はじめに
この週末はまるで季節が夏に巻き戻ったかのような暑さでしたね。街行く人を見れば、気候と関係なく季節に合わせてコートにマフラーなんて人もいれば、オレみたいにTシャツにサンダルみたいなラフな格好の輩もいて、いったい今は何の季節なのかよう分からんくなりますね。
というわけで、久々に飲み歩きをしてきました。場所は、ちょっと前にネットで話題になったのんべえの街「京成立石」。普段東京の西側を中心に生きているので山手線より東に来ることはめったになく、そもそも都営浅草線からして新鮮です。さてはて、今回はどんなオモシロが待っていることやら。
この飲み歩き、一応あってないようなルールが存在します。
- 1つの店でドリンクは一杯まで
- 必ず1店舗で1人1品は注文する
- 会計は1人1店舗1,000円以内に抑える
……今回このルールは全く機能しませんでした。
ちなみに、今回のお供も、毎度おなじみ前職の後輩の天城さんです。酒が飲めて、食べるのと飲むのが好きで、ノリが良いという、10歳近く年下ながらこういう時に重宝する友人です。既にこの飲み歩きも4回目ですが、皆勤賞は彼だけです。……ってなことを事前に知人に話したら「……いいかげん解放してやれよ、気の毒に。」などと、いかにもさっさと彼女作れよ的な遠い目をして言われました。
街の様子
立石の街はいわゆる駅前商店街です。さほど広くないエリアにいかにも下町な雰囲気で活気づいています。チャリンコで行き交う人が多く、ボーっと歩いていると後ろからベルを鳴らされるので油断なりません。でもまぁ全体的に牧歌的な品情味のある街並みです。
立石は葛飾区にあるんですが、どうやら「キャプテン翼」の聖地らしく、作品をモチーフにしたサッカークラブの事務所がありました。そういえば東京はJリーグチームがあるのは西側ばかりで、東側はあんまりイメージが無いですね。南葛SCは現在、社会人3部リーグのようですが、上手く地域をサッカーで盛り上げてくれればよいですね。まぁそれでもオレはFC東京を応援するけどな。
ゲーセンの廃墟(?)の前にあったサメの置物。口の中を覗き込むと汚水で満ち満ちていました。うっぷ。ロクなもん食ってねえなこいつ。
来月11月11日は「立ち飲みの日」なんだそうです。のんべいの街:立石でも、その日に合わせてイベントをやるんだそうです。チンドン屋はその宣伝の人たちでした。チンドン屋って久々に見たなぁ。
一軒目:居酒屋
さて、やっとこさ一軒目。まだ14時だというのに、既に半分近く席が埋まっているあたり、さすがのんべえの街。ハツ刺しにひかれて入っちゃいました。
お通しの塩昆布キャベツ、目当てのハツ刺しにレバー刺し・鳥刺しを加えた3点盛り、もつ煮を注文。スタートドリンクは当然生ビール。でもこういう店だと、ビールはちょっと肩肘張ってる気がしますね、酎ハイとかハイボールが似合うイメージ。なので二杯目は酎ハイ梅エキス入りにしました。……一店舗目からルールは破棄されました。
二軒目:立ち食い寿司屋(栄寿司)
安くて美味いと評判の立ち食い寿司屋。オレらが辿り着いた時にはオバちゃん4人組が並んでいました。あんなご年配の方でも並んで食いたいと思わせる店なのか……。これは期待大!
清潔であることが一目で分かるカウンター。板前さんが握った寿司は、皿や器ではなく、このカウンターの木の板に直接のせられていきます。
ドリンクは瓶ビール。なんとなく寿司屋には瓶のエビスビールが似合う気がする。
相方は盛り合わせを注文。10品を板前さんのチョイスで握ってくれます。マグロやイカをシンプルに握ったものから、煮イカや煮ホタテなど、ちょっと手の込んだものまでアラカルトに富んでいました。これで1000円は安い!
オレは単品で注文。コハダ、すじこ巻き、ウニ、赤身なんかを注文。コハダは待ち切れずに食べてしまい、写真撮るの忘れました、orz
食べて一番最初に思ったのは、とにかく酢飯がめちゃくちゃ美味い!やわらかい酸味と鼻にふわっと通る香り。もちろん寿司ネタも美味しいですが、この酢飯はこれだけでご飯茶碗3杯行けますわ。
〆に食べた鰻。穴子もあったんですが、寿司屋ではちょっと珍しいからと相方が頼んだのがスペシャルヒット!酢飯との相性も抜群で、めちゃくちゃ美味かったです。
もうここでいっそ腹いっぱい食べつくして終わろうか、とも一瞬思いましたが、主旨に反するので次、次行くよ!!
2.5軒目:肉屋のハムカツ
立ち食い寿司屋の前にあったお肉屋さんで売っていたハムカツをその場で立ち食い。何もつけなくてもサクサクで美味い!100円しないオヤツ価格なのも素晴らしい。夕日に照らされたハムカツが、なんと神々しいことか……。
三軒目:串揚げ(串揚100円ショップ)
商店街のすぐ脇、線路沿いにあった串揚げ屋さんを3軒目にチョイス。名前もダイレクトでいいですねぇ。
……前の店舗が服飾関連であることが、うっすら残った跡からなんとなく伺えます。
中に入ると意外に広い!オレ達が入った時には、その広い店の長いカウンターにお客さんがビッチリ立ち並んでいました。まだ17時だというのに、お前らちったあ働け。
その広い店をオッサン2人で切り盛りしており、ぶっきらぼうで強面のおっさんが注文をとってくれます。客だからってこびへつらわない、敬語を使ってほしけりゃキャバクラでも行け、そんな二の句を告げさせない雰囲気がありますが、いざ話してみると、ぶっきらぼうながらに話題につきあってくれます。会計を終えて店を出る時には「いってらっしゃい」と送り出してくれます。この店をスタートにみんな夜の街に繰り出すんでしょうね。
この店は串揚げ屋によくある細かいルールを守らねばならず、そのルールが詳細に書かれた紙がそこらに貼られていました。オレが覚えている限りだと、ソースの二度漬け禁止、飲んだジョッキ(グラス)や食べた後の串は会計まで、タバコの灰や吸い殻は床にそのまま落とす、なんてのがありました。もっといっぱいあったけど覚えきれない。
串揚げはどれも100円。昔関西で食べた串揚げに勝るとも劣らない、カラッとサクサクに揚げてあり、どんどん食べられます。24種類あり、全部食べても2400円。ドリンクも300円超えるものはビールしかなく、酎ハイだったらたったの250円。安いお金でどこまでも美味しく飲むことができます。個人的には常連さんが教えてくれた紅ショウガロールがお気に入りでした。
まだ食べたりないなぁ、もうちょっといようかな、などと後ろ髪ひかれながらも、オッサン達の「いってらっしゃい!」の声に背中を押されて次の店へ。
四軒目:鶏唐揚げ(鳥房)
さて、ここまで3店舗。今までの飲み歩きとは異なり、酒もそこそこにかなりのハイペースで食べ歩いてきました。さすがにお腹もそろそろ限界、ちょっと休憩がほしい。
そんな時にこの店に出会うわけです。長い行列ができていることから、人気店であることは疑いようもありません。店先販売も兼ねた厨房では油で揚がった鶏の良い香りがします。何より回転の悪い長い行列。ここでのんびり待って少しでも腹を減らして、人気店の料理と酒を堪能しようじゃないか!我ながらグッドアイディア!!
……そう思っていた時期が、オレにもありました。
こちらがお店の入り口。居酒屋なのに「酔った人お断り」とは、こはいかに?
一時間ほど並ぶと店の中に通されました。腹具合的にもうちょっと待っても良かったんだけどなぁ。
この店のメニューはこちら。居酒屋にしてはメニューが少なすぎる。
カウンターに座るとおばちゃんが矢継ぎ早に注文を聞いてきます。
「650円のと630円のとどっちがいい?20円だけ違うけど、大きさがちょっと違うだけで味は変わんないわよ。お兄ちゃんたち大きいから650円のにしなさいな。いっぱい食べなさい」
有無を言わさず勢いそのままにうなずいてしまい、オーダー決定。おばちゃんの話はまだ止まりません。
「出来上がるまで時間かかるから、他に何かつまんでて。何がいい、ポン酢刺しとか美味しいわよ。」
じゃ、じゃあそれで。
「お新香はいかが?これも食べときなさい、美味しいわよ」
お、おう、じゃあお新k……。
「はーい、じゃあ待っててね。」
最初に注文した瓶ビールとグラスを置くと、おばちゃんはさっさと自分の仕事に戻っていきました。あっけらかんとするオレと相方。この店は、店先で調理していた鶏の揚げたものがメインのはずなのに、ちっとも注文していない。どうしたものか……。
「あの……、滝川さん。もしかして……この店の唐揚げは、一人一皿ずつが決まりなんじゃないんですか?」
おそるおそる疑問を口にする相方。いやぁ、そんな、まさか。強制注文とかあり得ない。しかし十分に考えられる、最初に聞かれた650だの630だのは、もしかして鶏のことだったのでは?
自らの注文の内容に戦々恐々としていると、勢い注文してしまったサイドメニューが次々と到着します。
お通し。鳥皮を生姜醤油で煮たもの。これをご飯にかけて食いたい。
お新香と鳥刺しポン酢。鳥刺しは薬味がたんまり乗っているので、これを全部食べると汗が噴き出るほど辛いです。薬味を落としたくらいがオレの好み。
正直、今のお腹具合的にはこれで十分。次の店でのんびり酒だけ飲みたい気分です。
そうは問屋が卸さない、待ってましたキングの登場です。
案の定、一人強制一皿。しかも若鳥半羽分!スーパーで調理前の鶏肉で買ったってこんな量買えないぞ!? これをほぼ満腹状態のオレらが食べるのか?
……強烈過ぎる相手にまごまごしていると、おばちゃんが手早く食べ易いサイズに分割してくれました。口は悪いし愚痴はうるさいし仕事はしないし、ろくでもねえ店員だなこのおばちゃん達!とか思っていたんですが、客想いの世話焼きなのは間違いないようです。ここまでされては引き下がれない、覚悟を決めて食べるしかない!!
十数分後、オレも相方も見事食べきりました。マジで死ぬかと思った。
皮がパリッと揚がっていて美味しいです。量が多いのと油が多いので、食べるのに結構難儀するんですが、粉山椒で味を変えたりして食べると、結構大きなサイズなんですが、割とすいすい食べられると思います。……空腹だったらもっと美味しかったでしょうねぇ。これで650円というのはお買い得だと思います。
五軒目は……?
残念ながらここでギブアップ。飲み歩きツアー史上最速のK.O.でした。まだ19時だってのに。しかもアルコールじゃなく、腹いっぱいでダウンとは情けない。
とかいってたら、自宅に着いた頃iPhoneを見ると、相方がこんなツイートを……。
帰宅。なお空腹。
若いってすげえ。
総括
食い過ぎ注意!!!
いつもは3〜4人でそれぞれ小皿を頼んでシェアしあうようにし、色んなものをちょっとずつ食べることで量を抑えながら色々と食事を楽しむことができていたんですが、今回の飲み歩きでは、寿司や串揚げといった個々人で頼んで食べるものばかりをチョイスしてしまったので、ちょっとずつ色々沢山、という戦術を取ることができませんでした。挙句の果てにあんな馬鹿でかい鶏までパーソナルでとか!無茶にもほどがある!
この街は近いうちにぜひリベンジしたいです。復讐するは我にあり!立てよ国民!ジーク・ジオン!!
そういえば会計的にはどの店も素晴らしく優しかったです。たぶん4軒で5000円使ってないんじゃないかな。どの店も「こんな店が帰宅路にあればなぁ」としみじみ思うような素晴らしい店でした。飲み屋街は汚かったり門がまえに怖気づいたり、そもそも酔っぱらいばっかりだったりで、なかなか敷居が高いんですが、安くておいしい店がちょいちょいあるので、お金もそんなに使わずに楽しめて良いですね。また近日中に次の街に繰り出すので(当然今回お供の天城さんは強制参加)、一緒に行ってみたいという方、お気軽にお声掛けくださいませ。
さて、次はどの街に行こうかしら♪
オマケ
今回の飲み歩きの、その他の写真は以下からご覧ください。
以前の飲み歩きはこちら。
- 秋の気配に誘われたので吉祥寺ハモニカ横丁呑んだくれツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- 木枯らしに吹かれたので赤羽一番街呑んだくれツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible
- 新緑が色鮮やかだったので三軒茶屋飲み歩きツアーをやってきた。 - ミッションたぶんPossible