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ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

インタビューによる「自分半生記」のススメ

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はじめに

 週末にインタビューめいたことをやってきました。

 相手は社外勉強会つながりの知人。コンサルというかコーチというか、まぁそんなような仕事をされている方なんですが、「最近インプットはしてるんだけど、アウトプットをちゃんとできてない。一回整理してアウトプットしたい。」というようなことをSNSでつぶやいてるのを見かけて「面白そうだからケツひっぱたいて強引にアウトプットさせちゃえ!」とばかりにオレから声をかけ、時間確保してガッツリ根掘り葉掘り聞いて書き出して、アウトプットしてもらうための整理をしてもらおうと試みたわけです。

 ……「試みた」と表現したのは、つまり、終わらなかったんですよ、インタビューが。結果面白い話は聞けたし、インタビュイーの方にもかなり満足してもらえたので、それはそれで良かったのですが、本題までたどり着けなかったのは非常に残念でした。

 なぜ終わらなかったのか? それは、今回オレが行ったインタビューが、「その人が生まれた時から今日に至るまで、全て話を聞いていったから」です。今回はインタビュイーの方は4x歳で、まぁそれでも2時間くらいで最後まで行けるかな、と見積もっていたんですが、実際にはインタビュイーの方の話があまりに波瀾万丈すぎて一晩中話しても全然時間が足らなかったですね。まぁオレの見積精度が甘いのはいつものことなのでしょうがないか。

 とはいえ、一応好評だったんで、今回のインタビューでどんなことをやったのかを書き出してみたいと思います。


ルール

 今回行ったようなインタビューは、以下のようなルールに基づいて行いました。

  • その人の生まれた時から聞いていく
    • 出身地は?
    • 家族構成は?
    • ご両親の職業は?
    • 環境は都市か田舎か?
    • etc...
  • 人生の節目を意識して聞いていく
    • 小学校と中学校はセットで考えてOK
    • 高校くらいからその人の選択が見て取れるので、意識して聞いていく
      • 部活や趣味、その頃興味を持っていたものなども
  • 必ず他者がインタビュイーに質問する形式で聞く
    • 意外と自分のこと(≒分かっていること)は端折って喋りがち
  • インタビュイーが話したくないことは聞かない
  • 脱線上等!ユルいスタンスでインタビューに臨む
    • 脱線してもあまり無理に話を戻さない
    • その人の「ひととなり」が把握できることのほうが重要
  • 細かく聞き過ぎない
    • 時間がいくらあっても足らなくなる
    • 掘り下げたいポイントがあれば個別にインタビューを行う

なぜ「半生」をインタビューするのか

 このインタビュー方法は元々、オレが派遣常駐型のSIerで小さな部署を任されていた時に、自分の部下たちに対して行っていたものです。

 その会社では四半期〜半年に一度、自社に戻ってきて部下たちと面談することが各部署の上長に義務付けられていました。それが無くとも、必ず年に一度は人事評価を行う必要があります。
 ところが部下たちと顔をあわせるのはせいぜい月一回程度。これで「人となり」を把握するのはどだい無理ですし、人事評価を行うのも困難です。人事評価に関しては結局「営業から伝え聞いた現場の評判」に頼らざるを得ないのですが、元々大した情報が期待できないうえに伝聞の情報です。はっきり言ってお話にならない。さらに言えば、人事評価も含め、部下の育成責任も背負わなくてはならないのです。現状の能力評価も正しくできない、「人となり」も把握できてない。こんな状態で部署の上長としての責務を全うできますか?出来る奴がいたら、そいつは予言者かイタコです。IT業界なんかにいないで芸能界進出でも考えた方がよっぽど稼げます。

 というわけで、予言者でもイタコでもない凡庸たるオレが取った手段は、部下が自分の部署に就いた一番最初の面談で、それまでの人生含め様々なことを根掘り葉掘り聞いて、その部下の「人となり」をザックリとでも把握する、というものでした。それぞれ部下一人一人から半生に相当するものを聞き、その上で会社の方針や部署の方針、人事評価の方法、今後どういう方向に進みたいか、といった一般的な評価面談の内容を改めて話すようにしていました。

 これをやるとメッチャクチャ時間がかかります。一人あたりの面談時間が2時間なんてのはザラ、場合によっては3時間やってそれでも足らずに居酒屋に移動して延長戦突入、なんてのもありました。
 でもその甲斐もあって、オレの部署は(成果はともかくとして)当時社内で一番活気があって面白いチームでしたし、週末に勉強会なんかを頻繁にやっていたこともあってか、その取り組みが評価されて、リーマンショックで社内全員一律ボーナスカットなんて事態でも、オレのチームだけは全員ボーナスが出た、なんてこともありました。


 その辺の取り組みは以前発表したことがあるので、興味があれば以下のスライドをご覧いただければと思います。




 これは

  • チームが同じ場所で働いていない(多くて月一程度しか顔を合わさない)
  • 部下の人事評価と育成を行う義務がある

という特殊状況下で否応なく迫られて行ったことでした。
 しかし、今回異なるシチュエーション(他者の能力の棚卸の実施)でインタビューを行う場合にも、割と悪くない手法なんじゃないかと思い、今回は採用しました。


 以下は故:スティーブ・ジョブズ氏の有名なスピーチです。このスピーチで個人的に一番大事だと思っているのは、スクリーンショットを貼付した以下の部分です。

スティーブ・ジョブス スタンフォード大学卒業式辞 日本語字幕版


https://www.youtube.com/watch?v=XQB3H6I8t_4

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 この箇所については「物事はいつか何かしらつながっていくから、将来それが役に立つ・立たないに関わらず、今自分が興味のあることに全力を注ぐべきだ」「役立てるための点と点とをつなぐ努力は後でやれ」とオレは理解しています。過去に起こったこと、体験したこと、学んだことは、大なり小なり何かしら今の自分に影響しているはず。

 例えば、オレは漫画が好きですが、その遠因は

  • 叔母が漫画家だったこと
  • その影響で彼女の生家でもあるオレの実家には、彼女の残していった漫画があふれかえっていたこと
  • 母が元々漫画やアニメが好きで、子供たちからそれを隠したり遠ざけたりしなかったこと

 が考えられます。その結果として、

  1. 親がTVゲームにも理解があり、小中高と楽しくゲームで遊べる環境にあった
  2. ゲームクリエイターになりたくて専門学校に入る(大学に入るよりも近道に感じた)
  3. 元々進学校の出身だったこともあって、そうではない学生向きの授業……特にプログラミングで全く苦労しなかった
  4. 「これだったら独習で十分だな。それよりは教わらないとできないものを学校で教えてもらった方が良さそうだ」とゲーム科からCG科に転科
  5. CG科で教わったWeb・HTMLが面白くなり、そちら側に進路を変更
  6. アルバイトで入った光通信系のホームページ作成会社で、自分にデザインのセンスがまるで無いことを思い知る
  7. Webの知識があり、PhotoshopIllustratorも使えることから、Web系業務システムエンジニアに転身

 という道をオレはたどりました。一見すると無軌道な人生にも見えますが、源流に叔母と母の影響で漫画好きだったこと鑑みると、それなりに筋が通っているようにも見えます。


 このように、今の自分が、過去の何に影響されているかは、意外に今だけ見ていると分かりづらいです。また、分かり易く役立つものだけがつながりになっているとも限らないです。スティーブ・ジョブズの言う「後から振り返って点を点を繋ぐ」のには、洗いざらい過去を漁ってみて、全部平らにして並べてみた方が、より効果的だとオレは思います。



 時間がかかる作業ですし、協力者(インタビュアー)も必要です。やれば必ず成果が出ることは約束出来ませんが、少なくともオレに関してはこれまではそれなりに手ごたえを得ることができていました。仕事や進路で悩んだ時、自分の棚卸が必要になった際には、ぜひ一度試してみて頂ければと思います。



余談

 今回インタビューを行うにあたり利用した店はこちらでした。カウンターメインの店で店員さんが頻繁に話しかけてきてくれるので、一人でも行きやすいんじゃないかと。「アキバで女の子がサービスする店」というイメージを良い意味で裏切られ、料理もお酒も大変美味しかったです。また、我々のインタビューの内容にイイカンジでツッコミをくれたのも面白かったですね。話に夢中になってて肝心の寿司を食い忘れたので、またいづれリベンジしたいです。

www.nadeshico-sushi.com