6/16(金)、「駅すぱあと」× EXPERTプロジェクト ストームチェイサー青木豊氏 トークイベント に参加してきた
はじめに
6/16(金)は高円寺:ヴァル研究所で開催された「「ストームチェイサー青木豊氏トークイベント 」に参加してきました。ストームチェイサーとは、嵐・竜巻・雷などの異常気象を専門に扱うカメラマンのこと。日本では青木さん唯お一人のみがプロのストームチェイサーとして活動されているそうです。人が逃げる危険な異常気象を敢えて間近で撮影するその日常ぶりは常軌を逸しており、あまりの凄まじさにTBS系ドキュメンタリー系バラエティ「クレイジージャーニー」でも特集を組まれたほど。
今回このイベントは、ITコミュニティづてでご紹介頂き、開催を知りました。オレ自身、写真が趣味で、親父も野鳥撮影が趣味ですが、親父から聞く野鳥の撮影は、普段写真を撮り慣れているオレからしてもかなり過酷です。それをさらに上回る困難さが付きまとう異常気象の撮影というのはどういうものなのか、ぜひお話を伺いたいと思い参加した次第です。
以下、トークショーのメモ。最初の10分程度は遅刻したこともあって聞き逃していますのでご了承ください。
聴講メモ
- 食っていけるか?
- 1人しか知らない
- 自身もバイトしながらやってる
- 普段は普通のカメラマンと同じ
- きっかけ
- 最初の一枚
- 昼間は撮れない
- 動体視力があれば行けるんじゃね?
- バッティングセンター
- 被写体の特性を知らねば撮影をはできない
- ネット
- 図書館
- 雷の特性
- ストームチェイサーのお仕事
- 自営業
- 事務処理も自分で行う
- 実は事務処理は嫌い
- パチンコ屋の早朝清掃
- (色々あってパチンコ屋のエピソードは自主規制)
- 雷は午後が多い
- シーズンオフ
- ブライダル撮影
- 商品撮影
- リフォーム物件撮影
- 本当は好きな写真を撮って暮らしたい
- 日本には写真を買うという文化が根付かない
- 最盛期は寝ない
- 夜遅くまで作業
- 仮眠取るつもりがいつの間にか深夜に
- バイトで得た収入は生活費
- 撮影で得た収入は撮影機材やガソリン代
- ガソリン代は馬鹿にならない、シーズンは月7万の時も
- チェイスをするための準備
- アメリカはどこに停めても撮影できる
- 高速道路は無料
- 停車は禁止だが停めて撮影している人はいっぱいいる
- そのせいで曳かれて死ぬ撮影家も
- 3日前
- 情報収集
- ネット
- 天気予報
- 天気図
- 発雷確率
- 2日前
- 予報や確率のっ変化を気にしながら撮影地を模索
- 予報は当たらないことが多い
- 当日
- レーダーを気にしながら
- 目視で確認
- 輪郭のはっきりした雲が狙いやすい
- 雲は動きが早い
- 30km/hくらい
- 日本は信号や渋滞が多い
- 車を停められる場所が見つからない
- 停められる場所を探している間に雲をロストすることも
- めったに撮れない
- 撮れたらうれしい
- 奮発してお酒やお肉が食べたくなる
- 楽しみながら撮りたい
- 長続きしない
- 五感を研ぎ澄ます
- 自分で見て肌で風を感じて危険を察知する
- 危険を感じた場合、車がシェルターになる
- 金属に囲まれていると安全
- 窓が開いているとNG
- 金属に触れているとNG
- 鉄板が薄いと突き抜ける?
- 危ないと思ったときにはもう遅い
- 雨が降ってきたら移動を考える
- 目当ての雲が迫ってきたら
- 雨が降ってきたら雨が降ってない場所まで移動して撮影
- 虹は10分くらいで消える
- モチベーション
- いつか理想の一枚を撮りたい
- 雲や天気のことをもっと知りたい
- 撮影時のエピソード
- 小さめなカメラの使用
- 「えっプロなのにこんなので撮影してるんですか」
- 車の中で撮影するので、小さくて使いやすいカメラがよい
- 最近のカメラは性能が良いので、小さくてもちゃんと写真は撮れる
- 認められた一枚
- 日経に掲載された
- 反響がすごかった
- これがきっかけでプロ宣言に
- 情熱大陸
- まるまる一年かけて撮影
- ストレスで4kgやせた
- 撮影日に雷がとれるとは限らない
- プライベートまで撮影
- 食事
- 洗濯
- 言わなければトイレまでついてくる
- ディレクターと折り合いが悪い
- こいつとは一生友達になりたくない
- アメリカロケ
- 放送4日前
- 予告が入った後でも撮影は続いた
- 人工物・建物を比較対象として写すことが多い
- 火災旋風
- ガストフロント
- ダウンバースト
- 茨城県下館市
- 国内最大級のダウンバースト(F2 / 20年前)
- テレビのアンテナが全部とんだ
- 死者発生
- 太陽光パネルが吹き飛ばされてそれに直撃
- F0・F1、風速はそれほどでもない
- 体感的にはかなり風が強い
- 木がバタバタとゆれる
- 被害範囲が広い
- 飛行機には大変危険
- ダウンバーストを解明したのが藤田博士
- Fレベルは藤田博士の頭文字から
- アメリカでは神様みたいな人、亡くなった時には特番まで組まれた
- 測定するためにセスナ機をチャーターしてダウンバーストに特攻した
- 米国人「イッツアクレイジー!!!」
- ダウンバーストをTVで撮影したがお蔵入りになってしまった
- 被害が出るとテレビが買いたがる
- 画像データが大きいので、データが簡単に送れない
- ADSLを未だに使っていたり
- 夕方の番組に間に合いませんでした
- 雷
- 電車にとって脅威
- 駅すぱあとを活用してね
- 雷の軌跡を追えるソフト
- 雷の予報に役立てる?
- 学者の言ってることが難しくてよくわからなかった
- 横走りの雷が増えると積乱雲が衰退してきた証拠
- まとめ
感想
いやぁ、思っていた以上に大変ですね。このトークショーの後で「クレイジージャーニー」の放送回も観たのですが*1、あれだけ下調べをしていても空振りが圧倒的に多いことにビックリしました。本当に好きでなければ続けられないっすわ。また青木さんの場合は、「異常気象がどれほど危険か知らせたい」「研究機関に提供することで将来の災害予測に役立てたい」と使命感を持たれており、「雷が好き」「良い写真が撮りたい」以外のモチベーションもそれを支えているようです。
オレはあくまで趣味で写真を撮っており、できればその趣味で撮った写真をプレゼンやブログで活かしたい、とは思って続けていますが、さすがにあそこまでのめり込むことは……。ただただ感心するばかりでした。あの辛抱強さと執念は見習いたいです。
お話の中には、青木さんの生活感あふれる話や、「情熱大陸」で長期間の密着取材があった際の撮影スタッフとのイザコザの話など、青木さんの生身の部分が見えて親近感がわきました。「クレイジー」と評される人であっても、視点を変えればただの人、というのは、個人的には安心感もありますし、立ち入れない領域ではないのかもしれないと感じて心強くもあります。
トークショー最後にはじゃんけん大会も。勝ち抜いた女性お二人が、会場に展示されていた青木さんのお写真のパネルをプレゼントされていました。また、自己申告で「今日が誕生日だから自分にも写真をくれ」という若い男性にもパネルがプレゼントされるという太っ腹な一面も。……クレイジージャーニーで青木さんの平均月収を知っていたら、とてもじゃないけど「タダでくれ!」とは言えないですね。今思い返せばじゃんけんで早々に負けてよかったのかも。
帰り際に写真集も購入、青木さんから直々にサインも頂きました。オレの購入した費用だと、印税が10%だとして……残念ながら唐揚げ&ビールには到底届かないですが、また機会を見つけて買わせて頂きます。
最後に、このイベントを教えて頂いた@Toshiaki0315さんと丸山さんに多大なる感謝を。イベント最後に回答したアンケートから察する限り、ヴァル研究所さんの「駅すぱあと× EXPERTプロジェクト」では、また青木さんと同じようなエキスパートな方のお話が聞けそうなので、今後もチェックしてみたいと思います。
*1:一応リンクは貼りますが、違法だったら消えると思うので、その旨ご了承ください