8/23(土)、vs浦和、味スタ
FC東京 4 - 4 浦和
リーグ守備力No.1のチームとNo.2のチーム、互いに堅守を旨とするチームの対戦スコアがこのようになるとは、試合前に一体誰が予想出来たでしょうか。つくづく、サッカーというのはやってみないと分からない、そう感じた試合でした。
このカードは、かつてから接戦になる傾向がありました。加えて、長らくFC東京が負け続けていたという呪縛もあります。呪縛は昨年の勝利で解かれましたが、因縁めいた関係であることは変わっていません。
実力は、というと、どちらかというと浦和の方が、資金力にモノを言わせて獲得した選手らがスタメンに名を連ね、個で圧倒される、というのが通例でしたが、今年は両チームの顔ぶれを見てもどちらにも代表クラスの実力者がずらりと並びます。選手個々の能力では浦和に見劣りしません。
では他はどうか。チームの戦術熟練度はペトロヴィッチ政権の長い浦和が上、コンディションは水曜の天皇杯でターンオーバーした浦和が上、地の利はホームFC東京が上……と言いたいところですが、アウェイサイドのゴール裏から赤い悪魔の怒号は、ホームの青赤集団と互角かそれ以上。全体を通して冷静に分析すれば、浦和優勢と言わざるをえないのが、列挙された状況から考え得る事実です。
まぁそんなものは単なる状況でしか無い訳でして。たとえ劣勢であっても跳ね返せるだけの勝負強さが、今のFC東京には備わっていると信じていました。なにせ中断開け負け無しだし。
実際のところ、前半はFC東京が優勢だったと思います。梅崎の鋭いシュートで先制されても、すぐにCKから高橋秀人が頭でそらせて取り返し、その直後に武藤が逆転弾。更には河野がPKゲットでそれを確実にぶち込んで、前半早々に3-1というスコアにします。
しかし、このPKが良くなかった。ジャッジが明らかにおかしくなり、ちょっとしたファウルでPKを連発します。前半終了間際に浦和にPKの判定が出て3-2。後半開始直後の平川の同点弾と武藤の追撃弾で4-3までは良かったんですが、その後李忠成に対する不可解なファウルで再びPKを取られ、4-4とゲームが振り出しに戻ります。
スコアは振り出しに戻っても、選手達の体力は序盤には戻らない。特に水曜の試合でターンオーバーをしなかったFC東京の疲弊は、スタンドから見ていても顕著でした。浦和の猛攻に押し込まれ、攻撃にもなかなか転じられず、危うく失点しそうになるシーンをいくつも全員で体を張って食い止めます。
結果、試合は4-4という大量スコアながらドロー。守備の堅いとされる両チームに相応しくないスコアと、失った勝ち点2。どっと疲れさせる結果と内容の試合でした。
疲れさせる内容、とは言いましたが、客観的に見て、今季指折りの激しい試合であり、見応えのある試合だったと思います。こんな試合がJリーグでも見られるというのは、日本サッカーファンに取っては希望でもあります。
おそらくジャッジさえまともに機能していたら、試合は2-1で終わっていたでしょう、PKのシーンは、どれも他の審判であればまずPKの判定にしない様なものばかりでした。「審判がハットトリックを決めた試合」と揶揄していた人が今したが、まさにその通り。岡部主審の笛がどのような傷痕を残したか、非常に悔やまれる試合でした。ただまぁ、会場のボルテージも非常に高く、岡部主審の笛が尋常ならざるものに変貌してしまったとしても、不思議は無かったと思います。あれだけのボルテージのスタジアムが出来上がることはそうそうない。それゆえに審判のレベルも上がらず、運良く(運悪く)そういう試合に当たってしまうと、正常にプレイできない、というのが、今のJリーグの未熟な点と言えるのかもしれません。まだまだ道のりは長いですね。
今回の試合は、アギーレ新代表監督が見に来ていました。代表クラスの選手ばかりだった両チーム、おそらく多くの選手にとってはアピールの場になったはずです。
その中で図抜けた活躍をしたのが武藤嘉紀でした。きっと彼の名前は覚えて帰ったのではないでしょうか。
ただ、アギーレは守備的なチームを作ると公言しています。果たして彼の「目的」にあっていたかどうか……。まだアギーレの好みが分からない以上、今は新代表の発表を待つ他ないでしょう。
果たしてどんなチームになるのでしょうか。そして、FC東京からは何人選出されるのでしょうか。非常に楽しみです。
その他の写真はこちらから。濃過ぎる試合だったせいか、写真の枚数も少なめでした。シュートシーンも全然撮れてないし、orz