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ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

新人研修でインセプションデッキをやってきました。



 オレの担当する案件で、新機能を作った方が良さそうだなぁということに気付き、それじゃあ久々にインセプションデッキ*1やるか、って話になりました。通常オレのチームはオレともう2人、5年生くらいのJavaエンジニアの2人だけなんですが、なかなか無い機会だし、新人さん達に上流工程の作業を体験してもらおうか、と講師役の社員に話を持ちかけ、急遽「新人研修」の特別枠として開催することになりました。


 以前にも書きましたが、うちの会社は基本設計以降の下流工程ばかりがまわってくる二次請けSIerです。エンジニアは100人以上所属していますが、上流工程をやってきたことがあるのは、オレを含めても5本の指で収まる程度。実際、研修生が普段教わっているのは、COBOLJavaのプログラミング、設計書の書き方、テストの方法、といった「現場に出た時実際に使えるスキル」がメインで、上流工程の作業内容は「概念しか教わらない」、というより、先輩社員でさえ体験したことが無いので「教えられない」のが現状です。普段の研修方法に誤りがあるとは思いませんし、現実に即した形で適切だと思うのですが、やっぱり出来ることなら知っておいて欲しい。


 今回やった内容は、オレの担当案件の新機能のインセプションデッキ。本当はユーザーストーリー作成まで行きたかったんですが、時間が足らず、辿り着けませんでした。じゃあ、彼ら研修生にアジャイルな計画を身に着けて欲しいか、といわれると、それは「No」。今回のオレの狙いは以下の4点でした。

  1. ウォーターフォールでいう「グランドデザイン」や「要件定義」に相当する「上流工程」をなんとなく体験してもらうこと
  2. ゲームストーミングを体験し、効率的なディスカッションを学んでもらうこと
  3. 体験をレポートとしてアウトプットしてもらうこと
  4. アウトプットを広く周囲に共有する体験をしてもらうこと


 1. は、上流工程で何をやってるか、なんとなく理解してもらえれば十分だと思っています。彼らの多くは、おそらくこの会社にいるうちは上流工程を一回も体験すること無くエンジニア人生を終えるでしょう。それはそれで非常に残念なのですが、それ以上に残念なのが、「自分の任された作業がプロジェクト全体のどの位置を占めるか理解出来ず、やらされてる感だけで仕事をしてしまう」ことだと思っています。プロジェクトの大小に関わらず、任される作業には意味があるし、それはきちんと全体の一部として機能するはず。
 でも、全体を見通す力がないと、自分のやっている作業が「プロジェクト全体の中でどの位置を占めるか」が理解出来ず、なんとなく惰性で手を動かしてしまったり、一方的に作業を押し付けられている感覚だけが手元に残り、徐々に失望したり歩みを停滞させてしまうんじゃないか、と危惧しています。
 でも一回なんらかの形で「本来あるべきプロジェクトの全体像が正しく見渡せる」ようになれば、そういった事態は防げるんじゃないかと考えました。少なくとも実体験としてなんとなく残っていれば、案件に参画した時に「ああ、これはああいう経緯から出てきたのか」と想像して貰えるんじゃないかと期待しています。


 2. は、オレが先日勉強会で体験した内容を見て、社内の連中は、オレも含めてディスカッションのやり方がヘタクソだな、と感じており、それをなんとか是正できないかな、と思い立ったもの。彼らはまだブレストもやったことがなかったので、これを機にブレストを含めたアイディア出しの手法を覚えて行ってもらえればと考えました。


 3. は、たぶん彼らはフリーフォーマットで報告書書いたこと無いだろうから、ふりかえりも兼ねて書き方を学んでもらうか、という考えからです。4. も、他人(先生・講師)以外に読んで貰う経験がないだろうから、社内の人間に対してだけでも、自分の意見を伝える体験を(強制的にでも)行ってもらおう、というものでした。3 と 4 はまぁオマケですね。



 実際やってみると、思っていた以上に難しかったですねぇ。


 今回は実際の案件をそのまま研修として使った・・・というか、実案件に研修生に参加してもらった形なんですが、やはり研修生は知識・経験が少ないので、事前に説明しなくちゃいけないことが多いこと多いこと・・・。結果として教えなくては行けないことが多岐にわたってしまい、一番フォーカスしたいところにきちんとフォーカスできていたか、彼らの中に本来の目的が一番強く印象に残っているかがかなり怪しい状態です。


 あとは、話題の誘導というか、ファシリテーションの難しさ。研修生に分かり易く、彼らの身近な例で説明して、ブレストで意見を出してもらう形を取りましたが、例えが悪かったせいで出てくる意見の方向が逸れること逸れること。こちらにもそれを修正する術を持たず、仕方なく都度まとめで「本来だったらこうなんだけど」と訂正を行いながら進めることになりました。せっかく出して貰った意見を「違う」と毎回言わなくちゃいけなかったのは、正直申し訳なかったです。もうちょっとちゃんとファシリテーションを覚えてからで無いと教えたいことをきちんと教えるのは難しそうです。



 結果として彼らがどの程度「上流工程」を体感してくれたかはレポートの提出待ちですが、研修中の様子を見る限りでは楽しそうにしていたようでしたし、何らかの成果があったと信じたいです。




 研修生の1人のメモ。何をどうしたらその女の子のイラストが出てくるし?


*1:アジャイルサムライ参照