ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

#devlove1210 HangerFlightに行ってきました。



 12/10(土)はオラクル青山センターで開催された「DevLOVE HangarFlight - Snow Barrage -」に参加してきました。

オープニング


 DevLove船長こと @papanda さんの開会挨拶兼本日のイベント主旨説明。DevLoveの歴史と今日開催される各セッションの説明がありました。実はちょっと遅れての入場だったんですが、どうも開始時刻が若干遅れたようで聞き逃さずに済みました。ラッキー♪


 オープニングトークが終わると、参加者は4部屋に分かれ、4コマある時間を好きなセッションを選択・聴講する形に移ります。以下、オレが聴講したセッションについて書いていきますが、おそらく後日DevLoveスタッフの方から動画が公開されるんじゃないかと思いますので、ここではオレ個人の感想のみを記していきます。


第1波「泥臭い運用からプログラマブルインフラ構築(に行きたい)」


 サイバーエージェント社でサービスエンジニア、つまりインフラエンジニアとして従事していらっしゃる@kuwa_twさんのセッション。今は「ピグライフ」というサービスを主に担当されているそうです。
 100台以上のサーバを構築・管理するインフラエンジニアとして、如何に省力化するか、プログラマブルにサーバを自動管理していくかのテクニックをご紹介頂きました。

 最初「サービスエンジニア」という名前から営業寄りの内容なのかなぁと思ってセッションを選んだのですが、真逆の一番システムの億側の話でビックリw。個人的にはサーバ環境構築とかは、やるにはやるんですがどうにも苦手意識があるので、難無くこなせる人はそれだけで尊敬します。
 ピグライフの場合、Node.jsやMongoDBの様なわりかし新しい技術も導入しており、エンジニアとして攻め気な姿勢も見受けられますが、ここはサービスエンジニア=サービスを提供する立場として、当然売上も気にしなくちゃ行けない、「安定運用」と「エンジニアとして様々な挑戦」のバランスが大事だという事を強調されていました。


 具体的に「tomahawk」や「chef」など沢山のサーバを一括管理する為の手法やツールなどもご紹介頂きました。個人的にはツールや手法も大変参考になったのですが、なにより「100台からの大量のサーバをどうやって管理するか」「サービスエンジニアとして気に留めなくてはいけないこと」といったそもそもの心構えや経験則の話が興味深かったです。
 我々SIerの場合、ユーザーが一企業のみであることが多いので、たとえ大企業であってもそこまでサーバ構成が大規模になることは殆どありません。オレが以前関わったECサイトでも最大16台でした。16台くらいなら正直力技で行けちゃいますし、それでさえ不要と判断すればドンドン減らしていったくらいですから、100台が正常に動いているか常時チェックする、サーバ自体が壊れることがある、ということが未経験の領域です。その辺りを生の声で、フランクに聞けたことは大変参考になりました。


 最後に「アプリエンジニア(=Dev)」は「インフラエンジニア(=Ops)」と協業していけるか、と言う問いかけに対し、「プログラマブルにインフラを管理していく事でDevでもサーバ管理は出来る」「アプリを開発する上でより良い提案がOpsからもできるはず」「DevもOpsを見て、OpsもDevを見るべき」という意見で締めくくられました。





第2波「受託プログラマの進路 〜アジャイルセールスと"手塚モデル"〜」



 @kawasima さんのセッション。プレゼンタイトルから「手塚ゾーン」を想起して「油断せずに行こう」的な無敵領域を展開する超理論を10%くらい期待してたんですが、まあそんな訳がなく、「受託案件においてプログラマから提案を行っていく形」についてお話頂きました。ちなみに「手塚モデル」の「手塚」は「手塚国光」ではなく「手塚治虫」でした。でもプレゼンの内容はテニプリでもアトムでもなく稲中卓球部でした。


 大まかな主旨としては以下の2点に集約されると思います。

  • PowerPointで提案資料を作ることを止め、プロトタイプを開発して実際に動くものを見せながら提案しよう
  • 漫画家の師弟制度をモデルにしてチームを構成し、技術を伝承していこう

 オレも実はプロジェクト運営を行っていくにあたり似た様な事は考えていたんですが、それを凄く具体化して提示して貰ったなぁ、というのが率直な感想でした。オレの場合、プログラマ視点とかではなく、どちらかというと後輩教育とかそっちの方が重点だったんですが、なるほどより多くの点まで考慮された素晴らしい仕組みだと思います。
 「打合せや会議で喋る台詞まで決めた上でリズム良く行っていく」なんてのはさすがに思いつきもしませんでしたが、あれだけの分量の事前準備を行いつつ案件をこなしていくのは相当大変だったんじゃないでしょうか。今後のオレのプロジェクト運営で大きく参考にさせてもらいたいと思います。



休憩時間

 ちょっと長めの休憩時間、とのことでしたが、どうもDevLoveという集団は休憩させる気はないみたいですね。



 渾身会でやる予定の「アジャイル○×クイズ」の問題を募集している様子です。如何にも「アジャイルって○○○なんじゃないの?」と言われちゃいそうなアジャイルに対する一般的な認識に関する問題から「ジェフ・サザーランドは潜水艦に乗った事があるか?」みたいな何そのマニア向け出題!?というようにピンからキリまで揃ってました。ちなみに、後から分かった事ですがこの○×クイズ、実際にはクイズじゃなくて弁論バトルみたいになってました。言い負かしたモン勝ちみたいな。酒も入ってたからみんな大盛り上がりしてましたねぇ、…オレは一問目で早速脱落して隅っこで飯食ってましたw。



 こちらは直前に取ったアンケート・・・アジャイルサムライに登場する「荒ぶる四天王」時間、金、スコープ、品質のうち、どれが一番手強いか・・・の結果を貼り出したもの。みんな物凄くしっかり回答していて読み応え十分、コレ読んでるだけで休憩時間終わっちゃいました。
 全部読み切れなかったから後からどこかで公開してくれると有難いんですけど、量が量だけに難しいかなぁ。



 DevLove名物メイド長こと@amameciさん。専用の靴を忘れたと嘆いていました。スカートひらひらさせて回ってる姿に全力で吹いたwww。


第3波「Barrage of mobile apps 〜スマフォアプリ開発の現場〜」


 いつもはDevLove裏方スタッフの@jun116さん、この日は表舞台デビューだったそうです。ちょうど一年くらい前に同じオフィスで働いていたこともあり非常に仲良くさせて貰っていたので迷わずこのセッションを選択。もちろんそれ以外にも、現在携わっているスマートデバイス案件のヒントになるものを何か貰えないかというのも期待していました。…なんか直前までデスマってたみたいでプレゼン資料作るのにかなりシンドイ思いをされたようです。


 セッションの主旨はAndroidで写真ビューワーを開発する際の苦労した点について。元々サンプルアプリはGoogleから公開されていたものの、実際に顧客要望も踏まえて作ってみるとなかなか思う様な性能が出ない、メモリ不足でアプリ自体が落ちるといった事態が多発する中、どうやって対処していったかが細かく説明されました。


 個人的に興味深かったのは、顧客との週次会議で「必ずその時の最新のアプリを持っていてレビューしたこと」でした。これによって顧客が現状を正確に把握でき、一緒にアイディア出しを行ったりスコープの調整などで開発側に対し協力的な姿勢でいてくれたそうです。お客さんを味方につける関係作りの上で、非常に重要だよなぁと感じました。一方で直前であっても必要であると判断すれば顧客要件を新たに追加することも行ったそうです。顧客との密な関係が出来たからこそ、間に合う、もっと良いものが作れる、と判断出来れば多少労力が増えてもそこに踏み切れるんでしょうね。



第4波 「実践DDDQuickReplay」


 @haradakiro さんによるドメイン駆動設計(DDD)の実演。プレゼン資料は用いず、目の前の壁に何枚も模造紙を貼り、それに直接マジックでモデルを描いていく、という、プログラムでいうライブコーディングの設計版みたいなセッションになりました。「A社からB社に品を納める際の業務を実際に設計していく、というのが主旨。


 結果的にオレにとってこのセッションが一番印象に残りました。・・・恥ずかし気も無く正直に言えば、内容が全く分からなかったんです。

 大前提として業務管理なり生産管理なりの業務の基本的な業務知識、もしくは簿記の知識といった、このセッションに参加する為に最低限知っておかなくちゃいけない知識がオレに不足していました。「DDDは業務設計が簡単になる手法だ」というようなことを漠然と感じていただけで、このセッションを聞けばなんとなくアウトラインくらいは掴めるだろう、などと非常に甘い事を考えていたのがそもそもの間違えでした。周りの人にも何人か同じ様な人がいたようで、「そもそもついていけていないのですが…」と前置きしながら質問する方が何名もいらっしゃいましたが、オレはその「何を質問して良いか」さえ分かりませんでした。せっかく貴重なお話をして頂いたのに、自身の準備をあまりにおろそかにしてしまったことに、大変申し訳なく思っています。


 ドメイン駆動設計については、なんらかの形で自習した上で、もしこういう機会があれば再度拝聴させて頂きたいと思います。今回は自分の不勉強さと考えの甘さを痛感しました。


ふりかえり



 4つに区切られた部屋を大きくひとつにつなげて、参加者全員でHangarFlightを振り返るディスカッション。6人程度でグループを作り、その中で与えられたお題で意見を出し合いました。

  1. HungerFlightで何が変わったか?
  2. 今日のセッションで一番何が印象に残ったか?
  3. セッションがきっかけで何が変わったか、どんな行動につながったか?
  4. 今日がきっかけで何を変えるか?
  5. 変化出来ない、変化の妨げとなるものは何か?


 我々のグループは入り口の近くということもあり、やや多めの8人でのディスカッションとなりました。学生さん、フリーランスの人、なんと広島から参加されていた人、勉強会に今年だけで70回くらい参加している人、などなど多彩なメンバーとなり、さまざまな意見が聞けて面白かったです。


 オレ個人が出した意見としては、やはり第4波のDDD Quick Replayの後悔が果てしなく残ったので、それに関する内容が多くなっちゃいました。勉強会とか社内での動きは最近になってやっと上手く回り始めたところもあるので、その辺に関する言及は少なかったです。


渾身会

 DevLoveに来たら飲みに行かないとね。今回の食事はすべてオラクル青山センターの下にあるファミリーマートから調達された(しかもファミマの方が運んで下さってた!)とのことで、ビアバッシュ形式にも関わらず沢山の食事が並んでいました。最後、大量に余ったのでお土産いっぱい貰いましたw。


 ふりかえりの時に偶然一緒のグループだった方が、実はオレの10年来の飲み友達と同僚の方で、しかもその人が連れてきた後輩の方がいつもうちの会社のフットサルに来てくれている人だった、というサプライズがありました。…あの友人を相手に仕事するとなると、お二人とも相当苦労されてるんでしょうね。南無…。




 他にもWebやTwitterでしか見かけない有名人にも色々会えて、非常に楽しい時間が過ごせました。

おまけ



 裏方スタッフの人についていけば二次会行けるんじゃないかと思ってウダウダ会場に残っていたら、最後にオラクルの最上階にご案内頂きました。百万ドル(?)の夜景が目の前に!!

 この直前に片付けの終わった会場で野良LTが突然行われたんですが、その様子は動画に収めてあるので近いうちにYouTubeにでも上げたいと思います。・・・今のままだとオレの声が入っちゃってウザさMAXなんですよねぇ、なんとか編集しないと。


総評

 実はいろいろ立て込む時期なので、それも考慮して元々あんまり参加するつもりが無かったイベントでした。それを、直前で行ってきたアジャイルサムライ DevLove道場でDevLoveスタッフの熱意に圧される形で飛び込みエントリーしたんですが、よもやこんな大イベントだったとは!個人的にはSeasarカンファレンス以来の大規模イベントへの参加になりました。これを一コミュニティが開催出来るって凄い!!参加して本当に良かったと思っています。


 セッションひとつひとつを挙げてみれば、共感出来たもの、参考になったもの、すぐに現場で生かせるもの、全く歯が立たなかったもの、様々な話が聞けたと思います。今回得たものは必ず自分の身になるよう研鑽したいと思います。話聞いて満足してるだけだと意味無いし。


 惜しむべきは、この話を聞けたのはオレの会社ではオレだけだったという事。直前で社内Yammerで一緒に行こうと呼び掛けもしたんですが、誰1人として応じて貰う事は出来ませんでした。来れば良い、聞けば良い、ってもんじゃないけど、来て聞いてみないと始まんないことだってある。その0→1にするためにオレが社内でやんなくちゃいけないことは、まだあるのかもしれません。…まぁいっそ諦めるのもテではあるんですが、もうちょっとだけやれることはやってみようと思います。