ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

預かっていたものを返しただけ

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 何と言うか、夢のようなひとときでしたねぇ。昨晩の壮行セレモニーだけではなく、彼がいたこの数年間が。


 昨晩のFC東京-横浜Fマリノス戦(味スタ)終了後に、スペイン:レアル・マドリードに移籍することになった久保建英選手の壮行セレモニーが開催されました。このタイミングでの壮行セレモニー開催は完全に偶然のはずなのに、たまたま半年間レンタル移籍していたマリノスとの試合での開催になったのは、建英が持ってるなぁ、というのをしみじみ感じますね。






 建英のコメントを聞くと、つくづく彼にとってFC東京は「通過点」だったんだなぁって、しみじみ感じました。サバサバした冷静で淡々としたコメントは彼の持ち味なんですが、それを差し引いても、そんなニュアンスは読み取れました。あんなにあっけらかんと笑いの多い壮行セレモニーもちょっと珍しいなと。
 とはいえ、通ってきた道で何も心に残らなかったか、何も感じなかったか、というと、それも違うのもコメントから読み取れます。我々と一緒に戦ったこの数年間が、彼にとって今後の人生の支えになる何かがあれば、戦友として喜ばしく感じます。



 タイトルにも書きましたが、久保建英選手の今回の移籍は「預かっていたものを返しただけ」というのがオレの思いです。返却先はバルサじゃなくてレアルになっちゃいましたけどね。最初はお客さんで、呼び方も「久保くん」「久保くん」で、あくまで他所から来たお子さんでお客さん。プレイが冴えなくても「まぁ言うたって若いしね」で済ませていて。
 それが今季開幕して、身体も強くなって、守備もちゃんとできるようになって、本来の持ち味のドリブルやキラーパスが冴えるようになって、これは今年はちょっと違うぞ!?となって。気付いた時には彼の呼び方は「建英」になっていました。彼は立派な戦力で、FC東京に欠かせない存在。お客さん相手はプロ選手に対して失礼だ。オレの中でそんな心の移り変わりがあったのかもしれません。

 だからこそ、「預かっていたものを返しただけ」と割り切るのが難しいのが本音でした。今季はもしかしたらFC東京はリーグ初優勝を狙えるかもしれない。だったら建英にもその瞬間ピッチに立っていてほしい。心の底からそう思いました。おそらくは建英自身も相当悩んだんじゃないかと思います。
 それでも、当初から自分が決めたように、海外での挑戦を最優先に、ロジカルに冷静に自分の将来のための判断をした。その勇気と意志の強さ、本当に尊敬します。なれば我々もあくまで「預かっていたものを返しただけ」と割り切って送り出すべきでしょう。


 いかに久保建英とはいえ、挑むのは世界頂点のレアル・マドリードバロンドールを獲得したモドリッチをはじめ、各国代表のエース級の選手しか所属していないクラブで活躍するのは、並大抵の困難さではないでしょう。最初は2軍に相当するカスティージャからスタートするそうですが、それでさえも生き残るのはとても難しいはず。
 それでも、建英ならやってくれるんじゃないかと信じています。たった一年でJ1のサッカーに適応してみせたその潜在能力は、きっとリーガエスパニョーラでも通用するはずです。




 きっと建英はFC東京には戻ってこないでしょう。どこまでも遠くに行く彼の姿を、液晶越しに眺め続けることになるだと思います。だからこそ、一緒に戦ったこのシーズンをオレの一生の自慢にしたいと思います。いつか建英がエスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウのピッチに立ったら、うざいくらいそのことをアピールしますんで、そん時は生暖かい目で見てやってくださいね。