3/28(日)、vs大宮、Nack5スタジアム大宮

大宮 0 ー 2 FC東京

　なんというか、大味な試合になってしまいました。

　前半開始早々に羽生にスライディングタックルした大宮安英学が一発レッドで退場になる(個人的な意見ですが、あれはせいぜいイエローだったように見えました)と、前半終盤にも大宮マトが同じく羽生に対するラフプレーでイエロー2枚目の退場。45分以上残してピッチのオレンジユニフォームは9人のみとなります。…これは対戦相手の事情とは言えさすがに同情しました。村上主審は既にマトモなジャッジが期待できる精神状態になく、これら以外にも両チームに多数のイエローカードがかざされました。

　後半に入ると負傷した羽生に代わってキム・ヨングンがIN、今野が久々のボランチのポジションにつきます。2人少ない大宮陣を押し込んでシュートを何本も打つも得点出来ない状態を打破したのもこの今野、ゴール真正面で振り抜いた右足から放たれたボールはゴール右角に突き刺さり、これが先制点に。
続いて中村北斗と交代で入ったこの試合がデビュー戦の重松が、長友の深い位置からのクロスを頭で押し込んで2点目。その後も何度となく決定機がありましたが殆ど枠を捉えられずタイムアップとなりました。

　こういう試合はあまり評価してもしょうが無いんですけど、やっぱり少ない相手に全然点が取れない、というより、そもそもシュートが枠に行かないのは大問題だと思います。なんでも32本も打ったらしいですけど、多分枠に行ったのは10本も無かったんじゃないですかね？あと、赤嶺と交代で入ったリカルジーニョと他の選手(特に平山)の連携が上手く行っていないように見えました。彼を本格的に使いたいならもっと準備が必要そうですね。

http://www.sponichi.co.jp/soccer/flash/KFullFlash20100328094.html

　良かった点はなんと言っても今野と重松でしょう。

　今野のボランチは久々でしたが、やっぱり攻撃の迫力が違いますね。あんなに生き生きとゴールを貪る今野を、もしかしたらオレは初めて見たかもしれません(多分そう見えただけでしょうが)。守備の安定、つまりチームの勝利を優先すると、どうしても彼のあの非凡な防御力は必要不可欠なのかもしれませんが、ああいう今野を見ているとFW勢、もしかすると石川以上に期待してしまう自分がいます。やっぱり彼をもっと前に出して躍動的な東京を見たい！と再認識したゴールでした。オレは彼に闘莉王のスーパーバージョンになれるという持論があります。闘莉王はDF能力の高さもさることながら攻撃力に注目が行く選手の一人です。でもオレは今野なら、あんなドタバタしないもっと洗練されてスマートでパンチ力のある、それでもなおDFも疎かにしない攻撃が出来ると思っています。それには周りの協力が必要ですが、是非ともそれを目指して欲しい！　…と思うのは、彼のファンの欲目なのかもしれませんね。

　重松はデビュー戦初ゴールという素晴らしい結果を出してくれましたが、オレはそれ以上のものをもたらしてくれたと思っています。彼のあのゴールに対する貪欲な姿勢。どこからでもシュートを狙い、狙えなければ狙える位置まで突破する。テクニックとかスピードとかそういう理屈や理論とは一切関係無くゴールを目指すあの姿勢は、後輩ながらなにか人生の教訓さえ感じさせる心意気を感じました。ちょっと本田圭佑を思い出しました。割と東京は空気を読む選手が多い気がするんですが、本田のように良い意味で空気を読まず俺々なヤツがFWには居てもいい、重松はそんな存在になれるんじゃないかな、そんな風に思いました。今度は味スタで、いや、できれば3/31の国立で彼をもう一回観たいですね。今後が非常に楽しみです。

　個人的には久々のゴール裏(つまり立ちっぱなし観戦＆コール参加)観戦と、異常に寒すぎる気候(5℃！？ 天皇杯予選観戦しに来たのかと勘違いした！)でヘトヘトです。あと、やっぱりNack5スタジアムは素晴らしいスタジアムですね。チャントが響いて、選手が良く見えて、食べ物が美味しくて。あれが作れないのが東京都の限界、石原都知事が頭だけでオリンピック招致を訴えて失敗した根本の理由な気がします。本物のスポーツの感動を知らない、だからそれにふさわしい環境つくりが出来ない。あの政治ヤクザは下らない条例作ろうとするよりもスタジアムに来て本物のスポーツに触れるべきですよ。Nack5スタジアムはサポーターにとって本当に素晴らしいスタジアムですが、東京都民には自分達が不遇である事を思い知らされる水鏡のような存在なのかもしれませんね。

　今回のおまけ。

　この写真、なんだか分かりますか？実は今野のゴールの瞬間なんです。我ながら完璧のタイミング、手振れもなしに完璧！　…と思ってたんですが、iPhoneを持つ手が一瞬興奮で下がってしまって、前の人のフードで肝心のボールが隠れてしまったんです。せっかく今野のフォロースローやそれに慌てふためく大宮選手の様子は映っているんですが…、orz。

　あの今野の素晴らしいシュートは今でもオレの心に焼き付いていますが、それをお見せできないのが本当に、本当に残念です。