ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

ドキュメント書きはダウンヒルレースに似ている


 SIer所属の人なら分かると思いますが、システム開発の大半はWordやExcelといったMS Office製品でドキュメント(書類)を書く作業が殆どです。プログラムなんて書くのは、開発の全行程の半分程度でしょう。もうウンザリするくらい書きます。NTTとか富士通とか大手のSIerほどそういったドキュメントの基準がキッチリ決まっていて、それゆえ書かなくちゃいけないドキュメントの数も膨大です。


 オレはドキュメントを書くのは苦手じゃないんですが(むしろ得意)、スゴく嫌いです。物作ってる感じが全然しないし、なによりメンドクサイ!いや、大事な作業だってのは分かるんですよ、要件・仕様の抜け・漏れを防ぐには不可欠です、大人数のプロジェクトだと特に。


 オレは元々短気で面倒臭がりなので、何かにつけてケアレスミスが多いんですが、これが特に拍車がかかるケースがあります。新しい案件参画直後、その種類のドキュメントを初めて書く際がそれにあたります。


 どこの会社・プロジェクトのドキュメントにも、そこ独自の「文脈」「流れ」があります。自由度の高いところもあるし、低いところもある。ドキュメントのフォーマットから作らなくちゃいけないケースが最も自由度が高く、当然難易度も高いです。が、オレはそんな案件ばっかりやってきたから「自由に書け」と言われるとスゴく気楽です。だって自分の文脈・流れで書けるもの。


 反対に前述の大手SIerのガッチガチに固まったドキュメントフォーマットは、どうしても習熟に時間がかかります。自分の文脈・流れでは書けません。その会社・プロジェクトが培ってきた文化を自分の中に大量に流し込んで、なんとか書き上げていきます。


 そういうのが一番きついです。仕事を振る側はドキュメント作業なんてどれも同じだと思うから、気軽に振るし、スピードも要求してくる。でもこっちはどこに何を書いて良いか分からない、それが体感として身に付いていないから、物凄くしんどいです。


 で、冒頭の「頭文字D」の1ページですが、新しい現場でドキュメント作業を行う時に、これと同じことを毎回思うわけです。遅れたら絶対に取り戻せないから必死で食らいつかないといけない。それでもなんとか前の車のテールランプ(=既存のドキュメント)だけを見ながら仕上げて行きます。まぁ大抵はコースアウト(=レビューでボロボロに指摘される)でやり直しを繰り返し、段々走れる(=客先に出せる)ようになっていくことが多いですが。



 先月も新しい案件に要件定義から参画したんですが、突然リーダーが病気で倒れ、自分が要件定義書を急遽書かなくちゃならなくなった為に、慣れないフォーマットのドキュメントを必死で書き上げ→社内レビューでボロボロ→客先レビューでちゃぶ台返し、などなど繰り返しながら、なんとか設計フェーズを乗り切った次第でございます。ホント死ぬかと思った。…で、今度はその余波が開発フェーズに及んでてやっぱり死にそうになってます。リスケしろって言っても聞いてくれないし。なんだこの罰ゲーム?