全世界的アイドルのライブに行ったら勇者に出会った

　昨晩は横浜アリーナで開催された「magicalmirai.com」に参加してきました。

　ちょうど6年前の8/31、VOCALOID2エンジンを搭載したDTMソフト「初音ミク」は発売されました。つまりこのライブは、初音ミクの16+6歳の誕生日を祝うという意味も含んだイベントでもあります。この6年の間に初音ミクとVOCALOIDキャラクターは世界中に認知されるようになり、毎日何十曲と新曲が生まれ、ヴァーチャルアイドルながら何度もライブが開催されています。もはや初音ミクは世界でも最も有名なアイドルと言っても過言ではないでしょう。

　これまでの初音ミクライブは、比較的箱が小さいこともあって、ヤフオクで10万を超える値段で取引されるようなプラチナチケットだったんですが、今回は横浜アリーナ(15,000人収容)での開催ということもあって、オレも念願のチケットを入手することができました。

　・・・まぁ、ライブの感想はそこら中で書かれているでしょうから、とりあえず置いておいて。ここではちょっとライブのこぼれ話を。

　今回オレは15時過ぎまで仕事をしてから会場に向かったのですが(忙し過ぎてマジで抜けられないかと思った…)、現地で金を下ろそうとしたらカードの磁気データ異常とかで金が全くおろせず…。さすがに手持ちが厳しかったので、先に現地入りしていた元同僚に借りようと合流しました。元同僚はライブ前にテンションを上げようと彼の友人と駅前のビアバーで景気付けをしている真っ最中。

　その友人が凄かった。

曰く、以前のミクライブではチケットを取れず、ヤフオクで十数万出して参戦した
曰く、部屋には20体を超えるミクのフィギュアがある
曰く、弁護士を目指していたが、ミクと出会ったことによって~~人生を棒に振った~~ミクに添い遂げるため別の職業を選んだ
曰く、旅行先では必ずミクさんと記念写真を取る(PSVitaソフト初音ミク -Project DIVA- f搭載のAR機能を利用)
曰く、今回のマジカルミライ2013 昼の部(U-18優先、18歳以下もしくはその同伴者のみ入場可)に参加する為に、名古屋から親戚の子をわざわざ呼び寄せる、当然のようにその子達のチケット代と交通費を全て負担
曰く、サイリウムは20本以上を持参、サイリウムを買い忘れたと嘆く赤の他人に「使って下さい」と颯爽と無償提供する
曰く、「実在のアイドルなんか糞ですよ、嘘吐くし不貞を働くし。ミクさんの方が全然素晴らしいですよ、たかだか触れられないだけじゃないですか！」

　元々彼は、元同僚に無理矢理押し付けられたライブBlu-rayがきっかけで初音ミクにハマったそうです。なので元同僚が師匠にあたるそうですが、今や師匠を遥か後方に置き去りにするほどの初音ミク愛を周囲に振りまいているそうです。

　上でオレは初音ミクの事を「世界で最も有名なアイドル」と表現しましたが、これを言うと大抵の人はドン引きするか苦笑するかのどちらかなんです。しかし、彼は「そんな分かり切ったことわざわざ言わないで下さいよ」とばかりに真顔でそれに頷き返してきました。こういう人は初めてだったなぁ。本物のミク廃に初めて会いましたが、覚悟と行動が明らかにそれまでに出会った誰とも合致しませんでした。普通ヲタクというのは忌避されたり気持ち悪がられたりしがちですが、ここまで堂々とミクに対する愛を体現されると、尊敬せざるを得ません。まさに勇者。

　オレも以前から初音ミクとVOCALOIDが好きで、VOCALOIDを中心としたムーブメントを6年間ずっとウォッチしてきましたが、周囲に同じように初音ミクが好きな人というのが周囲にいなかったので、そういえば初音ミクについて他人と本気で話したのはこれが初めてでした。初音ミクのライブ自体もそうだけど、彼と会えたことはオレにとって得難い貴重な経験でした。また彼とは近いうちに酒を飲みたいなぁ(もちろん元同僚も一緒に)。

　全くライブの感想が無いのもどうかと思うので、ちょっとだけ。

　オレも今まで成り行きで色んなアイドル系のライブを観てきましたが、今回のライブはこれまでの他のライブと比べて圧倒的に良かったです。掛け値無しに良かった。「Hello, Worker」と「ODDS&END」が流れた時には感動して不覚にも泣いてしまうくらい。
　意外に透過スクリーンに映し出されている、というのは気にならなかったですね。通常の実在するアイドルのライブ同様には存在感が感じられました。さすがヴァーチャルアイドル、仕掛けも様々用意されており、パフォーマンスも素晴らしかったです。生身のアイドルがあれに追いつくのは、あと10年くらい無理なんじゃないかな。