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どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

1on1なんて必要ない

 この記事は「1on1 Advent Calendar 2019 - Adventar」の15日目です。


 やや煽り気味のタイトルですが、オレ自身の率直な気持ちでもあります。なおこの記事で言及しているのは事業会社で上司と部下が基本的に同じオフィスに働いているケースになります。あと、1on1を人事評価に用いている組織や人に対するメッセージでもあります。


 かつてオレも部下を持っていた時に1on1めいたことをやっていたことがあります。それはまだ1on1なんて言葉が出るずっと前です。それはオレが「上司として部下の人生に責任を持って関わるために必要不可欠なこと」だったからです。



 上司は部下の人事評価を行う立場にあります。部下たちの給料を左右する立場にあり、それ即ち「部下たちの人生を左右する立場」にあることに他なりません。オレは部下を持っていた当時、一回の四半期面談にそれぞれ2時間以上かけていたことがありました。オレたちはSIerとは名ばかりの実質派遣業の会社に所属し、そのどれもが激務でした。オレも部下も自社にいるのは年間業務時間の1/100にも満たない時間でした。当然普段会話する機会もなく、「当たり前のコミュニケーション」を取ることが非常に難しい状態でした。

 だからこそ、たまの機会にはしっかりとコミュニケーションを取ることを心がけました。そのあり方が正しいかはさておき、普段の日常的な会話があれば自然と洩れ出るような家庭事情や趣味の会話であっても、あえて面談の場で持ち出して聞きました。(もちろん言いたく無いことは言わなくて良いと言う前提の上で、です) そうでもしなければ、オレ自身が部下の人事評価をするだけの情報を持つことができなかったのです。当たり前ですが、この時の部下の負担は相当なものですが、上司であるオレの負担も相当なものです。その負担を負うてでも、オレにはそれだけのことを行う義務がありました。なぜなら前述の通り、オレは「部下たちの人生を左右する立場」にあったからです。

 オレも最初からそのような考えに至ったわけではありません。最初部門長を任された時、オレは人事評価は、部下の欠点を指摘し、たしなめ、修正を促すことだと誤解していたことがあります。それはすぐに当時の上司だった@twissyorgにたしなめられました。上司の仕事は部下を伸ばすことであって部下を蹴落とすことでは無いと。お前のやってることはもしかしたら正しいかもしれないが、それは本当に部下にとって、部下の人生にとって有益なのか、と。


 誰かの人事評価を行う身分になるということ、部門長になることは、即ち「部下たちの人生を背負う立場」に立つと言うことです。であるならば、業務の時間全ての時間が全て彼らを導き、育み、声に耳を側立てて、彼らの生活と給料をちょっとでもよくするために尽力すべきです。同時に、誤った方針を立て濁った方向へ導こうとする上司や経営者がいれば自らの誇りと生命をかけて戦うべきです。その度胸も覚悟もない輩が人の上に立とうなどとは、あまりにも覚悟が足りなすぎる!!自らがそれを実行できないお為ごかしのために1on1などと、たかだか1週間のうちの15分程度を活用して溜飲を下げている程度の意識の低い連中がのうのうと「うちは1on1やってます。ウェーイ!!」などとのさばっていることがオレは許せない!!!


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https://twitter.com/danzaimon/status/1182229553978040320


 さて、無駄にエキサイトしてみせましたが、上記は大げさにしても、1on1を人事評価に活用しようなどと言う姿勢はあまりに間違っている、と言うのがオレの意見です。ましてや1on1を気軽に行える環境にあるのであれば尚更です。極論を言えば、「業務時間中は全て1on1 x nであるべき」です。コミュニケーションに不足があれば会議予約などなくても気軽に会話を持ちかけ、気軽に応じてもらえる関係を構築し、毎日のようにたわいもない会話の中で必要なことも必要でないことも伝わる状況であるべきです。


 たまに「仕事が忙しくて会話をしている暇がない。だから1on1と言う制度を用いて時間をブロックしてもらって会話をしている。」と言う話も聞きます。こういう輩は人の上に立つ資格はありません。今すぐ腹をかっさばいて死ぬべきです。毎日同じオフィスにいるのにたった1分の時間を作れないのはそいつが無能だからです。そんな間抜けのくだらない意見に周囲がひきづられる必要はありません。本当に上司が部下を思っているならば、部下の人生を背負う覚悟があるならば、自然に部下との会話が必要だと感じ、行動として滲み出るはずだからです。すでに行動に移していないのは、考えてないのと同じです。考えているならば、とっくに行動に移しているはずだからです。人の生活と命を握っているのだから当然です。


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(https://twitter.com/jojo78534/status/591508132477579264)




 精神論に満ちた、我ながら随分と過激な意見を展開しました。が、形式やフレームワークばっかり導入して上手くいかないケースをオレはこれまで散々見てきたんですよね。時にはそういう輩が自分の上司で、うんざりしてその時所属していた会社を辞めた原因になったことさえあります。フリーランスになって客観的に組織を見るようになって、それは顕著になりました。
 なんでこんな誰から見ても明らかなことをちゃんとやらないんだろう? いつもそう思っていましたが、足らないのはもしかしたら「覚悟」かなって思ったのは最近です。人の上に立つ覚悟を。誰かの生活を、命を背負う覚悟を。オレはこの話をかつての同僚にすると「タッキーは古臭いね」と揶揄されましたが、むしろ大事なことを見失って前に進んだ気になってる勘違い野郎はオマエらじゃないかと言いたい。大事なものを手放したくないと思うことの、何が悪いんだ、と。

 「1on1」に関する文献を読むと、人事評価だけに用いるものではない、と目にします。ここで人事評価に寄ったのはきっと直近で参画してたメディア系の会社が人事評価のために1on1を導入してるっぽくて、そのくせ全然その辺がイケてなかったからだと思うんですが、とりあえずその辺だけでも言及しとければなぁと思って書いてみました。人事評価全般については、流石に長くなりすぎて面倒いので、またどこか居酒屋ででも話しましょう。


 1on1に必要性を感じている人は、本当は何を欲しているんでしょうね? それがそいつの責任逃れでないことを願ってやみません。




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