第3回社内LT大会に見た顕在化した失望と一握の希望
はじめに
10/06(土)に自社でLT大会を開催しました。社内でも発表の場を持って自分たちの発表力を上げていこうよ、もっと技術の話しようぜ(高稼働やデスマの話ばっかりしてないでさ)、もっと面白いことをやろうぜ!というのが狙い。企画・広報・運営は全てオレ1人でやりました。会場設営は参加者全員に手伝ってもらいました。多謝。
テーマ & ルール
今回のテーマは「遊び心」。今まで開発だの未来展望だのハードルを上げていたので、事前にネゴシエーションしとかないと登壇者が集まらなかったんですけど、今回はあんまりそういうことをやりたくなかったので、出来るだけハードルを下げて「好きにしゃべっていいよ」という雰囲気を作って発表するだけを純粋に楽しんでもらおうと、ユルいテーマで設定した次第です。
ちなみにルールはたったひとつ、「10分以内に発表すること」。ただし、プレゼン自体の練習の意味もあるんで、時間切れ→即発表終了、とはならず、その後も喋り続けることが可能にしています。
OPトーク
一応開催者として開会挨拶的なことをしてみたり。今回は「一切資料を自分で用意しない」という妙な目標を立てて準備してみました。ちなみにお借りしたのは以下の動画と、動画を作成された方のブログ記事。ブログ記事の方は既に動画作成者が削除されているので、ここではご紹介は避けたいと思います。さて、どんなことをオレは喋ったでしょうか?
一応「勉強会レポートブロガー」らしく、社内勉強会でもメモを取ってみましたんで、以下に掲載してみます。
Groovy
特徴
- 簡単簡潔高機能なGroovy
- おまけ
- グルービー書き方講座
彼は以前のオレの部下で、当時は散々手を焼きましたがw、今はこういう場があると技術的な内容を積極的に発表してくれます。現場の先輩が良い影響を与えてくれているみたいですねぇ。
「遊び心」というテーマとは裏腹に、バリバリのプログラマブルな内容。まぁ要は「エンジニアリングを楽しめ!」ってことなんでしょうね。
JavaScript
- JavaScriptってなに?
- Yahooのニュース一覧やニコ動のメニュー
- 作ってみた
- Web系開発者には敷居が高い
- 普通のプログラマーには簡単な言語
- イマイチいけてない?
- 最近調子に乗ってる
- 言語ランク1位
- HTML5 +JSの表現力
- サンプル
- キーボード叩くと花火が文字で打ち上がる
- ビデオ映像が炸裂
- SSJS
- サーバサイド JavaScript
- イントラマート スクリプト開発
- スマートフォンアプリもJSで作れたらいいなぁ
- Android
- Titanium Mobile
- JS開発が普及することで開発の敷居が下がる
- 遊び心があればアプリも開発できる
ほぼ新人、今回の登壇者ではダントツに社歴が浅いんですが、そんな中でも怖気づかず発表してくれたことに感謝。
初心者向けに「JavaScriptって何ぞ?」という内容を発表してくれました。オーディエンスの諸先輩方はその辺は全部抑えてる人ばっかりだったので、そういう意味では不利だったんですが、プレゼン資料のデザインを凝ったり、ちょいちょい笑える画像を挟んだりと工夫しているのが見て取れました。それまでそんなにプレゼン見る機会もなかったはずなんですけどねぇ、センスだけであれだけできたとしたら凄いな。
Vimの話をします
- サイト作ってるよ
- 2ch→タンブラー
- おっぱいが!!
- 他との違い
- モード切り替え
- キーバインドが変
- Vimのモード
- ノーマル
- 編集(insert)
- 文字入力
- コマンド
- 忘れておk
- モードの恩恵
- 修飾キーを使わずにキーを組み合わせることができる
- モード切り替え
- エスケープは遠い
- →ctrl+[
- Enter
- →ctrl+M
- BS
- →ctrl+H
- へんなキーバインド
- hjkl
- カーソルキー押さなくていいのが嬉しい
- 慣れるには
- vimtutor
- 練習できる
- gfコマンド
- カーソル位置にファイル名がある時にそのファイルが開ける
こちらもやはり技術ネタバリバリ。うちの会社だとあまりなじみの無い「Vim」というテーマを分かりやすくかつこだわり持って発表してくれました。「なんでこのテーマを選んだの?」「どうしてVimを使ってみようと思ったの?」という問いに「だってマウス使わないで全部やるとかギークっぽくってカッコイイじゃないですか!」という返答に、遊び心をもって仕事に取り組んでるんだなぁ、と感じました。
思考停止
- 業務報告をしていて気づいたこと
- 周りを見渡すと…聞いてる人が退屈そう
- どうしてこうなった
- 定量的な報告ばかり
- 定量的な報告は管理者が必要
- 個人的主観が入った内容が少ない
- 定性的な報告はなんで無いの?
- 答えの無いものに対して持論を述べるのはエネルギーが必要
- 考えないのが楽になる
- 自分
- 考えているようで考えてない
- ただフォーマットに沿っているだけ
- 思考停止しているだけ
- 他人が見たって面白い訳が無い
- エンジニアとしてよくない
- IT業界にも陥りやすい原因があるんじゃないか
- 開発プロセス
- ドキュメントフォーマット
- コピペ天国
- 過去資産が飽和
- Webに書かれていることがまるで自分の意見のよう
- 自分の意見が言えない、言わない、言いにくい
- 受動的な人が多い
- 自分も含む
- 答えがないもをの個人的主観から話したり考えたりする経験が少ない
- →エンジニアとして持論を述べれることは大事なスキル
- 自分の意見を言うくせ
- だからLTに参加した
- MFでできること
- フォーマットがあっても定性的な意見を述べて行く
2〜3日前に突然参加表明をしてくれた、実質飛び入り参加。業務報告をテンプレに沿ったありきたりでつまらないもので終わらせるんじゃなくて、創意工夫を持って取り組もう、もっと自分の意見を言っていこう、というメッセージでした。
友人との日常会話―ググれキャベツと黄金比―
- 「ググれ」
- 意味わかる人→全員挙手
- アンサイクロペディア
- たらい回し
- 身を持って体感できる
…え〜と、1人くらいはいるかなぁと思ってましたけど、案の定いました、オタク関連の発表。友人との日常会話からどうしたらアンサイクロペディアにたどり着くのかいまいち理解に苦しみますね。どういう友人関係してんだ、コイツ。たらい回しと高橋メソッドには大笑いしましたが、黄金比を用いた美少女ゲームのイラストについては「いらねー知識が増えたなぁ」といった印象w。とりあえず素っ裸とかは出てこなかったし、面白かったからアリでしょう。
ビジネスモデルジェネレーション
オレが発表しました。自分で写真とってメモするわけにもいかないので、なんも無しです。Facebookのビジネスモデルジェネレーションで何かやる会と、その中で実際に描いた「新東京スカイツリー」と「中日ドラゴンズ」のビジネスモデル・キャンバスをご紹介。それなりに好評だったようです。
最近気になった製品
- 機械オタク目線でいろんな紹介
- 自転車
- 値段もクレイジー
- ボート漕ぎの要領で進む自動車
- 紙飛行機
- セキュリティツール
- エンジン
今回最長社歴の@twissyorg さんは普段から社外のエキスポとかでバンバンプレゼンやってるだけに、今回の参加者の中でも頭ひとつ飛び抜けてプレゼンが上手かったです。いやぁ面白かったw。
どこから見つけてきたか知らないけど、へんなガジェットを色々と紹介してくれました。「嫁はイノベーションできない」という名言が飛び出したのもこのプレゼンの最中ですが、嫁さん社内にいるのに大丈夫なんだろうか?
キャラクターモデリング開発SOS団
- プロダクトには名前をつけよう
- それも できるだけ可愛い名前を
今回のLT大会のオタク枠第二弾。このLTだけメモを取ってないのは、以下の動画と内容がほぼ同じだからです。よっぽどこの内容をハルヒで焼き直したかったんでしょうねぇ。どんだけ好きなんだw。
表彰
実は今回は表彰式がありました。全員で1〜3位までを選んで貰い、優勝者とブービー賞に1万円相当の賞品をプレゼント!*1見事一位を獲得した@twissyorg さん(「最近気になった製品」)はルンバもどきの自動掃除機を、ブービー賞を獲得した@yamap_55(「Groovy」)はiPod shuffleをゲットしていきました。
実際のところ、@twissyorg さん以外のプレゼンのレベルというか内容は拮抗していたので、発表の順序が大きく左右してた気がしますね。どうしても後半の印象が強く残ってしまうから、前半発表した人は不利だった傾向にありました。ちなみにオレは割と後半の発表だったこともあって3位を頂戴しました。多謝。
懇親会
参加者全員で懇親会へ。LT大会自体が割と早めに終わったので、16:30から早々に飲み始めて、終わったのは21:30でも5時間延々と飲んでたという凄まじさw。
やっぱり話題の中心はLTの内容になりました。誰かの発表の内容だったり、プレゼン資料の作り方だったり、発表のテクニックだったり。ただダラダラ飲むんじゃなくて、身になる話をしながら話を出来た、しかもそれが社内だったのは大きな収穫でした。
総評
いくら3連休の初日とはいえ、散々広報を打ったにもかかわらず、120名が在籍する会社でたったの10人弱。しかも発表者ばっかり。実に残念です。ただ、今回は事前に予測できただけにショックは少なかったです。どうせタキガワが勝手に騒いでいるだけだ、自分たちには関係ない、なんで金も出ないのに休日に会社に来にゃあならんのだ。白けた空気がどこからともなく伝わってくるのがわかりました。*2
この10年、オレはこの会社で本当に色々なことに取り組んできました。勉強会も数十回やった。アホなメールも数百通書いた。誰も読んでないとわかっていても社内Yammerに毎日のように記事を書いた。他所の事業部に乗り込んで行ってプレゼンもやった。
なんとかもっと熱気を持った会社にできないか。もっとエンジニアとして高みが目指せる空気作りができないか。オレが外の勉強会で貰った「熱」の1/10でも1/100でもいいから、同じ職場の仲間と共有したかった。
しかし、それは徒労だったようです。オレにこの会社は変えられなかったし、会社の方も変わる気が全くない。
オレはこの会社を諦めました。いや、とっくの昔に諦めていた。ただ、可視化できる機会がこの日まで無かったので、宣言してなかっただけです。だからこそ、今回の結果にショックも受けませんでした。そもそも何かを変えようなんて考え自体が傲慢だったのかもしれません。
でも逆に手に入れたものもありました。
3連休の初日だろうがデスマ上等の会社で日々激務に晒されようが、今回の企画を心から楽しんでくれた、「オレと遊んでくれる*3」奴らが10人程度もいる。オレにはまだちゃんと「遊び場」も「遊び相手」もいる。参加してくれた全員が心から楽しんでくれたし、それぞれに得るものがあった。今回のLT大会は、オレは「成功」だったと思っています。
別に変えようとか良い影響を与えようとか思わなければ、ここはまだそこそこ楽しむ余地はあるのかもしれない。場所だってタダで確保できるし、物さえ壊さなければ文句を言われもしない。他のロクデモナイ連中なんてどうだっていいじゃないか。オレが凄い・面白いと思ったものにノッて来てくれる連中が数人いて、そこでめいいっぱい遊べれば、やれることは結構あるんじゃないか。そう思えるようになりました。
オレがこの会社にもいるのはあとほんのわずかですが、もう一回くらい「ド派手に遊んで」みたいと思います。そん時にオレと付き合って「遊んで」くれるヤツがまた居てくれれば、それは非常に有難いですね。
*1:タキガワの家で死蔵していたルンバもどきとiPod shuffle、前者はパチンコ屋のクジ引きで、後者は昨年のCEATEC JAPANのアンケート応募で当たった
*2:ついでに言うと当日ドタキャンした輩(しかも前回に続いて2回目)もいました。こいつは二度と誘わん。
*3:「遊び」と表現すると御幣があるかもしれないけど