ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

第二回Flex勉強会修了

以前にも書いたように今年の3月から社内でAdobe Flex3の勉強会を開催していましたが、それが10/10に全日程を終了しました。今回も前回同様、思うところがいくつかあるので簡単にまとめてみたいと思います。

長期間開催(半日×17回開催)することのデメリット


今回は前回の反省(ex:課題を完遂出来た生徒が一人もいなかった、サーバサイドまで手を出せなかった、etc)から、勉強会の時間を大幅に増やしました。その分、主催者(オレ)にも生徒にも負担がかかるので、毎週開催ではなく、隔週開催、つまり月2回程度の開催頻度に落としました。結果として全17回のカリキュラムを全て終えるまでには8ヶ月もかかってしまうことになったのです。

まぁそんだけ長期間やれば、当然モチベーションを維持するのは難しくなる訳です、講師も生徒も。中には回を追う度にモチベーションを上げてくれる生徒もいましたが、大半はやはり徐々に集中力を失っていく傾向にありました。今回は結果として4人(9人中)の脱落者を出してしまいました。内訳は以下。

退職

勉強会以前に会社を辞めたら社内のなにもかもが続けられない訳です。志を共に出来ない、もしくは家庭の事情などで勉強会も参加できない、という人が出てきました。こればっかりはどうしようもない。

現場作業が忙しくなった

開催期間が長期に渡れば案件を複数渡り歩く場合もあるでしょう。その一つが忙しい案件だった場合、特に休日出勤までしなくてはならないような際には当然勉強会どころじゃないっすわ。社蓄だなんだと騒々しいIT業界においては(IT業界でなくても)本当はそうならないようにすべきなんでしょうけど、案件には当たり外れがあるのでなかなか回避し難い事象です。
脱落者ではないですが、着任案件の作業場所が海外で、渡航スケジュールゆえに最終日に参加できない生徒も一人いました。

課題についていけない

今回は「宿題」というのを一切無くして、全て勉強会の時間内にコードが組めるように設定しました。どうしても出来なかった場合には次の開催までに自宅等で完成させてくる、というスタイルです。
実際、殆どの人は勉強会の時間内に課題をきっちり仕上げていたのですが、中には完成できない人もいました。で、そういう人が自宅でやってくるかというと、以前にも書いたようにやっぱりやって来ないんですよね。
この人はシルバーウィークでどこまでリカパリー出来るか見極めたかったんですが、結果としてこちらのかなり妥協した合格ラインの課題さえ完成できなかったので、こちらから勉強会への継続参加をお断りしました。

サーバサイドに着手できた

前回はFlexでクライアントサイドを作って貰う事が精一杯(というか、それさえ完成できない人が多かったけど)でしたが、今回は時間をたっぷり確保したこともあって、サーバサイドにまで着手できました。
今回はHTTPServiceでXMLファイルをやり取りしてもらった他、T2 Frameworkという新しいJavaのWebフレームワークを使ったRemoteObjectによるAMF通信もトライしてもらうことが出来ました。通常AMF通信を行おうと思うと、Adobeが出しているBlazeDSというOSSくらいしかないんですが、これは結構環境構築が面倒らしくて勉強会の短い時間では生徒にトライしてもらうことが難しいかなぁ、と思っていました。その矢先、T2 Frameworkがv0.6にバージョンアップしてAMF通信に対応してくれたので、こちらを選択しています。
これがとにかくメチャクチャ楽チンで、サーバサイドに殆ど何も書かなくても簡単にAMF通信が実現できたのです。サンプル公開されているブランクプロジェクトを使用すればweb.xmlさえ書かずに済んだ。これは非常に助かりました。
サーバサイドに取り組んで欲しかったのは、データの受け手と送り手があることを意識して欲しかったからで、あくまで教えたかったのはFlexのみでした。T2のおかげで余計なところまで手を出さず、スムーズに課題を進めることが出来たのは非常に助かりました。T2 Frameworkのコミッタの皆さん、本当に有難うございました。


オレ自身が他の勉強会とか出れん!

昨今のIT業界は勉強会ブーム、面白そうな社外勉強会も週末・平日問わず開催されています。でも、オレは基本的にサッカー(FC東京戦)を中心に組み立てており、そこから空いた日を全て勉強会用に割いていました。なので、週末に社外勉強会が開催されると、どうしても自身の興味を押し殺して社内勉強会に費やさざるを得なかった。もちろん、生徒全員と調整して社内勉強会の日程を変更することも出来なくは無かったのですが、元々8ヶ月という長丁場を設定していたものを、スケジュール延期によってさらに長期化するのは避けたかったのです。
講師という立場であっても学ぶべきことは当然ありますが、やはり望めば手に入るものを諦めなくてはならなかったのは正直辛かったです。

成果物としてのテキスト

第一回の勉強会ではテキストは、時間的な制約から最小限の内容しか書くことが出来ませんでした。当然不十分な点は多く、このテキストを読んだだけで(講師の指導無しに)Flexをマスターするというのはどだい無理な話でした。
第二回を開催するに当たり、内容量、とくに画面のスクリーンショットを多く掲載し、テキストを読んだだけで自分がこれからどんなサンプルを作ろうとしているのか把握できるように心がけました。結果として、第一回終了時には90pだったテキストも現時点で169pと大幅に増えています。まだ若干補足が必要なので、最終的には190p程度にはなるんじゃないでしょうか。

社内へのアピールポイントが少ない

勉強会自体の全社的な広報(参加者の募集)は最初の一回きり、あとは連絡も参加者に対してのみしか行いませんでしたし、成果物を他の人に見てもらったりする機会も特別設けませんでした。(まぁそんな余裕は無かったんですが)
結果として、自分たちの活動を社内の人間にアピールすることが出来ず、オレ自身の準備の労力もそうですが、生徒の努力を彼らの上役に理解してもらうことが出来なかったんじゃないか、そんな風に危惧を抱いています。月二回とはいえ休日を潰して出社することは大きな負担です。その負担に見合うだけのものを身に付けて貰う事ができるように、オレとしては精一杯努力したつもりです。ですが、残念ながら社内にFlex案件が無い現状ではそれを発揮する場所はなく、上役からは「大して努力していない」「勉強会と称して遊んでいるのでは?」と思われる危険だってあると思います(実際どう思っているのかは知らん)。正直、あとは生徒らの上役が良心的で視野の広い人であることに期待するしかない。その点を何らかの方法でオレがフォローできる策を用意してなかったのは今更ながら失敗だったと思っています。



第二回の総括と今後の活動

第二回のFlex勉強会では前回の反省はある程度生かして実際のカリキュラムに反映することが出来たと思います。反面で新しい課題も出てきました。これまでの準備の比べると微調整の範囲ではありますが、できればそこを修正して再度フィードバックを得る機会を持ちたいと考えています。

以前、所帯持ちの社員から「土曜の午後ではなく、午前にやってほしい」という希望を受けたことがありました。土曜午前の開催ですと、どうしても時間が短く、頑張っても一回は3時間程度でしょう。だとすると、一回当たりの時間が第二回勉強会のほぼ半分なので、開催期間自体は逆に倍、つまり一年強にもなってしまいます。…果たしてこんなに長期間モチベーションを継続できるのかどうか、正直自信がありません。


また、オレ自身の社内での役割自体にもネックがあります。オレはまかりなりにも管理者で、社を運営していく為のビジネスを考える立場にいます。より先を見据えて無くてはいけないし、見てるだけじゃなくて具体的なアクションを起こす必要があります。それは上役からも指摘されていて、「いい加減勉強会は他の人に任せてタキガワは本来やるべきことに専念しろ」と言われています。
オレもそれは自覚していますが、正直な話、任せられる気概を持った人間が社内にいないんですよねー。それは昨今の勉強会ブームにもある「みんなで知識を出し合ってもっと仕事を楽に(効率的に)こなせるようにしよう」という上昇志向だったり、そもそも「人前に立つ」という意識だったりが、どうしてもオレの所属会社では非常に希薄なのです。多分、オレが活動を止めたら社内での勉強会を開くような風潮は途絶えてしまう。
かと言って自分の役割を果たしたいという思いも勿論持ち合わせています。そもそも、その手段の一つとして勉強会を始めたわけですし。あ〜、なんで体は一つしかねーのかなぁ。


そんな訳で、Flexの勉強会自体は次回が最後になると思います。それ以降はエデュケーションセンターにカリキュラムを引き取ってもらい、2〜3年目以降の社員の自学自習の材料として活用して貰う形を取ろうかと思っています。


第三回Flex勉強会の開催は年明けくらい、色々不安はあるものの隔週土曜午前を予定しています。それまでに上記の課題を反映しつつ、また別の活動のために準備を進めて行きたいと今は考えています。