ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

夢でもし逢えたら

f:id:takigawa401:20190624102546j:plain

 先週金曜は弟の結婚式でした。大好きなミッフィーの誕生日に式を挙げたいというお嫁さんのたっての希望で、平日の結婚式というちょっと珍しい形になりましたが、まあ参列者が両家の親族だけなので、その辺はフレキシブルにできたんでしょうね。上の写真は式場のほんの一部。式場はこんな感じでミッフィーやそのほか色々なキャラクターで埋め尽くされていました。なんなら神前式の神棚にまでミッフィーがいたもんなぁ。しかもこれが全部お嫁さんの私物だってんだからビックリしちゃう。なんでも車にぬいぐるみをめいいっぱい詰め込んで、式場と2往復したんだそうな。「まだ家にはお留守番してる子たちがいっぱいいるんですよぉ」って嬉しそうに話してました。弟はそんな環境で新婚生活を送っているのかぁと、兄貴が知らない世界線をつたない想像力で想像したりもしましたが、さすがにちょっとピンときませんでしたねぇ。
 まぁともかく、色々ちょっとずつ珍しい形ではありましたが、手作り感に溢れ、とても良い結婚式だったと思います。あらためて、ふたりともおめでとう!


 いやぁ、でもなんというか、感慨深いというか驚きが多いというかですね。実家でニートというかパチプロというかを10年近くしていてフラフラしていた弟が、近所に工場ができたのをきっかけにきちんと働き始め、生涯の伴侶となる女性とそこで出会い、結婚して家庭を持つ。それだけでも相当な驚きでしたが、お嫁さんから聞く弟の特徴に「すごく気遣ってくれてやさしい」なんて言葉があったり、式の最中にお嫁さんを喜ばせようとさまざまなサプライズを仕掛けていたりと、オマエそんな色々気遣いできるヤツだったっけ?と衝撃を覚えました。更には、将来子供ができたタイミングで実家に戻って二世帯住宅を建てて両親と一緒に住もうと思っている、というようなことも言っていたようです。それすなわち、実家を継ぐという意思表明なのでしょう。オレの中で弟はあんまり良いイメージがなかったんですが、ちゃんと将来のこともしっかり考えてくれていたんだなぁと感心しました。男子三日会わざれば刮目してみよ、とは言いますが、いやまさにそのとおりだなと思いました。




 ちょっと話は変わるんですが、夢……寝ると見るほうです……を見ると、起きた後も割と印象に残っているのが、弟と祖父母が出てきたときの夢だったりします。


 人は睡眠中に記憶の整理・定着を行うそうです。不要な記憶を消したり、大事だと思う記憶を保存したり、他の記憶と結びつけたり。いわゆる脳のデフラグですね。睡眠は深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)をだいたい90分単位で繰り返すそうですが、脳のデフラグの最中に浅い眠りに突入すると、意識の表層に整理中の記憶が映像として現れることがあり、これが「夢」になるんだそうです。夢で見た内容は海馬を介さないので記憶として取り込まれず、眠りから覚めると次第に忘れてしまうのだそうです。夢の内容を覚えていたければ、起きて目が完全に覚めきらないうちにメモを取るか、夢の内容を反芻して海馬から新規情報として取り込む必要があるんだそうな。そんな話を聞いたことがあります。ところどころ間違ってるかもしれませんし、それを差し置いても10年以上前に聞いた話なので、信憑性はさだかではありませんが。


 話は戻して、オレの夢の話。本来忘れるべき内容を強い印象を以って記憶しているのには、それなりに理由があります。弟は夢に出てくるとき、必ず子供の姿なのです。

 先に結論と言うか、自己分析した結果を書くと、弟を内心子ども扱いしているとかではなく、オレが18で上京したときに弟はまだ小学生だったので、おそらくはその時のままの姿で夢に現れてるのでしょう。潜在意識の中の弟の姿が、実家を出てから20年以上アップデートされていないのではないかと思います。もちろん帰省した際には毎回顔を合わせますし、子供の頃と今とでは似ても似つかない姿であることはとっくに認識しています。しかし、どうも潜在意識の中の弟の姿はアップデートされていない。アップデートされていないから、夢でだけは未だに弟は子供の姿のままなのでしょう。

 で、夢に弟が出てくるたびに、「あれ、弟ってとっくに成人してるし、なんならオッサンの域だよな?」と気付いて驚かされるわけです。毎回毎回律儀に驚かされるのだから大したものです。

 これに関しては祖父母も状況が似ていて、とっくに亡くなっているはずの祖父母が夢に出てくるわけです。それも、最期に会った姿ではなく、昔の元気な姿で、です。夢なのではっきり覚えてはいませんが、やっぱりオレが上京した頃の姿のような気がします。不思議なもので、夢を見ている間はそれに気付かないモンで、目が覚めてから「そうだ、じいちゃん(ばあちゃん)は死んだんだった。」って思い出すんです。せつなくもかなしくもないです。だってもう何十回も夢に出てきてるんだもの。亡くなった人が夢枕に立つにしちゃあ頻繁すぎるし、あの世はあの世でそれなりに忙しいでしょうから、いちいち不肖の孫に構ってるヒマもないでしょう。だから、まぁ、これはオレ自身の問題だってことです。


 故郷から遠く離れたといってもそこでの時間は止まらないし、苦労を重ねたり何かを学んだりしてきたのは自分だけではない、なんてのは当たり前の話なんですけど、オレの潜在意識はその辺のことがイマイチ分かってなかったみたいです。まぁだからって、表層意識はちゃんとその辺は認識できているので、日常生活に支障があるわけじゃあないんですが、夢みたいにふとしたことでうっかり認識できちゃうものなんですねぇ。




 話は結婚式に戻しますが、今回オレは式を通して弟の成長をまざまざと目の当たりにしました。あれからまだ弟が夢に出てきたことはないですが、もしかしたら次に夢に出てくるときには、子供の姿ではなく結婚式に見た紋付袴かもしれないなぁなんて考えていて、それはそれで面白いかもしれません。
 今、オレは故郷に戻るためにあれこれ動いており、年内にはそれを完遂するつもりでいます。今は故郷の側が潜在意識の中で時が止まっていますが、もう少ししたら時が止まるのは東京側になるのかもしれません。そうしたら東京で知り合った友人達はオレの夢にどんな姿で出てくるんでしょうか。今からちょっと楽しみだったりしています。