はじめに
先週金曜日はBMG Worksの勉強会、「ビジネスモデル・ジェネレーション The NEXT 〜次の1冊はこれだっ!」に参加してきました。今回のテーマは「ビブリオバトル」。以下のようなルールに基づいて本を紹介しあう、という、これまでBMG Worksでもやってこなかったパターンのお題となりました。本選定のお題は「ビジネスモデル・ジェネレーションの次に読むべき本」。それぞれなんでこの本を選んだのか、その辺まで含めてプレゼンすることになります。
- 発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる.
- 順番に一人5分間で本を紹介する.
- それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2〜3分行う.
- 全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員で行い,最多票を集めたものを『チャンプ本』とする.
(引用元:知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト)
- Facebookグループ:BMG Works(旧ビジネスモデル・ジェネレーションでなんかやる)
- ビジネスモデル・ジェネレーション The NEXT 〜次の1冊はこれだっ!〜(仮) - BMG Works(旧ビジネスモデルジェネレーションで何かやる) | Doorkeeper
- 知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト
- 作者: アレックス・オスターワルダー,イヴ・ピニュール
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/10/03
- メディア: Kindle版
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ビブリオバトル
ビブリオバトルには6人が発表し、9名が参加しました。各々だいたい10分程度、それぞれの本を紹介し、発表後に発表内容について軽くディスカッションをしました。ディスカッションの内容は、主に本の内容に対する質問が多かったですね。
参加者発表に対する投票方法は、Facebookグループにそれぞれの書のAmazonリンクを張り、自分の一番良いと思ったものに「イイネ!」をする、という方法で行いました。さっき確認したらあまり投票は行われていないようですが、今のところ最多票は「ビジネスモデルYOU」でした。
グロースハッカー
@take3000さんご紹介。マーケティング本で、これまでのいきあたりばったりなマーケティングではなく、定量化・数値化して分析してアクションにつなげていく手法がいくつも紹介されているとのこと。薄くてサラッと読めるのもオススメポイント。米国で著名なマーケティングコンサルの方が著者の用ですが、ITエンジニアではなく同業の方に向けて書かれているような印象があるそうです。マーケターの@take3000さんらしいチョイスでした。
波のうえの魔術師
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/09/20
- メディア: Kindle版
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オレの紹介した本で、「池袋ウエストゲートパーク」で有名な石田衣良の小説です。デイトレードをメインに金融の裏側を舞台にしたストーリーで、池袋ウエストゲートパーク同様にエンターテイメント性抜群です。「ビッグマネー」という下品なタイトルで実写ドラマ化したこともあります。
- 出版社/メーカー: フジテレビジョン
- 発売日: 2002/10/02
- メディア: DVD
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ビジネスモデルキャンバスは、本来ビジネス分析を行うためのツールですが、「自社のビジネスを理解するために新人研修で用いてはどうか?」という提案の上で、「じゃあ新人に更にビジネスに興味を持ってもらうのに、どんな本を勧めたらよいか」という視点で上記をチョイスしました。ポイントは、ストーリーがなんとなくでもビジネスに興味を持ってもらえること、ちゃんとエンターテイメントになっていること(読んでて楽しくない本は続かないので)。今だったら「半沢直樹」の池井戸潤なんかが適切かもしれません。
無印良品は、仕組みが9割
無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい (角川書店単行本)
- 作者: 松井忠三
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2013/09/10
- メディア: Kindle版
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@agnozingdaysさんのご紹介。無印良品という会社は過去に経営危機に陥った経験があるそうで、それを立て直したのが「計画1割・実践9割」という行動・実践を中心とした社員一丸となった改善プロセスなんだそうです。店舗でのマニュアルも当然あるのですが、現場で実践して改善案が出ると、マニュアルを刷新して全店舗に配布し直す、ということを繰り返しているそうです。
ビジネスモデルキャンバスは分析のためのツールだけど、分析しただけじゃだめだよね、ちゃんと実践に移さないと、という教訓を含めての意味でご紹介いただきました。@agnozingdaysさんらしいチョイスだなぁ。
THIS IS SERVICE DESIGN THINKING.
THIS IS SERVICE DESIGN THINKING. Basics - Tools - Casesー領域横断的アプローチによるビジネスモデルの設計
- 作者: マーク・スティックドーン,ヤコブ・シュナイダー,長谷川敦士,武山政直,渡邉康太郎,郷司陽子
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2013/07/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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イシザキさんのご紹介。なんとこの回唯一、発表スライドまで用意してきて下さいました。
最近IT業界では話題になっている本で、サービス開発に関するトピックを、教科書的に、あるいは辞書的に網羅して紹介された本です。イシザキさんはこの本を実際に現場で試しながらアレンジしながら取り組んでいる、とのこと。実践が伴っているあたりが素晴らしいですね。何よりプレゼン資料が綺麗で分かり易かったです。
ザ・プロフィット
- 作者: エイドリアン・J・スライウォツキー,中川治子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2002/12/14
- メディア: 単行本
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@_N_A_さんのご紹介。TOC大好きの@_N_A_さんなのでザ・ゴールかなぁと思っていたんですが、ビジネスモデル・ジェネレーションとの相性の良さでこの本を紹介されていました。ビジネス書ながら物語調につづられており、通常のビジネス書よりとっつき易そうに感じられました。
ビジネスモデルYOU
- 作者: Tim Clark
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2012/12/28
- メディア: Kindle版
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@utwangさんのご紹介。時間に余裕があったこともあって、半ば無理やり発表して貰った形になっちゃいました(笑)。ビジネスモデル・ジェネレーションが「企業のビジネスモデル」を分析する「ビジネスモデルキャンバス」を紹介するのに対し、ビジネスモデルYOUは「個人のビジネスモデル」を分析する「パーソナルキャンバス」の描き方を紹介しています。@utwangさんのご友人が転職で悩んでいる際に、この本を一緒に読んでみたそうですが、結果としてご友人はIT業界から全く別の畑に転職されたそうで、本の効果は不明だとのことでした。人に歴史ありですねぇ。
その他本紹介
そのほか、ビブリオバトルとは関係なくご紹介頂いた本が以下になります。
まずのび太を探そう
まず、のび太を探そう! 大ヒットを生み出す逆転発想 (はじめて読むビジネスモデルの本)
- 作者: 川上昌直
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2014/05/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書
- 作者: 川上昌直
- 出版社/メーカー: かんき出版
- 発売日: 2014/02/28
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考える仕事がスイスイ進む 「フレームワーク」のきほん
- 作者: 山田案稜,TNB編集部
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2014/03/20
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ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール
Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール
- 作者: ニール・イヤール,ライアン・フーバー,Hooked翻訳チーム,金山裕樹,高橋雄介,山田案稜,TNB編集部
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2014/05/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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出版社にお勤めのウエノさんからのご紹介の4冊。「ハマるしかけ」はクラウドソーシングで一気に和訳して、それから編集したんだそうです。クラウドソーシングの事例としても紹介されたそうですよ。
総評
初のビブリオバトルということで、非常に不安な中開催されましたが、予想に反して盛り上がったので本当によかったです。(なにせ申し込みの段階で参加者が通常の1/3もいなかったから……。) 準備コストも少なくて、その割に良書を知る良い機会が得られたんじゃないかと思います。@take3000さんは定期的にやりたい、と言っていたので、また近々そういう機会があるんじゃないかと思います(笑)。
それはそれとして、発表の傾向なんですが、どうも直球勝負がないというか、みんなひねり過ぎる傾向にあるというか(特に常連組、オレ含む)。@utwangさんの「ビジネスモデルYOU」が間違いなくみんなが一番最初に思いつく「NEXT:ビジネスモデル・ジェネレーション」のはずで、絶対にそこに一度は思い至ったはずですが、みんな発表慣れしているせいか、奇をてらうというか他を出し抜こうとするというか(特にオレ)。危うく「本当にビジネスモデル・ジェネレーションの次に読むべき本」が出てこなかったらどうするつもりだったんだ!?」という事態になるところでした。@utwangさんがいて本当によかった(笑)。
ビブリオバトルは我々全員が初めてだったんですが、「バトル」と銘打たれている都合、どうしても競争心というか、インパクトを狙ってしまう傾向があるのかもしれませんね。自分の知らない意外な良書に出会える可能性がある半面、本当に抑えるべき王道を踏み外して初心者に伝えられない、という事態が起こる傾向が少なからずあるように感じました。その辺はパリーグの予告先発みたいに事前に発表する本を告知しておいて、主催者側でバランスとるとかした方がよいのかもしれませんね。
次回は6/23の週のどこかで開催されそうな予感です。次回は通常のキャンバス書きになるかと思いますので、初心者の方もどうぞお気軽にご参加ください。正式に決まりましたらDoorKeeperやFacebookグループで告知されます。
※内容は予告なく変更になる場合もあります、あしからず。
- 作者: アレックス・オスターワルダー,イヴ・ピニュール
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