ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

ロジカルシンキングのことを「ロジシン」と呼ぶ営業マンがいた

 ものすっごいロクでもない話なんですが。


 今週火曜だったかな、定時ダッシュして山手線で内輪で開催・運営している社外勉強会に向かっている最中のことです。ちょうど時間は帰宅ラッシュ、社内はかなり混雑しており、オレも吊革で体を支えながらiPhoneでポチポチとソシャゲなんぞをこなしていたんですが、ふと目黒あたりから混雑した車中でも良く通る男性同士の会話が聞こえてきました。ふと声の方に目をやると、いかにも営業マンな男性2人組が、おそらく仕事に関する内容なのでしょう、一方がもう一方に仕事の進め方についてレクチャーしているように見受けられます。その様子はずいぶんと熱を帯びており、周りの混雑もはばからず一生懸命に話していました。


 そんな様子を特に気にも留めず耳にしながら再びiPhoneに目を落としていたのですが、ふとレクチャーする側の営業マンの口から、とても気になる言葉が飛び出してきました。



「だからさ、ロジカルシンキングってのはあの売上表に数字を入れていくためのツールなんだよ!」








 ……………………はぁ?


 一瞬我が耳を疑いました。まさかそんな馬鹿な。でもそれは聞き間違いではありませんでした。その後もレクチャー側の営業マンは同様の内容を繰り返します。聞く側の営業マンも特に訂正もせずにウンウンと熱心に耳を傾けています。挙句の果てには「つまりロジシンをさ!」などと「ロジカルシンキング」という用語を略し始める始末。「ロジシン」なんて略語、聞いたこともねーよオレは!


 やがてオレは品川で電車を降りたので、それ以上その会話を聞くことはありませんんでしたが、精神衛生上それで本当によかったと思っています。




 わざわざ後述するまでもありませんが、「ロジカルシンキング」は「ツール」ではありませんし、ましてや営業上の数字を入れるものでもありません。彼らが使っていた「ロジカルシンキング」という言葉は、明らかに意味が間違っています。Web辞書で調べてみると、以下のように解説されていました。

論理的な考え方と、その技法。

 ― goo国語辞書

ロジカルシンキング(logical thinking)とは、一貫していて筋が通っている考え方、あるいは説明の仕方のことである。

 ― Wikipedia

論理的思考法。物事整理して考え、論理的に筋道立てて、他の人に分かり易く説明する手法。また、その能力のこと。
「スピーディーにスムーズに相手に分かりやすく物事を伝える」こと。コミュニケーション能力を推し量る指標の一つ。

 ― はてなキーワード


 これはあくまで想像に過ぎない(しかも彼らに対してかなり好意的かつ同情的な)んですが、おそらくは彼らの会社もしくは部署で、とあるツールに対し、なぜか「ロジカルシンキング」などという名前をつけてしまったのでしょうね。これが事実であったなら、その命名者のセンスと語彙力は壮絶に残念なものであることは言うまでもありません。かつ、彼らが不勉強で「ロジカルシンキング」という一般ビジネスパーソンにとって割と当たり前(少なくともちょっとWebで調べれば意味が分かる)用語を知らない・他で聞いたことが無いならば、まぁこういったことがあるのかもな、と思いました。思いましたが、彼らが自信満々声高らかにラッシュアワーの山手線で喋った内容が、実は周囲が眉をひそめるようなものであったこと、彼らがビシッと決めたスーツも髪型も胸元のバッヂもすべて台無しにするものであったことは、きっとソッとしておいてあげるべきなんでしょうな。


 さっき上記の記事を読んで、そんなことを思い出しました。ロクに意味も分かってないで横文字使ってる人、非常に多いんでしょうね。オレもこれを他山之石とせず、今後の自戒としたいと思います。だって、あんな格好悪い目に遭うの、オレ絶対にヤだもの!