はじめに
9/20(木)は、定期受講している早稲田大学MBAエッセンシャルズに行ってきました。今回のテーマは遠藤功教授による「オペレーション戦略」。毎度のごとく15分程度の遅刻でした。…蒲田からは遠いんだよなぁ。
以下、受講時のメモ。
- オペレーション=生死をかけた戦い
- →下手なら死
- だから鍛える必要がある 命をかけて育てる必要がある
- オペレーション≠退屈なルーチン
- オペレーション=組織能力
- 似たような会社なのに
- ある会社はむちゃくちゃ仕事ができる
- ある会社はできない
- 戦略を実現できる組織能力=現場力
- オペレーショナル・エクセレンス
- 日本メーカに比べてサムスンはスピードが早い
- 戦略=スピード=能力
- 早くしようったって急にはできない、能力だから
- 良い戦略は他者も真似する
- →どこで差別化できるか
- みんなビジネススクール来ると横文字で誤魔化す。職場では日本語で喋ろう!
- ビジネスモデル=戦略+オペレーション(現場)=儲けの仕組み
- 競争力はどこからくるのか?
- 会議室や経営陣からは生まれない
- →日々のオペレーションの営み
- 強い現場が強い競争力を生む
- 強い会社は強い現場を持っている
- なぜ是正されないか?
- →他の会社の現場を知らないから。
- 3.11直後にがれきの中でヤマトのトラックが走ってた
- →本社「トラックが盗まれた」
- 社員「自分に何ができるか?」→荷物を待ってる人がいる→何十kmも歩いて車を走らせた→他の営業所でもやってた
- 日本郵政やれよ!w
- 自主性、自発性、自律性
- ←強い現場は自分たちで動き出す
- ←言われなくても自分たちで何が必要なのか、何が求められているのかを自分たちで判断できる
- →現場に頭脳がある
- なぜ出来るか
- 普段からヤマトは現場にむちゃくちゃ権限委譲している センター長の権限が非常に大きい
- →いざという時にこういう時にこういう行動が取れる 自分で動ける
- 事例:鉄道
- 鉄道整備(TESSEI)
- 戦略を考えるのに一つの軸だけでは限界がある
- 機能性・品質
- サービス、メンテナンス性
- 多軸で展開して行く 多軸の経営
- ←日本に求められる経営
- 製造業はこれまで横軸だけだった
- いい製品を作れば売れる←これじゃ韓国勢には勝てない
- 「メンテナンスの能力がある」「サービスの能力がある」
- ←非常に大きい大きな価値
- 現場力とは何か?
- 問題解決能力があるか?
- 多くの現場は「業務遂行型」←日本にはもう要らない
- 言われたことだけやる現場はダメ
- 求められるのは「問題解決型」
- 納期が長ければ短くする
- コストが高ければ安くする
- 「全員参加」の組織能力
- 「私の会社にもそういう人がいますよ」
- →一部じゃダメ、全員参加、会社が一丸になってやってなくちゃいけない
- 点じゃなくて面の力である必要がる
- 独自の優位性につなげる
- 「ダントツ」「チャンピオン」を目指す
- おばちゃんたちの働きぶりで新幹線を多く走らせることができる
- →利益を生む、経済的な価値を作る、競争力を作るための
- 3つすべてクリアして初めて「現場力」
- いったん手に入れると簡単には他所に真似できない、優位性の時間が長い
- 「問題」が現場力を鍛える
- 問題の無い会社は存在しない
- 「うちの会社には問題はない」←お前が問題だ!
- ダメな現場ほど問題をネガティブに向き合う
- 問題を隠す
- 二律背反の克服
- 知恵、アイディア、創意工夫
- コストを下げるなら品質は…←そんなの誰でもできる
- トヨタはそんなの無理だろってことを平気でやっちゃう
- 改善運動←やらされ感満載
- 組織のしつけとくせ
- しつけ=オペレーションの土台
- 挨拶、整理整頓、ホウレンソウ、トイレが綺麗か、人前で携帯をいじる←ひっぱたけ!
- くせ=オペレーション上の優位性に直結
- 改善、アイディア、スピード、言われなくても勝手に考える
- ←くせになってる
- ダメなくせ
- 遅い
- アイディアが出ない
- チームで仕事ができない
- スピードが遅い会社
- ←あらゆるものに「納期」を設定。より早くできるように意識した
- →5年間で大きく改善
- 良い癖を愚直に取り組むことで良い習慣を生み出す
- 現場には力がなかったら、お客様を支えることはできない
- 見える化
- 現場力には見える化がどうしても必要
- 問題解決ができる現場=問題発見能力が高い会社
- 発見されない問題は解決できない
- 「なんか知らないけどうまくいってないよねー。」
- もともと工場で生まれた考え方
- 工場は問題をなかなか隠せない
- 営業は隠すの簡単、研究開発も簡単:問題が属人化している
- 例)ソフトウェア=分業制
- 問題が見えない
- 「うちの事業部ってさ、みんなバラバラだよね」
- 忙しい人は忙しい、暇な人はずっと暇
- 負荷の見える化
- ニコニコカレンダーの負荷版
- →負荷の平準化
- →いろいろ見える化しだした
- 情報が増えすぎて逆に「見えない化」情報の洪水で誰も見に来ない
- 本当に必要なものだけ見える化する 見たくなくても見える(目に飛び込んでくる)状態にする
- なんのための「見える化」か?
- →情報共有 ×
- →共通認識を作ること ○
- 情報が溢れていても、共通認識が無い
- 共通認識を増やすには対話しか無い
- 「伝える化」じゃない「伝わる化」必死のコミュニケーション
- →伝わってなかったら「必死じゃ無い!」
- 見えるのは重要
- 情報が多すぎると「見えない化」が発生
- 見える情報は絞り込む
- 気づきを生み、対話を増やし、考えて、行動に起こすことで改善が進む
- Make it Better
- もっともっとよくなる
- 今日より明日がよくなる
- みんなでよくなるはず
- できることがたくさんあるはず
- 時間がかかる 継続が必要
- 組織のしつけ 基本の徹底 反復
- みんなでMake it Better
- ブレイクスルー
- 真ん中のコツコツを続けることで、3の不連続が起こる
- みんな3を期待するがそんなことは起こらない、愚直にトライする
- なぜできないか?
- ↑めんどくさいから
- 現場力のある会社は手を抜かない
- ヤマトの社訓は現場には生かされている
- ヤマトの社訓を腹落ちする
- 理念を体感する手段:DVD
- 掃除で工夫できることはあるのか? ヤマトの仕事は?
- →工夫できることはちゃんとある
- 感じた時、理解した時に日本の現場はとてつもない力を発揮する
- オペレーションや理念が現場には理解されてなければ無いのと一緒
- 多くの企業はビジョンを作りっぱなし、それじゃだめ
- 現場力=人の可能性を信じること
- 人はロボットじゃ無い、その人の持っている能力を最大限に発揮させる
- 現場力を高めれば良い成果を生み出せる
質疑応答
オペレーションがすごく強いがゆえに上手く回らない経営(頭を使わなくても回ってしまう)はどう思うか
- 日本の経営は求心力と遠心力のバランス 現場力は遠心力
- 求心力=経営理念
- だからといって求心力がなくてもいいわけじゃない
- 求心力を強くすると遠心力は弱くなる
- 大きな力を出すのは経営
- 東京電力
- 求心力がだらしない
- 遠心力
- 現場力は強い現場
- 吉田さんがいたからうまく回った
- 本部しっかりしろよ
問題解決型の現場、ナレッジワーカーの作り方
- ああいうビデオもナレッジワーカーを生み出す方法のひとつ
- 最後のビデオは涙でそうになった(質問者)
- ←いいですよ泣いて(遠藤教授)
- アメリカ型
- コンプライアンス、内部統制
- ←あんなもんどうでもいい、現場からみたらたまったもんじゃない、守っちゃダメ
- 日本の経営マネジメント=自主管理
- 自分たちの管理でまわっていれば管理は最小限で済む
- 現場を信じて任せる
- コンプライアンスとかいって現場を信じず締め付けを行うなんてことをやってれば日本の経営はダメになる
- 現場は考えることを止めてしまう、考える力が弱くなってしまう
- どんどん権限委譲していく
- どんどん任せる
- コンプライアンスとか書いてある名刺もらったら破る、あんなの大した人間じゃ無い(遠藤教授)
- 現場はどうやったら自主管理できるか
- 日本の現場は自主管理ができるはず
- 価値を生み出すのは現場なんだ そこに力を入れるべき
全員が全員感度が高いわけじゃない、現場を変えたいと思った時、どうやったら現場を変えることができるか
上が弱い会社にどういうアプローチを取ったか
- 新しい方向性さえ示せば実行力は備わってるから、すぐ実行に移せる。実は改善しやすい
- でもオペレーションが弱いとなかなか改善しない
- 足腰が弱い
- →フィットネスを鍛える
- 基礎体力が高い人はどんな仕事でも簡単にはこなせる
- 体力無い人に運動やらせてもできない
- 続けないといけない、すぐだめになっちゃう、継続することが大切
現場でどう火をつけていくか
- 現場で業務しかやらないような人たち
- ノウハウは持ってる
- やる時はやるけど、普段は全然やらない
- 下請けが業務を遂行している、契約上意識を共有しにくい
- 自分ができることからやる
- 酒飲んで熱く語る
- 現場行ったらまず飲む!!
- 体を壊さないためにもフィットネス
- 飲まないとやってられない
- お前の本気度を見せてみろ
- 期待しないで自分が動く、自分から提案する
- 自主性。自発性。自律性
- 蔑まれて見られても耐える、おしんのように耐える
- 泥臭く
- あとは飲む
- 派遣は難しい
- 最終的にはグループ会社まで巻き込んでやる
- 一部の会社は合併したりして一体化していく
- 一体感を作っていく動きをしていく
- 全員正社員が理想
- できるところから始める
- どうやって広めていくか始める
- できることから始める
- 大きなことからあれこれ考えると難しい
- 5-20-100の理論
- 5%
- 始めた時に真っ先に着いてきてくれる人
- このくらいならなんとかなる
- 20%
- 次に目指す範囲
- 頑張って広げる
- 100%
- 最終的に100%
- 最初から全部を変えることは無理
- まずは20%を目指す
- 多くの会社は5%はできるけど20%はなかなかできない
- 20%まで広げられないなら戦わない、耐える、時期を待つ
- いま首になると就職先ないですよ。
- 自分が今戦える組織にいるかどうか
- 「先生のおかげで転職する羽目になりました」知らねーよそんなの
- いいことやってるんだから、共感してくれるひとは絶対にいる
- 「ひとの可能性を信じている自分を信じる」
総評
500人規模が参加するセミナーにしては、このビジネススクールは周囲の人とディスカッションをやったりすることが多いんですが、この日は講義が中心。ところがその講義内容がえらく熱かった。すごい熱気のこもりようでした。「現場が会社を変える」「良い習慣が良い会社を作る」今目の前にある問題に我々がどうやって立ち向かうか、強い言葉で背中を押された気がします。こういう話をうちの会社の管理職連中に聞いてほしいなぁ。
「ひとの可能性を信じている自分を信じる」はとても良い言葉だなぁと思いました。人も信じるけど、一番大事なのは自分を信じることだというのを忘れないようにしたいです。