ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

電子書籍のアフェリエイトがそろそろあっても良いはず


 電子書籍ビジネスは、ちょっと目を離した隙に一気に様変わりした感がありますねぇ。オレも楽天koboAmazon Kindleのニュースは当然チェックしてましたが、どうもボーっとしてたみたいで深く考察できて無かったです。猛省。個人的にはストリーミングが主流になりつつあるのが凄く気に入らないです。サーバ無くなっちゃったら手元にデータ残らないじゃん!違法コピー対策というのは分からんでもないけど、だったら価格は紙媒体書籍の1/5以下にしろよと言いたい*1


 さて、そんな折読んだのが上記の記事です。
 筆者の方は楽天koboを現時点では愛用しており、個人的には気に入ってるものの、おそらくKindleには惨敗するだろう、という予測を立てています。これはKindleに限らずニコニコ静画などの競合他社についても同様に考えているようで、Amazonの圧倒的な物量には敵わない、という意見です。これには否応無く同意せざるを得ないですね。


 では国内電子書籍プレイヤーはどうやってAmazonと張り合うか。上記記事では「無料コンテンツと電子書籍のちょうど中間くらいの質・量のコンテンツを自前で用意して、読みやすいサイズの、でも読み応えのあるコンテンツに課金して貰う」というアイディアを提案しています。


 
 なるほど、素晴らしいアイディアです。現に「まぐまぐ」なんかの有料メルマガは現在盛況のようですし、ニコニコ動画もブロマガというサービスを始めています。現在は著名人・芸能人などのネームバリューに依存しているようですが、そのうち一般からも書き手が現れることでしょう。これらをもっと拡大させて多くのコンテンツから少しずつお金を集め、たまに出てくる爆発的ヒットとなったコンテンツが現れれば更にこれを育ててドラマ・アニメ・映画といったより収益の高いコンテンツに進化させることを狙う、なんて月刊少年ガンガン的なコンテンツビジネス手法*2電子書籍でやれるようになるかもしれません。なるほど、電子書籍やWebの現状を鑑みるに一番叶っているように思われます。
 ただ、そうすると、ちょっと問題が出てきます。



 「コンテンツ(電子書籍)をどうやって探すか?」



 現時点でさえ電子書籍のラインナップに何があるのが探すのが困難な状況なのに、これ以上、しかも有名無名問わずコンテンツが増えるわけですから、コンテンツを見つけやすくする手段がどうしても必要です。
 これに対してですが、「ユーザーに紹介して貰う」というのが、最も手っ取り早く、効果が高い解決手法だと思われます。上記記事にも「レビュー特化」と書いてあるように、コンテンツ増大による検索性の低下の打開策を、ユーザーによる推薦と拡散を前提としていることが良く分かります。レビューを書いて貰いたいのであれば、それをモチベートする手段が必要です。アフェリエイトから得られる収入は既に紙媒体の書籍で実績があり、大きく貢献するはずです。


 ところが、現時点ではAmazonアソシエイトに代表されるようなアフェリエイトの仕組みが、電子書籍にはまだ存在しないように見えるんですよね。個人的には、既存の紙媒体書籍のそれと大きく違いがあるはずないから、とっとと出てきてもおかしくないと思うんですけど。
 ニコニコ動画なんかは、動画と同じようなブログ埋込型の電子書籍プレイヤーを作って、最初の数ページをその場で試し読みできる、とかにすれば、尚効果が高くなるんじゃないかと思っています。


 既にそういう仕組みがあったら「ゴメンナサイ」と誤るほか無いですし、そもそもオレがこんなこと書かなくても各プラットフォーマーごとに準備を進めているはずですから、おそらく年が明ける頃にはどこからか出てくるんじゃないかと思っています。…まぁAmazonが一番最初に出しそうな気もしますが。国内だとニコ動が一番早そうかな?





 あ、あと、アフェリエイトとはちょっと離れちゃいますが、個人的には、各電子書籍プラットフォームのどこで書籍を買っても、1アカウントで決済できる仕組みが欲しいなぁと思っています。ユーザーはいちいちプラットフォーマーごとにアカウント作らなくて良いし、電子書籍の購入情報を一元管理できるのでマーケティング的にも都合が良いかと(プラットフォーマーごとに情報を独占できない、という問題はありますが)。個人情報の管理は…色々難しいかもしれませんね。
 この仕組みを国内電子書籍プラットフォーマーでタッグを組んで構築して、どこのプラットフォームの電子書籍でも気軽に買える様にすれば、国外のプラットフォーマーに対して大きなアドバンテージが出来るような気がします。Amazonほど巨大になればどこかと手を組む必要は全くないので、おそらく入ってこないはず。




 で、どうせアフェリエイトシステムを作るなら、この決済の仕組みと連動して、アフェリエイトで入手したポイントをどこのプラットフォームでも使えるようになればスッゲー嬉しい!それが無理でも、iPhoneのPassbookと連動してくれるとか、より使いやすいようになってればいいなぁ、とか色々考えてみたりしました。

*1:ユーザーが所有権を放棄しているわけだし、そもそも流通コストも原価もかからないのだからそのくらい可能なはず。

*2:月刊少年ガンガン(スクウェアエニックス社)は1,000ページ超、人が撲殺できる厚さの雑誌で、このくらい大量のコンテンツを毎月扱っていると、アニメ化できるレベルの作品がコンスタントに出てくるのだそうです。ソースが確かどこかニュースサイトにあったような気がしたんですが…。