ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

「農」とか「食」とかを勘違いしている9割以上の糞野郎共(日本人)が読んだ方が良い漫画


 もう上京してだいぶ経ちますが、オレの実家は、農協に出荷とかはしてなかったけど、田んぼで米作ったり芋だのタマネギだのキウイフルーツだのは全部自給自足出来る程度の農家ではありました。みょうがや大葉なんか勝手に生えるから買ったこと無いし、梨や林檎、桃も近所から傷物がタダで貰える(義理でわざわざ買ったりはした)し。お土産買うの忘れて職場にとうもろこし持ってってふかしたら「こんな美味しいの食べたことない!」って感激されたことありました。


 東京に何年住もうが根っこが変わるはずが無く、未だにオレのベースはそっちな訳です。そう言う人間からするとやっぱり東京の人間とその生活は未だに異常に感じます。安全を求めたがるくせに農薬いっぱいの綺麗な見てくれの良い野菜を食べたがるし、噂やデマだけで買い控えたりするし、かと思えば不味いと分かってる熟れても無い野菜にも結構高い金払うし。ちょっと考えりゃ嘘だって分かるはずなのに原発が安全だって信じたり、危なくなったら自分の「土地を選んだ責任」は無視して政府や東電を無責任に批判するし。意味が分からん。


 


 上記は「鋼の錬金術師」で有名な荒川弘さん(なんと女性らしいですね)の作品です。
 前者の「百姓貴族」は自身が北海道の農家の出身だった経験を面白おかしく掲載したエッセイ漫画。お父さんの武勇伝とかサイコーに笑えますw。
 後者の「銀の匙」はハガレン以後に週刊少年サンデーで新連載している「一般の男の子が農業高校に入学したら?」を綴った物語で、まだまだ序盤ですけど色々と人間模様の複雑さを見せながら展開しているところを見ると、青春群像ものっぽくなっていくんでしょうか?個人的には大好きなジャンルです。

 


 こちらは言わずと知れた超有名作品。農大を舞台にもやし屋の次男坊が「発酵」というキーワードを中心に物語が展開して行きます。やっぱりこちらも青春群像もので、かつお酒が頻繁に出てくるので酒飲みが読んでも面白い漫画です。そういえばこの作品に出てきて大人気になった日本酒「龍神丸」は昨年杜氏が亡くなられて、もう二度と出荷されないそうですね。オレも以前なんとか必死に手に入れて飲んだことがありましたが、本当に美味しい飲み易いお酒だったので、あれが飲めないと思うと非常に残念です。


 うちは自分の家で食う分しか作ってない、兼業農家とさえ言えないレベルだったけど、それでも田植えから稲刈りまで一通りこなしているし、畑や山に入って野良作業を手伝うこともしていました。ちょっと話がずれるけど自分の家の前に飾る門松だって自分で作るしね。正直それは子供心には決して面白い作業ではなかったけれども、今考えると貴重な経験だったし、あれがあったから飯のうまさが他の連中より実感出来ると言う自負があります。


 よく大雨や台風の時にお年寄りが田んぼを見に行って亡くなった、という話を聞くと思います。都会の人は「なんでそんな大雨の時に田んぼ見に行くんだよ馬鹿じゃねーのwww。」って言う(Twitter2chでも良く見かける)んですけど、オレらからしたらちっとも馬鹿じゃない、当然のことです。「田んぼを見に行く」の意味も分からない奴が、てめえの身の安全しか考えてない奴が偉そうなこと言うな!と言いたい。



 別に全員に鍬持って畑たがやせ、とは言わないけど、せめてみんなが食べるものを作るってどういうことなのか、命を紡ぐってどういうことなのかは知って欲しいです。ここで紹介させて貰った漫画には、少なからずそれが感じられる要素があると思います。良かったら読んで、それからご飯を食べて下さい。



 全然関係無いけど、以前オレが冗談っぽく「ジイサンの土地があるし、いざとなったら農業でもやるかw?」とお袋に言ったら「お前はセンスが無いから無理だ。農業はセンスだ。」と鼻であしらわれたことがあります。今ならちょっとだけ分かる気がします。