ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

「テスト駆動開発」読書会 参加者募集のお知らせ

ご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。本年もタキガワと(全然更新してませんが)当ブログをどうぞ宜しくお願い申し上げます。



「テスト駆動飲み会」の新しい活動のご案内

 「テスト駆動飲み会」は2018年から活動を開始して、今年でなんと5年目になります。まさかこんなに長く続くとは!
 2019年にコロナ禍に突入してからはオンラインに移行して、そこから3年はオンライン限定で活動をしていますが、変わらず常連の方に愛していただいて、たまに新しい人が来てくれて、見学でなんとなく見に来てくれる人がいて、と細く長くユルく続けてこれています。

 とはいえ、これだけ長く続けていると運営もそれなりにマンネリ化してきまして、そろそろ新しい何かをやりたいね、という話になりました。


 そんな中で運営で話し合っていくつか考えた新しい活動のひとつが、以前から募集しております「プライベートでテスト駆動飲み会」です。開催はまだ1社のみですが、オンラインですと特にコストもかかりませんので、ちょっと試してみたいなと思ったらぜひお気軽にお声がけください。


takigawa401.hatenablog.com


 そして、2023年からの新しい活動として、TDDのバイブルであるケント・ベック氏著、和田卓人氏翻訳の「テスト駆動開発」の読書会を開催します。



コンセプト

 テスト駆動飲み会で開催するにあたって「すべてのプログラムコードはモブプログラミングで書く」は絶対にやりたい、という話を運営でしました。その辺は現行のテスト駆動飲み会と同じコンセプトを踏襲したいと思っています。

書籍の購入

 「テスト駆動開発」の書籍は購入必須です。買っていない方は参加いただくことができません。ご購入いただくのは紙の本でも電子書籍でもどちらでも構いません。

※2023/01/10 追記
参加条件となる書籍の所有は ケント・ベック氏 著 / 和田 卓人氏 訳の「テスト駆動開発」(出版社:オーム社) です。
旧版である ケント・ベック氏 著 / 長瀬 嘉秀氏 訳の「テスト駆動開発入門」(出版社:ピアソンエデュケーション社)のみお持ちの場合はご参加いただけません。

 今回は読書会開催に際して@yattomさんからオーム社に許可を取っていただきました。そのため、オーム社版以外を取り扱うことはできません。
 

日時・頻度

 隔週金曜の19:00-21:00で開催します。
 これまでのテスト駆動飲み会は隔月開催だったので、それと比べると4〜5倍の頻度で開催します。当然これだけの頻度だと、毎回参加は厳しい(それは運営側も含めて)ので、たまに休んでも大丈夫な仕組みを用意しています。詳細は後述

場所

 オンライン(Zoom + Miro)で開催します。

進め方

 基本的には全てモブワークで行います。参加者が多い場合には数グループに分けてZoomのブレイクアウトルームで行います。ドライバー(読み手・書き手)とナビゲーター(聞き手)を交代しながら書籍を読み進めます。気になるところがあればMiroでコメントしていき、コードがあればrepl.itで実際にコードを書いていきます。

 書籍の読み進め方は様々です。初回からグループできるようなら、頭から読み始めるグループ、ランダムに章を選んで読み進めるグループ、と読み出す場所を変えるようにしたいと考えています。ランダムに読む組を作ることで、隔週開催という高頻度で毎回参加できない人でも気兼ねなく参加できるようにしたいと思っています。

お酒は?

 イベント中は飲みません!
 ……という話をしたらテスト駆動飲み会の常連の方から「イベント中は無くてもいいので、懇親会で飲む機会は絶対作ってください!」と懇願されたので、オレが運営として参加できる回については懇親会は毎回開催しようかなと思います。(オレが参加できない回はその限りではありません、どうぞご了承ください)

参加方法

 connpassでイベントページを用意します。こちらからお申し込みください。


tddrinking.connpass.com

ターゲット

 どなたでも参加いただけますが、書籍を通しで読んだ人・TDDに慣れている人はもしかしたら良い体験ができない可能性があります。書籍未経験の人・TDDに不慣れな人、いわゆる「初心者」な人ほどウェルカムです。
 一方で、隔週開催という高頻度ゆえに現行の運営メンバーの3人だと多分回らないorバテるので、運営として参加したいという人もウェルカムです。一緒にやれるかどうかはすり合わせが必要ですが、基本は一緒にやれる人が増えたらいいなぁと思っています。



終わりに

 というわけで、新しいテスト駆動飲み会にお付き合いいただけると嬉しいです。
 今年もどうぞ宜しくお願いします。

「ふりかえり」で日本一有名な人のチームはどんな働き方をしているか?

見返り美人図 - 東京国立博物館にて筆者撮影

はじめに

 本記事は「Management 3.0 Advent Calendar 2022」の12日目です。12日目ですがなぜかジングルベルが鳴っている気がしますがきっと気のせいでしょう。うんうんそうだきっと気のせいだ。個人的にはこのアドベントカレンダーと苛烈な記事を交互に書いているような気がしますが、めげずに元気出していきたいと思います。


adventar.org

 全然どうでもいい話ですが、冒頭の写真は今月18日まで東京:上野の東京国立博物館で開催されている(た)東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」に展示されていた、菱川師宣の代表作「見返り美人図」を撮影してきたものです。国宝展に展示されていましたが「見返り美人図」は重要文化財らしいですね。これと金剛力士像だけ撮影Freeだったので遠慮なく撮ってきました。現在修理プロジェクトで寄付を募っている最中ですので、文化財保護の観点からもぜひご協力をお願いします。オレは掛け軸を買いました。文化財の為だからしょうがない!

www.tnm.jp



本題

 さて本題。

 オレは元々はn次請SIer出身でバリバリの叩き上げの業務系システムエンジニアです。フリーランスに転身して4年目になりますが、現在は、とある大手企業のSaaS製品の代理店販売ビジネスの支援をしています。掲題にもありますが、アジャイルな主要なプラクティスのひとつである「レトロスペクティブ」いわゆる「ふりかえり」に関しては、この日の本において彼の右に出る者はいない、という人物がいまして……おっそうそう!なんかあの黄色い人!最近蛙型宇宙人と知り合いになったとか不思議なこと言ってる人です!そのふりかえり日本一な彼にお誘い頂いて、現在のチームでは今年の2月から働き始めました。

業務内容

主な業務内容はこんな感じ。

  • 顧客連絡・調整
  • 外販打ち合わせ
  • 提案資料作成
  • マーケティングリサーチ
  • ソリューション提案
  • 顧客向けセキュリティチェックシート記入
  • 取扱プロダクトに関する技術調査
  • 取扱プロダクトのプラグイン開発
  • etc…

 後半は一般的なシステムエンジニアの仕事ですが、前半はいわゆる「営業マン」の仕事ですね。現在支援しているチームは代理店販売が主業務なので、当然メンバー個々においても「営業」が主業務です。

チーム構成

 このSaaS代理店販売チームの構成メンバーは7人です。社員は2名で、他5名はオレ含め外注です。

1. 社員。チームリーダー。例のふりかえりの人
2. 社員。他業務と兼任。ふりかえりの人のパートナー的な人
3. 派遣 & 技術SE契約。若手男子。大食らい & 大酒飲み
4. 派遣。マーケと法務、事業計画が得意。すぐ賄賂(高級ウイスキー)を渡したがる
5. 派遣。紅一点。着物の着付けと占いが副業でその筋では超有名らしい
6. 派遣。若手男子。スヌーピーのぬいぐるみを壁にぶら下げている
7. 協業会社。叩き上げのSE。つまりオレ

 この企業は超大手企業に該当し、まぁ有体に言えば資金面で非常に強く社会的な信頼も厚いため受注を獲得しやすいというメリットがありますが、一方でレガシー体質で社内プロセスとかが煩雑だったり、そもそも新しいものを一切受け付けないような風土があったりします。とてもじゃないけど外注メンバーがその辺りに太刀打ちできないので、必然的に社内に対する手続だったり確認だったりは社員2名の役割になります。

 このチームは営業のチームなんですが、一応SaaSを取り扱っているんでITの知識はそれなりに必要です。が、必須ではないし、事実ITに詳しいのは社員の2人とオレだけ、直近で手を動かして開発をやったことあるのはオレだけ、という状態です。なので必然的にIT系の知識が求められる作業はオレが担当することが多くなります。

 メンバーの1人はマーケティングリサーチや事業計画が得意なので、新規事業を考えるときは概ね彼が起点になったり、あるいは中心になったりします。新規事業系は社内フローとの戦いが切り離せないので、前述の通り社員メンバーも必ずここに加わることになります。

 割と重要なのが契約形態で、派遣法について詳しい方ならご存知だと思いますが、依頼主である企業の社員が直接指示を出せるか、とか、3年以上契約する場合にはその派遣社員を自社で雇用しなければならない(んだけど、実際には雇用する企業は皆無なので、3年ごとに派遣側の人が職を危ぶむ事になるというロクでもない運用をされている)決まりがあったりします。
 その辺の兼ね合いなのか、派遣契約の人は社内システムにそこそこ(少なくとも業務に支障のないレベルでは)触れるんですが、協業会社契約になっているオレだけはろくに社内システムに触れない、という面倒な点もあります。これによりオレは通常の営業フローを他のメンバー同様には回せないので、やっぱり必然的に誰かに営業作業の一部を任せたり、あるいはかえって他者の負担が増えてしまうため営業タスク自体を避けざるを得ない傾向にあります。
 じゃあ契約形態見直せばいいじゃん、って話になると思うんですが、それはそれで死ぬほどめんどくさい話が内在しているのでここでは割愛。働き方の解説には関係ないしね。


 とまぁザザーッと書いてきましたが、全員営業マンというのが基本なんですが、契約形態や能力なんかでどうしても得意不得意が出てしまうのは当たり前の話ながら、当然このチームにも存在しますので、その辺を上手に活かして、得意領域を伸ばしてチームとしてパフォーマンスを最大化することを基本的なスタンスとしています。
 外注といえど当人たちが今後伸ばしていきたいスキルや分野があれば、チームとしてそこに投資をする(工数を割く)こともあります。

働き方

 業務は朝9時にスタートです。我々は東京都に3人、神奈川県に3人、そしてなぜか長野県のオレ、とそれぞれ全然別の場所に住んでいます。そのため業務の99.9%をリモートで実施しています。残りの0.1%は、PC受け取りや交換のようなどうしても物理的な品物の受け渡しがあるときに限られます。
 ……そういや社員メンバーの1人がこないだインターン生の受け入れ業務で一週間ほど出社してましたが、あれはチームの業務の外なので除外します。(彼がインターン生の対応を行い易いようにチーム全員で彼のサポートを行ったりはしました)

 このチームでは業務時間中は全員が基本的に同じZoomにINすることが義務付けられています。ブレイクアウトルームを複数立てておき、基本的には業務時間のほとんどをブレイク1で作業します。チーム内で個別に相談事があったり、どうしても個人で集中して作業したい場合には、他のブレイクアウトルームに移動してそれぞれ作業をする形です。カメラは基本的にはONにするルールになっていますが、事情があればOFFでもOKとされています。事情は「朝寝坊してメイクを忘れた」とかでもOK。オレもよく8:58に目が覚めてそのまま寝巻きのままZoomにINした時なんかはカメラOFFで作業し、昼休憩時に身だしなみ整えて午後からカメラONにしたりもしてます。事情がないのにカメラONにしてないとリーダーからお小言を頂戴する羽目に遭います。
 Zoomのメインルームは顧客打ち合わせやチーム外の社内メンバーと打ち合わせをするときに用いられます。基本誰かしら顧客と打ち合わせをしているので、メインでのほほんとしている(ex: 昼休みにメインにINしたままごはん食べに行っちゃう)と平然と打ち合わせに巻き込まれます。逆にいうと、来客があるのにメンバーが誰も対応してないとすぐ気づけるので、顧客打ち合わせをすっぽかすことを極力防げる、という別のメリットもあったりします。(別のZoomで打ち合わせを設定しているとこの限りではない)


 月曜から木曜は通常業務を行います。

1. 9:00-9:30 営業案件ステータス確認
2. 9:30-10:00 ラーニングセッション
3. 10:00-17:00 営業業務
4. 17:00-18:00 残務処理

 営業案件はそれぞれ担当者が決まっていますが、風邪や家族トラブルなど不測の事態に備える意味で、全員でステータスチェックを行うようにしています。さすがに朝のわずかな時間で行う確認作業で他人の担当分まで完璧に把握はできませんが、なんとなく動いているかいないか位は把握できるようになります。繁忙期は30分では確認しきれず、10時までめいいっぱいステータスチェックに使ってしまうこともよくあります。

 朝のステータスチェックで時間が余ると、チームメンバー全員共通で学んでおくべき内容を取り扱って学習に充てるようにしています。主には取り扱うSaaS製品の新仕様だったり、社内プロセスを調べて明らかになったことだったり、あるいはマーケティングや会計の基礎だったり、がこれまで扱われてきました。特に取り扱うSaaS製品の新仕様把握は、業務を行う上で非常に重要なので、どんなに忙しくても週に1度は行うようにしています。


 朝の確認作業が終わると、メンバーそれぞれの作業に入ります。

 作業の内容は様々ですね。メールで顧客と調整したり、打ち合わせしたり、資料作ったり、ステータス管理したり。前述のような技術調査や資料作成、新規事業準備なんかも同様です。メンバーの一人は広報サイトのメンテナンスや新規コンテンツ作成を専任担当しているので、その辺の作業もこの時間で行います。昼休みはこの時間のどこかでメンバーそれぞれの裁量で1時間確保します。(忙しすぎて確保できていない人が稀にいます、よくないね)

 メンバー全員パラレルで作業しますが、Zoomで常時繋がっているので、困ったことがあったり分からないことがあればすぐに他のメンバーに聞けます。

 日本一ふりかえりで有名な人のチームだけあって、1時間に1回、毎時00分に各人ふりかえりを行います。ふりかえりと言ってもチャットの専用チャンネルにその時悩んでいることや困ってること、逆にうまく行ったことや嬉しかったこと、思ったことなんでも書いてOKです。忙しかったり打ち合わせが詰まっていたりすると毎時のふりかえりを忘れてたりするんですが、そうするとリーダーからお目玉を頂戴します。
 オレはこのチャンネルを分報のように使っていて、毎時00分に関わらずその時々の考えていることの整理に使っています。技術調査の進捗を書いたり、読んだ記事のURLを貼ったり、自分のタスクリストとその消化状況を貼っつけたり、様々です。別ブレイクにこもって作業している時なんかは、他の人から作業状況が見えるように普段より多めに記入するようにしていますね。こういう使い方をしているのはチームでオレだけですが、特に何も言われないのでそのままのスタンスでやってます。

 前述のようにこの会社はレガシー企業でツール導入に後ろ向きなので(SaaSの代理店販売やってるのにその姿勢はどうなんだ?)、CRMツールなどは導入されておらず、全てはメールとBTSで行います。せめてCRMとZen Desktop入れてくんねーかな……。


 毎週火曜の朝一はSaaS製品の製造元と打ち合わせが入っているので、案件ステータスチェックはできません。
 この対策として最近取り組んでいるのが、営業案件の担当が少ないオレが火曜午前中に全員分を確認してチャットに投稿しておく、というものです。水曜に動きのない案件の状況確認(顧客にメールや電話で問い合わせ)を行う傾向があるので、火曜にまとめたこの情報をもとに水曜午前中に状況確認作業をまとめて行うような形にしています。


 金曜は通常作業を全て止め、一週間分の作業のふりかえりに全て充てます。いわゆるスクラムのスプリントイベントに該当します。

1. 9:00-9:30 代理店販売ビジネス全般を統括する部長さんに一週間の成果の報告や相談
2. 9:30-10:00 メンバーそれぞれの一週間の成果発表 (セレブレーションパーティ)
3. 10:00-10:30 プラグイン開発をお願いしているチームとの進捗確認
4. 10:30-11:00 他チームの方にお願いして、一週間の成果物をレビューしてもらう(いわゆるスプリントレビュー)
5. 11:00-16:00 来週の作業タスクの確認と今後予定しているタスクの見直し (いわゆるバックログリファインメント)
6. 16:00-17:00 一週間のふりかえり (※ 月末だけは一ヶ月分のふりかえり)
7. 17:00-18:00 作業がある人は個別作業、無い人は早上がりしてOK

 金曜日は社外の方でも無料で見学可能ですので、興味がある方はオレかふりかえりの人に声かけてください。(解説するのがめんどくなったわけじゃないよ)



終わりに

 このやり方になっているのは、色々と効率の良い・やりやすい方法を模索し続けた結果の、現在のスナップショットです。来月同じ方法でやってるとは限りないですし、事実小さな変更は随時行なっています。我々は今このやり方が働きやすいと思ってこのやり方を取っていますが、それが万人に合うわけではないことは承知しています。


 Management3.0は良い働き方・働きやすい働き方を従業員自ら探すために、それぞれのモチベーションや考え方・スタンスを推測ったり確認したりするようなワークが多いです。ここで書いた内容はManagement3.0とは直接関係ないかもしれませんが、多様な働き方を知ることで個々人が興味がある・働きやすいと感じるやり方を模索する一助にはなるんじゃないかと思い書いてみました。
 働き方を選択するためには、色んな働き方を知ることが大事だと思います。色んなユースケースを集めて、知って、その中から自分達の最適解を探し続けていきたいですね。

スクラムフェス札幌2022で行われた中傷行為とその後の対応について

 以前からアジャイルコミュニティでオレに対する「いじり」「からかい」行為に辟易していた、という話を以下の記事で書きました。


takigawa401.hatenablog.com


 それに対する我慢の限界を超えたのが11月初旬に行われたスクラムフェス札幌2022です。


www.scrumfestsapporo.org


 具体的にオレに対して行われたのは以下2点です。

1. 例の「コミュニケーションは難しい」の画像をDiscordのスタンプに設定され、チャットで文脈と関係なく頻繁に貼付される形で晒されたこと
2. オレの預かり知らぬところで「滝さんの圧が強い件」という名前のテストチャンネルが勝手に作成され、オレを中傷するような話題で盛り上がっていたこと


 オレはこれらの行為に対し、有体に言えばキレてスクラムフェス札幌運営に苦情を申し立てました。後日、スクラムフェス札幌運営メンバーと話し合いの場を持ち、オレから以下2点を要求しました。

1. 上記2の「滝さんの圧が強い件について」というテキストチャンネルを作成した人物に意図を確認すること
2. 今回の事件に対する運営としての正式な謝罪を公開すること

 1については運営側の方でチャンネル作成者にコンタクトを取り、その意図を確認してもらえました。結論としては、オレに対する中傷の意図はなかったそうです。

  • そもそも滝川を知らない、面識がない
  • ウォーターフォール開発を擬人化して議論することが目的だった

 個人的にはウォーターフォールを擬人化して扱う必要性が正直よく分からないです。加えて、オレ(滝川)だけでなく、滝沢・滝田・滝口など「滝」がつく名前はいくらでもあるし、なんなら会場となった北海道には「滝 廉太郎」という有名な偉人がいるのに、そんな名前を選んでマズイことになるとは考えなかったのかな、とは率直に思います。
 とは言え、中傷の意図は無いそうですし、そのテキストチャンネルで彼自身がオレに対して中傷行為を行なってないのは間違いないので、後日非礼と濡れ衣を被せてしまったことをオレから謝罪しました。


 とはいえ、1の行為が行えてしまったのは、スクラムフェス札幌運営が場のコントロールができていなかったからです。オレの「コミュニケーションは難しい」画像を貼られたのはDiscordのチャットですが、その内容を常時チェックするのは難しいのは理解できます。(理想はやるべきですが) ですが、個人名を想像させるものが否定的と取れるキーワードと並べてテキストチャンネルに設定されているのに、それに対して何のリアクションも取らないのは、管理責任者として怠慢と言わざるを得ません。


 オレはスクラムフェス札幌運営に対して、今後オレに対する中傷行為を牽制する意図と、今後このような事件が繰り返されないように対策を参加者全員に促す意図を伝えてもらうために、謝罪を公開してほしい、と依頼しました。
 あらかじめ断っておくと、オレ自身が運営から謝罪がほしい訳じゃありません。謝ってもらったところで起こってしまったことは何も変わらないし、謝ってくれとこちらからお願いして形だけ頭を下げてもらってもなんとも思えないからです。


 結果、スクラムフェス札幌運営は以下の文章を公開しました。非常に迅速な対応には感謝しつつも、これをみた瞬間、こちらの意図は蔑ろにされたと率直に感じました。


 オレが謝罪公開を依頼したのは、参加者全員に今回の件について当事者意識を持ってもらいたかったからです。
 謝罪とは責任の所在が自らにあると明確にするための行為だとだとオレは考えます。
 運営が自らに責任があると認めていないのに、それより事件から遠い位置にいる参加者が当事者意識を持つはずがない。
 上のツイートでも「勇気あるフィードバック」と随分と表現を和らげていますが、オレが行ったのは苦情申立てです。そして謝罪を意図する文章は一切ない。
 余談ですが、苦情申し立てをしたオレに対して「あなたの発言によってみんなが混乱し、不安に思っている」という発言をスクラムフェス札幌運営の一人が返信してきました。「場を乱すな」「余計なことを勝手に騒ぐんじゃない」オレはそう言われたと感じました。中傷行為を受け一番動揺しているのは他ならぬ苦情申し立てをしたオレなのに、です。


 スクラムフェス札幌運営は、オレに対して行われた中傷行為に責任を持たない、だから謝罪しない、というスタンスを明確にしました。少なくともオレは一連の彼らの対応をそのように受け取りました。
 オレはすぐ抗議をしましたが受け入れられず、謝罪も明確に拒絶されました。


 その後、スクラムフェス札幌の大元であるスクラムギャザリング実行委員会からも以下のような宣言が公開されました。こちらではもっとはっきりオレへの謝罪を拒絶した旨が書かれています。


kawaguti.hateblo.jp


 この文章にもあるように、ハラスメントに対する対策が非常に難しいことはオレも理解できます。
 ただ、オレが要求している謝罪はもっとそれ以前の前提に対してです。イベントを企画しどのような場にするかを設計した責任者には、その場の設計のせいで起こったことに対して責任を取る立場にある、オレは考えます。

 たとえば、今回のオレの中傷行為はDiscordというクローズドな場で行われました。もしスクラムフェス札幌がDiscordを会場として選択しなかったらオレに対して行われた行為は、そもそも何一つ行えなかったでしょう。*1


 スクラムギャザリング実行委員会が開催するRegional Scrum Gathering TOKYO(以下「RSGT」)やその派生イベントは、それしか選択できなくて今のイベント設計になったわけではありません。自分達がやりたいこと・したいことを優先した結果、あえてその設計を選択しています。その設計のせいで発生した事件に責任が持てない、っていくらなんでも無責任すぎないか?とオレは思いました。


 また、前述のように、ハラスメント行為への対策は非常に難しいです。当人たちにはその行為が他者への攻撃になっているとはほとんどのケースで自覚しておらず、だからこそ起こさないためには圧倒的な当事者意識が不可欠です。ですが、そもそものイベント運営側が責任を持っていると受け取れない態度で表明しているのに、一般参加者が当事者意識を持つなんてことができるはずがありません。


 スクラムフェス札幌運営の発したTweetへのリアクションはおそらくほとんど目を通したと思います。スクラムギャザリング実行委員会の表明についても、Twitterで確認できるものはほとんど読みました。その多くが彼らのスタンスに対する敬意と賛成であることは読み取れます。

「こういうの大事だよね」

「真摯な対応だ」

「尊敬してます」

 その誰もが、明日自分がオレのようにハラスメントの当事者になるとは想像だにしていないのでしょう。自分が被害者の立場になったら?あるいは加害者だったと指摘されたら?明日は我が身と思えばもっと危機感のある言葉が出てくるはず。他人事だからこそ、このような言葉が出てくるのでしょう。


 スクラムフェス札幌運営が、あるいはスクラムギャザリング実行委員会が、公に謝罪をしてくれたら、これらの人々が果たしてハラスメント行為に対して圧倒的当事者意識を持ってくれるかどうかは定かではありません。おそらくは謝罪があったとしても当事者意識を持つ人はそれほど多くはなかったでしょう。それでも、自らの責任の所在を明確にした者とそうでない者との言葉の伝わり方は異なったとオレは信じます。「みんなで良くしていきましょう」と「俺たちは断固たる覚悟で臨む、だからみんなもつ一緒に取り組んでくれ」では伝わり方は違うはずです。今後オレに対して行われたような行為を少しでも減らすためにも、参加者全員に当事者意識を持ってもらう、そのための第一歩が運営による謝罪だとオレは考えていました。


 スクラムフェス札幌運営の人たちと対話している時に、彼らのスタンスについては何度となく聞かされました。

「ハラスメントって運営が頑張ったらどうにかなるものじゃなくないですか?」

「ハラスメントを完璧に監視することなんか無理ですよ」

「できない・無理なことに責任なんか取れないですよね」

「責任取れないことに謝罪っておかしくないですか?」

 何度も聞いているとさすがにオレの方が間違ってるのかな?考え方がおかしいのかな?と思い始めて、いろんな人に何度も相談しました。でもその結果、返ってきたのはほとんどがオレの意見を尊重してくれるものばかりでした。

「運営が責任持つのは当然だろ」「謝罪ないっておかしくない?」

 相談に乗ってくれた彼らのおかげで、少なくともオレの意見が世間離れしている訳ではないことだけは確認できました。相談に乗ってくれた友人たちには深く感謝したいと思います。

 また、最終的には合意には辿り着けませんでしたが、ある程度までは迅速にこちらの要求に対応しようとしてくれたスクラムフェス札幌の運営の人にも感謝します。それだけに最終的に合意が得られなかったのは非常に残念です。


 彼らからは頻繁に「心は寄り添っている」と聞かされました。でも、オレのこの腹の中で煮えたぎる憤りを誰かが理解できるのでしょうか?加害者一人一人を夜中襲いかかってバットで殴りつけたいとさえ何度か思ったオレの怒りが理解できるのでしょうか?謝罪をしないと言ってきた彼らの首を思い切り締めたいとさえ思ったオレの憤怒を誰がどうして理解できましょうか?本当に寄り添っているならとっくにオレに寄り添えてないことなんか分かるはずなのに!!

 幸か不幸かオレは良識ある社会人で、オレはオレの憤りを腹の中に精一杯抑えつけてこの文章を書いています。オレができることは所詮この程度です。


 今後ですが、オレ個人として、まずRSGTをはじめとするスクラムギャザリング実行委員会が開催・共催・協力するイベント・勉強会の全てと今後一切の関係を断つことにしました。来年1月に行われるRSGT2023にオレはボランティアスタッフとして参加する予定でしたが、本記事を公開する直前に辞退を申し入れています。単にRSGTや派生である地域スクラムフェスだけでなく、物品提供を受けているふりかえりカンファレンスやXP祭りなども関係を断つ対象です。
 フリーランスの身であるオレにとって、こういうイベント・勉強会は、単に知識を吸収する場としてだけではなく、口に糊する手段を得るための交流の場として非常に重要な位置づけにあります。とはいえ、自分と信念を異にするものに協力することはできません。自衛の意味でも自分が安心して参加できないものにオレが参加することはできません。今回の決断で今後自分の生活が苦しくなることがあったとしても、自分の信念は貫きたいです。


 最後に、この文章を読んでくれた方が、ハラスメント行為に対して強い強い当事者意識を持ってくれることを祈ります。いつ自分が加害者になるか、あるいは被害者になるか、は全く分かりません。だから普段から自らの振る舞いに気をつける必要がある。オレは今回の事件でとても高い勉強代を払ってそれを学んだのだと思っています。
 オレのような人間が少しでも減ることを願ってやみません。

*1:「コミュニケーションは難しい」の画像をイベントのハッシュタグをつけてTwitterに繰り返し貼ることはできるでしょうが、公であるTwitterでそれをやる危険性は流石に加害者たちも理解しているからやらないだろうし、もしやっていたらオレも刑事告訴を真剣に考えたと思います

「人にやさしい組織マネジメント勉強会」はここまでどのように運営してきたか


(踊る埴輪 & 見返り美人修理プロジェクト 見返り美人ミク より引用 https://mikaerimiku.official.ec/ )



はじめに

adventar.org

 本記事は「Management 3.0 Advent Calendar 2022」の4日目です。エントリーしていたのを思い出したのが12/04(日)の23:17ですが、きっと12/04の00:00に投稿されるはずです。(そういう日付を誤魔化すチートがはてなブログにはあるんです)


 ちなみに次回は12/19(月)にセレブレーショングリッドというワークを体験してもらうネタとして、2022年のふりかえり回を開催します。年の最後に一年を振り返って気持ちよく新年を迎えるお手伝いが出来たらいいなぁと思っております。もちろん、セレブレーショングリッドもぜひ持ち帰って現場で試してもらえるように考えていますので、チームのふりかえり(レトロスペクティブ)が上手くいっていないなぁ・ふりかえりのネタが無いなぁというリーダー・スクラムマスターの方もぜひお気軽にご参加ください。

management30.connpass.com


 「ふりかえり」というキーワードだけのうっすいつながりで正直なところ全く関係ありませんが、冒頭に掲載した見返り美人ミクは独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館文化財活用センターが実施する「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト」の一環として生まれたアート作品です。関連グッズの売り上げの一部は、「埴輪 踊る人々」と「見返り美人図」の2作品をはじめとする所蔵文化財の修理に関連する費用として、東京国立博物館に寄附されます。掛け軸や複製画など一部作品は今だけの受注生産なので、ご注文はお早めに。


本題

 さて、宣伝は終わったので個人的にはここで筆を置いても良いのですが、それだとさすがにアドベントカレンダーの発起人に怒られそうなのでちゃんと書きます。

運営JOINのきっかけ


 オレは2021年06月に「人にやさしい組織マネジメント勉強会 (旧:Management3.0勉強会)」の運営にJOINしました。


 オレが運営にJOINしたきっかけですが、たしかてらひでくんが夜中酔っ払って唐突に「ここで飲んでるから来い!」とメッセぶん投げて来て、それがManagement3.0勉強会のDiscordサーバのURLだったと記憶しています。たしかその日が旧:Management3.0勉強会のイベントだったんじゃないかな、そのままオンライン飲み会になだれ込んだらしく、オレは件のメッセにうっかり反応してしまったがためにその飲み会*1に巻き込まれ、そこでたぶん初めてくらいのレベルで中原さんとちゃんと話したんじゃなかったかな?(たぶんそれ以前から知り合いではあったはず) ともかく色々話をしました。これがオレの旧:Management3.0勉強会Management3.0を知るきっかけにもなりました。


 旧:Management3.0勉強会の当時の運営は中原さん、羽飼さん、寳田さんの実質3名で、運営が回ってないわけじゃないけど、色々と課題感を感じていたそうです。3人ともManagement3.0ファシリテーター資格を持っていて、Management3.0が良いものだと信じていて、それを日本に広めたいという強い情熱を持っている。とは言え、コミュニティ・イベント運営自体は慣れているわけではないので、手探りでやっているけど思っているほど手応えがない、とざっくりこんな感じだったでしょうか。
 この時の話を聞く限りでは、この時旧:Management3.0勉強会の運営に足りてないのは、勉強会イベントの開催パターンの引き出しと、イベント開催に向けて淡々と物事を進めていける事務方なのではないか、と感じました。これは同時に、コミュニティ運営の経験をこれまでそれなりに積んできていたオレが埋められる穴なんじゃないか、と感じ、オレから運営に加えてほしいと中原さんに頼み、メンバーに加えてもらいました。


 オレのこの時の狙い、というか、モチベーションは2つです。


 ひとつはManagement3.0を知りたい、あわよくば自分の手持ちのカードとして自由に使えるようになりたい、という知識的欲求です。前述の通り、オレは全くManagement3.0について知らなかったのですが、中原さんたちがあれほど情熱を注いで広めようとしている知識体系なら、決して役に立たないものではないだろうとふみました。以前コミュニティ伝手で知ったTOC/TOCfEが、その時点で自分の手持ちのカードの中でも有力な1枚として活用できていたので、似たような経緯で知った今回もそれほどハズレではないはずだ、と過去の成功体験から判断したところもあります。自分で使えるようになるのが理想ですが、少なくともアウトラインくらいは掴めるだろう、あわよくば知識体系としてどの領域にあるものなのか、マッピングくらいはできるんじゃないか、という思いがありました。


 もうひとつは、これだけ情熱をもって頑張っている人が上手く行ってないのは、シンプルに勿体ないし気の毒だなと思ったからです。そこにたまたま足りないピースが埋められそうな自分がいた。自分が上手く手助けして彼らが望む世界が作れれば、彼らの努力が報われるんじゃないかな、と思ったんです。


 そんなこんなで運営に加えてもらいました。JOINした直後には既存のメンバー3人 + オレでかなりしっかりディスカッションをし、その後の方針を決めています。



旧:Management3.0勉強会 時代


 オレが運営に参画して以降、これだけのイベント開催に携わってきています。


 自らふりかえっても、実に色んな方向性でイベントを開催しているのが見て取れます。とにかく「広める=参加者を増やす・定着させる」を目標に、手探りに・思いつくままに実施してきた感があります。イベントごとに手を変え品を変え実験を繰り返している形でした。


 また、オレがJOINしたタイミングから「出来るだけ準備コストを低くしてイベント開催する」のを観点として加えていました。イベント開催の準備コスト(手間)が高いと、運営が疲弊してしまってイベントの継続開催が難しくなってしまうのをオレは何度も体験してきていたので、この点は割としつこいくらい提言してきましたし、他の既存運営メンバーも過去に思いっきり準備も当日運営もシンドいイベント開催を体験していたので、イベント計画時の運営メンバーの共通認識となっていました。


management30.jp


 運営コストは下がったんですが、肝心の「広める=参加者を増やす・定着させる」がなかなか実現できないのがネックでした。イベントによっては参加人数が跳ねることはあるんですが、それが継続しない。このまま続けていて目的は達成されるのかな?という疑念が生まれてきています。


 イベント開催の内容もそうでしたが、なによりコミュニティ名が疑念の対象でした。Management3.0は提唱者のヨーガン・アペロが名付けたものですが、「ナンチャラ3.0とかナンバリングでインクリメントされてる知識体系って胡散臭いよな」「みんなManagement3.0勉強会っていうコミュニティ名が胡散臭くて参加しづらいんじゃね?」という少なからず疑念があったのです。


 小手先でチョコチョコ変えて試すのはそろそろ限界で、ボチボチ大きくシフトチェンジするべきなんじゃないの?というのが運営メンバーの中でたびたび話し合われるようになりました。


仕切り直し


 それまで一ヶ月に一回のペースで開催してきたイベントを、2022/02月末に全てストップし、コミュニティの方向性を運営メンバーで改めて話し合いました。ちょうどこの直前くらいのタイミングでてらひでくんとさていさんも運営メンバーに加わっており、改めて足並みを揃えようという目的もありました。長らく疑念があったコミュニティ名も、このタイミングで改名に着手しています。





 「Management3.0勉強会」が胡散臭いから、と改名に着手したわけですが、結果「人にやさしい組織マネジメント勉強会」とより胡散臭い名前になってしまったのは非常に謎なのですが、ともかく「Management3.0が目指すものは何か?」がシンプルに伝わる名称にはなったんじゃないかなと運営メンバー一同思っています。
 様々なことを話し合って、改めて6月に人にやさしい組織マネジメント勉強会として再スタートを切りました。コミュニティアイコンもさてい画伯の素敵なマーティーくんイラストに差し替えています。



人にやさしい組織マネジメント勉強会 時代のはじまり

 新たに2022/06月に人にやさしい組織マネジメント勉強会として再スタートを切ってから、以前通り月一ペースでイベントを開催してきました。


 仕切り直し後のイベント開催の軸は2つです。


 まずひとつはワークショップに重きを置いていること。
 Management3.0は研修を受講すると分かるのですが、ワークショップが大半で、そのまま組織の運営・改善に使えるツールに仕立てられています。ただ、研修自体が非常に高額なので、気楽に体験してもらうのが非常に難しい。またManagement3.0は権利関係が割とうるs……もとい、しっかりしているので、ワークショップ自体の開催や、ワークショップに用いる素材・ツール等の利用ラインが厳しい、というのがあります。
 なので、ファシリテーター資格を持っていて利用ラインをしっかり把握している運営メンバーが、無料開催して問題ないレベルでライトにワークショップ体験の場を提供することが、Management3.0を広めるのにもっとも効果的で、かつ参加者から見てお得感が強いのではないか、という判断をしました。


 もうひとつは、仕切り直しとタイミングをほぼ同じくして、Management3.0の関連本が立て続けに2冊も日本語に翻訳されたことです。日本にManagement3.0が広まらなかった理由として、日本語の文献、特に書籍が無かったことが大きかったのですが、ここに来てヨーガン・アペロの代表書籍が2冊翻訳されたことは潮流の大きな変化のきっかけになると我々は考えました。特に「マネージング・フォー・ハピネス」は運営メンバーである寳田さんが翻訳されていたのも要素として大きかったです。
 出版記念イベントや関連イベントで「広める=参加者を増やす・定着させる」を加速させよう、と考えてイベントを企画し、実際のところ2回の出版記念イベントは、これまでのイベントと比べても非常に多くの方にご参加いただくことができました。




今後について

 人にやさしい組織マネジメント勉強会として仕切り直してからまだ半年経ったか経たずか、ですので、現時点で成果云々を判断するのは拙速でしょう。仕切り直し時に定めた

  • ワークショップを中心に推し進める
  • 2冊の翻訳本を軸に企画を考える

を今後しばらく継続し、「広める=参加者を増やす・定着させる」に繋がっているのか、都度都度判断しながら運営していくことになると思います。


 また、それとは別に、かつて開催した大規模カンファレンスをもう一度開催できないか?と企画を進めています。現時点ではやっと方向性が定まったか否かくらいですが、近いうちに皆さんになんらかの報告ができるんじゃないかと思います。ぜひお楽しみに。



おわりに

 他の運営メンバーに特に相談もなく、運営の裏話を書いちゃいましたが、大丈夫かしら?……まぁ大丈夫だろ。


 オレ自身が運営参画時に掲げたモチベーションのうちのひとつ、「Management3.0を理解し、あわよくば使えるようにする」は、さすがに1年半近く関わっていることもあり、多少は理解が深まってきました。知識体系としてどこに位置づけられるのか、自分の中でもマッピングがある程度できている状態ではあります。ワークショップを自分で開催するレベルはまだほど遠いので、今後の活動を通して少しずつ手の内に収めていきたいなと考えています。

 もうひとつのモチベーション「Management3.0を広める手助けをする」はまだまだ道半ばです。情熱を持つ人たちが心折れず活動できるように、準備コストを低く・あるいはオレが事務方を肩代わりすることで、普及活動のサポートを継続していけたらいいなと考えています。

*1:正確には飲み会解散後の延長戦

「コミュニケーションは難しい」は難しいどころかコミュニケーションを無視された結果として生まれたし、なんなら今も毀損され続けている

はじめに・テスト駆動飲み会からのお知らせ

takigawa401.hatenablog.com


 以前募集したこちらの特定の企業・特定のチームでプライベートに開催するテスト駆動飲み会ですが、コミュニティ伝手で一軒お問い合わせを頂き、実際に開催に至ることができました。詳細はプライベート開催を謳っているので明かすことはできませんが、普段のテスト駆動飲み会よりはメインナビゲータのやっとむさんてらひでくんがコメントする機会を少なくしてもらうことで、お呼び頂いたチームの皆さんのコミュニケーションが活発化し、主体的にコード書くことを楽しんでいただけたと思います。のちに聞いた感想も上々で、その時のチームの方が普段のテスト駆動飲み会・本会の方にも参加してくれるようになりました。非常にありがたいことです。

 企業プライベート開催のテスト駆動飲み会は引き続き募集しておりますので、ぜひ自分のチームでの導入実施を検討してみてください。所詮2時間程度、しかもお酒飲みながらなので、決してチームに対してTDDやモブプロのインストールが完了するわけではありませんが、なんとなく雰囲気を掴んだり、単にチームの新しいコミュニケーションのあり方として取り入れて頂くような、ライトなスタンスで臨んでいただけると嬉しく思います。


 また、2023年からテスト駆動飲み会では、飲み会ではない新しい企画もスタートします。こちらも絶賛準備中ですので、ぜひTDD本ご購入の上で*1お待ちいただければと思います。


 通常のテスト駆動飲み会も絶賛募集中です。次回は年末12/23に開催予定です。見学枠もありますので、お気軽にご参加ください。
tddrinking.connpass.com



本題

 さて、ここまでが「テスト駆動飲み会」としての大事な宣伝で、ほぼほぼ言わなくてはいけないことはすべて伝えた形です。ここから先は「テスト駆動飲み会」の幹事としては些末な蛇足ではあるのですが、さりとてオレ個人としてはここからが本題だったりします。

 2020年2月26日、時はCOVID-19(新型コロナウイルス)が日本に流行し始めた頃、我々「テスト駆動飲み会」もオンサイト開催を諦め、リモート開催に移行して最初のイベント開催でしたが、このタイミングで我々はテレビ朝日系列の朝のワイドショー番組「羽鳥慎一モーニングショー」から取材を受けました。この時の対応をイベントのフロントマン(幹事)だったオレが担当し、結果、以下のスクリーンショットが遺され、今もIT業界アジャイルコミュニティの一部で独り歩きしている状態です。



 この画像に至った経緯は口頭ベースでは伝えていたんですが、そろそろちゃんと広報しといた方がいいなと思って、最近ちっとも更新してない当ブログを開いてみた次第です。

COVID-19の流行とテスト駆動飲み会のリモート移行

 COVID-19の名のように、新型コロナウイルスは2019年末頃から世界的に流行を始めました。日本では翌年2020年の頭にあった横浜クルーズ船でのクラスター感染が最初で、徐々に国際ルートで国内にも流行し始めたのは皆さん記憶に新しいかと思います。ご多分に漏れず我々「テスト駆動飲み会」もリモートに移行する決断を行いました。

tddrinking.connpass.com
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 オンサイト開催の際、我々は会場として高円寺にあるヴァル研究所さんをお借りしておりました。駅探索エンジン「駅すぱあと」で有名なヴァル研究所さんは、コロナ禍前まで様々なIT勉強会コミュニティに会場貸しを行っていましたが、感染状況を鑑みた結果として、自社の事業を一部を残しリモート化するのに伴い、会場貸しを全て断るという判断をされていました。我々がリモートに移行する判断をしたのが先か、ヴァル研究所さんが会場貸しをやめたのが先かは記憶が定かではありません。オレが当時ヴァル研究所さんからお仕事を頂戴していて同ビルで働いていたこともあって情報がシームレスだったので、逆に境目が曖昧だったんですよね。

テレビ取材が行われた経緯

 テレビ取材の連絡があったのは、まずヴァル研究所の総務部の方に、でした。以前からヴァル研究所さんは何回かテレビ取材を受け入れていて、既にパイプが構築されていたみたいですね。
 テレビ取材からは「新型コロナウイルス流行で御社開催の勉強会で中止になったイベントは無いか?そのコミュニティを紹介して貰えないか?」というような内容で問い合わせがあったみたいです。


 この時、ヴァル研究所を会場として予定していたイベントは2件だったそうです。ひとつは我々「テスト駆動飲み会」、もうひとつは「DevLOVE」でした。
 この双方に声をかけるのが筋なのでしょうが、ヴァル研究所さん的には実質一択でした。DevLOVE側のイベントがヴァル研究所の社員であった新井さんが同社を退職を記念するイベントだったんですよね。

devlove.doorkeeper.jp

 そんなイベントをテレビで取り上げられたら、そらまぁ会社としてはよろしくないわけで。ヴァル研究所さんの意思だったのか「DevLOVE」の意思だったのかは定かではないですが、ともかく我々「テスト駆動飲み会」にお鉢が回ってきた次第です。

実際のテレビ取材の内容


 上のスクリーンショットは当時のテレビ取材の担当者であったテレビ朝日:和田さん(ディレクターだったかプロデューサーだったかは忘れた)とのやりとりのメールです*2
 メールで10回以上、電話でも2時間近くお話をさせていただき、我々「テスト駆動飲み会」の活動意義や目的、信念をご説明差し上げました。元々テレビ取材の方がITの知識が乏しいであろうことは分かっていたので、なぜテスト駆動開発(TDD)やモブプログラミングが必要なのか、そもそもTDDやモブプロとは何なのか、可能な限り丁寧に説明したつもりです。
 本番のイベントの際も、テレビの方が取材しやすいようにと運営メンバーだけでもどこかに集まろう、という話になり*3やっとむさんがクリエーションラインの安田社長に話を通してくれて、ご厚意で秋葉原の同社オフィスに集まることができました。件のスクショも実は後ろにやっとむさんてらひでくんが写ってたりします。*4
 実際にカメラが入ったレビ取材も事前打ち合わせまで含め2時間近く行われ、オレへのインタビューも20分近く行われました。事前の打ち合わせと同じく、カメラの前でも丁寧に「テスト駆動飲み会」の活動意義・信念をお伝えし、加えて彼らからの質問に答えるようにしていました。正直なところ、リモートに移行してもほとんど問題なくイベントを運営できていたので、彼らテレビ取材側としても困ったんでしょうね。「実際にリアルで集まるイベントと比べてどうか?」というような主旨の質問だったと思いますが、それに対して「取り立てて問題はないが、敢えて挙げると飲食の準備が要らないのと、若干だがリアルで顔を合わせるのとではコミュニケーションは難しいかもしれない」というような答えを返したのが、件のスクショのシーンだったと記憶しています。……正直3年も前の話なので、記憶が定かじゃないですが、まぁだいたいこんな感じの回答だったはず。

歪められた真実・不名誉な記録としてのスクショ

 結果として、取材の後日放映された内容では、我々は単なるオンライン飲み会として扱われ、TDDもモブプロも一言も言及されず、オレの20分以上話したはずのインタビューもたった一言「コミュニケーションは難しい」とだけ切り取られたものとなりました。散々準備した割にはわずか一分あまりの内容で、しかも本質とは大きく異なる、歪んだ形で日本全国に放映されました。その後の番組展開も見ていましたが、番組内のコメンテータ達からも特に大した言及は為されず、サラッと終わった印象があります。


 その後3年近いコロナ禍を経て、リモート飲み会もオンライン勉強会も極めて一般的な行為になりました。ウイルスの特性が明確になってきて対策が打ちやすくなり、ワクチンが誕生して、新型コロナウイルスがかつてほど脅威で無くなった現在でも、オンサイトの代替ではなく、あくまで選択肢のひとつとしてリモート開催を選べるようになりました。オンサイトとオンラインのハイブリッド開催イベントも珍しく無くなってきています。おそらく我々が歪んだ形で報道され面白おかしく伝えられたことさえも、リモートが当たり前の今となっては何の意味も無くなってしまったと思っています。


 オレにとっては、あのスクリーンショットは不名誉な記憶の象徴となりました。トータルで10時間以上準備をしてきたテレビ取材に、オレがたった一回、あの瞬間だけ言葉選びを失敗してしまったがために「テスト駆動飲み会」の意義や存在がゆがめられてしまった、そしてそれが切り取られてしまったのがあのスクリーンショットです。もちろんやっとむさんてらひでくんを始め「テスト駆動飲み会」に参加してくださっている仲間は、特に言及もせず、あるいは一笑に付す程度で済ませてくれて、コミュニティとしては特に問題も無く現在まで運営できています。
 とはいえ、オレ自身はこの件を好意的に捉えたことはただの一度もありません。あくまでオレにとってあの事件は不名誉な出来事であり、それ以外の何物でもないです。


 テレビ取材自体に対してとやかく言うつもりはオレはありません。テレビ取材なんてメディア側の都合のように切り取られて真実が歪められて伝えられてしまうのは珍しくない話です。テレビは事実を報道しているかもしれないが、それは決して真実と同一ではない。我々は現代日本を生きる上で、メディアに真意をゆがめられるリスクを承知した上でメディアと付き合っていかなくてはならない、なんてのは常識なわけで、オレは3年前のあの時たまたまそれを強烈に思い知らされたにすぎません。


 また、このようなシーンをスクショに取られて使い回されることも、ある程度はしょうがないと思っています。かつても「でも幸せならOKです」や「大迫半端無いって」のようなテレビ報道のスクリーンショットがネットミームとして使われ続けていました。件のオレのスクショもご丁寧にキャプションも入っていましたし、使いやすいのは理解できます。あのスクショに写っているのがオレでないなら、オレもきっと何かの折に使っていたでしょう。なので、多少であれば文句も言わないですし、真意を理解してオレに配慮して使ってもらっている分には、ネットに転がっているものですし、どうぞご自由になさってください、というほかありません。

ネットミームにすらなれない、悪意のあるスクリーンショットの使われ方

 ところが最近、オレが出入りするIT業界のアジャイルコミュニティで、件のスクリーンショット画像を、明らかに上記の範囲を超えた悪意のある形で使われるケースが増えてきました。Discordのテキストチャットに不用意に、あるいは無意味に件のスクショ画像を貼られることが以前からありましたが、最近は特にひどくなってきていると感じています。オレから見て、オレを貶める、あるいはからかう・馬鹿にする目的で使用されているように感じています。Discordのテキストチャットに即時貼れるようにわざわざご丁寧にスタンプ化されるケースも、ひとつやふたつのDiscordで見られる現象ではなくなってきていました。


 ありていに言えば、オレにとって非常に不愉快な状態が続いています。


 貼っている当人たちがどのような思惑で使っているかは窺い知ることは叶わないですが、当初貼っていた人物が特定少数だったとしても、オレをいじる・からかう・馬鹿にするという行為を行っても良いという雰囲気がコミュニティ内に醸成されてきている傾向があります。悪い意味でオレの存在を雑に扱われるようになってきていると感じています。これはオレ個人としても看過できない事態ですし、コミュニティとしても決して良い兆候とは言えないでしょう。

 オレはコミュニティの中で、やや抽象的な表現をすれば「間」を埋める立ち回りをしてきたつもりです。もうちょっと具体的な事例を書くと、ちゃんとしたイベントの内外で気楽にコミュニケーションが取れる場として懇親会を企画したり、オンラインでも聞き専の人が参加しやすい立て付けを用意したり、と言った活動をしてきました。結果として、酒の場にいることが多く、ちゃらんぽらんに振舞っていたため、ある程度雑に扱われることは想定はしていましたし、事実として自身が望んだことでもありました。

 とはいえ、オレ自身本来「いじられる」「からかわれる」行為は大嫌いですし、全く望んでいません。そう扱われた場合でも、あくまで自身のその後の利益やコミュニティとしてのメリットを秤にかけて、不満を飲みこんでいたにすぎません。にも拘らず、当たり前のようにいじり・からかいの対象となってしまった。ある意味では自分がそう仕向けてしまった部分もあるのかもしれませんが、それにしても今の不愉快な事態を容認できる理由にはならないと感じています。

「いじり」「からかい」はコミュニケーションではない

 そもそもとして、他人の画像をバンバン貼って揶揄する行為は、小学生のいじめとやっていることが何が違うのでしょう?
 いじってあげてるだけ?美味しいでしょ?そんなわけあるか!

 そもそも「いじり」はコミュニケーションではないです。「いじり」はれっきとした他者に対する攻撃行為です。
 テレビに出るような芸人さんたちは、いじられることを「美味しい」と表現しますが、それは彼ら芸人が「いじり」行為を受けることによってフォーカスを浴び、テレビに映る回数が増えたりキャラ立ちしたりするからです。つまり明確な「利益」が存在するからです。芸人さんと言えどカメラの回ってないところで「いじり」を行う意味はないですし、おそらく実際に行っていないでしょう。カメラが回っている場所で「いじり」を行う場合にも事前にある程度は確認(ネタ合わせ)は行うでしょうし、事前に行わなくても後でお詫びくらいは言っているでしょう。
 プロにおいてもそのくらい慎重に扱うべきものが「いじり」という手法なのです。

 テレビに映る華やかな場面しか知らない一般視聴者が、「いじり」をコミュニケーションの一手法として勘違いするのは、まぁ分からなくはないですが、一般視聴者がそれをコミュニケーションの手段として気軽に使用するのはとても危険です。

 もちろん、一般の方でも「いじり」を「美味しい」と感じる人がいるのも事実でしょう。が、そんなの嗜好としてSとMが存在する*5ようなもので、やられた人によって感じ方は全く違います。本来関係性が出来ていない人に事前相談もなしに「いじり」をコミュニケーションの手段として用いるのは非常に危険だとオレは思います。

おわりに

 前述のように、件のスクショを無遠慮に貼っている人たちが、オレに対する悪意でやっているのか、好意による「いじり」でやってるのかは推し量ることができません。ですが、いづれにせよオレにとっては不愉快でしかないですし、それが仮に自身やコミュニティにとって不利益につながることがあっても、ここで明確に不愉快であるという意思を示すことが重要だと考えました。


 前述のように、件のスクショを全く使うな、とはオレは言っていません。オレ自身はネットミームとなってしまったのであれば、文脈はさておき、ある程度自由に使われるのはやむを得ないと思いますし、それを咎めることもしません。


 とはいえ、こちらの許容範囲を超えた使われ方をすれば、オレとしても抗議せざるをえません。今回こうして抗議の意を文章として公に書くことにしましたが、今後この事態が改善されないのであれば、個別にもっと強い態度・手法で臨まざるをえないと考えております。
 現状オレが不愉快と考えている人たちに、ここで意思を示すことで謝罪を要求しているわけではないですし、一方で関係性を元に戻したいと考えているわけでもないです。ただこの異常な事態を正常な状態に収めたいだけです。それだけ理解していただき、自らの行動を省みて社会人として正しい在り様を取ってもらえれば今はそれで充分です。


 半分死に体のブログではありましたが、本来こういうことを書きたくて作ったものではないので、今後はもうちょっと明るい話題を扱えればいいのになぁとは思ったりしますね。

*1:まだ読み始めなくても大丈夫、読んでくれてた方がそりゃありがたいけど

*2:詳細は見えないように伏せています

*3:フルフルでリモートに移行するのが怖かったので運営だけでも集まって即時意思疎通できるようにしておきたかった、というこちら側の思惑もあった

*4:てらひで、そういえばこの頃はまだ和服じゃないな

*5:蛇足ですがSMの場合もコントロールしているのはMの方で、逆にSがコントロールしようとすると関係が破綻する場合があるらしいですね。オレは割とノーマルなので詳しくは知らんけど

【ゆる募】「お宅のオフィスに突撃!テスト駆動飲み会」募集(?)のお知らせ

ゆる募

自分の会社で「テスト駆動飲み会 (お酒を飲みながら、みんなでテスト駆動開発をやる)」をやってみたい、という方(会社さん)、いらっしゃいませんか?

経緯

 やっとむさん、てらひで君と一緒に開催しているテスト駆動飲み会ですが、始動してから4年、リモートに移行してから2年が経過し、開催回数がオンサイト/オンライン合わせて25回に届くところまで来ました。ビックリ。途中テレビの報道番組に不本意な形で紹介されるというトラブルもありましたが、概ねここまで順調に来たんじゃないかと思っています。



 オンサイトではCyber-Dojo、オンラインではrepl.itというサービスを利用し、色んな言語、いろんなお題に挑戦してきました。利用サービスにお題にした言語のテストフレームワークが無い場合には、テストフレームワークを1から作ったりもしました。スプレッドシートライフゲームやったときなんかは、スプレッドシートのUIに合わせたテストフレームワークを作るだけでイベント一回まるまる使っちゃった、なんてこともありました。
 酔っ払いの戯言の延長ではありましたが、実は色々チャレンジしてきてたんです、酔っ払ってるからあんま実になってないけどw


 ただまぁ、毎回色々細かいところは変えてきているとはいえ、これだけ続けているとちょっとマンネリ化もしてきていまして。ちょっと変化が欲しいねという話が運営メンバーから上がりました。今までのスタイルだって全然面白いけど、ただちょっとダレてきちゃってるのかもな、と。その原因について話し合ってみました。


 常連参加者の皆さんにお話を伺うと「いつものメンバーでいつもの感じでユルくやっている感じ」というのが参加する際の安心感につながっているそうです。近所のいつもの居酒屋、といった感じですかね。

 とはいえ、参加いただいている方がやや固定化しているのは事実ですし、本当に微妙にですが、少しずつ参加者が減ってきているようにも感じられます。まぁ毎回ほぼほぼ同じことしかやらないのだから、飽きて別のところ行っちゃうのは当然ですよね。


 運営メンバーで話し合った際には

  • コミュニティとして参加者を増やしたいわけではない
  • 実際増やし過ぎるとイベント開催時のコストが跳ね上がるので、それは避けたい
  • とはいえある程度は新しい参加者が入ってきて新陳代謝が起こらないとコミュニティとして先細りしてしまう

という意見で全員一致しました。


 我々としても、もう少しこの枠組みの中で遊んでいたいので、そのために新しいことをやって新しい参加者に来てもらうことを目指そう、という方針で決まりました。

 どうやって新しいことにチャレンジしていこうか、という話になったんですが、基本方針としては「今までのユルく酒飲みながらリモートでモブでTDDをやる、完成にこだわらない」という既存スタイルのイベント開催はそのままに、別のスタイルの開催回を増やして新しいことにチャレンジしよう、という方針を採用してみた次第です。今までのイベントが隔月開催と頻度低めだったからこそできることではありますね。


 じゃあ何をやろうか、という話になったんですが、こちらも色々意見が出ました。実現性の無い荒唐無稽なものから割と堅実的なものまでそれなりな数が出たんですが、今回は比較的堅実ではないかな、と思われるものを2案採用しました。そのうちの1つが冒頭の「お宅のオフィスに突撃!テスト駆動飲み会」です。

運営メンバーによるディスカッションの際にみんなで書いたMiroボード


 どこかの企業の飲み会に我々テスト駆動飲み会の運営メンバーがお呼ばれして、お酒を飲みながらモブプログラミングでTDDにチャレンジする、というテスト駆動飲み会のスタイルで飲み会を運営する、というのがその主旨です。

 一般参加者の公募はやめて、その会社の有志の方々と我々運営メンバーのみで開催する形になると思います。会社の方の参加が少なかったり、人数が少ないことでモブプログラミングやTDDが上手くできるか不安……というご意見があった場合には既存スタイル開催回の常連の方々に内々にお声がけをして参加いただくことはあるかもしれません。

 新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いている状況であれば、実際に会社や飲み会の会場にお邪魔する形も取れますし、感染状況を鑑みて会社としてオンサイトの飲み会を許容できない場合にはリモート形式で実施も可能です。その辺はこれまでのテスト駆動飲み会の活動と変わらず、です。今までのスタイルが「近所のいつもの居酒屋」だとすると、こちらのスタイルは「屋台を引いてどこかのオフィスの中に居酒屋作っちゃう」感じでしょうか?


 ただ、この開催スタイルは、我々が開催を望んだからといって実現できるものではありません。どうしても協賛いただける会社さん側がこのイベント開催を望んでくれることが必要となります。
 オレが現時点で想像し得るに、会社さん側のモチベーションとしては以下のような感じになるんじゃないかなと予想しています。

  • 社内のリモート飲み会がマンネリ化していて何か変化が欲しい
  • TDD(テスト駆動開発)に興味はあるが着手できていない
  • モブプログラミング/モブワークに興味があるが、どうやって実施してよいのか分からない
  • コードを書きながらお酒飲みたい社員(チームメンバー)が何人かいる
  • あえてオンサイトで飲み会を再開するためのきっかけが何か欲しい

 いづれにせよ、我々運営メンバーは「テスト駆動開発が好きな酔っ払いの集団」という体で参加させて頂きます。事前にイベント開催に際した打ち合わせは当然させて頂きます(この時、会社さん側との期待値のすり合わせも行います)し、当日の司会進行もオレの方でやらせてもらいますので、イベント開催・運営に関するハードルは会社さん側ではかなり下げられると思います。
 オンサイト開催の場合、我々運営メンバーの飲食代はお願いする形になると思いますので、その点だけは負担があることを前提にご検討頂ければと思います。




 そんなこんなで、ご興味のある会社さん、部署単位でもチーム単位でも、あるいは有志の方でも構いません、是非ともオレのTwitterもしくは当ブログコメント欄までお気軽にお声がけ頂ければと思います。ご意見・オファーお待ちしております!


tddrinking.connpass.com

cyber-dojo.org

replit.com

XP祭り2021 オンラインのアフターゲームショーを一緒に盛り上げてもらえる人を募集します & 去年の反省

はじめに

去年XP祭りの事書いてから丸一年このブログ放置してました。さーせん。(あんまり済まないとも思ってないけど)

概要

 というわけで(どういう訳だ?)、XP祭り2021が終わった後の飲み会に準ずる場を、オンラインながら一緒に盛り上げてくれる方を募集します。

詳細

 XP祭りは昨年同様完全オンラインでの開催が確定しました。日本一ユルい勉強会もデルタ株には勝てないって事で。そこは安全最優先で行きましょう。
セッションは全確定して、スレッド数とかエグいことになってるんですが、それを引っくるめて今年も思い切り遊べたらと思ってます。

confengine.com

まぁその前に昨年の反省をしなくちゃねって事で。去年オレはこのブログで「副音声やるぜ」って豪語したんですよね。まずはその話からしないとですね。

反省

 結論から言うと、昨年の副音声チャンネルの思惑は失敗でした。(みなさんのおかげで大変盛り上がりましたが、運営の当初の思惑と反して、と言う意味で、です)
オレのイメージは、特にJリーグオールスターゲームをイメージした、「試合しながらもついさっきまでプレイしてた選手呼びながら所感を聞く」みたいなのだったんですけど、ことIT勉強会だとそれは不可能だと昨年思い知りました。
IT勉強会だと副音声の対象が誰かの発表なんですけど、副音声で誰かの発表にかぶせて音声流すと、メインの音声が潰れちゃうんすよね。
みんなプレゼン資料重視かなと思ってたら誰も彼もそんなことなくて、やっぱり音声情報は超重要で、結果オレの目論見は全然大外れで「副音声で喋るとメインコンテンツの邪魔をしちゃう」ってことが、めいいっぱい発生しました。
ここはオレの非常に浅はかだったところでした。気づくのが早かったんで迷惑かける発表は少なかったんですが、そもそももっと早く気づけよ、とは自分でも思いました。

再び詳細

 と言うわけで、今年はイベント中の副音声は却下で、全部イベント終了後のいわゆる「オンライン飲み会」に全振りしたいと思います。
本会を振り返って、面白かったこと、時間がなくて話せなかったこと、そんなのどうでもいいから俺にも話させろ、みたいなことを取り扱っていけたらな、と。

お願い

 で、ここからがお願いです。
今回はアフターゲームショーを狙ってるので、本会で盛り上がった話をできるだけ取り上げられたなら、と思っています。なので、

XP祭り2021で登壇した人 (目安:30分)
XP祭りでなんか宣伝したかった人 (目安:15分)
それとは別になんとなく話したい人 (目安:15分だけど時間帯さえ調整してくれれば30分)

くらいで一緒にXP祭りアフターゲームショーを盛り上げてくれる人を募集します。場は去年「副音声チャンネル」として設けたあの場です。ちょっとだけ事前の相談をしたいので、「滝川に付き合ってやってもいいぜ」って奇特な方は、Twittewr / FacebookのDMか、ここのコメントに連絡くれると嬉しいです。一応本会終わって19:00〜滝川が僭越ながらMCやらせていただきます。気に入らなければ乗っ取っていただいてウェルカムですんで、気楽に気長にお付き合いいただければ幸いです。
なお、お話いただく内容については個別にご相談させてください。乱入上等のクソッタレなコンテンツになる予定なので、ご意向に沿えない可能性は存分にありそうではありますが、できる限り頑張って面白おかしく、かつ要望に添えるようにしたいと思っています。