読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

鎮魂歌としてのアイマス10thライブ

雑記


 昨日は西武プリンスドームで開催された「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2015 Day 1」に参加して来ました。が、先に断っておきますが、ここにはその感想のようなものは殆ど書きません。そもそもオレは4時間超のライブの最中、ほとんど考え事をしていましたし、むしろその為にこのイベントに参加しにきたようなものだからです。


 かつて、オレは小さな部署を任されていて、そこには何故か社内でも一癖ある連中が集められる傾向にありました。アイマス好きなソイツもその1人でしたが、最初から変な奴だったか、というと、そうでもなかったんですよね、割と普通のおとなしめの男でした。が、ある日うつを患ってしまい、その療養のための長期休暇を経て戻ってきたらヒドイ純度の高いプロデューサーに変貌していました。その後彼に振り回される付き合う形で、コミケやライブに参加したり、秋葉原を巡ったりもしました。オレが毎週土曜に開催していた社内勉強会の後には、安いけど美味しい中華料理屋で終電まで散々馬鹿話をしたものです。


 その彼からつい先日、久々に連絡がありました。以前から同棲してた彼女と結婚することになった、と。


 彼は結婚を契機にプロデューサーを完全引退するそうです。元々、結婚相手である彼女と同棲してから、アニメを見ている彼の挙動や表情が気持ち悪いからと咎められ、少し前から全くアイマスをフォローできてない状態ではあったそうです。これに関しては、(少々気の毒ではあるけれど)全然弁明出来ないです、だってオレから見ても本当に気持ち悪いんだもの。

 それに、あれほど大好きで、むしろ狂気といって差し支えなかったレベルの愛を注いだアイマスを手放してでも、彼女との家庭を手に入れたいというのは、とても素敵な事だと思うんです。実際昨年末に会った彼は幸せそうで、今回送ってきた連絡にも「アイマスは他界したけどリアル嫁を大切にします!」と書いてあり、オレにはその短い文から彼がとても幸せであることが感じ取れました。





 今回、元々アイマスライブに両日参加する予定だった妹から、チケットが一枚だけ余りそう、と言う話を聞いたとき(譲ってくれたサワノさん、ありがとう!)、ふとその元部下の結婚報告を思い出したのです。


 他界したのだったら、葬式に参列しないとだよな。



 改めてイベントに参加すると、考え事をしにきたなどとは言っても、やはり受け取れるものは多かったです。オレは5th Anniversary ライブには参加した事があるので、5年前との比較で感じることが多かったですが。


 やはり、何と言ってもファン(プロデューサー)の数が圧倒的に増えていること。この5年間でアイマスは目覚ましい拡大を見せました5thライブの頃はPSPバージョンが発売されたばかりで、アイマス2の制作がこのライブで発表されました。その後アイマスはアニメ化し、モバゲーとGREEソーシャルゲームとして展開され、更にそのソーシャルゲームがアニメ化・映画化と、次々とより一般層に手が届く形となり、都度ファンを増やし続けました。
 オレの5年前の認識では「ニコ動というプラットフォームに恵まれてCGMの流れに乗れなかったならば、とっくの昔に終わっていたコンテンツ」でした。今や押しも押されもせぬビッグコンテンツ群です。5年前はキャパ数千人の箱を1公演埋めるのが精一杯だったものが、38,000人もの器を2Days満員御礼にして更にパブリックビューイングまで複数用意されるのだから、凄まじいの一言に尽きます。
 ライブ中にアイドルたちも言っていましたが「プロデューサーさん、ドームですよ、ドーム!」という台詞が、本当に実現されてしまったのだから、本当にすごい。名実共にトップアイドルコンテンツとなったと言えるのではないでしょうか。


 ステージに立つアイドルたちも、この5年で変容しました。
 個人的に印象深かったのは、浅倉杏美さんでした。彼女は5thライブ長谷優里奈さん(旧名:落合祐里香、現:友利花)さんから雪歩役を交代したことが発表され、このイベントで初お目見えでしたが、プレッシャーからか、登壇してすぐ泣き出してしまったのを記憶しています。それが今回の「10thライブ」では、堂々とメインとしてステージに立ち、立派に歌やMCをこなす、あまつさえ観客まで煽るようになった。
 それは5thライブで765 Proのメンバー入りした沼倉愛美さん、原由実さんにしても同様で、5年という月日で彼女らがどれだけ研鑽を重ねてきたかが窺い知れます。


 ライブ中でアイマスPlayStation4で新作を出すことが発表されました。10年ずっと新しい話題を提供し続け、更に裾野を拡大させているコンテンツというのは、他にあまり類がありません。まだまだアイマスは続いて行くのでしょうし、ファン(プロデューサー)たちもそれに着いていくのでしょう。





 一方で、前述のオレの元部下のように、様々な事情でアイマスという潮流から離れていくこともあります。オレはコンテンツとは消費されるもので、同じコンテンツにいつまでもしがみつくのはあまり健全ではないと思っています。(趣味の話なんて他人がどうこう言うものではありませんが) そう言う意味では、元部下については適切なタイミングと形でアイマスから卒業(彼流に言うと「他界」)出来たんじゃないでしょうか。
 でも、あれほど彼に溢れていた、アイマスに対する熱意と愛……いや、やはり「狂気」と表現した方が適切かもしれない……はどこに行ってしまったんだろう、と思わなくもないです。彼は「他界」と表現しましたが、あの狂気が亡霊となって独り彷徨う様をオレには想像できました。いわゆるリア充へと変貌した宿主から逃げ出し西武ドームにやってきて、誰にも知られずひっそりと満足して成仏してるのでしょうか、それとも誰かに伝播して狂気を振りまき続けるのでしょうか。


 ではオレ自身はどうか? オレ自身は5年前も今もさほどアイマスをフォローしている状態にはありませんでしたが、改めて考えてみると、プロデューサーだった彼からの影響は大きかったんだなぁ、と思い至りました。アイマスライブに限らず、コミケワンフェスに行ったのも彼がきっかけでしたし、オレはそこで写真を撮る楽しさを覚えました。その趣味は未だに続いていて、当時iPhoneで撮影したのが、この5年で一眼レフにグレードアップしており、今やオレはそれらのイベントに彼の誘い無しに自主的に参加しています。元々の趣味だったサッカー観戦でもカメラは欠かせないものになりました。
 彼の持っていた狂気は、形を変えてオレに取り憑いているのかもしれないですね、もしかしたら。


 でも、オレが元々持っていた狂気も確かにあるはずで(周囲から変人扱いされてるので、たぶん何かしらそういうものがあるはず)、今はたぶんそういう存在であると多くの人から認識を受けた上で、今をウロウロと徘徊しています。
 無事「他界」してリア充に戻れた元部下に対し、オレ自身はベクトルは多少変われど相変わらず狂気をはらんだまま彷徨っている。アイマスも元部下も前に進んでいる、オレはどうなんだろうか? 自分の立ち位置に不安を覚えなくもないです。





 元部下は、前述の結婚報告の連絡で「滝川さんには今も昔もお世話になりっぱなしで本当に感謝してます。」と言ってくれました。当人にはあまり世話した自覚はないのですが、嬉しい言葉です。


 オレが何かしたかなぁと思い返してみると、オレが何か世話したかというのはあまり思い至りませんでした。が、彼やオレや周囲の連中との様々な思い出が蘇ってきました。オレ達のチームは本当に面白かったよなぁ、はしみじみ思ったのです。
 土曜に集まって勉強会やプレゼン大会やったり、コミケやアキバや色んなところに一緒に遊びに行ったし、仕事の話もオタクな話も含めて本当に多くの馬鹿話を飲みながら話しました。仕事も遊びも真剣に本気で取り組めるヤツらばかりだったし、それでいてそれを面白がれる連中でした。
 オレ達のチームにいた連中は、今では半分くらいはあの会社に残っていません。だからもう比較する事なんでできないですし、老害の懐古主義なのかもしれないですけど、それでもオレは、過去でも未来でも、あの会社でオレ達のチームが一番面白い、と強く強く思うんです。どいつもこいつも個性が強過ぎてデコボコな連中だったけど、その個性がカッチリ噛み合って爆発的に面白さを作っていたのがオレ達のチームでした。


 オレは西武ドームに、元部下の中にあったプロデューサーという狂気の鎮魂というか除霊というか、ともかく一区切り付けるために行ってきたつもりでした。でももしかしたら、オレが本当に鎮魂したかったのは、今はもう無くなってしまったあのチームのことだったのかもしれません。もう同じチームは作れないのだから、いつまでも懐かしがってないで、次に進まなくちゃね。そして次に何をすべきかを改めて考え直してみよう。灯籠流しのようにさえ見える虹色のサイリウムの光を見ながら、そんなことを思いました。





 最後に。


 ヤマガタ、結婚おめでとう。今回のチケット代が案外高くて香典もご祝儀も出せないから、結婚式には呼ばんでいいぞw。ちゃんと成仏して、隣にいる彼女を幸せにしてあげて下さい。
 困った事があったら、迷惑だなんて思わないから(金の話以外なら)いつでもなんでも相談してくれ。なに、どーせオマエから昔こうむった迷惑に比べたら全然大したことないだろw。