ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

3/28(金)、「ビジネスモデル・イノベーションのケースを作ってひたすらキャンバスを描く会 #bmgworks 」に参加してきました。

はじめに

 3/28(金)は東京:秋葉原のクラスメソッド株式会社で開催されたBMG Worksの勉強会イベント、「ビジネスモデル・イノベーションのケースを作ってひたすらキャンバスを描く会」に参加してきました。

 BMG Worksは最近の傾向として、ITエンジニアより一般の職業の方々の参加が多く、常連よりは初回参加の方の参加が多い傾向にあります。書籍「ビジネスモデル・ジェネレーション」が日本で出版されてから3年程度経ち、当時はリーン・スタートアップが話題だったこともあってITエンジニアの中でもてはやされていたものが、一巡して一般の人にビジネスツールとして認知されてきた、ということなのかもしれませんね。


 そんなこともあって最近はBMG Worksでも「キャンバスを描く」という基本に立ち返った開催内容が多いんですが、今回もそんな主旨で開催されました。
 書籍「ビジネスモデル・イノベーション」は、大雑把に説明すると、既に成功しているビジネスをいくつかのパターンに分けて分類し、紹介している本です。とにかく多くの成功ビジネス事例が紹介され、特徴が掲載しているので、今回はこれを題材にキャンバスを描いてみよう、というものです。


 @agnozingdaysさんによる、この勉強会のレポートはこちら。


ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ビジネスモデル・イノベーション ブレークスルーを起こすフレームワーク10

ビジネスモデル・イノベーション ブレークスルーを起こすフレームワーク10


開催挨拶&主旨説明


 主幹事の@take3000さんから、開催挨拶と主旨説明。BMG Worksは準備コストを殆どかけないユルい会ですよ〜、的なことを話されていました。参加者は1名女性がいらした以外は全員男性で、10名強だったでしょうか、確かDoorKeeperでは当日朝の段階で25名が参加だった気がするんですが……。


フォームチェック


 初めての方も多いので、ビジネスモデルキャンバスの書き方を説明し、みんなでホワイトボードに一枚のキャンバスを描いて行きます。ここは@_N_A_さんとオレが担当しました。テーマはオレが勝手にクックパッドを選んだんですが、参加者に男性が多いこともあり、なかなか意見が出てこないという事態に……。完全にミスチョイスでした。


素振り


 参加者全体を4つのグループに分けて、「ビジネスモデル・イノベーション」の中から予めチョイスしていた9つのビジネスから、好きなビジネスを2つ選んでキャンバスに書き起こす、というワークショップ。オレのグループは、オレ含め3名。オレ以外キャンバスを描くこと自体が初めてということだったので、お二人にそれぞれテーマとなるビジネスを選んでもらい、オレが書き方を説明しながらそれぞれが手元に書いていく、というやり方をしました。

 解説に結構時間をかけてしまったこともあって、2枚全部は書き切れなかったのですが、それなりにしっかり書き方を覚えていただけたんじゃないかと思います。


クロージング


 @take3000さんによるクロージング。Facebookグループの案内と、次回開催予定の案内が行われました。

懇親会


 希望者6名による懇親会。「岩本町Style」という国産ワインにこだわったバルっぽいお店でした。ピザと、意外にバナナベーコン串が美味かったです。是非近いうちにもう一回行きたい。


 常連ばかりの中、お二人は今回が初参加。お一方は既にFacebookグループにも参加されていましたが、もうお一方はDoorKeeperから面白そうな勉強会をチョイスした結果として今回の参加となったようです。前回もそういう方がいらしたのですが、チャレンジ精神に溢れてるなぁと関心した次第です。


総評

 個人的には、この勉強会での立ち位置が、前回くらいから教わる側から教える側に回った感があります。それなりに成長してきたってことなのかなぁ。今回はフォームチェックの時の題材選びに失敗したので(前回同様、参加者から出してもらえば良かった、orz)、次回はその辺を上手くやりたいです。


 参加された方からお話を伺っていて、非常に興味深かったのが、多くの人が「本は読んだけど描き方が分からない」とおっしゃっていたことです。確かに「ビジネスモデル・ジェネレーション」では、キャンバスの説明はあるし例題もいっぱい掲載されているけど、描き方指南のような内容は一切掲載されていません。書籍を手に取って興味を持ったり、有用性を感じ取っても、それをどのように手に馴染ませて行くかが、みんな迷ってしまうんでしょうね。


 そういえば我々も最初は、@take3000さんの「素振りをしたい*1」という呼びかけに応じる形で集まったのが、ビジネスモデルキャンバスに触れたきっかけでした。あれが無かったら未だにキャンバスの描き方は分からないままだったでしょうね。


 そういう意味では「基本のキャンバスの描き方をやり続ける」ことには一定の価値があるのかもしれません。



 あと面白かったのは「どういう風に使ったらいいのか分からない」という意見・質問でした。こちらも描き方同様に、使うシチュエーションみたいなのが書籍で提示されていないのが宜しくないのかもしれませんね。


 ビジネスモデルキャンバス自体はP/L・B/Sといったツールと比べて、事前知識を必要とせず、気軽に短時間で書けるというのがメリットです。反面、量が分からないなど弱点もあるので、短時間でビジネスを整理する、みんなでワイワイ書きながら共通認識を持つ、なんて使い方が適しているのかな、とオレは考えています。
 今はビジネスモデルキャンバスの類似というか、派生のキャンバスが多く存在するので、それらを理解する事前準備として、まずビジネスモデルキャンバスを描いてみる、なんてのも有用かもしれません。


 書籍だけでは提供出来ない事を、少なくともBMG Worksの活動で提供出来ているのかも、という確認が出来たのが、今回のイベントの大きな収穫だったような気がします。



 今回のお題だった、書籍「ビジネスモデル・イノベーション」ですが、やってみて感じたのは、ビジネスモデルキャンバスを描く練習には非常に都合が良い、ということです。


 キャンバスに書けるのは「自分が知っている」ことだけで、当たり前ですが「自分が知らないことはキャンバスに書くことができない」んですよね。だから事前にある程度キャンバスに描くつもりのビジネスについて調べておかなくちゃいけない。この下調べがなにげに時間を食う訳です。


 ところが、この「ビジネスモデル・イノベーション」に紹介されたビジネスをキャンバスの題材にすると、対象のビジネスの主なポイントが既に書籍に書いてあるので、後はキャンバスのどの領域に書くべきか、考えるだけで済みます。純粋にキャンバスの描き方を覚えることに集中できるので、習得が早くなるんじゃないでしょうか。


 ただ一方で、この書籍に掲載されているビジネスは「成功したビジネス」しか掲載されていないので、キャンバスに描いた内容をチェックしてビジネスを分析する際に、バリューストリームが綺麗に流れ過ぎていて、キャンバスを描いて「バリューストリームの滞り」に気付く、という経験が出来ないのが難点です。これが自分の会社のビジネスで描いた場合だと、また違う結果になるのでしょうが。
 BMG Worksでは、こういう場合、強力なライバルビジネスの出現や根源的にビジネスをひっくり返すような社会変化を、キャンバスの中で起こす事で、「バリューストリームの滞り」を作り出し、新たな発見を行うような取り組みをしてきましたが、書籍「ビジネスモデル・イノベーション」を題材にする場合には、そういう取り組みを意図的にやっていかないと、「キャンバスの描き方は覚えたけど、そもそもこのツールの価値を十分に生かし切れない」という事態になってしまうかもしれません。


 実はオレもまだ手元に「ビジネスモデル・イノベーション」に届いていないので、読破後に改めてどう活用するかを考えてみたいと思います。




 BMG Worksも常連と一見さんの二極化が進んでいるような気がしますが、活動に意義がある事を今回再確認出来ましたし、自分たち常連が飽きないように変化を付けながら、初心者に優しくでも相変わらずユルくやって行けたらいいなぁとか思っています。良かったらFacebookグループおよびDoorKeeperにご参加下さいませ。


ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

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ビジネスモデル・イノベーション ブレークスルーを起こすフレームワーク10

ビジネスモデル・イノベーション ブレークスルーを起こすフレームワーク10

*1:実際の仕事から離れた失敗しても問題無い状況で本に書いてあることを試すこと