ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

5/27(金) 第23回すくすくスクラム 〜ゲームで学ぶ"Scrum の概要"〜 に参加してきました #suc3rum


 先週末にECナビ社で開催された「すくすくスクラム」という勉強会に参加してきました。知らない方の為に簡単に説明しておくと、「すくすくスクラム」はアジャイル開発手法の一つである「Scrum」の勉強会で、「今日知ると明日からの仕事にちょっと役立つ」(←うろ覚えなので自信無し)をテーマに活動されてるそうです。


 元々オレはあまりScrumというか、そもそもアジャイルに興味が無かった、というか、プロジェクト管理に疎くてそもそもウォーターフォールも良く分かってないのにアジャイルとか言われても…とか考えていました。が、今の案件で突然「スマートフォン開発をオフショアでやるぞ!それにモバイルだからアジャイルでやるぞ!!」とか言われまして…。そりゃもう完全に寝耳に水でした。大体においてそもそもアジャイルでオフショアなんか出来るの!!?それって無謀なの可能なのどうなの!? ということがそもそもアジャイルを欠片ほども分かってないオレには判断出来る訳がなく。


 そんな折たまたま「すくすくスクラム」がアジャイル初心者向けに勉強会を開催すると言うので、「今回のケースのヒントだけでも貰えないか」「せめて初心者向けの書籍だけでも教えて貰えたら」と藁にもすがる思いで飛びつきました。





 結論から言うと「オフショアでアジャイルが可能かどうか」についてはさっぱり分かりませんでしたが、アジャイルというかScrumがどういう意図のものなのか、体で感じることは出来たと思います。


 まずは冒頭に1時間程度、海江田氏から「Scrum」における大まかなプロジェクトの進め方のレクチャー。この時点で「プロジェクトオーナー」「スクラムマスター」といった耳慣れない役割を耳にします。その役割も今までオレが体験してきたプロジェクトにいた誰とも当てはまらないもので、以降も聞くこと全て驚くことばかりでした。座学の最後に質問の時間があり、たまたま参加者の女性による「大規模開発案件でもScrumでプロジェクト管理をすることが出来るのか?」という質問には非常に感銘を受けました。プロジェクト参画者が100人いようが200人いようが、Scrumを行うに適正な人数にまでチームを分割し、その中で開発を行う。チーム間での連携は「プロジェクトオーナー会議」「スクラムマスター会議」といった個別の打合せで意思統一を図っていく、というような回答だったと記憶していますが、そもそも「アジャイル=少人数で回す小ロットのプロジェクト」というイメージがあったので、やり方次第ではその感覚を持ったまま大規模でも開発出来るんだと言うのはとても勉強になりました。


 座学を駆け足で終えると続いてワークショップ。7〜9人程度に分かれたチームで「紙飛行機とばし」にチャレンジします。ルールは以下。

  • 事前打合せ:2分 → 紙飛行機作り&テスト飛行 → ふりかえり:3分 を3セット行う
  • A4の用紙が配布され、その紙を1/4にして紙飛行機を作る
  • 紙飛行機の先端は鋏でまるく切らなくてはいけない
  • 鋏は各チーム1つのみ
  • 紙飛行機を折るとき、同じ人が同じ紙を2回連続で折ってはいけない(必然的に1つの紙飛行機が複数人の手によって折られることになる)
  • 紙飛行機は時間内にテスト飛行を行い、3m以上飛んだもののみ成功とカウント出来る
  • テスト飛行は「テスト飛行場」のみで有効
  • ふりかえりが終わり次のセットに入る前に仕掛品(折りかけの紙飛行機)は全て回収される

 これが意外に難しくてですねぇ、オレの参加したチームは結局最下位だったんですよねぇ…。第1セットは成功数:0だったし…。でも回を増すごとに意見が活発にやり取りされ、自分たちの短い時間の経験や、他のチームを覗いてきた情報からフィードバックがなされてどんどん改善されていったのが凄く面白かったです。それにみんな自ら望んで勉強会に来る様な人ばかりなので、初対面ながらコミュニケーションもスムーズでした。勉強会が終わった後のちょっとした時間でも感想を言い合ったりとか、なかなか経験出来ない雰囲気だったなと思います。


 これが終わるともう一つのワークショップ。ルールは以下。

  • 参加者全員(80人くらい?)が大きな輪を作る
  • 各自が心の中で、輪の中の2人を任意に決める
  • 自分がその2人とちょうど等間隔になる位置になるよう移動する
  • これを全員分行う

 これをもしリーダーが一人で全員分調整していくと時間は何時間あっても足りないです。ところが全員がそれぞれの意思で行い、微調整を繰り返しつつ移動すると、わずか数分で目的を達成します。これを「自己組織化」というんだそうです。なるほど、座学で聞いたチーム内の役割とかは、この辺がキーになりそうだと感じることができます。



 今回この勉強会で感じたのは、オレはアジャイルというものを勘違いしていたなぁ、ということ。オレの頭にあった「イテレートで小ロットで開発していく」というのは言葉だけ取れば確かにその通りなんですが、「手間を省いて開発に集中してちょっとずつ作っていけばOK」くらいだったオレの以前の理解とは異なり、もっとこうなんというか、「各個人の責任の比重を大きくし、チェックポイントを多くすることで結果としてて戻りの少ない開発を実現する」というイメージを持ちました。まだまだオレは理解が浅いので、もっと深く知らないとアジャイル開発を語るには値しないですね。


 …と言う訳で、じゃあそれがオレが今現場で何に生かせるか、という点については正直なところまだイメージが湧きません。「オフショアでアジャイル」なんて突拍子もないところからスタートしちゃったから良くないのかもしれませんが。その代わりと言ってはなんですが、なにかしら「気付き」みたいなものは持ち帰れたんじゃないかなぁと。もうちょっと勉強してみようとは強く思いました。


 この回の勉強会は初心者向けとあって、参加者も大半が「すくすくスクラム」に初参加の方ばかりでした。その割には(関係者のサクラ的質問の効果もあってw)多くの人から質問も活発に出て、ワークショップで大いに盛り上がって、非常に素晴らしい勉強会だったと思います。関係者の皆さん、本当に有難うございました。