ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

アキバでの献血所でみたカオスとTwitterで広がった噂の真相

注意

このエントリーは特定・不特定に関わらず誰誹謗中傷する事を目的としておりません。単純にタキガワ個人の疑問を解消する為に取った行動を記録するもので、万が一にもどなたかの利益を損なうことは避けたいと考えております。以下の内容に不愉快に感じる箇所がございましたら、極力誠意を以って対応したいと考えておりますので、その際にはお手数ですがコメント欄等でお知らせ下さい。

はじめに

今日(というかもう昨日か)は秋葉原まで献血しに行ってきました。目的は?と聞かれると、まぁ通常献血に行ってアイスホッケーをする輩はいないので、献血自体が目的なのが本来なのですが、今日だけはちょっと別の目的もありました。はてブホッテントリ入りしたのでご存知の方も多いと思いますが、昨日(というかもう一昨日か)こんな発言がTwitterにPOSTされ、話題を呼んでいます。

昨日知ったのだがマクドナルドを食ったら6時間程度は献血不可能らしい。遠心分離にかけられて油がぎっちょんぎっちょんになった自分の血液を見せられて少し戦慄した。

http://twitter.com/cotalaw/status/7502435717

昨日の昼にマクドナルドでハンバーガーを食した。その3時間後に献血に行ったのだがいつも通りに採血されて献血の順番を待っていたらいつもと違う問診室に呼ばれた。さっき検査用の採血を行ったおばはんが俺に昼飯はなにを食ったか聞いてくる。マクドナルドと伝えたら「やっぱり、マクドナルドはだいたいビンゴやね」とのたまう。そして遠心分離にかけた俺の血液を見せてくれたが見事に油の層が出来ていた。いずれは腎臓や肝臓で処理されて体外に排出されれるものなのだが今のままの血液は使えないとのこと。マクドナルド、恐るべし。

http://d.hatena.ne.jp/the-world-is-yours/20100108/p1

オレ自身もホッテントリから知ったクチですが、ファーストフードをよく口にする身としてはそれなりに気になる発言ではあるものの、あまり深く意識せず、単に面白そうだとそのままReTweetさせて貰いました。それがその後Twitter上でちょっとした意見交換のきっかけになったのです。


※利用サービス:http://www.sukechan.net/labs/stream_viewer/


このやりとりを要約すると、ポイントは以下のような感じです。

  • 直前の食事の内容がそんなに早く血液に吸収されるのか?
  • 直前の食事の内容で献血を断る、もしくは献血を中断することはあるのか?
  • 赤十字献血の直前の食事に関する注意喚起を行っているのか?
  • もしかして油分もしくは脂肪分はアルコール同様に吸収が早いのか?


正直なところ、ネットで調べててもラチ明かないし(この時点で騒ぎが大きくなり過ぎていてどれが正解かかなり怪しくなっていた)、めんどくせーから直接行って確かめてみよう、と思い立った次第です。ついでなので、以前から気になっていた「オタクをターゲットとした秋葉原献血ルーム」というのがあるらしいので、それを見物しに行こうと思ったのが一つ。オレは日々ロクでもないことしかしてないので、幸い血の気だけは売るほどあるし年始早々に慈善活動でもしておいてもバチは当たらんだろうというのが一つ。…まぁ要するに単なる興味本位ですな。


今回、この検証を行うにあたり最も適切な方法が、発言をされた@cotalaw氏の行動をそっくりトレースすること、つまり献血3時間前にマクドナルドで食事を取り、献血を依頼することだと思います。ですが、氏が既に実践されているようにかなりの確率で献血は実施不可能です。オレひとりが採血とかちょっと痛い思いをする程度で済めば良いですが、お付き合い頂くのは実際に日々献血ルームで働かれている方々で、その方達の手を煩わせることになってしまいます。確信犯的な行動を起こすことは、タチの悪い悪戯となんら変わりありません。特に今回はFC東京のサポーターの方との会話から話が始まりました。愛すべき青赤の誇りと絆をこんなつまらん事で汚す訳にはいかない。なので、献血献血できちんと作法(?)を守って行い、ついでに担当して頂いた方に献血直前の食事について質問してみる、というスタイルを取ることにしました。

いざ秋葉原

今日(というか、もう昨日か)は9時ちょい前に起き、昼頃に家を出て駅の神戸屋でサンドウィッチと烏龍茶を購入(これが今日最初の食事)、その後電車に揺られること一時間で秋葉原駅に到着。


早速「アキバ」っぽい光景が目に入ってきます。痛車ならぬ「痛チャリ」なんですかね。ちなみにこの自転車は走っているところも見かけたんですが、なんとステレオ付きでVOCALOID楽曲を大音量で流していました。これとは別に痛原チャリ(けいおん!あずにゃん)も見かけましたが、そちらもやはり東方楽曲を大音量で流していました。………なんだ、流行ってるのかこういうの?




ヨドバシアキバの前にNintendoDSを持って立ったままプレイしている人が多数。このクソ寒いによくもまぁ………、はっ…、こ、これがもしかして噂の「ルイーダの酒場」ってヤツなのか!?



さて蛇足もありましたが本題へ。秋葉原駅電気街口改札から信号待ちも含め徒歩3分程度で目的の献血ルームに到着です。どっかで見たことあるなぁなにこのデジャヴと思ったら、このビル去年の会社の健康診断で来たわw。

日本赤十字社 東京都赤十字血液センター


辿り着いたそこは、非常に綺麗で近未来的で、でもよくよく見るとカルトと萌えの入り混じった、なんとも言い表せない不思議な空間でした。


内装は全体的に白と透明を基調にしたサイバーなイメージ。話題の場所だと思っていたんですが予想に反して静かで人もまばらでした。職員の方々も非常にキビキビと動いており、とても落ち着いた雰囲気で居心地良さそうな印象です。


窓の外にはヨドバシアキバが見えます。秋葉原駅に非常に近い好立地と言えるでしょう。



こちらはロッカー。ナンバー式の施錠が可能。新宿駅SuiCaを利用できるコインロッカーを使用したことがありますが、あれに若干似ているかもしれません。



男性用小便器上のメッセージプレート。なるほど、献血後は倒れる可能性があるのか。気をつけよ。




…その前からちょいちょい写真にも写っていましたが、この辺から一気に「アキバ」っぽくなっていきます。2010年1月現在日本赤十字社 東京都赤十字血液センターでは作家:西尾維新の「化物語」「刀語」というアニメ作品の展示を行っているらしくその関連グッズやイラストが随所に飾られていました。液晶テレビに映るのもアニメのワンシーンだったりOP / EDだったり。「化物語」はニコ動でも結構話題だからオレでも多少分かるぞ!



献血ルームによくある漫画雑誌置き場と軽食置き場。やっぱり「化物語」が置いてあります。他にも漫画が色々揃ってましたが、新しい献血ルームだけあってどれも非常に綺麗でした。若干ですが「アキバ」っぽいというか、やや対象範囲が狭い漫画もチラホラと…。



この辺は「化物語」と「刀語」設定資料集やピンナップイラストみたいなのをファイリングしたものです。こういうの、うちでも妹(アニメ制作会社所属)が持ち帰ってきたのをたまに見掛けます。…ああ、うちのは多分仕事で要らなくなったものを特別に許可を得て貰ってきたそうなので、別に職権乱用とかでは無いですよw。



こちらの青年(手だけ写ってますw)は熱心に設定資料集を写真に収めてましたが、デジタル万引きになんないんだろうか…。ま、写真撮影しちゃダメとは書いてなかったし、大丈夫だろ。



窓際の席にあったスケッチブック。以前は待合室内で「初音ミク」特集をやっていたようで、それらしい書き込みやイラストが多かったです。どれも非常に上手でした。…あれ、確か色鉛筆とか無かった気がするけど、みんなどうやって描いたんだろ?



美人の受付嬢に従って事前手続き済ませ、簡単な質問事項に応えると受付は終了。他の血液提供者同様に待合室で待機している(正確には待合室内をうろちょろ物色したり写真を撮ったりしてたので、他の人と比べてかなり怪しかったはずw)と名前が呼ばれ、医師の問診を終えると、実際に献血が可能かどうか採血検査が行われました。これでやっと本題。この採血の際に担当して頂いた看護師さんに簡単に質問させて貰いました。

オレ:さっき受付で直前の食事に関する質問事項があったんですけど、やっぱり影響があるもんなんですか?

看護師:あんまり無いんですけど、たまに(影響が)出ちゃうこともありますね。

オレ:なにか献血の直前に食べちゃいけないものって、あるんですか?

看護師:そうですね〜、あんまり気にしなくて大丈夫ですけど、油っこいものとかは避けた方が良いかもしれませんね。ラーメンとか揚げ物とか…。成分献血の場合、遠心分離機で成分を分離させるんですけど、油の多いものを食べられると、血液に油が多く含まれてしまってうまく分離できなくなっちゃうんですよ。

オレ:しかし直前の食事でも影響出ちゃったりするんですね。まだ消化吸収されてなさそうな感じもしますけど。

看護師:油と水を一緒に摂ると胃や腸から油も吸収されて、血液に油が多く含まれるようになっちゃうんです。

オレ:なるほど。


ややうろ憶えの部分もありますが、だいたいこんな内容だったと思います。ご担当頂いた看護師さん、お忙しいのにオレのたわごとに付き合って頂いて本当に申し訳ありません & 有難うございました。でもこれでなんとなく見えてきました。ちなみに、献血ルーム内は一通り見回したと思いますが、特に食事に関する張り紙等はこの献血ルームでは見当たりませんでした。


この後実際に献血を実施しました。オレは今回400ccの全献血(成分献血ではなく血液全てを提供する)を行っています。献血の為の採血はリクライニングシートで行うのですが、それぞれに14型程度の液晶テレビが付いており、好きな番組が見れる他、手元のiPod Touchからビデオも選んでみることが出来ます。音声はリクライニングシートのちょうど枕のあたりから聞こえるので、ヘッドフォン要らずです。これは凄い!!
…やはりiPod Touch内のビデオラインナップは「化物語」ばっかりでした。



オレはこの時たまたまやっていた高校サッカーの決勝を選択しましたが、山梨学院大付属のスーパーシュートが決まったシーンでつい叫び声を上げてしまい、周りの看護師さんと血液提供者を全員ビックリさせてしまった次第。…重ね重ね申し訳ない。



献血後はしばし休憩が必要との事。何枚かのチラシや注意事項の書かれた紙と一緒に、献血後のサービスということで、「化物語」「刀語」のステッカー、あと何故かゴルフの石川遼選手のシールを貰いました。この後お茶を何杯か頂いて、速やかに献血ルームを退出しました。



結論


アキバの献血ルーム、まぢパネェ!!!!!




























…あれ、結論がおかしいな。

本当の結論

ネットで収集した情報もやや含みますが、簡単に献血直前の食事(特に油)についてまとめてみます。

  • 食事に含まれる脂肪分は、直前の食事であっても血液内に吸収され影響が出る。(食事4時間後がピークという文献もあり)
  • 赤十字側で特に食事制限を設けるようなことは、基本的にはしていない
  • 少なくとも、特定ブランドを名指しで食べないよう指導する等は行っていない
  • 献血ルームでの食事制限に関する張り紙は、おそらく各会場の担当者の任意で行われる
  • 成分献血の場合、血液中の脂肪分の割合が多いと上手く成分を分離できず、献血を実施できない場合がある
  • 献血の場合には、血液中の脂肪分の割合はさほど関係ない。(ただ、その後の血液の行方を考えれば、避けた方が良い)


どうも脂肪分は食後から徐々に吸収が始まり、血液中の脂肪分を一時的に増やす要因になるようです。小学校くらいで「食べ物は食べてから6時間くらいで胃で消化され、その後小腸でゆっくり吸収される」と教わった気がしたのですが、それとどうも異なるので違和感を覚えますが、ともかく事実で間違いないようですね。その辺の仕組みも知りたいところですが、うまくGoogle先生に質問できなかったので、現在のところ保留のままです。

@cotalaw氏が直前に食べたのは今回たまたまマクドナルドでしたが、要は脂肪分が多く含まれる食事ならば何でも同様の事態になり得るのだと思います。オレの質問した看護師さんは、どちらかというとラーメンを例に挙げることが多かった気がします(というより、マックの「ま」の字も出なかった)。多分、お湯と一緒に脂肪分も摂取されるラーメンのスープは胃に殆ど留まらず腸に入ってしまい、よりこの現象が起こりやすくなるのでは、というのがオレの勝手な想像です。なんにせよ、健康診断や献血など、血液採取が伴う場合には、直前の油っぽい食事は避けるようにした方が良さそうです。



おまけ

献血後に会社の先輩たちと合流して、以下のお店に行ってきました。いやぁ、いわゆるメイド居酒屋なんで料理はあんまり期待してなかったんですけど、結構美味しかったです。先輩たちにも珍しい店(メイド初体験!)だったと満足して貰えてなによりでした。…良い子と良い大人は献血後の飲酒は止めましょうね。あと、健康診断前の飲酒も。


欧風ギルドレストラン ザ・グランヴァニア