店舗くらいの比率で直営店舗はあるかもしれない、という規模の会社なのです。おそらくその店で働く人はアルバイトだったり派遣だったりが多いんでしょうが、当然正社員も必要です。加えて、3~5年に1回くらいの頻度で異動がある会社なので、最初がどこに配属になろうが、フロント業務に配置転換される可能性は考慮して、あらかじめ顔の良い人を採用しているかもなあ、とは予測できます。


 まぁ個人的には、器量よりは実務における能力値を優先すると思うので、この線は薄いかなぁと思っています。



2.「顔の良し悪し」くらいしか内定者の選別理由が無い

 個人的にはこっちの方が理由として大きいかな、と思っています。


 正直、東証一部に上場している企業ともなると、何千人、何万人と募集があるのだと予想します。おそらくはその中にキラリと輝く圧倒的な個性を持った学生もいるでしょう。でも、それってせいぜい1%いりゃあ多い方なんじゃないかと思うんですよね。

 大半は十把ひとからげというか、どんぐりの背比べというか、そんなモンなんじゃないかと思うんです。正直即戦力にはなりえないし、研修カリキュラムしっかり組んでちゃんとこなせたかどうか確認して、やっとの思いで現場に送り出してもモノになるには早くて2~3年、みたいな。そんな人材が「普通の大学生」なんじゃないかと思うんです。

 そういう優れてるんだかそうじゃないんだか良く分からない学生さんをた~くさん見続けて、学生の顔面ゲシュタルト崩壊起こしそうなほど見続けて、「もういっそ俺が転職してやろうか」と思ってしまうほど見続けて、サークル活動やってたとか、バイト何やってたとか、生徒会・自治会活動やってたとか、スポーツ何やってたとか、正直会社に入っちゃえば実際には殆どクソの役にも立たないってみんな本当はとっくに知ってる項目を一生懸命並べ立てて、そのわずかな差分で「なんとなく優秀そうな学生」を見抜いたつもりになって内定者を選んでいくんじゃないかなと思うんです。リクルートスーツでしたっけ?みんな同じ格好で面接受けさせるのも、ちょっとした差分を気付きやすくするための仕組みの一環なんでしょ?


 ……いやぁ、割と絶望的な作業ですね。一人以上の人間の人生を左右するイベントがこんなんでいいのかな?
 まぁオレの予想に過ぎないんですが、おそらくはこんな感じで学生から内定者を選んでるんだと思うんですよ。わずかな差分で優劣をつけて、より優れていると担当者が思える人材を選抜する。


 じゃあ、ありとあらゆる要素を見比べて、それでも能力の差分がほとんど見つけられなかったら? でも将来のために若い人材をある一定数確保する必要があったら? そしたらもう見た目で優劣をつけるしかないんじゃないかなと思うんですよ。前述の通り、営業や接客業務なんかは器量が有利に働く場合もありますし、人は見た目が九割らしいですし。で、超大企業だと、ともかく募集の数が多すぎて、しかし学生の優劣はつけづらく、結果として手っ取り早い優劣判断基準の「器量」に頼ってしまうケースがあるんじゃないかと思うんです。


 もちろん、そうではなくて能力ベースで一生懸命選んでいるとは思いますよ、人事担当の方も。でも、それにも限界がある、少なくとも社会の第一線で働いてる人の目に、学生のような能力の99%が可能性という人材に対し、差分を的確に見つけるのはなかなか至難の業なんじゃないかと思います。だからこそ、中小の実力重視の会社では、新卒は雇わない・中途採用しかしないという会社もたくさんあるのでしょうし。


おわりに

 大企業に美人が多いのは、「器量の良し悪しくらいしか選別理由が無いから」という身も蓋も無い仮説でした。この仮説が外れてくれていることを切に祈っています。でも、外れているとすると今オレのいる現場に美人が多い理由がわかんなくなっちゃうんですよねぇ。単にオレのストライクゾーンが広いだけ? それとも単なる偶然? あるいはオレの女日照りが酷すぎてみんなキラキラして見えるとか?


 ……あかん、考えてたらなんか暗い気持ちになってきた。さっさと飲み行こ。


 あと、勢いで書いてみたものの、この文章って壮絶なセクハラ記事ですね。まぁなんとなく思いついたこと書いただけなんで、気に入らないって人は好きなように叩いてください。そもそも、オレ自身が人を見た目だけで選ぶことはほぼ皆無ですしね。



takigawa401.hatenablog.com
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元同級生が死んだ

 今週火曜の晩は数年ぶりに幼馴染に会ってきました。好きなアーティストのライブのために上京するついでに声をかけてくれるのが通例になっており、今回もライブとその後の食事に付き合わせてもらいました。なにせ30年以上の付き合いなので、久々に会って話せば話題は当然多岐に渡るのですが、今回はどうしても話題にあげなくてはならないことがひとつありました。
 我々の中学時代の同級生:Mのことです。Mと我々は中学三年間同じクラスだったこと、帰り道が同じ方向だったこともあり割合仲が良かった方でしたが、卒業後はすっかり疎遠な関係にありました。それが、とあるきっかけで我々は久々に彼の名前を伝え聞くことになったのです。


 先月の三連休の最後の晩、Mは亡くなりました。


 同級生で訃報を聞いたのは彼のが一番最初だったので、オレとしてもやはりショックでしたが、幼馴染はオレよりMと深い関係にあったので殊更にショックだったようです。訃報を噂で聞いた後も独自に細い伝手をたどり、噂話にすぎないようなレベルから、その死の詳細まで調べ上げていて、その内容を今回オレに教えてくれました。


 Mの死因は、自宅の階段からの転落死だったそうです。事故当時、奥さんと子供は三連休を利用して実家へ帰省しており、自宅にはM独りでした。Mはひどく酒を飲んでいたらしく、吐き戻したものを自身で片付けようとした痕跡があったそうです。おそらくは度を越した深酒で酩酊し、おぼつかない足を階段で滑らせて転落、そのまま帰らぬ人となったのでしょう。


 これだけ聞くと、非常に言葉は悪いですが、実にろくでもない死に方です。でもこの話にはちょっとだけ続きというか背景がありました。
 Mが割と最近課長に昇進していたこと、その少し後から、帰り道に酒を何杯もあおり自宅に着くなり酔いつぶれてソファーで寝込んでしまう、という生活を続けていたらしいこと。
 これはオレの憶測に過ぎませんが、Mは中間管理職の役割を与えられたことで上下からの重圧に精神が耐えきれず、酒に逃げたのでしょう。きっとちゃんとした夫で父親だったんでしょうね、家族に愚痴もこぼせず、帰り道の間に仕事のストレスをなんとか発散しようとしていたのかもしれません。そして最後には逃れ先だった酒にすり潰されて、呆気なく死んだ。しょせん憶測は憶測、的外れな可能性は多大にありますが、オレの中ではひとますこれを事の顛末としておきます。


 今回の件からオレが考えたことは2つです。


 1つは過労死の在り方について。最近は色んな業界でブラック企業が話題に取り上げられ、その犠牲になってしまった話を耳にすることが多くあります。その多くは直接的な過労死(寝たら朝起きてこなくて確認したら実は死んでた、etc...)や自殺ですが、おそらくはそれ以上に今回のような「ろくでもない死に方」で片付けられてしまっているケースがたくさんあるんじゃないかということです。


 もう1つは、「袖振り合うも多生の縁」などとは言っても、かつての級友でさえ助けられないのだ、ということ。

 オレはMが死んだ晩、奇しくも帰省して故郷にいました。三連休に地元の同級生が厄年のお払いと同級会を兼ねた親睦会を企画してくれていたのです。乾杯の挨拶の際に幹事が「俺らも厄年だし、もしかしたら来年は誰か欠けとるかもしれんで、そうならんように気をつけて一年過ごしていきましょう。」と述べたのに「ホントによ、気をつけにゃあだ」と軽口で返したのを鮮明に覚えています。が、まさかその言葉が現実のものとなってしまうとは。この会に地元のMは出席しておらず、一方遠く離れた東京からオレが出席していたというのは、なんだか不思議なものです。そしてMは、その晩我々が飲んでいる頃か、その直後頃か、独り自宅で帰らぬ人となっていたのです。

 この手の話に「たら」「れば」は禁物ですが、もし宴席の誰かがMを思い出し電話をかけていたら事故は防げていたかもしれない、そんな考えも頭をよぎりました。実際には、お払いや親睦会に参加したのは同級生のごく一部で、その他大勢は参加しておらず、ゆえにMのことだけを気にかける人もいませんでしたし、だからこそ電話をかけることもありませんでした。自分にはどうしようもなかったとは理解しています。ですが、おそらくはわずかな行動で助けられたかもしれないと思うと、どうしても悔しさが残ります。

 そのようなことを言い出せば、ご家族、特に奥さんの後悔はきっと計り知れないでしょう。帰省していなければ、あるいは一緒に帰省していれば。そんなことを考えてしまうんじゃないでしょうか。誰が見ても誰も悪くない、仕方の無いことだと思ってはいても。他者がどう思うかには関係なく、自分になにかが重くのしかかる気がします。うまく言えませんが、Mのご家族が、自身を責めず、後悔に囚われず、少しでも心穏やかに今後の生活を遅れることを祈らずにはいられません。


 前述の通り、オレはこれまで同級生や自身に関わった人が亡くなるという経験を、家族以外ではあまりしてきませんでした。これから知人の死に触れる機会は増えるのでしょうし、それは時に今回のような心にしこりを残すケースもあるのだと思います。そして、その度にきっと今回のような思いを多からず少なからず感じていくのだと。


 「後悔のない人生を」なんて、言葉自体は簡単ですけど、自分のためにだってろくすっぽ使えてないものを他人との関係に使うのは、本当に難しいですね。身の程をわきまえろ、なにさまのつもりだ、と自身に返したくなる気持ちもあります。でもどこかで諦めたくない気持ちもあります。今オレの中に何か答えがあるわけではありません。おそらくは今後ずっと考えていくことになるんでしょう。



 最後に、かつての級友の冥福を心からお祈り申し上げます。ただただ、ゆっくり休んで欲しいです。ちょっと頑張りすぎちゃったな。おつかれさん。

ダイジェスト紹介「TOCfE BootCamp 雷鳥が目指した頂への軌跡・改 ~アンビシャスターゲットツリー~」

tocfebc.doorkeeper.jp


 明日こちらのワークショップの講師を勤めさせていただきます。アンビシャスターゲットツリー(ATT)はTOCfEという子供向けというか教育向けというかのプロセス思考のツールのひとつで、一見実現困難と思えるような難題を、現実的に立ち向かえるような道筋を模索するためのツールです。それをJリーグ松本山雅FCをモチーフにワークショップのお題を構築し、皆さんに楽しんでもらいながらATTの使い方を覚えてもらおう、というのがこのイベントの主旨になっています。


 ……なーんて、ぺらっと簡単に説明したところで、海のものとも山のものとも分からないようなツールのために、貴重な週末を1日潰してわざわざ覚えにくるような酔狂な人はめったにいないわけでして。現に参加者がけっこう少ないんですよね。(ついさっき見たらやっと10人届くか届かないかくらいまで行ったのでちょっと胸を撫で下ろしていますが)


 まぁ要するに、訳分からんものだからイベント参加する意義を感じないのであって、じゃあ意義があるか無いかを判断する材料があれば、参加するかどうか迷うくらいはしてくれるかもなぁ、と思いまして。明日実際にワークショップで用いるスライドの一部を公開したいと思います。


 実際には口頭説明をかなり追加しますし、そもそもスライドは全部で500pくらいあるので、これだけだとさすがにATTを書けるようにはならないんですが、ATTがだいたいどういうものかは分かるんじゃないかなと思います。もし興味を持っていただけて、かつ明日土曜の予定がまるまる空いていましたら、参加をご検討いただけますと講師的にはとても嬉しいです。



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