ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

Jリーグ高齢化を加速させる「スタジアムおっさんの楽園化計画」案

IMG_6327

はじめに


 フモフモコラムのこんな記事を読みました。いやぁ、相変わらず面白いですね。発想が斜め上というか斜め下というかなんというか。記事を要約すると、だいたいこんなことが書いてあります。

  • Jリーグの発表によると昨年の観客の平均年齢は40.4歳だった
  • アンケートの信ぴょう性は怪しいが、まぁそれはそれとして
  • そりゃ明治安田生命もメインスポンサーになるわけだ
  • 若者がもっとスタジアムに来るようにチケット安くしようぜ


 高齢化が進む社会の未来が明るくないのは、現代日本を見てれば一目瞭然です。その先細りの状況の上に、多様性のるつぼと化し多種多様の娯楽が存在する中で、少ないパイを取り合うゼロサムゲームが今日も行われているわけです。若者……仮に20代以下の男女は、何をきっかけに自らの趣味を選ぶのかはオレには分かりかねますが、所詮その一ジャンルに過ぎないサッカーの、更に小分類であるJリーグに、しかもスタジアムまで足しげく通ってくれる熱狂的なファンを、若者の中から新たに獲得する。それが如何に困難であるかは、娯楽ビジネスに疎いオレでも容易に想像が出来ます。


 平均年齢が40.4歳という事実をそのまま鵜呑みにすれば、Jリーグ創生期に客層だった若者が、全く入れ替わりもせずに今日まで至る、ということなんでしょうか。さすがにそれはないでしょうが、でもまぁ子供が手が離れ、金銭的にも余裕が出来、自分の趣味に費やせるようになった世代がスタジアムに足を運んでいる、というケースが多いのかもしれません。確かにオレ自身、スタジアムで若者はあんまり見ない気がします。それよりもっと若い、今現在現役でボール蹴ってる世代は、招待されたサッカー少年団くらいしか見かけません。Jリーグの試合をやってるような時間は、自分たちも部活に精を出す時間なんでしょうね、きっと。なんか大きな矛盾を孕んでいるような気もしますが、まぁこれが現実なんでしょうかね。


 じゃあいっそ、未来のことは一旦置いておいて、せっかく金はたんまり持ってる世代が来てくれてることだし、その層をもっと優遇して呼びこんで、しっかり金を落としてくれるように考えるってのはどうでしょう? 題して「スタジアムおっさんの楽園化計画」です。


案1:昼から飲める環境づくり

 おっさんたちは昼から飲むのが大好きです。なので、スタジアムで昼から飲めるようにしましょう。

  • 開門時間を早める
  • デーゲームを増やす(ナイターゲームを減らす)
  • スタジアム外周に屋台を充実
  • ベンチや立ち飲みテーブルを各所に設置

 あと酒の席での会話も提供しましょう。

  • 当日toto購入スペース
  • 他会場試合観戦スペースの設置


 今のJリーグでも、FC東京の青赤横丁みたいなイベントはどこもやっていますが、それをもっと拡大させて、上野のアメ横や新宿のおもいで横丁のような、センベロを売りに出来るようなものがスタジアムに都度併設されれば、それを目当てとした客の流入も見込めるはずです。


案2:飲み過ぎイエローカード / レッドカードの導入

 試合前に飲ませ過ぎると、当人たちは良くても周りの人に迷惑がかかります。呼気チェック等で飲み過ぎが認められた人は、通常の観客席エリアには入れず専用の隔離スペースで観戦して貰うようにしましょう。野球によくある、芝生の外野席みたいなのがいいですね。
 それを徹底するために、飲み過ぎイエローカード / レッドカードの導入や、屈強なバウンサーも用意したいところです。

案3:夜まで飲める環境づくり

 試合が終わったら勝っても負けても酒は飲みたいもの。いいでしょう、飲ませてあげましょう。試合の余韻にひたりながらガッツリ酒を飲んでもらい、ガッツリ金を落としてもらおうじゃないですか。

 酒や食事の提供は、上記案1のと同じで良いと思います。いっそ名だたる野外飲食イベントとコラボしてもいいかもですね。

 アフターゲームショウなんかは、どこもせいぜいゲーム終了後2時間くらいしかやりませんが、そこをあえて終電近くまで拡大して、たんまり食って飲んでもらって、たんまりお金を使って貰おうって寸法です。

案4:健康や医療を意識させるコンテンツの充実

 40.4歳ってことは、あと10年20年で老人の域です。当然自分の健康も家族の健康も心配のはず。そういった中高年の心理的不安を上手く突いて、サッカーに絡めてガンガン売り込みましょう。せっかくJリーグのメインスポンサーに明治安田生命も付いたことですし。

  • 子供とのゲーム感覚で参加できる運動で体力診断
  • いびきや睡眠時無呼吸症候群のお手軽相談
  • 肝臓に良い健康食品の試食会
  • 腰痛運動の体験コーナー
  • 保険説明コーナー

案5:緊急時に備えた医療体制の確立

 中高年なんて老人予備軍です。歩く成人病、死に損ない、移動する中性脂肪。そんな人たちがいっぱい集まって、何も起こらない訳が無い。突然病気で倒れることが多発することを想定して、設備や体制を充実させましょう。それによっておっさんたちも安心感をもって今まで以上にサッカーにのめり込めるはずです。

  • AEDの充実
  • 救急医療施設への連絡体制の確立
  • スタッフへの応急救護資格取得の奨励

案5:子どもと遊べる仕組みの導入

 子供向けに取り組みをしているのはどこのスタジアムでも同じですが、ターゲットは子供ではありません。子守を押し付けられたおっさん共がターゲットです。自分は酒をチビチビ飲みながら観戦をしたい、でも子供は気がかり、どうせなら一緒にスタジアムを楽しみたい。そんな親のための仕組みを用意しましょう。

  • PKゲーム
  • ミニサッカー
  • 風船トランポリン

 こういうのはよく見かけますが、これじゃサッカーが見れない。なので、陸上競技場タイプのスタジアムなら、陸上トラック部分の一部を親子向けに解放し、子供はいくら走り回ってもOK、親はフェンス際で観戦、みたいなのはどうでしょう。子供が落ち着いてサッカーを90分間座って見れるようになったら、普通の席で一緒に見ればいいと思います。


終わりに

 まぁここまで書き並べておいてなんですが、これらの案は「冗談」です。目先を変えて異なるターゲットを狙うことで、新たな顧客創出が狙えないか、という思考実験に過ぎません。Jリーグでお酒を導入し過ぎると、他の層が安心してサッカー楽しめないし、サッカースタジアムが競輪場や競艇場みたいになられても困るし。

 ただ、自分で書いた冗談ではありますが、ここまで「おっさんの楽園」を狙うと、酒好きの若い人も来るんじゃないかなぁとは思いました。こないだ上野で飲み歩きをやってきたんですが、そちらには若い人はいっぱいいたんですよね。おっさんをターゲットにすることが、若い人を狙ってないことにはならないと思います。


 今回のニュースを見て、「観客の平均年齢が40歳以上だった!」→「もっと若い人を呼べ!」は、ちょっと思考硬直しすぎじゃないかと思うんですよね。手を変え品を変えターゲットを変えることで、Jリーグの新たな価値が想像できるんじゃないかなぁ、などと、冒頭の記事を読んで思った次第です。



宣伝!

 というわけで(どういうわけだ?)、目先を変えて「Jリーグを題材に人生の困難を立ち向かう力を身につけよう」という試みをやります。


【東京開催】TOCfE BC 多摩川クラシコ ~Get the conflict under control~ - TOCfE BootCamp | Doorkeeper

  • 日時 :3/8(日) 10:00-18:00
  • 場所 :ヴァル研究所(JR中央線)
  • 主催 :TOCfE BootCamp
  • 参加費:500円(お菓子代+文房具等経費、含)


 TOCとは「制約理論」のこと。詳しくはエリヤフ・ゴールドラッドの「ザ・ゴール」を読んで下さい。最近マンガ版が出たのでそちらがオススメです。



 工場の生産管理から生まれたこの手法を「for Education」つまり教育(子供)向けにカスタマイズしたのが、「TOCfE」です。このイベントでは「人生に立ちふさがるジレンマを解消し、より後悔の少ない選択をする」ことを目的とした「クラウド」というツールについて解説し、ワークショップを通して丸一日かけて体得して貰おう、というものです。
 開催日は、Jリーグ2015シーズン開幕翌日の3/8(日)、J1チームのFC東京 / 川崎フロンターレ 両チームの熱狂的サポーターの2人が講師を務め、「多摩川クラシコ」というダービーマッチをテーマに「クラウド」を解説していきます。場所は「駅すぱあと」でおなじみ、高円寺のヴァル研究所を会場としてご提供頂きました。


 このイベントに参加すれば、その後はジレンマに負けず後悔の無い人生が送れる! ……といったことはさすがにお約束できませんが、参加して頂いた方がJリーグのサポーターなら、楽しく笑いながらワークショップを通してなんとなく「クラウド」が学べるようなワークを心がけて準備しております。もし、3/8にJ2の試合は観戦する予定が無い、という方で、関東にお住まいの方でしたら、ぜひとも参加を検討してみて下さい。

 青赤と青黒(と何故かメイド服)に身を包んだ講師陣がお待ちしております。