ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

「シンデレラ」を昨今の「アイドル」のメタファーにするのは間違っている気がする。

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photo by AYAICE from写真AC




 スーパーどうでもいい話なんですが。


 若い(幼い)女の子がアイドルになって人気者になることを、「シンデレラ」に例えられることが日本では多いです。海外の事情は分かんないです、そもそも「アイドル」という存在が他の国にいるのかどうかもよく分からないし。
 おそらくは、昨日まで何でもない普通の女の子が、スター誕生!みたいなオーディションとか番組企画とかをきっかけとして、一夜にしてトップアイドルになることを「シンデレラ」の物語になぞらえているのがはじまりなんだと思います。「シンデレラストーリー」なんて言いますしね。


 でも、今のアイドルって、一夜にして突然トップアイドルになることなんて、まず無いと思うんですよね。そりゃアイドルデビューするきっかけはスカウトだったりオーディションだったりするかもしれません。でもおそらく、多くの現アイドルで元普通の女の子たちは、望んで願って夢に見て、運も天も商業的事情も味方にして、やっとチャンスを掴んで。歌にダンスにビジュアルにトークに、ありとあらゆることを努力して努力してまた努力して。デビューした後も数多存在するそのほかのアイドルと競争して叩かれてすりつぶされてなんとか勝ち残って、ほんの一握りだけがトップアイドルと呼ばれる存在になれるわけです。全然「シンデレラストーリー」じゃないじゃん。どっちかというとジャンプとかのスポ根系のストーリーのほうがなんぼか近いです。


 そもそもシンデレラって、別に王子様に見初められるために努力してないですよね? 継母とか義理のお姉さんとかにいじめられて召使いみたいな扱いされて、「耐えていればそのうちお継母様たちも分かってもらえるわ」的に召使いとして与えられた作業をこなしてただけだし。たまたま魔法使いが気まぐれ起こして舞踏会行けたけど、王子様と踊れたのも生まれ持った美貌でシンデレラ自身の努力の成果じゃないし。ただ生まれついて美人だったから勝ち馬に乗れただけです、乗ったのは馬じゃなくてカボチャだけどな。


 まぁそんなこんなで、現代のアイドルの在り様は「シンデレラ」の物語とずいぶん乖離があるなぁみたいなことを黙々とデレステやりながら思った、って、ただそれだけを言いたかったのが本記事になります。
 「シンデレラ」がアイドルのメタファーに使われることって、今は少ないのかもしれないですけどね、飲んでて終電無くなっちゃうから日付越える前に帰ることを「おっシンデレラか?」って揶揄されることの方がナンボか多いような気もします。知らんけど。


 あ、あと、これまたどうでもいい話なんですが、アニメの「アイドルマスターシンデレラガールズ」の主人公が島村卯月であることは、「シンデレラ」をアイドルのメタファーに使うという観点だと、とても適格だったなぁと思いました。いくら心の底からあこがれていても、努力の方向が間違っているとそこへたどり着けない・迷走するっていうことを暗に示したあの物語は、新規事業やプロダクト・サービスの開発とかのメタファーに使ってもいいような気がします。デレマスがどのくらい一般的か分からんので、メタファーとして有用かどうかは怪しいけど。



上司ガチャ問題の対策をソーシャルゲームのガチャから考える

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はじめに

kawaguti.hateblo.jp


 最近ちょいちょい話題になる「上司ガチャ」問題、川口さんもブログに書いていて、文中にもあるように実際「アジャイルリーダーシップサミット2019」にもOSTのテーマとして挙げられていました。残念ながらオレはスタッフだったのでこの議論に加わることは出来なかったんですが。
 「上司ガチャ」っていうからにはソーシャルゲーム(※以下ソシャゲ)のガチャが由来してるんだと思うんですが、だったら問題の本質も解決策もソシャゲのガチャから探せないかな?と思いました。以下でソシャゲのガチャの特徴を列挙し、比較することで、「上司ガチャ」問題の解決方法のヒントを得られないか考えてみたいと思います。


 なお、オレがガチャを回したことがあるソシャゲは以下なので、必然的にこれらがベースとなります。







NL・R・SR・SSRがある

 ★の数でカード(キャラクター・武器)の強さを表現することもありますが。
 「上司ガチャ」の場合、足を引っ張られたり味方のはずの存在から攻撃されたり、とさまざまな弊害があるんですよね? でもソシャゲのガチャって、一番ランクの低いNL(ノーマル)でさえ、役に立たないことはあっても弊害はないんですよ。となると、ガチャより悪い「BD(Bad)」とか「WS(Worst)」とかが上司ガチャには存在していると言えるんじゃないでしょうか。


 …とソシャゲのガチャより性能悪いな、「上司ガチャ」。



親愛度をMAXにすると上限解放できる

 ガチャで得られたカードは親愛度や経験値を上げるとレベル上限をUPさせることができます。
 「上司ガチャ」の上司も、どんなに使えなくても親愛度や経験値を高めると上限解放できるか? は、まぁきっとできるような気もするんですけど、その過程が果てしなくシンドイ気がします。あと「上司ガチャ」で得られたカードにおける「経験値」「親愛度」ってなんなんでしょうね? 単に仲良くなればいいのか? いや、それ以前に、そもそも「BD」や「WT」な上司と仲良くなりたいか?


合成(消費)することで他のカードのレベル上げに使用できる

 ソシャゲガチャで得られたカードは、それを他のカードのレベル上げに使用することができます。レベル上げに使用したカードは消失します。
 「上司ガチャ」は……? 消失って、退職に追い込むってこと?はたまた殺すってこと? そもそも、NL(ノーマル)でも微々たるとはいえ経験値が得られるけど、「BD」や「WT」だと……マイナス経験値?



同じカードを複数合成すると能力が向上する

 ソシャゲガチャのカードは、まったく同じカードを入手した場合、合成することで能力を向上させることができます。(合成できる数量に上限がある場合が多い)
 「上司ガチャ」は……同じカードとか無いから、当然合成とかもないですね。……ん、合成? 合成って合体ってこと? 上司と合体!? なにそのセクハラ案件!!!



課金しなければ上位のカードは手に入らない

 ソシャゲではそもそも課金しなければガチャは回せません。課金しないでも回せるガチャもありますが、たいてい大したカードは出てこないようになっています。
 さて「上司ガチャ」ですが……課金すること自体は可能そうな気がします。回すガチャ自体を課金によって選べるといったイメージが近いかな。

  • 有料のサービスやエージェントに登録する
  • コミュニティに参加して構築した人脈で就職活動をする
  • 有料のサロンやイベントに参加する
  • 良い塾・良いサービス・良い学校に課金して学力を向上し、より良い学歴を手に入れる

 給料の高い優良な会社には能力の低い人は基本的にいないはずですし、金銭的な余裕が心の余裕につながるからか、人間的にも優れているというか、少なくとも他者の足を引っ張るような輩は少なくなる傾向にあるようです。多少金銭や労力を支払ってでも、優良な会社に入ることは、結果としてよい人間関係に巡り合える可能性が高くなりそうな気がします。
 ちなみに、日本の大企業の場合、大きいからと言って優良な会社とは限らないのでご注意ください。



天井がある

 ガチャは一定数(300回とか)回すと、欲しいカードがどれでもひとつだけもらえたりする仕組みがあります。この仕組みがないソシャゲは基本的に悪徳ゲームと言えるでしょうね。ちなみに今一番人気のソシャゲであるFGOはガチャに天井がありません。
 「上司ガチャ」は、そもそも最初の一回しか回せないので、仮に天井があったとしてもそこに届くことはないでしょうね。課金したらガチャ回せないかな?



結論

 「上司ガチャ」は課金で回すガチャ自体を選べ!



終わりに

 当然の話ですが、本記事はネタです。あしからず。


 しかしこうやって見ていくと、あれだけ悪徳商法と叩かれているソシャゲのガチャが、実際には現実と比べてはるかに良心的ということがわかります。どれだけクソゲーなんだ、現実!?


 「上司ガチャ」に課金するためには、そもそも「下手な上司ガチャを回すとろくなのが出ない」という辛く厳しい現実を予め知っておかなくちゃいけないんですが、それって誰がどこで教えてくれるんでしょうね? 親や学校の先生も「良い会社」には言及しても「良い上司」までは伝えてくれていない気がします。


 人間関係を金で買う、なんていうとロクデナシなイメージしかありませんが、現実にはそういう側面があるのも確かなんでしょう。そういうちょっと汚いと思われがちな面も踏まえたうえで、人生をハックしていく意識を持つのが大事なんでしょうね。




 全然関係ないですが、最近のオレのお気に入りの楽曲はデレステの以下の曲だったりします。歌詞が案外良いんですよねぇ。オレはiTunes Music Storeで買いましたが、AmazonでもCDじゃなくMP3が買えるみたいです。買わなくてもいいんで良かったらどこか正規の配信で聞いてみてください。

預かっていたものを返しただけ

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 何と言うか、夢のようなひとときでしたねぇ。昨晩の壮行セレモニーだけではなく、彼がいたこの数年間が。


 昨晩のFC東京-横浜Fマリノス戦(味スタ)終了後に、スペイン:レアル・マドリードに移籍することになった久保建英選手の壮行セレモニーが開催されました。このタイミングでの壮行セレモニー開催は完全に偶然のはずなのに、たまたま半年間レンタル移籍していたマリノスとの試合での開催になったのは、建英が持ってるなぁ、というのをしみじみ感じますね。






 建英のコメントを聞くと、つくづく彼にとってFC東京は「通過点」だったんだなぁって、しみじみ感じました。サバサバした冷静で淡々としたコメントは彼の持ち味なんですが、それを差し引いても、そんなニュアンスは読み取れました。あんなにあっけらかんと笑いの多い壮行セレモニーもちょっと珍しいなと。
 とはいえ、通ってきた道で何も心に残らなかったか、何も感じなかったか、というと、それも違うのもコメントから読み取れます。我々と一緒に戦ったこの数年間が、彼にとって今後の人生の支えになる何かがあれば、戦友として喜ばしく感じます。



 タイトルにも書きましたが、久保建英選手の今回の移籍は「預かっていたものを返しただけ」というのがオレの思いです。返却先はバルサじゃなくてレアルになっちゃいましたけどね。最初はお客さんで、呼び方も「久保くん」「久保くん」で、あくまで他所から来たお子さんでお客さん。プレイが冴えなくても「まぁ言うたって若いしね」で済ませていて。
 それが今季開幕して、身体も強くなって、守備もちゃんとできるようになって、本来の持ち味のドリブルやキラーパスが冴えるようになって、これは今年はちょっと違うぞ!?となって。気付いた時には彼の呼び方は「建英」になっていました。彼は立派な戦力で、FC東京に欠かせない存在。お客さん相手はプロ選手に対して失礼だ。オレの中でそんな心の移り変わりがあったのかもしれません。

 だからこそ、「預かっていたものを返しただけ」と割り切るのが難しいのが本音でした。今季はもしかしたらFC東京はリーグ初優勝を狙えるかもしれない。だったら建英にもその瞬間ピッチに立っていてほしい。心の底からそう思いました。おそらくは建英自身も相当悩んだんじゃないかと思います。
 それでも、当初から自分が決めたように、海外での挑戦を最優先に、ロジカルに冷静に自分の将来のための判断をした。その勇気と意志の強さ、本当に尊敬します。なれば我々もあくまで「預かっていたものを返しただけ」と割り切って送り出すべきでしょう。


 いかに久保建英とはいえ、挑むのは世界頂点のレアル・マドリードバロンドールを獲得したモドリッチをはじめ、各国代表のエース級の選手しか所属していないクラブで活躍するのは、並大抵の困難さではないでしょう。最初は2軍に相当するカスティージャからスタートするそうですが、それでさえも生き残るのはとても難しいはず。
 それでも、建英ならやってくれるんじゃないかと信じています。たった一年でJ1のサッカーに適応してみせたその潜在能力は、きっとリーガエスパニョーラでも通用するはずです。




 きっと建英はFC東京には戻ってこないでしょう。どこまでも遠くに行く彼の姿を、液晶越しに眺め続けることになるだと思います。だからこそ、一緒に戦ったこのシーズンをオレの一生の自慢にしたいと思います。いつか建英がエスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウのピッチに立ったら、うざいくらいそのことをアピールしますんで、そん時は生暖かい目で見てやってくださいね。

今日でSIerを卒業するのでSIビジネスについてダラダラと書いてみる

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はじめに

 実際には有休消化があるので7/10が正式な退職日ですけどね。2年半働いた初台のSIerを退職することになりました。今日が最終出社で事務手続きとかも基本全部終わらせたので、事実上の退職日が今日となります。
 本当に色々なメに遭ったので、会社辞めたら色々書いてやろうと思ったんですが、ご他聞に漏れず「SNSやブログ等に会社に関わる一切を書くな!」って誓約書にサインさせられたので、ここは大人力を発揮してとりあえず黙ることにしました。残念ながらオレの人生ももうちょっとだけ続くんじゃよ。


 今回退社する会社で3社目の在籍、途中でコンテンツ配信サービスなんかにうつつを抜かした時期もありましたが、トータルで14年強もの間、SIビジネスの渦中にいました。これで一旦SIビジネスの会社に所属するのは最後になるので、2年半のうらみつらm……もとい、体験記を書く代わりに、SIビジネスについて思うことをダラダラと書いてみようと思います。個人の感想に寄るところが多いので、多少狭視的だったりピントハズレだったりするところは勘弁してください。

SIerは滅びぬ!何度でもよみがえるさ!

takigawa401.hatenablog.com


 この記事書いてから7年経ちます。あの時は「SIerが滅びるかどうかなんて分からん」って書きましたが、案の定滅びませんでしたね。少なくともオレの周りでSIビジネスがシュリンクしたという話は聞かないし、当時オレがいたn次請けのSIerは、オレがいた時よりも元気っぽいです。今のIT業界の好景気に支えられてる面は否めないのでしょうけど、大方の予想を覆して活況なんじゃないかなぁというのがオレの雑感です。
 旧態依然としたレガシーな開発も相変わらず同じような規模で存在しています。インターネット上では「アジャイル」のキーワードが跋扈するようになって久しいですが、そんな風潮はどこ吹く風、ウォーターフォール型だったり大型護送船団方式だったりも相変わらず健在です。

いつまでもSIerに頼ってばっかりでもない

 一方で、ServicerがSIerに頼らずに独自にITエンジニアを雇い、自力でシステム開発を進めるようになったのも、肌感覚としては増えているように感じます。外部に依頼すると契約に縛られてフレキシブルに開発が進められない、コミュニケーションコストばかりかかって本来の目的をなかなか達することができない、さまざまな理由があるんでしょうが、ITの価値を正しく理解した人たちが増えて、自分達の欲しい道具を自分達のコントロールしながら作るようになった、というのがその傾向の根底にあるんだと思います。

バブルはいつか終わる

 今はIT業界が好景気で活況、と前述しました。業界内では、どこで話を聞いても人手不足だと一様に言います。働き方改革とかクラウド移行とかBCPとか色んな理由があるんでしょうが、どれが原因で結果強烈な人手不足になるほどシステム開発が増えているのかはオレには不明です。なんでなんでしょうね? 誰か教えてぷりーず!

 とはいえ、オレが思うに、この好景気はあくまで一時のもの。しょせんはバブルで、いつか終わるんじゃないかと思っています。
 そもそもシステム開発の発注側である企業が倒産するリスクが非常に高い昨今です。三洋や東芝の例を挙げるまでもなく、大企業でさえいつ潰れるか分かりません。それらの企業が1つ潰れたら、いったいどれだけの工数の発注が消し飛ぶのやら(まぁその前に開発自体がストップするでしょうけど)。

「丸投げ」から「共創」へ

 大企業を見てると、ことITに関しては「ものづくりがヘタクソだなぁ」と思うときがあります。これだけ市場の変化が激しいのに、ユーザーの声を聞かずに思い込みだけで製品・サービスを作っているところが今でも沢山あるように感じられます。従来のマーケット調査みたいなのはしてるんでしょうけど、直接エンドユーザーの声を聞かない・ユーザーインタビューをしない、なんてのがザラ。延々とピントのずれ続けたモノを作り続けて、気付いたら数年・数十億費やしてる、みたいな悲劇だか喜劇だか良く分からないことが起こったりします。探索型開発ができないというか、アジャイルじゃないというか。
 じゃあアジャイルをやればいいかっていうと、そうは問屋が卸さなかったりします。


takigawa401.hatenablog.com


 以前こちらの記事にも書いたんですが、アジャイルな開発をしようとすると、従来のSIビジネスの根幹である一括契約が邪魔をして、そもそもアジャイルな開発にちっとも移行しないんですよね。トライアルでアジャイル専門プロジェクトを立ち上げて果敢に挑んでも、時をさほどおかずして失敗→元通り。フォルダ名だったりサーバーだったり施設名だったりに不自然に「アジャイル」がくっついてる資産が、その時の名残としてあちらこちらに残り続け、後世に引き継がれたりするわけです。デジタル時代の「つわもの共が夢の跡」は、他者から見れば滑稽でしかありません。


 ユーザー企業の実施するアジャイルな開発にSIerが関わろうと思うと、信頼関係を築いた上で納品物の取り決めを物凄く緩く設定した一括契約にするか、あるいはSES(準委任)契約でやるしかないんじゃないかなぁ、と思っています。しかもできるかぎり常駐でやるのが望ましいです、当然リモートワークをある程度許容することも前提で。ユーザー企業のシステム開発を肩代わりするのではなく、ユーザー企業と一緒になって同じ目線で開発するわけです。アジャイルな開発が主となった世界でSIerがユーザー企業とかかわり続けるのなら、一括契約を捨てると言う判断をしていかなくちゃいけないんじゃないかと推測します。

集団の力から個の力へ

 一括契約からSES(準委任)契約に切り替わるとなると、これまでよりも個人の技術力にフォーカスされるようになるでしょう。一括契約なら誰が開発に関わっていようが、何人関わっていようが、モノさえちゃんと納品されれば関係なかったわけです。ところがSES(準委任)契約、特に常駐型だと、どうしても顧客から個人が見えるので、会社うんぬんよりは個人の能力が問われることになります。優秀な技術者がいっぱい輩出される会社は必然的に優秀なSIerとして評価される、みたいな。まぁ個人の技術力が重要なんてのは今だって違いは無いんですが、十把一絡げで一括開発ばかりやってた会社だと、それなりにインパクトがあるのかもしれませんね。

教育とR&Dを頑張れるところが良いSIer

 となると、SIerの役割が「システム開発の肩代わり」から「優秀な技術者の育成」に変わってくるんじゃないでしょうか。更に言えば、開発チームは解散せず長く一緒に開発に携わるのがよいとされるので、「優秀な開発チームの育成」が出来るのが望ましいと思われます。会社全体でITエンジニアの技術力を高めるのであれば、整備された教育カリキュラムが必要ですし、新しい技術要素の活用方法を探究し、他者に伝播できるようブレイクダウンする必要があるはずです。必然的に社内の教育部門とR&D部門の重要性が高まるんじゃないでしょうか。

SIerの株式市場上場に初めて意味が出てくる

 オレはこれまで、SIerの株式市場への上場は無意味だと考えていました。SIerって結局ビジネスが人駆ありきなんで、投資先が「人」しか無いんですよね。一方で上場には莫大なお金がかかり、上場してからも莫大なお金がかかります。その割に得られるメリットが、SIerの場合少なすぎるように感じます。上場にかかる費用を給料に上乗せした方が、人駆だったらもっと質も量も集まるっての。顧客企業だって結局は信頼した会社にしか発注しないので、上場が信頼の証でそれによって仕事が集まるかと言うと、わりと眉唾じゃないかなと思っています。あんなもの、経営者のステータスのためか新卒を騙して集めるためのカンバンにしかなりえないってのがオレの持論です。


 しかし、社内の教育部門とR&D部門の重要性が高まるのであれば、投資先が「人」以外にもできたことになります。ここまでいって初めて上場で資金調達する意味が出てくるんじゃないかな、と。
 現在でも上場が企業の社会的ステータスを高めるという事実は変わりませんし、個人を売るために企業のステータスを高めるのは、どうしても必要だと思います。

ITエンジニアがタレントになる時代

 個人やチームが注目されるようになれば、バイネームで顧客企業から呼ばれるようになるでしょう。単価も人気によって変わるでしょうし、SIerも個人をタレントさながらにアピールする必要が出てくるかもしれません。
 以前きょんさんが「ITエンジニアで武道館ライブをやりたい」と言っていたのを思い出しました。あの時は突拍子が無さ過ぎてピンときていませんでしたが、もし個人やチームがバイネームで呼ばれるのが当たり前の時代になれば、ITエンジニアで武道館ライブをやるのも絵空事ではなくなるのかな、なんて思いました。


おわりに

 以上、ダラダラとSIer卒業記念にSIビジネスについて考察してみました。当たるも八卦、当たらぬも八卦。今日はプレミアムフライデーですし、これを酒の肴に色々と夢想してみるのも面白いかもしれませんね。


 来月からオレは一旦フリーランスとして働く事になります。故郷に年内に帰ることを大前提にしていたので、リモートワークを認めてもらえる顧客企業と個人で契約する、という方法しか思いつかず、結果良縁に恵まれてそれを実現することが出来ました。
 その後のビジョンも当然ありますが、まずは新しい働き方を確立して自分の足でしっかりIT業界に立ち続けることを目指したいです。

閾値を超えるジレンマ


 昨日はてなブックマークホッテントリ入りしていたこちらのツイート、このツイート自体は「何を脳みそお花畑なことを……」とアラフォー独り身なおっさんのオレなんかは苦々しく思ったりしたわけですが、このツイートに付いているコメントやリプライの内容がなかなか秀逸でした。みんな上手いこと言うもんだ。

  • とんかつ食ったことないやつがとんかつ無しでは生きていけないなんて言わない、っていうコピペが的を射ている(miraiez)
  • 崖から落ちたら死ぬけど、最初から崖の下に住んでる分には平気だろ(uzusayuu)
  • 麻薬やったことないから麻薬使わなくても全然苦しくないです(nmcli)
  • 深海魚は太陽を求めない(@nagkirio)
  • タバコ吸わない人が、禁煙しても平気なのと一緒。酒飲まない人が、禁酒しても平気なのと一緒。(@Tadakatu03)


(@vacationzc)


 こういう例を出されると、なるほど「あるある」だなぁと思います。実際の@miki0423smallさんの状況がそれらと合致するのかはさておき、オレはこれらの現象を以前から「閾値を超えるジレンマ」と呼んでいました。




 端的に言うと「体験の上位互換が発生することによって、それ以前まで何の不満も無かった体験に苦痛を感じるようになる、更には苦痛が強すぎてそれを実施できなくなる状況」を、オレは「閾値を超えるジレンマ」と呼んでいます。
 この現象について、オレなりに例を挙げてみました。

  • 今まで毎日のように通っていたラーメン屋が、別のもっとおいしいラーメン屋で食べた後では不味く感じてしまい、二度と行かなくなった
  • 築地で回らないお寿司を食べたら、たまの晩飯に楽しみに食べていたスーパーの半額パック寿司が美味しく感じなくなった
  • 本格的なバーで竹鶴を飲んだら、いつもの自宅での晩酌の安いウイスキーが美味しくないと感じた
  • 32インチデュアルディスプレイの環境でのプログラムに慣れたら、自宅の小さなノートPCでプログラムを書くとイライラした
  • 20万のロードバイクに慣れたらママチャリにタルくて乗る気がしなくなった
  • 大型冷蔵庫に慣れたら、単身赴任先の小さな冷蔵庫にストレスを感じる
  • 自家用車で移動することに慣れてしまい、電車やバスに乗るのが面倒に感じる


 「閾値を超えるジレンマ」は体験の上位互換によって発生するので、ちょっとでも体験のベクトルが逸れると回避できる場合があります。たとえば、

  • クラフトビールに飲みなれたら日本の生ビールが飲めなくなった
  • 築地で寿司を食べたら自宅で子供達と楽しみにしていた手巻き寿司パーティーができなくなった

みたいなのを挙げると、クラフトビールと日本の生ビールだと味の方向性が微妙に異なるので上位互換にならなかったり、また築地の寿司と自宅の手巻き寿司パーティーだとシチュエーションの違いがあるので上位互換が起こらなかったりします。もちろん、体験の中身は個々人で異なるので、必ずしも起こらないとも限らないですし、一見全く異なる体験でも上位互換が発生してしまう場合もあります。


 「閾値を超えるジレンマ」を解消し、以前の体験を受け入れられるようにする方法は、オレが知る限りでは今のところひとつしかありません。「閾値を超えるジレンマをはるかに上回る苦痛に晒されることで、本来不可逆であるはずの体験のボーダーラインを強制ロールバックする」というものです。
 具体的には、美味しいものに食べなれてエンゲル係数が爆発的に上昇してしまった人が、事故等で多額の借金を背負って極貧生活を強いられ、必然的に食事のレベルを長期間にわたりダウンさせる必要に迫られる、みたいな状況を指します。
 なので、冒頭の@miki0423smallさんの場合、仕事や学業に長時間拘束される状況に強制的に置かれれば、忙しすぎて彼ピッピどころではなくなるわけです。ブラック勤怠が治療薬になるというまさかの結論!依存症などの他の精神疾患が原因の場合にはこの限りではありません、あしからず。




 ちょっと前にあったニュースで、幸福度が一番高かったのは極貧国のブータンだったという話があった記憶があります。過ぎたるは及ばざるが如し、上見て暮らすな下見て暮らせ、ってのは、あながち間違ってないのかもしれませんね。もっとも、SNSが発達して強制的に体験の上書きをさせられる現代日本では、なかなかそういうわけにもいかないんでしょうけど。



追記

 公開後、@_N_A_@itow_pondeから関連情報を貰いました。多謝!


wired.jp

 オレが「閾値を超えるジレンマ」と呼んでいる現象は、認知科学において「参照点バイアス」という名称で研究されているそうです。上記記事では、他人の行動によって相対的に自分の提供する体験の価値が下がり、自分が低く見られるものを嫌気する傾向が顕著に現れたことを報告しています。


service.plan-b.co.jp

 一方こちらは経済行動学から、「アンカリング効果」について説明しています。先行する何らかの数値(アンカー)によって後の数値の判断が歪められ、正常に判断できなくなることを指すようです。事前に手持ちの情報が不足している場合に発生するようですので、オレの言葉で直すと、閾値を超える以前が情報が不足しており狭い世界で判断している状態、閾値を超えた後が情報が追加され比較的広い世界で判断している状態、と言えるかもしれません。

夢でもし逢えたら

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 先週金曜は弟の結婚式でした。大好きなミッフィーの誕生日に式を挙げたいというお嫁さんのたっての希望で、平日の結婚式というちょっと珍しい形になりましたが、まあ参列者が両家の親族だけなので、その辺はフレキシブルにできたんでしょうね。上の写真は式場のほんの一部。式場はこんな感じでミッフィーやそのほか色々なキャラクターで埋め尽くされていました。なんなら神前式の神棚にまでミッフィーがいたもんなぁ。しかもこれが全部お嫁さんの私物だってんだからビックリしちゃう。なんでも車にぬいぐるみをめいいっぱい詰め込んで、式場と2往復したんだそうな。「まだ家にはお留守番してる子たちがいっぱいいるんですよぉ」って嬉しそうに話してました。弟はそんな環境で新婚生活を送っているのかぁと、兄貴が知らない世界線をつたない想像力で想像したりもしましたが、さすがにちょっとピンときませんでしたねぇ。
 まぁともかく、色々ちょっとずつ珍しい形ではありましたが、手作り感に溢れ、とても良い結婚式だったと思います。あらためて、ふたりともおめでとう!


 いやぁ、でもなんというか、感慨深いというか驚きが多いというかですね。実家でニートというかパチプロというかを10年近くしていてフラフラしていた弟が、近所に工場ができたのをきっかけにきちんと働き始め、生涯の伴侶となる女性とそこで出会い、結婚して家庭を持つ。それだけでも相当な驚きでしたが、お嫁さんから聞く弟の特徴に「すごく気遣ってくれてやさしい」なんて言葉があったり、式の最中にお嫁さんを喜ばせようとさまざまなサプライズを仕掛けていたりと、オマエそんな色々気遣いできるヤツだったっけ?と衝撃を覚えました。更には、将来子供ができたタイミングで実家に戻って二世帯住宅を建てて両親と一緒に住もうと思っている、というようなことも言っていたようです。それすなわち、実家を継ぐという意思表明なのでしょう。オレの中で弟はあんまり良いイメージがなかったんですが、ちゃんと将来のこともしっかり考えてくれていたんだなぁと感心しました。男子三日会わざれば刮目してみよ、とは言いますが、いやまさにそのとおりだなと思いました。




 ちょっと話は変わるんですが、夢……寝ると見るほうです……を見ると、起きた後も割と印象に残っているのが、弟と祖父母が出てきたときの夢だったりします。


 人は睡眠中に記憶の整理・定着を行うそうです。不要な記憶を消したり、大事だと思う記憶を保存したり、他の記憶と結びつけたり。いわゆる脳のデフラグですね。睡眠は深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)をだいたい90分単位で繰り返すそうですが、脳のデフラグの最中に浅い眠りに突入すると、意識の表層に整理中の記憶が映像として現れることがあり、これが「夢」になるんだそうです。夢で見た内容は海馬を介さないので記憶として取り込まれず、眠りから覚めると次第に忘れてしまうのだそうです。夢の内容を覚えていたければ、起きて目が完全に覚めきらないうちにメモを取るか、夢の内容を反芻して海馬から新規情報として取り込む必要があるんだそうな。そんな話を聞いたことがあります。ところどころ間違ってるかもしれませんし、それを差し置いても10年以上前に聞いた話なので、信憑性はさだかではありませんが。


 話は戻して、オレの夢の話。本来忘れるべき内容を強い印象を以って記憶しているのには、それなりに理由があります。弟は夢に出てくるとき、必ず子供の姿なのです。

 先に結論と言うか、自己分析した結果を書くと、弟を内心子ども扱いしているとかではなく、オレが18で上京したときに弟はまだ小学生だったので、おそらくはその時のままの姿で夢に現れてるのでしょう。潜在意識の中の弟の姿が、実家を出てから20年以上アップデートされていないのではないかと思います。もちろん帰省した際には毎回顔を合わせますし、子供の頃と今とでは似ても似つかない姿であることはとっくに認識しています。しかし、どうも潜在意識の中の弟の姿はアップデートされていない。アップデートされていないから、夢でだけは未だに弟は子供の姿のままなのでしょう。

 で、夢に弟が出てくるたびに、「あれ、弟ってとっくに成人してるし、なんならオッサンの域だよな?」と気付いて驚かされるわけです。毎回毎回律儀に驚かされるのだから大したものです。

 これに関しては祖父母も状況が似ていて、とっくに亡くなっているはずの祖父母が夢に出てくるわけです。それも、最期に会った姿ではなく、昔の元気な姿で、です。夢なのではっきり覚えてはいませんが、やっぱりオレが上京した頃の姿のような気がします。不思議なもので、夢を見ている間はそれに気付かないモンで、目が覚めてから「そうだ、じいちゃん(ばあちゃん)は死んだんだった。」って思い出すんです。せつなくもかなしくもないです。だってもう何十回も夢に出てきてるんだもの。亡くなった人が夢枕に立つにしちゃあ頻繁すぎるし、あの世はあの世でそれなりに忙しいでしょうから、いちいち不肖の孫に構ってるヒマもないでしょう。だから、まぁ、これはオレ自身の問題だってことです。


 故郷から遠く離れたといってもそこでの時間は止まらないし、苦労を重ねたり何かを学んだりしてきたのは自分だけではない、なんてのは当たり前の話なんですけど、オレの潜在意識はその辺のことがイマイチ分かってなかったみたいです。まぁだからって、表層意識はちゃんとその辺は認識できているので、日常生活に支障があるわけじゃあないんですが、夢みたいにふとしたことでうっかり認識できちゃうものなんですねぇ。




 話は結婚式に戻しますが、今回オレは式を通して弟の成長をまざまざと目の当たりにしました。あれからまだ弟が夢に出てきたことはないですが、もしかしたら次に夢に出てくるときには、子供の姿ではなく結婚式に見た紋付袴かもしれないなぁなんて考えていて、それはそれで面白いかもしれません。
 今、オレは故郷に戻るためにあれこれ動いており、年内にはそれを完遂するつもりでいます。今は故郷の側が潜在意識の中で時が止まっていますが、もう少ししたら時が止まるのは東京側になるのかもしれません。そうしたら東京で知り合った友人達はオレの夢にどんな姿で出てくるんでしょうか。今からちょっと楽しみだったりしています。

プログラミング教育義務化を前に知育ゲームが人気らしいので、自腹購入してレビュー会をやってみた。

はじめに

 2020年4月から小中学校でプログラミング教育が義務化します。……と端的に言うと色々誤解を生んでしまうのですが、実際には文科省の狙いは「論理的思考を養いましょうね」とか「PCやタブレットといったデバイスに慣れましょうね」とか、割ともうちょっと手前と言うか、根源的なところだったりするんです。まぁ「プログラミング教育」なんて名前つけちゃったら「プログラミング」のイメージが先行しちゃうのは仕方ないですね。
 それに煽られているのか触発されているのかは知らんけど、いわゆる「知育ゲーム」といいますか、遊びながら論理的思考が学べる・プログラミング教育に備えられる、というふれこみのおもちゃがフォーカスされているようで、伊勢丹なんかでもキャンペーンというか専用の売り場が作られていました。

japan.cnet.com

 で、この伊勢丹の専用売り場をオレも覗いてきたんですけど、大人が遊んでも面白そうなものが色々とあったんですよ。これはちょっと実際に遊んでみたいなぁ、と。でも自分で買って自分だけで遊ぶのは、さすがに人として寂しすぎる!……ので、それなりに体裁を保ちつつ、でも実際にこれらのおもちゃで自分が遊べるように建前を考えてみました。

  1. 知育ゲームと称されるゲームをいくつか購入する。ついでに知育ゲームではないけど人気のボードゲームを購入する
  2. 知育ゲームのレビュー会を開催してレビュアーを公募し、購入したゲームをみんなで遊んで、比較・分析する
  3. 比較・分析した結果をレポートにまとめる (※つまりこのブログ記事のこと)
  4. 購入したゲームのうちのひとつを、小さなお子さんのいる友人夫婦にプレゼントする (※令和初日に友人宅にホームパーティにお呼ばれしてたので、御礼も兼ねて)


 というわけで、令和目前の10連休初日にレビュー会を開催しました。イベント自体は、元々自分が主催してた「MF電脳部」という月例のもくもく会でクローズドに開催、参加者はFacebookで公募し、そういうガジェットが大好きなイカれたGUYSが集まってくれました。おひとりは小1のお子さんも連れてきてくださったので、ちょうどこれらのおもちゃのターゲットとなるお子さんの意見も聞けたのはラッキーでした。
(※「MF電脳部」については、気が向いたらそのうちこのブログで書こうかなと思います。今は気が向かないからパス。)





レビュー基準

 知育ゲームをレビューする、といっても、基準なしにレビューしてもらうのはなかなか難しいので、オレの方でこんな感じでレビュー基準を作ってみました。メモどっか行っちゃったので、うろ覚えを思い出して書いています。なお、レビュアーには、これらについて全て書く必要は無く、これらを基準にしながら思いついた感想だけ書いてくれればOK、とお願いしました。

■価格
 実際の値段はさておき(伏せた上でプレイしてもらった)、自分がこのゲームを自腹で買うならいくら払えるか。

■管理のしやすさ
 壊れにくいか、なくさないか、片付けしやすいか、掃除・洗浄しやすいか、などなど、遊ばない・遊び終わった後の管理のしやすさ全般。

■ルールの難易度
 ルールがどの程度難しいか、漢字の使用頻度は多い/少ないか、遊ぶうえでの必須前提知識がどの程度存在するか。

■安全性
 怪我しにくいか。

■年齢層
 子供が面白がりそうか、どの年齢層の子供なら楽しめるか、大人が遊んでいて飽きないか(子供の遊びに付き合っていて飽きにくいか)、など。

■プレイ人数
 何人同時に遊べるか、親子で同時に遊べるか。

■学習効果
 対象のゲームを通して学べることは何か、どんな能力が身に付きそうか。

実際の様子

 レビュー会当日は、上記のような基準はいったん脇において、自分の興味のあるおもちゃを好きに遊んでもらいました。とはいえ、みんなワークショップ慣れしてるんで、バランスよく色んなおもちゃに触りながら、別の遊び方は無いかと模索しながらやっている様子が印象的でした。子供はこういう遊び方しないかもなぁ。
 前述の通り、小1のお子さんが1人参加していたので、彼がまざったところは彼中心に遊ぶことが多かったです。



カタミノ


 木製のパズルゲームです。プレイエリアとなる木板のサイズを3~12に可変することができ、その中を決められた木片(パズル)で埋めていきます。木製なので、お値段はちょっとお高めですが、さわり心地がとてもよく、なんとなく触っているだけで癒される感じがあります。木のおもちゃはみんなあまり自分で購入したことが無いので、値段を聞くと実際の価格よりかなり安い値段を言ってくるのが面白いなぁと思いました。木のおもちゃは作るのに手間がかかるんやで。
 一人飲みの習慣がある人に比較的好評で、ウィスキーとかちょっと強めのお酒をチビチビやりながらポツポツ遊んだら楽しそう、という感想もありました。
 サイズが3くらいだと瞬殺できるんですが、5くらいになると途端に難易度が跳ね上がり、大人でもなかなか解けないのも長く遊べそうではありました。解けるときは割と運といいますか、色々トライ&エラーしたら偶然できた、みたいな感じなことが多かったです。再現性皆無。
 ちなみに、友人夫婦へのプレゼントは、これと後述のグラビティメイズを持って行き、好きなほうを選んでもらうようにしたんですが、お父さんの強権発動でこれになりました。


 レビュアーからのコメントは以下。

  • ブロックの手触りイイね!
  • 上下まちがえる……
  • 答えあわせあるのイイネ!:)
  • ルールの難易度:★☆☆☆☆
  • 壊れにくさ(管理の容易さ):★★★★★
  • 紛失しにくさ(管理の容易さ):★★★★★
  • 収納(管理の容易さ):★★★★★
  • 怪我しにくさ(管理の容易さ):★★★☆☆
  • 汚れにくさ(管理の容易さ):★★★☆☆
  • 洗いやすさ(管理の容易さ):★★★☆☆
  • 面白さ - 大人:★★★★☆ / 子供:★★☆☆☆
  • 年齢:4才〜
  • 人数:1人
  • 値段:3,500円〜
  • 戦略を立てて試行するのが身につくかも?
  • 集中力が身につく
  • できなくても積木のような感触を楽しめる
  • 偶然できても達成感がある
  • 遊び方いろいろ
  • 値段:5,000円
  • ハマル!大人もはまる
  • 大人は見てるとヤキモキするかも
  • 何も説明しなくても並べだす。直感的!
  • レベル変えれるのいいね
  • ルールわかりやすい
  • 人数:2〜3人でもOK!!
  • 値段:2,980〜3,500円くらいなら
  • つまったら飽きるかも
  • 子供が長く使うと角とれそう
  • ¥7,000- オセロみたいに一生もののおもちゃ
  • 値段は高いがやり込む時間等を考えると買っても良い
  • 耐久性:花マル!
  • レベルが低いものなら3才未満でも大丈夫かも
  • レベルが上がった時は親子(家族)で考えて遊べそう
  • 解答がないので諦めそう
  • プレイ人数:1人。子どもなら + 大人もありか?
  • 山登り法が通用しない
  • 親がアドバイス困難 → 親が飽きる
  • 上手くなる道筋が見えない
  • ルールはわかりやすい
  • 木のさわりごこち良し
  • ルールが分かりやすい
  • 手ざわりがいい
  • 音が楽しい

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グラビティメイズ


 複数のトンネルが組み合わさったブロックを組んで、パチンコ玉を狙い通りの場所に上から下へ転がす3次元パズルです。スタート位置とゴール位置が提示されたお題カードが難易度別に複数用意されており、このお題を解く、というのが一般的な遊びになりそうですが、小さいお子さんに任せると「どこに行くか分からないボールの行方を、実際に転がして楽しむ」遊びになってました。(本来の遊び方はまだ出来ない・小2&5歳の子供らにはまだ早い、という理由で、友人宅へのプレゼントはこちらではなくカタミノに決まりました)
 これはプログラマな人達には超大人気で、アラサーのおっさんが4人がかりで取り組み、お題が解けるたびに大騒ぎしてハイタッチしてる様子には、さすがの主催者(つまりオレ)もちょっと引きました。あまりに盛り上がりすぎて、1時間すぎても別のゲームを試してもらえそうも無いので、「頼むからそろそろ別のゲームも……」と強制終了しなくてはならないくらい熱中してたので、ある程度ロジカルな考え方ができる人であれば、面白さは間違いないです。
 ブロックの素材はプラスチックなのですが、割と力を入れてはめたり外したりしなくてはならないシーンが頻繁にあるので、その辺に慣れていない子供は力入れすぎて壊しちゃうかもね、なんて意見がありました。


 レビュアーからのコメントは以下。

  • パチンコ玉飲まなくなったお子様からOK
  • 4,000〜5,500円
  • お値段:¥3,000〜¥5,000
  • 難易度の幅が広く、子供〜大人まで遊べる
  • 子供と大人が一緒に遊ぶのはむずかしいかも
  • 子どもは楽しめる。大人も楽しめる。※大人がハマってムキになって子どもが引く
  • ブロックの横がこわれやすい
  • ルールが少し分かりにくいかも(8才〜の設定だから適切かも)
  • こわれやすそう
  • 子供は自由に遊ぶなぁw (※実際に小学生プレイヤーが遊んでいる様子を見ての感想)
  • 4,000円〜
  • 難易度:ルール難しめ
  • 面白さ:子供と付き合うと大人がイライラしそう
  • 管理:こわれやすい
  • 年齢:小学生〜大人
  • 「取れるんじゃね?」→バキッっとなりそう
  • レベルが違うので4才〜大人までOK
  • しっかりはめるのがけっこう大変
  • 人数:大人 1〜4人 / 子どもだと1〜2人?
  • 大人向け
  • 人数:2〜3人
  • 値段:4,000円
  • チャレンジ精神や達成感が学べる

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顧客が本当に必要だったものゲーム

booth.pm


 こちらは知育ゲームではなく、一般向けのボードゲーム。とはいえ、この「顧客が本当に必要だったものゲーム」は同人販売しか行っていないので、一般のショップでは買うことが出来ません。お買い求めの際はBOOTH等から買ってみてください。

 ITエンジニアだったら一度は見たことがあるはず、顧客のニーズと、それを関係者がそれぞれどのように捉えたかのギャップを例えたイラストを、陣取りゲームに仕立てたボードゲームです。プレイ人数は4人まで。最初は通常のルールで遊んでいたんですが、用意された課題がなかなか達成できないのはツマラン、とプレイヤー全員で協力して課題を全て達成する、という新しい遊び方を試していたのが印象的でした。この遊び方だとチームビルディングとかにも使えそうな気がしますね。
 肝心の知育ゲームとしての要素は「あんまり無い」という判定。漢字も多くふりがなも振ってないので、子供だけで遊ぶのはなかなか難しそうです。課題のイラストがスティーブ・ジョブズだったり孫正義だったりと、ちょっとした皮肉が利いていて見た目にも楽しいのがこのゲームの特徴なんですが、お子さんには当然分からないので、面白さが全部伝わらないのも残念ポイントだったりするかもしれませんね。


 レビュアーからのコメントは以下。

  • 人数:4人
  • 値段:1,500円
  • 駆け引きが学べる、かも
  • 管理はカードなので楽
  • 年齢:15才〜
  • 難易度:難しい
  • 面白さ:子供には難しい
  • 子供なら、チーム(全員協力プレイ)で一定ターン以内にいくつ課題を達成できるか、と言うプレイが良い
  • ルール:「置けない条件」がむずいかも
  • 年齢:8〜10才くらい?大人むけ
  • 値段:1,500円
  • 年齢:6才から
  • 値段:1,500円なら

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ノッカノッカ

NOCCA × NOCCA(ノッカノッカ)第二版

NOCCA × NOCCA(ノッカノッカ)第二版


 こちらも知育ゲームではなく、一般向けのボードゲーム東急ハンズのゲームコーナーにあったんで、なんとなく買ってみました。個人的には最強の知育ゲームは「囲碁」「将棋」「麻雀」だと思っているのですが、それを選ぶのはベタすぎてレビューにならないので却下。このゲームは囲碁や将棋のかなり手前の入り口くらいの位置づけになるかな、と。あとは、「コリドール (Quoridor)」を買いたかったけどやや予算オーバーだったので、なんとなく似てるような気がするものを選んだ、というのも購入の理由のひとつです。
 実際にプレイしてみると、立体的挟み将棋というか、なんというか。思ってたよりは戦略性があるかなぁと感じました。ルールもシンプルなので覚えやすいですし、道具もシンプルな形状のプラスチックなので簡単に洗ったりもできますし。簡単に遊べる半面、大人は割合早く飽きてしまうかもしれませんね。


 レビュアーからのコメントは以下。

  • 意外と奥が深い
  • 2,000円なら
  • 管理はしやすい
  • 早くあきそう
  • 洗いやすい
  • ブロックしまくって終わりになっちゃいそう
  • 小さいので、幼いと飲み込む
  • 年齢:6才〜
  • 値段:2,500円〜
  • 先を考える力が身につきそう
  • 難易度:カンタン
  • 面白さ:子供に付き合える
  • 子供でもできそう
  • (積み上げたときにうっかり)落としてコマの場所が動く
  • 口に入れる年齢の子にはNG
  • 乱暴に扱っても(盤は)多分割れない
  • はさみ将棋の練習用

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テストプレイなんてしてないよ

テストプレイなんてしてないよ

テストプレイなんてしてないよ


 こちらも一般ゲーム。どうも大人気らしく、東急ハンズでは1人あたりの購入点数に規制がかかってました。後でほかの人に聞いたら、買いたくても売り切れだった、という話もありました。そんなに面白いのかよ!?
 一度にプレイできる人数が多いのと、1ゲームが最短1分で終わるのが特徴。いかにもパーティーゲームな内容で、一度もプレイせずにカードだけ眺めているとさっぱり遊び方が分からないんですが、実際に遊んでみるとあっさり遊べる内容になっているのも特徴。若干カードに書かれた内容の意図を読み解く必要があるため、子供だけだと難しいかも、という意見はありましたが、一度でも大人と一緒に遊んだことがあれば、意向は子供だけでも遊べそうな感じではありました。
 学び? 気づき? なにそれ美味しいの? みたいなところがあり、まぁぶっちゃけ本日のキングオブバカゲーではありました。せめてもの救いを求めて「たとえばチームビルディングとかアイスブレイクとかに使えたりしない?」とプレイした人に尋ねてみましたが「いやぁ、そんな感じでもないなぁ」と一蹴。
 ま、まぁ、ゲームとしてはかなり面白いようなので、単純に遊びたい時にはいいのかもしんないです。難易度低すぎてつまらない、と言う人向けに、上級者向けも発売されています。

テストプレイなんてしてないよ 黒

テストプレイなんてしてないよ 黒

テストプレイなんてしてないよ レガシー

テストプレイなんてしてないよ レガシー



 レビュアーからのコメントは以下。

  • バリエーションが少なかった
  • 6才〜
  • 1,500円〜
  • 酒飲みながらやりたい
  • 小5, 小6〜(マクドナルドでJSがプレイしてたのを見た)
  • このバカゲーがすごく面白い令和2019
  • 知育?なにそれおいしいの?
  • カードに書かれたプレイ内容を解釈しないといけないので、子供には難しい
  • すぐ終わって、2周目突入とか難しい
  • クソゲー (※筆者注釈:小学生プレイヤーによるツンデレ発言。複数あり)
  • テストしてないけどおもしろい
  • 漢字…… (※筆者注釈:漢字が読めなくて小学生プレイヤーが止まるシーンがあった)
  • 漢字読めない
  • カード折れそう

総括

 知育ゲームを名乗るゲームは、やっぱりちゃんと理由があるんだなぁって思いました。(小並感) 今回は、知育ゲームと銘打ってないゲームも一緒に遊んでみたので、その辺が割とはっきり比較できて良かったと思います。

 お子さん向けとなると、今回のレビュー会を見る限りでは、なんのかんの、どのゲームでも遊びますね。漢字が読めない・ルールが分かりづらい・などなど色々とっつきにくさはあるみたいですが、大人がちゃんと丁寧に説明するときちんと遊べるようになるようでした。「テストプレイなんてしてないよ」みたいなバカゲーがお気に入りだったみたいです。お子さん当人からすれば学びとかは二の次で、ギャハハと笑ってギャーギャー言いながら楽しめる方がいいんでしょうな。

 一方、大人はやっぱり頭を使う方が好きで、グラビティメイズなんかは、プログラマを多く抱える会社はリフレッシュルームに置いておくと良い効果があるかもですね。リフレッシュしに行ったっきり帰ってこない可能性も無くはないですが。カタミノはトライ&エラーはできるけど、イマイチ頭を使う感じではないので、その辺がグラビティメイズよりは見劣りしたように見受けられました。まぁ一方でカタミノは酒飲みには大好評で、一家に一台欲しいという意見もありました。みんな木のおもちゃに慣れてないので、値段感がないのも面白かったです。


 今回のレビュー会はオレ自身がオモチャで遊びたいがために企画したんですが、その後の感想戦(=飲み会)まで含めて凄く楽しかったです。また面白いおもちゃ見つけて、財布に余裕があったら、ぜひもう一回やってみたいなぁ。