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どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

繁華街のコンビニでペットフードが売れるワケ~ビジネススクールで聞いた夜の蝶にまつわるお話~

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 オレの所属する会社は本日で営業を終了、オレは例年より早く年末休業に突入することになりました。皆さんどうぞ良いお年を。まだ仕事納めにならない人はもうちょっとだけ頑張って下さいね。


 おそらく今週はどこの会社も仕事納めで、大掃除をやった後にそのまま納会、そして二次会に、という方も多いんじゃないかと思います。場合によっては歓楽街に繰り出し、キャバクラとかもうちょっと大人向けなお店に遊びに行くという人もいるんじゃないかと。まぁ2017年も終わりだし、ちょっとくらいハメ外したってしょうがないよね。よね。


 そんなことを考えていたら、5年位前に受けたビジネススクールの授業の内容をふと思い出しました。
 その授業は、コンビニの売上データから周辺住民の行動を推測・観察する、というものだったんですが、教授の提示した2つのデータには顕著な差がありました。
 ひとつは、住宅街のど真ん中のコンビニ、もうひとつは繁華街のど真ん中のコンビニ。
 データにはいくつか違いが見られ、それぞれに行動分析が出来たんですが、オレが特に印象に残ったのはペットフードの項。なぜか住宅街のコンビニより、歌舞伎町のほうがペットフード売上が高かったのです。


 結論を言うと、ペットフードを買うのは、いわゆるキャバ嬢と呼ばれる女性たちです。当然自分の買っているペットに与えるためなんですが、売上に顕著に現れるほどペットを飼う率が高い様子。なぜキャバ嬢はそんなにペットを買っているんでしょう? 寂しいから? 心の癒しが必要だから? それらも間違いじゃないのかもしれませんが、教授から告げられた答えはもっと衝撃的でした。


 キャバ嬢たちが飼うペットは、お客さんからの貢ぎモノなんだそうです。客からキャバ嬢への貢ぎモノというと、宝石やバッグ・高級時計といった、換金性の高いものが頭に思い浮かびますが、それはキャバ嬢の客たちも同様で、自分が単なる「財布」扱いされてないか、自分の渡した品が質屋やネットオークションに出回ってないか、をチェックしてまわるタイプの人もいるそうです。キャバ嬢側もチェックされていることは察しているので、うかつにボロを出さないために、あれやこれやを打っているとのこと。その対策の一環が「ペット」です。


 キャバクラの客が店に行く前にキャバ嬢と店外デートをする(ここも料金に含まれる)ことを「同伴出勤」と言いますが、この同伴出勤のタイミングでペットショップに立ち寄ります。そこでキャバ嬢は血統書つきの犬猫を見つけ、客に買ってくれとねだり、下心のある客が嬢の気を引くためにペットを購入するわけです。


 この仕組みの恐ろしいところは、ここからです。

 キャバ嬢は、この飼ってもらった犬猫を購入したペットショップに売ります。で、また別の客との同伴出勤でねだり、購入してもらう。まったく同じ犬猫が望ましいですが、売れちゃってる場合には似た別の個体を買ってもらいます。当然ペットショップはグル。ペットショップとキャバ嬢で結託して、同じ犬猫で何度も金を稼いでいくのです。もちろん、実際に購入してもらったペットを自宅に連れて帰り、しばらく飼う期間もあるのでしょう。コンビニのペットフードはこのために購入しているものと思われます。昼寝て夜働く水商売の女性にとって、ペットフードを気軽に買えるのはコンビニくらいなんでしょうね。

 で、ある日、前の客が店に来店してきたら「貴方に買ってもらったこの子、可愛いでしょう♪仲良くなったよ♪」なんて言いながら写真を見せるわけです。客側はペットの個体差をそれほどつぶさにおぼえているわけではないので、コロッとだまされる。「ああ、俺の飼ってあげたペットはちゃんと可愛がられているんだ」と。

 一方で、客から宿泊込みの旅行なんかに誘われると、「あの子がいるから家を空けられないの。ゴメンね。」と言って断る口実に使うんですって。自分が買ってあげたペットだから無碍にするわけにも行かず、客はしぶしぶ了承することになるわけですなぁ。いやぁ、実に恐ろしい。


 この話は5年以上前に聞いた話なので、今もそういうビジネス(?)がはびこっているか、は不明です。(早稲田大学の教授先生から聞いた話だから、さすがに嘘や作り話ではないと思いますが) あと、歓楽街のど真ん中でペットショップを見つけても、変に勘ぐって詮索しないように。怖いお兄さんが出てきてもオレは責任持てませんので。触らぬ神に祟りなし、ですぜ。