ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

社内LT大会開催の成功と失敗


 もう半月位前になりますが、社内でLT大会を開催しました。全社からスピーカーを10名程度集めて「開発」というテーマで10分のプレゼンを行い、みんなに聞いて貰うというもの。数ヶ月前から準備して色々とネゴして開催に至ったイベントです。


 結論から言えば、このLT大会は「失敗」でした。




人が全然集まらなかった

 今回のLT大会が失敗だとオレが断じる理由は「観客が全然集まらなかった」ただこれに尽きます。


 スピーカー以外で開催時間に集まった人はゼロ、スピーカーでさえ何人か来てない、最後まで来ないスピーカーもいました。最終的に純粋な観客の合計人数は片手の指で収まる程度でした。はっきり言ってボロボロ。社内で活用しているYammerや全社メールで数ヶ月前から広報していたのに、仮にも120人も社員がいる会社なのに。


 恐ろしいことに、このLT大会が開催された日の午前中は社内の管理職全員を集めての全社会議だったんです。その終わりにもオレは「午後からLT大会があるから時間のある人は是非観ていって欲しい。」とアピールしました。オレは社内に顔がきくから仲の良い人も少なくありません。それなのに、なのか、それだから、なのか、は知りませんが、殆どの人は会議が終わり次第ろくにオレと目も合わせず足早に去っていきました(オレが会場準備をしてたからというのも無くはないだろうが)。中には「◯◯◯(後輩の名前)が出るから聞いてこうかな。」とまで言っておきながら開始時間には影も形も見当たらなかった人もいました(オレは今後アイツの事を一切信用しない!)。大体つい直前の会議で「SIerが生き残って行くのは厳しい。ストロングポイントを作らないと。」という話をしたばかりなのに。


 まぁ愚痴っててもなにも始まらないので、なぜ人が集まらなかったのか原因を探らなくちゃいけません。今回の社内LT大会は2回目なんですが、少なくとも1回目は盛況でした。前回との違いも踏まえながら分析をしてみたいと思います。




休日の開催だから

 これは今に始まったことではないですが。オレの所属会社は社員が殆ど客先常駐なので、社内でイベントを開催しようと思うとどうしても週末を使わざるをえません。ですが休日に用事もない本社に来たい酔狂な奴はいないわけで、そのメンドくささを超えるメリットをアピールできなかったのが人を呼べなかった原因のひとつと考えられます。

アピール回数が少なかった

 前回はオレ自身がかなり頻繁に、フットサルメールやラボメールなど形を変えながら社内広報を行っていました。ところが今回は社内メールでの広報は2回しか行っていない。これは自社でYammerを導入し、そちらに対するアピール回数を増やしたことも要因のひとつです。が、どうも今回の件ではっきりしたことは「Yammerは殆ど見られてない」という残酷な事実でした。前から分かってた事ですが、社員の多くの意識は非常に低くて「医者の不養生ならぬ」、「IT技術者の情弱」を地で行く連中ばっかりなんですね。メールみたいなローレベルな手段でないと彼らにはどうもアピールできないようです。…まぁそれでさえ読まずに捨てる輩はいるみたいですが。

自分が元々持つネットワークを活かしきれなかった

 前回のLT大会開催時にはオレ自身が複数の社内勉強会を開催していて、その参加者にごっそりLT大会に連れてくる、という事が出来ていました。ところが今回は勉強会を開催しておらず、そのつながりが使えなかったんです。うちの会社の会議室だと10人くれば大盛況なので、勉強会由来の参加者を作れなかったのは大きな痛手でした。

各人の発表内容を事前公開しなかった

 今回は事前に各人が何を発表するか全く告知していませんでした。それどころか主催者であるオレ自身でさえスピーカーが何を話すか、当日まで漠然としか知りませんでした。これはオレ自身が前回、一度プレゼン資料を作ったもののあまりに地味すぎて直前でテーマから差し替えた、という経験から、事前に確定しない方がスピーカーが気楽なんじゃないか、と思ったのが理由だったんですが、これがどうも裏目に出たようです。

ステークホルダーをスピーカーに呼べなかった

 一番の原因はこれかなぁ、と。影響力のある管理職や取締役をスピーカーに呼んで、そのコネクションで人を呼ぶことは出来たはずですが、草の根で人を集める事にオレが固執してしまったのがその原因です。少なくとも「会議が終わったらLT大会に知らんふりしてすぐ帰る」という事態に対し、孤立無援で叫ばなくちゃいけない状況は避けられたはず。政治力もちゃんと使いこなさないといけないと痛感した次第です。

期首はみんな忙しい

 うちの会社の年度設定は7月〜翌6月です。つまり7月は期首にあたります。後から聞いた話ですが、役職者、特に事業部長や部長クラスの人間はこの時期が一番忙しいんですね。その点を殆ど考慮に入れておらず、上記のステークホルダーを呼ぶのに失敗してしまった、という面もあると考えています。




今回のLT大会で得たもの

 反対に今回のLT大会で得たものもあります。

今後キーマンになる人間に参加してもらえた

 いくら人が来なかったとは言っても会社の主要なメンバー数人にLT大会に参加してもらえた事はせめてもの救いでした。役職者のうち午後も仕事を続けていた何人かは、各人の仕事が終わってから聞きにきてくれました。「みんなとても楽しそうにやってるのが良かった」という言葉が彼らの一人から貰えましたが、その一言が本当に嬉しかった。彼らはそれぞれ部署を持ち、何十人という部下を束ねています。その彼らが今回のLT大会からなんらかを感じ取ってくれれば、きっと良い影響が生まれるんじゃないかと期待しています。

後継者が現れた

 もう1つは、以前からLT大会や勉強会に参加してくれたメンバーから「自分も勉強会をやりたい」と言い出す人間が出てきた事。LT大会という節目を終えて、新たな目標として掲げたのだと思いますが、社内でオレが勉強会やらLTやらで何年も地道に活動してきてずっと待ち続けた結果が、やっと実を結んだ瞬間でした。数年前、オレが一人で始めた時を振り返ると、なんだか夢のようでさえあります。
 きっとオレがぶつかった様なさまざまな課題や苦悩が彼らに降り掛かるでしょうが、そこはオレの経験を、拙いながらも伝えていければと思います。これからは彼らが中心になって社内での活動を展開していってくれることでしょう。

Ustream中継を初体験

 今回の新しい試みがUstreamを利用したリアルタイム配信でした。正直視聴者の数は大したことないのですが、幸いにしてLT大会の様子をアーカイブに残せて、他の人に後から見てもらう仕組みも試す事ができました。あとは今回の経験からフィードバックを得て、次に活かせればと思っています。

 しかしUst配信、本当に簡単ですね!あんなに簡単にできるならいつでもどこでも生中継してしまいそうw。ニコ生配信にハマる(ニコ生は試してませんが)人が多いのも何となくうなずけます。




次回への展開

 失敗しっぱなしじゃ引き下がれません!まずはリベンジしないと!
 LT大会はできれば半年周期くらいで開催したいと考えています。次回は来年2月くらいに開催したいですね。今回の反省を生かして、他の役職者の協力を得たり、スピーカーにステークホルダーを呼んだり、社長に審査員として来て貰って賞品や打ち上げを援助して貰ったり(こないだの社員総会で軽くネゴった)、といった政治的な動きもフルに行っていきたいです。


 で、あと2回くらいやったら誰かに引き継ぎたいなぁ、と。いつまでも滝川ありきの活動というのもあまり宜しくありませんから。社員が自発的に定期的に社内アピールが出来る場を、彼ら自身の手で舞台まで用意するところまで含めて、今後で構築したいですね。ここまで出来たら、オレの今の会社での役割も終わりかなぁと思っています。