【基調講演】テスト駆動開発の過去・現在・未来 - 和田卓人さん
ワイルド・サバンナこと和田卓人さんによる基調講演は、直近で再翻訳・再出版された「テスト駆動開発」の裏話(?)というか、付録Cに書かれたテスト駆動開発(TDD)の変遷と、そこからどう未来につなげていくかをお話頂きました。資料は後程公開頂けるそうなので、ここでは雑感のみ。
スライド資料自体もかなりのボリュームがあるんですが、なんといってもその一枚一枚で語られる和田さんのトークが非常に膨大です。資料見ただけでこの内容を全て追うのは不可能でしょうね。膨大過ぎてメモは取れなかったんで、どうしても気になる方はTwitterのハッシュタグ「#xpjug」から追ってみてください。TDDとアジャイルテストの歴史を時系列で追っていくのが講演の主題ですが、正直に言ってしまえば、これを知っても知らなくても実際のテスト実施には何の影響もないでしょう。が、その変遷と歴史を知ることは、そこに向かっていた目的意識や大義を知ることであり、我々は略式にでもその大義を引き継いでいることを感じさせてくれます。おそらくはこの話を聞いた人のなかでは、明日からのテストへのモチベーションが大きく上がったのではないでしょうか。
それはそれとして、講演全体からは、和田さんがいかにTDDとアジャイルテストが好きか、というのが感じ取れました。なんともオタクらしく、なんとも和田さんらしい講演だったと思います。これ調べてるとき、きっとすげえ楽しかっただろうなぁ。非常にマニアックな内容ではありましたが、ユーモアを随所に挟んでいるのでとても聞きやすく、とても楽しい講演でした。録画してあったら持ち帰って仲間内でまた改めて聞いてみたいなと思いました。
和田さんが講演中で紹介した本やこの日ご持参されていた本は以下。
【ワークショップ】心理的安全性ゲーム - やっとむさん
モダンアジャイルで提唱される心理的安全性を、疑似的に体験できるカードゲーム形式のワークショップを@yattomさんが開発。1人が「状況カード」を引き、それに対し他のメンバーが手札の「発言カード」を出していくことで、言われた(「状況カード」を出した)人がどのように感じたかを体験していくというゲームです。心理的安全性というやや難しそうなテーマですが、ゲームのルールが想像以上にシンプルで簡単なため、参加者もあっという間に楽しむ領域まで行けた様子。思った以上に盛り上がっていてビックリしました。やっとむさんはこの日、心理的安全性ゲームを50セット用意してきており、1セット2500円で販売していました。技術書典とかで売ってくれるといいですね。あと、略式にですがテスト駆動飲み会でも同じワークショップを開催して頂けることをお願いしましたので、もし参加したいという方は次回のテスト駆動飲み会(たぶん10月くらい開催)にぜひご参加ください。
心理的安全性ゲームの資料、というかデータはこちら。
心理的安全性ゲーム
【ワークショップ】TDD+モブプログラミングでワイワイする会 - TDDワイワイ会
cyber-dojoを使ってPythonやRubyなど思い思いの言語でモブプログラミングでTDDを体験するワークショップです。思った以上にワイワイしていてビックリしました。OYB48とかワイルド・サバンナとかしれっといてなおビックリ。ガチ勢じゃねーか。
【イベント】ビブリオバトル
XP祭りは毎年沢山の本を出版社さんからご提供いただくんですが、その出版社さんへの恩返しの意味も込めて開催されるのがビブリオバトル。にも関わらず献本頂いている出版社さんの本が一度も優勝したことが無いのが不思議なイベントです。今年で三回目になります。
ちなみにオレは過去三回全てに出場していますが、今年も結局優勝できませんでした。一度くらいは勝ちたい。
他の方の紹介本はこちら。
- かおりっとさん【☆チャンプ☆】
- しろもとさん
- メロンさん
- なそさん
- のーどみさん
【ワークショップ】親子で参加推奨!「子どもプログラミング書籍」品評会 どれが面白いか、わかりやすかったか、投票しよう語り合おう★ - 岩切晃子さん
2020年から義務教育化されるプログラミング教育の本、こんなにたくさん発売されているんですね!岩切さんにそれらを用意して頂き、参加者に実際に読んで貰って、「小学校の図書館に置くならどの本が良いか?」という観点でみなさんに本を選んでもらう、というワークショップでした。お父さんお母さんの立場の方だけでなく、実際にプログラミングをやられているお子さんもいらっしゃり、なかなか鋭い視点で批評されてました。プログラミング本の品評会ってどうなるのかな、と思ってたけど、思った以上にみなさん盛り上がっていらっしゃいましたね。
LT祭り
なぜかスタッフ業を手伝って会場撤収作業をやっていたので、LTには3人目の森さんの発表の途中から参加。ベテランばっかりでLTらしいフレッシュさは皆無でしたがドッカンドッカン笑いを取ってました。こしばさんとか永瀬さんとかヒキョーすぎる。
チームビルディングについて(佐藤博之さん)
どこでも使えるファシリテーションの基本(高柳謙さん)
XP祭りでファシリテーションについてのLTやってきました。#xpjug pic.twitter.com/RK7kpKQ8Rr
— gaoryu (@DiscoveryCoach) 2018年9月8日
5分でわかる、楽しいふりかえりのはじめかた(森一樹さん)
モデリングを愚直にDDDでやって「悟り」開いたけど、なんか書きたいことある?(原田巌さん)
「アジャイル」な取り組みを支えるマネジメント(小芝敏明さん)
TDDもせずにAIとは何事だ(田野口大樹さん)
Delegation Boardは最強の引き継ぎツール(湯前慶大さん)
学生だってふつーにアジャイル開発やってるのにお前らときたら(miholovesqさん)
他社ベンダへ越境して1日約10回リリースを達成した話(高見将則さん)
クロージング
クロージングらしいことは特に無く、コミュニティ紹介やら何やらをグダグダと。あ、そういえば今回はこの日が誕生日の方がお二人いて、HAPPY BIRTHDAYの大合唱がありました。おめでとう!そして、おめでとう!
クロージングで手を挙げ忘れましたが、実はこんなイベントのお手伝いをやってたりします。良かったらご参加ください。
tddrinking.connpass.com
アジャイル・ディスカッション!! | Doorkeeper
ツイートし忘れてましたが、ビブリオバトルの参加賞でこちらの本をいただきました。ありがとうございます!#xpjug pic.twitter.com/nrZSLRlfkv
— 封印されし超越者(ルナティックトワイライト) (@takigawa401) 2018年9月10日
こちらの本を頂きました。後から家に帰ってKindle開いたら同じ本がありました、orz
そういえばクロージング中の会場の外で和田(t_wada)さんがPCを開いてうなだれていたので、声をかけてみたら、今まさにリリースの最中なのにポケットWiFiの電池が切れて途方にくれていたとのこと。オレのポケットWiFiを貸したところ、颯爽とリリース対応を完了させたそうです。オレは!t_wadaの!ピンチを救った男!!(実に恩着せがましい)
懇親会
……は、盛り上がりすぎて写真撮るの忘れました。上の写真は2次会の様子のもの、一声かけたら20人くらい集まってビックリしました。オレを飲み会の時だけ旗印にするのはどうかと思うの。
感想
なんのかんのと毎年参加させてもらっていますが、今年もめいいっぱいはしゃがせてもらいました。スタッフの皆さん、本当に有難うございます。
今回は、興味本位からやっとむさんと、将来的な観点から岩切さんのセッションに関わりたいと前日以前から強く考えていて、半ばご夫妻のストーカーと化していましたが、結果スタッフのような関わり方をさせてもらうことができて(大した手助けになっておらずスミマセン)とても嬉しかったです。特に岩切さんのセッションは、オレ自身が2020年のプログラミング教育義務化に備えて近々に故郷に帰り先生や子供たちを助ける動きをしたいと思っているので、実際に参加者の方がどのような視点で、どの程度の熱量でプログラミング教育とその書籍に臨まれているのかを肌で感じることができたのは、本当に大きな成果でした。やっとむさん、岩切さん、ありがとうございました!
そういえば、懇親会の時にふと思ったんですよね。「オレ、友達増えたなぁ」って。
ブログを振り返ってみたら、初めてXP祭りに参加したのは2011年だったようです。その頃は、当然ボッチで、知り合いなんか全然いなくて。生来の人見知りも相まって坦々とセッションに参加してレポートだけ黙々と書いてて、懇親会も当たり前のように不参加で。
それが今や、会場のどこに行っても知り合いがいて、なんなら登壇者も業界の有名人もだいたい知り合いで、どこでも気軽に声掛けられるようになって。XP祭りとの関わり方も当初とは随分変わってきていて、セッションも持ったことがあるし、LTやビブリオバトルにも参加したし、そういうのがなくても自然にスタッフや裏方を手伝うような動きを取っていたりしました。たった数年で、変われば変わるもんだ。
デレステの「EVERMORE」って曲に「仲間の数が増えてくたびに 叶う願いも増えていくね」って歌詞があります。単純に「人駆が増えれば実施できる企画の規模が大きくなる。」くらいに捉えていたんですが、そうじゃなくて「本気の人・面白い人と知り合うと、その人とやってみたいこと・その人としかできないことが新たに思いついて、それを実現させようとしたら自然と叶った願いの数が増えていく。」みたいな意味が込められているんじゃないかな、そんな風に思いました。今回の懇親会でも、色んな人と話して、あんなことやりたい、こんなことをやりたい、と言う話がいっぱいありました。それを一つ一つ実現させていくことが、XP祭りに参加した後のオレらのやるべきことであり、やりたいことなんだと思います。「先へ先へ 夢の先へ 進んでゆくと誓うよ」
前述の通り近々に故郷に帰りたいと考えているので、今は色んなことを整理している最中なのですが、XP祭りはできれば来年もそのまた次も参加できたらなと思っています。改めて、参加された皆さん、お疲れ様でした。そして、登壇者の方々、スタッフの皆さん、ありがとうございました!