ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

これから会社の評価に晒され続ける君たちへ


はじめに

 オレの所属する会社は年度設定が7月〜翌6月となっており、今がまさに期末に向けた人事考課の真っただ中です。普段は客先に常駐しているメンバーが珍しく本社に顔を出し、直属の上司と会議室に1〜2時間ほど篭って、事前に準備した人事考課シート(かなりの分量!)とにらめっこしながら、自身の今期の成績と来期の方針について話し合います。この内容を参考にして彼らの来期の給料は決まっていく訳です。


 考課される側にしても、普段の仕事に加え、膨大な項目の人事考課シートを書かなくてはいけない、わざわざ本社まで戻ってきて面談に時間を費やさなくてはならない、などなど負担が生じます。
 が、管理職に就く人間にとってはこの作業が部下の数だけ生じるのですから、負担は計り知れません。部下の生活、場合によっては人生まで左右しかねないだけに手を抜くわけにもいきませんし、どうしても遺恨が残る場合もありますから、精神的にキツイ役目を負う場合もあります。

 人生の天国と地獄がそこにある、なんていうとさすがに過言ですが、少なからず浮き沈みを体験する一大イベントであることは間違いないでしょう。


 そして、人事考課の際に必ず出てくるのが「会社を辞める・辞めない」の話。希望した仕事ができない、新たな夢が出来た、稼働が高すぎる、対価が安い、体調や家族の事情、様々な事情がそれぞれにあります。共に働いた仲間が辞めていくのはさびしい限りですが、止むを得ないことも理解しています。オレもかつて管理職として少なくない部下たちと向き合ってきただけに、彼らの人生を垣間見ながら様々な事を経験してきました。

 ただ、中にはあまりにも自身の置かれた環境や状況、言い換えれば人事考課以前の自分がどういう「前提」にあるかを理解しておらず、考課以前に、彼らの成果や将来の展望とは全く関係無いところで一から説明しなくてはいけないことが、何度となくありました。ただでさえ人事考課面談は時間がかかるのに、この「前提」を説明すると余計に時間を浪費します。しかも大体において、こういう話をしなくてはいけない対象が「給料が安いから辞める!」と言い出した人間です。鼻息荒く、目は血走っており、場合によっては上司に掴みかかる覚悟で面談に臨んでいますので、その「前提」を話してもすんなり聞き入れてくれることは、まぁまず無いんですね。弱ったもんだ。なので、オレは新人と飲み行った時に仕事の話になった際は、極力この「前提」を一から説明するようにしています。


 今はオレ自身は直属の部下もおらず、人事考課を行う立場にはないんですが、社内にいて目の前の会議室で毎晩のように人事考課面談が行われていると、やっぱりなんとなく議論が紛糾しているなぁという気配が漂ってきます。この管理職の人はちゃんと事前に「前提」を説明してたのだろうか? ちょっと心配になるわけです。おそらくは人事考課を行う際になると、こういう「前提」を事前に教えてなくて、いざという時苦労する人は多いんじゃないかと思います。
 世間的にはちょうど新社会人が入社したての時期、彼らにも是非頭に入れておいて欲しい内容ですので、この人事考課に臨む際に頭に入れておいてほしい「前提」を、以下で説明してみたいと思います。



注意事項

 その前にちょっと断り書きを。


 これから書く内容は、オレがかつて「管理職」だった都合上、どうしても「管理職側」「会社側」の意見になってしまうと思います。中には「そんなの『エライヒト』の勝手な理屈じゃないか!」「そんな内容をなんで俺らが知らなきゃいけないんだよ。関係ないだろ。」などと思われる方もいらっしゃるでしょう。また、以下のようなオレの経験を元に書いています。

  • 二次請け以降の受託開発企業(SIer)に所属
  • いわゆる派遣業的人月ビジネスがメイン
  • ITに関する知識・経験がほぼ無い状態で入社
  • 5〜6人のグループの管理職を3年間経験
  • メンバーは全員異なる案件に従事、客先常駐で普段は顔を合わせない

 世間的にはかなり特殊と言えると思います。よって、職業によっては全く当て嵌まらない内容かもしれません。万人受けする内容でも、読んで頂いた方全てに役立つ内容でもない事は自覚しております。その上でご覧ください。




自分の入社時にかかった費用(イニシャルコスト)を知る

 まず、「自分が入社から研修終了までに会社がいくら支払ったか」を把握しましょう。正確な額を知る必要はありません。アバウトに「だいたいこの位」というイメージを持てればOKです。以下はうちの会社の場合ですが、ざっくりその行程を羅列してみます。うちの会社は通期で中途採用を行っています。採用をかけるかどうかは市場動向次第ですが、大体1-2ヶ月に1回のペースで行っているようです。

  1. 採用募集広告掲示
  2. 電話・メール受付 & 書類選考
  3. 会社説明会 & SPI筆記試験
  4. 面接(×数回)
  5. 新人研修
1.採用募集広告掲示

→ 30万円

 うちの会社の場合、リクナビやエン・ジャパンとかで採用募集を掛けているようです。全然関係ないですが、オレの入社時はフロムエーを見て入社試験に応募しました、今はさすがにやってませんが。

 一回の広告費は、扱いの大きさや掲示期間などで変化しますがおおよそ10-50万くらいとします。この採用募集広告の掲示依頼から準備を行う為に人事担当者が1-2人、一か月くらい準備(広告会社との打合せや原稿書き)に張り付きます。が、ここでかかる人件費は面倒なので次の項目に繰り越します。ここでは広告費だけを考えるとして、仮に間を取って30万円としましょう。


2.電話・メール受付 & 書類選考

→ 0万円

 うちの会社は未経験者採用を行っているので、採用募集をかけると物凄い数の応募が集まります。一番多い時で一回の募集に400名以上が応募してきたこともあったとか。

 この人たち全員に履歴書を送って貰って書類選考を行い、最多で40名くらいまで絞り込みます。でもまぁだいたい20名前後じゃないでしょうかね。書類選考は、あまりにも年齢が高過ぎたり、書き方がいいかげんだったり、写真が無い・プリクラ・社会人として相応しくない、などなど、割と一般的な選考基準だと担当者から聞いたことがあります。…つまりそういうレベルの人がいっぱい募集をかけてくるわけですな(溜息)。それぞれ電話やメールで合否を伝え、合格者は筆記試験に向けた日程調整を行って、面談当日に向けた資料や試験問題の準備を行うわけです。

 ここでも人事担当者が1-3人、前行程から合わせて張り付くことになります。が、ここでも人件費は次行程に持ち越します。とりあえず電話代や郵便代といった経費は無視します。


3.会社説明 & SPI筆記試験

→ 0万円

 次に行うのは会社説明と筆記試験。採用希望者を会社に呼んで、一度にこれらを実施します。この行程を以降は「筆記試験」と呼称します。

 大体20人くらいの人数になると、全員を一回の筆記試験に調整することは不可能です。参加者の都合を合わせていくと、大体月2-3回の開催になります。今グループウェアの会議室予約で確認をしたら、筆記試験一回あたり2時間を用意しているようです。

 参加したことがないので詳細は分かりませんが、おそらくは会社説明が冒頭に30分程度、SPI筆記試験が1時間半程度だと思われます。筆記試験は完了後に採点を行い、合否を通知。1回あたり丸一日かかるとして、月3回開催なら3人日。ここでも人件費の計算は次行程に持ち越します、まとめて計算しないとメンドクサイ。不定期で採用できた人材の質を見てSPIの試験問題は見直すそうなので、その際には更に人件費がかかるでしょうが、おそらく年に1回もやらないので無視します。


4.面接

→ 130万円

 筆記試験合格者は再度会社に来てもらい、個別に面接を行います。非効率なように見えますし、採用希望者に交通の負担を強いてしまいますが、逆に筆記試験と連続して行うと、1人が面接を受けている間、他の人が拘束されてしまう、という問題が発生してしまうので、止むを得ないのでしょう。

 一人あたりの面接時間は1時間。担当するのは人事部長もしくは開発部門の部長クラスの人間です。うちの会社の場合は二次面接まで行いますが、これは会社によって様々でしょう。Googleなんかは10次面接まである、なんて話も何かで読んだ事がありますし(さすがに都市伝説だとは思いますが…)。直前の試験の結果次第で面接の人数は前後します。1人に対する1回当たりの所要時間は1時間。回数を重ねる毎に面接官の役職は偉くなっていく(≒人件費が高くなる)ようです。一回の採用募集分で行う面接を全て合算すると2人日ってところでしょうか。


 ここで合格すると晴れて入社決定、我々と同じ社畜の仲間入りです、ヤッタネ! 採用連絡が行われ、入社手続き、入社前の事前学習用教科書が手渡されることになります。大体翌月1日から働き始めることになります。


 さて、ここでやっと人件費の算出を。
 ここまで読んで頂いたら分かる通り、これまでの作業は非常に膨大です。2-3人が丸々一ヶ月張り付いてやっとこなせる分量。仮に全ての面接分の面接官まで含めて2人でつきっきりで担当するとして、彼らの人件費が仮に60万(給料が20-30万円くらいだと保険等を入れると実質この位になるはず)とすると、人件費に120万円くらいは掛かることになります。
※「人件費」「給料」という単語が頻繁に出てきますが、ここで書いているのは「仮定」の数字ですので、自分の会社のものと置き換えて再算出して下さい。

 各種入社手続きに必要な費用(社員証や教科書の費用、人件費含む)は、それに比べると微々たるものですが、積もり積もって5-10万くらいになると予想しています。計算がメンドイので10万とさせて下さい。


 
 ここまでかかった費用を採用できた人数で割ると、その人1人を採用するのにかかった費用が大体算出できます。仮に4人とすると、入社までだけで必要な費用は1人当たり40万円、ってことになりますね。採用人数が0人の場合もありますから、その際はこれまでの費用全て丸損です。就活生はスーツや交通費の支払いでブーブー言っているかもしれません(少なくともオレは言ってた!)が、企業側にも負担は多いことを知っておきましょう。


5.新人研修

→ 180万円

 新人研修期間中は専属の教師役社員が2名体制で担当します。4名の研修生に2名体制は多過ぎなのでは?と思われるかもしれませんが、毎月採用していれば前月の新入社員も前々月の新入社員もいるわけで、毎月4人ずつ採用してたら12名も研修生がいることになります。しかもカリキュラムは進行状態に応じて各人バラバラ。負担も相当なものです。なので講師が2名体制だと、一度に見れる研修生は10名が限界でしょうね。


 研修の内容は、プログラミング知識や、仕様書の読み方書き方、業界知識、社会人マナーなどを教えます。研修期間は大体3ヶ月ですが、案件次第で前後します。中には一か月で現場に出向し、案件終了後に戻ってきて研修再開、なんてパターンもあります。当然研修期間中の稼ぎは一切ありません。研修期間も給料は普通に支払います。仮に研修生の給料総額が20万だとすると、研修生にはここから保険や諸経費が引かれた15-16万が毎月支払われることになります。もちろん、実際には会社側が負担する保険費用などが別途ありますので、30-40万くらいは実質的にかかっていると思ってください。


 講師役社員の人件費が60万/月として、1回の採用につき3ヶ月担当するので、3ヶ月×2人=6人月で360万。研修生が4人いれば4等分して1人当たり90万になります。研修生に対しては、仮に1ヶ月30万かかってるとして、研修期間3ヶ月分の人件費が90万。

 これらを合計すると、大体180万くらいが研修期間3ヶ月だけでかかっていることが分かります。


 このあたりは、会社によって大きく異なってきます。自分が受けた研修の期間と研修生の人数、担当した先輩社員の人数(裏方含む)、自分に支払われた給料を鑑みれば、だいたい1人あたりの研修にかかった費用が算出できると思います。


入社時費用の合計

 さて、これらを全て合算すると、入社から最初の1円を稼ぐ直前までで、なんと220万円もかかっていることが分かりますね。いい加減な計算なんで、誤差が数十万単位であるかもしれませんが、それでも100万は下りません。それだけの対価を支払って、企業は新しい人を会社に迎え入れているのです。


 ちなみに、上記は中途採用の場合ですが、新卒採用だとこの比ではありません。会社説明会の回数も学生向けに多くしなくちゃいけないし、他企業とモロに比べられるので説明資料の質もグンとアップします。飲料とかも準備しますし、なにより広告費が途端に跳ね上がる。5年くらい前に1回だけうちの会社でも新卒採用をやったんですが、その時の総コストは1,000万くらいになったそうです。新卒採用は同期入社が多くなるので横のつながりが強く、結果として辞めにくくなる、という副次効果もあるらしいですし、ある程度身元がはっきりしているので安心して企業側が迎え入れやすい、という側面はあるようです。大企業が新卒採用ばかりを重視するのは、その辺があるからかもしれませんね。うちの会社のような中小企業には、コスト面を考慮するとどだい無理な話ですが。




自分がいくら稼いでいるか、会社にいくら払っているか(ランニングコスト)を知る

 さて、ここから企業はその初期費用を回収していかなくちゃいけません。とはいえ、研修が終わったばかりの知識ほぼゼロの新人に、業界は市場価値を全く見出していません。金だけかかるお荷物にお勉強させてやる気なんてサラサラありません。欲しいのは即戦力、それも出来るだけ安い費用で。会社はそれをあの手この手尽くして案件に参画させ、稼いでもらえるようにしています。オレが今本社にいる都合、営業さんの仕事を間近で見ていますが、マジで半端無く大変です。特に新人参画に際した彼らの苦労は、筆舌に尽くし難いものがあります。オレと同じ受託開発会社に所属の方は、自社に帰った際時間に余裕があれば、是非営業さんをつかまえて飲み行って、その辺の話(愚痴?)を聞いてあげて下さい。泣き出したらそっと背中をさすってあげて下さい。


 新人の人件費は彼ら自身で稼がなくちゃいけませんが、その上更に会社の利益が出るように単価設定していきます。その利益分で徐々に入社時の費用を会社に返済していく形を取りますから、やっと入社時の費用を会社に返済するには、大体2-3年くらいかかります。入社2-3年目で給料が上がらない・上がりにくいのは、こういった事情があるからです。それ以前に社員に辞められると、会社は先行投資を回収できず大損になるんですね。


 自分の単価がいくらなのか、なぜその値段なのかは必ず把握しておきましょう。この辺は、業態が違っても「毎月その人に期待される稼ぎ」と考えれば、大体どの人にも当て嵌まると思います。自分の携わるビジネスがどういう仕組みでお金を作り出して、それがどのように自分に配分されているかは、先輩に聞くなりすれば有る程度までは調べられると思いますよ。…ここが分からない会社だと、そもそも怪しいのかな、とか思ったり思わなかったり。


 自分の給料の総額(保険や諸経費を含めた金額)は、おそらく給与明細に書いてあると思います。それに×1.5くらいすると、会社がその人の為に支払っているコストが物凄く大雑把に算出できます。それにプラスして、経営陣や事務方、営業さんの人件費だったり、オフィスの賃貸料だったり、我々が仕事で使ってるPCやトイレットペーパーに至る経費まで、すべてを賄わなくちゃいけない。それらを「そんなの俺は知らねーよ、会社が勝手にやってることだろ、俺の分から無断で金抜き取るの止めろよ!」とか言うのは勝手ですが、そういう風にみんなで共闘していく形を作っていかないと、そもそも仕事すること自体が凄く難しくなってしまうのだということを理解して下さい。詳しくはフリーで活動されている方に話を聞くと、詳しく教えてくれると思いますよ。そういう知り合いがいない人ネットででも調べてください。




他人から評価されるということ、他人を評価すると言うこと

 お金の話に終始しましたが、企業活動の中で我々は働いている以上、お金とは切っても切り離せない関係にあります。生活にも直結するだけにモチベーションにも大きく影響します。だから「給料が安いから辞めたい」というその姿勢は否定しません。背中を押したいとさえ思っています。でもその前に


そういうけど、それだけの価値がお前にあるの?

そもそもそれだけの成果を何か出してきたか?

今まで会社から受け取ってきたもの以上の価値をちゃんと作ってこれたか?


これらはどうしても問いたいです。自分がどれだけの対価を会社に払ってもらった上で今の姿になっているのか、そこに自覚があるか無いかは大きな違いです。ただ、投げっぱなしに漠然とこの問いを投げ掛けても、相手は反感しか覚えないですから、オレはこれまで必ず具体的な金額にして部下たちに伝えてきました。カネカネ五月蠅く感じるかもしれないけど、それだけの金を稼ぐのがどれだけ大変かは、彼ら自身が骨身にしみるほど知っているはずです。だからこそ「給料が安いので辞めたい」と言ってきてる訳だし。


 あとまぁこういう話をすると「そんなのちゃんとやってきてる。そっちがちゃんと見てないからだ。」と言われることもあるようです。でもね、部下一人ひとりをちゃんと見るのって、本当に難しいんですよ。


 そもそも人は褒めることよりけなすことの方が得意なので、良いところと悪いところを両方列挙しようとすると、大概欠点ばかり目が行ってしまうものです。「仕事の出来が良い」「順調に仕事をこなしている」状態って、「手を掛けなくてもいい」「注視してなくても大丈夫」という状態とも言えるんです。自然と目が離れがちになっちゃうんですよ。

 ましてやオレの会社のように「メンバー全員がバラバラの場所で働いている」と、普段の働きは「営業さんから伝え聞いた現場の評判」からしか窺い知ることができません。後は目の前にある個人売上一覧のみ。ここから伝わる情報なんて、たかが知れてます。悪いところがあれば悪いところばっかり目につくし、良いところはスルーしてしまうし、むしろ何も無いように見えるとそれ自体が「成長が無い」「努力してない」と捉えてしまう。売上を見て妥当な給料であれば、「与えられた仕事以上にやってないお前が悪い」と捉えてしまうのは必然です。

 そうならないよう正当に評価するには、人事考課を行う側にも、忍耐強いトライ&エラーと、それを適切に指導できる人が必要なんです。オレ自身も過去に1グループの管理職を務めていて、きちんと正当に部下たちを評価出来た、という手応えが得られたのは、最後の3回目でした。それまで直属の上司に「評価が辛過ぎる、間違ってないけど欠点ばかりを並べて評価が低く印象づける傾向にあるから気をつけろ」と再三注意を受けました。人事考課を行う自分の上司が、適切に正当に他者の良いところを見つけられたとしたならば、それはただそれだけで素晴らしい才能です。逆に言えばその才能を持ち合わせている人は殆どいません。ならば、考課される側で対策を打つべきでしょう。


 これは以前実際にやったことですが、あまりパッとしない評価だった部下に、

  1. 週報を丁寧に書かせる(→報告書の書き方の向上)
  2. 1日1件、Web記事(テーマはフリー、できれば仕事に関連するもの)を見つけてきて、マインドマップで分析させる(→分析力の向上)
  3. 1日1件、仕事に関連した記事を紹介するエントリーを書かせる(→文章力、分析力の向上)
  4. 1〜3までを毎週月曜の定時後に必ず対面でレビューする

というようなことをやりました。これは本当にシンドイ作業で、もちろん一番大変だったのは指示された部下当人でしたが、レビューの為に毎週本社に帰ってきたオレもしんどかった!! 彼は案件が暇だったので定時に本社に来ることはそれほど難しくなかったのですが、オレはそうじゃなかったし、管理職としての別の仕事も色々ありました。継続してやらせること自体もかなり大変で、なだめたりすかしたり叱ったりしながら何とか続けさせたものです。あの時の苦労は…ちょっと思い出したくもないですね。

 ですが、その期末の人事考課時にそれらを全部くっ付けて上に提出した際には、会社からも成果を認めて貰え、金銭面に大きく反映されることとなりました。その彼の成果の一部が、以下になります。
※K.Yと文末に書かれているのが当時の部下のエントリー。このブログはグループ内の情報共有と情報収集の為に活用していました。


 これだけのことをすれば、売上とは直結しなくても、会社もきちんと成果として認めてくれる、それを端的に表した件だったと思います。ここまで求める上司はそうそういないと思いますが、自身の評価を上げたいというのであれば、状況や環境を考えて、実現可能な範囲でめいいっぱいアピールすべきでしょう。



最後に

 これまで長文にお付き合い頂き、有難うございました。最後に、オレの仕事の師匠にあたる人の言葉を紹介します。かつて、我々の共通の親しい仲間が会社にいました。恩人と言い換えても良い。社内ではエース級の活躍をしていました。人徳があり、みんなから慕われていました。その人が、ケンカ別れみたいな、それはそれは非常に残念な形で会社を去って行った姿を見て、師匠はこんな言葉を漏らしました。


 恩はね、確かに返したかもしれないけど、でも無くなった訳じゃないんですよ。


 例えお金をいっぱい稼いだとしても、何千万、何億という利益を会社にもたらしたとしても、自分が一番最初に受けた恩はなくなりません。人生でどのような選択をするか、決断の権利はその人自身にありますが、決してお世話になった人への感謝と誠意を欠くことのない態度で臨んでほしいと思います。




オマケ

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