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ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

8/04(日)、「Tech Guild - Interview Skills」に参加してきました。 #DevLOVE

勉強会



はじめに

 今日は大崎:アドビシステムズ社で開催されたDevLOVE勉強会イベント「Tech Guild - Interview Skills」に参加して来ました。


 この勉強会のテーマは「インタビュー」。といっても、よく我々がテレビで見かける街頭インタビューのようなものではなく、製品やサービスを開発する直前に「その製品・サービスのニーズは本当に市場に存在するのか」を、一定条件で選定したユーザーからヒアリングすることで検証する行為を指します。くだけた表現をすると「オレが考えた最強の製品・サービスが本当に売れるのかその辺の人に聞いてみる」ってことですね。昨今リーンスタートアップ(以下「リンスタ」)がもてはやされていて、エンジニアでも起業して自分のビジネスを始めたい、という人が多くなってきている風潮がありますが、リンスタの中にはきちんと「検証」の重要性も謳われています。ところがインタビューというのはリンスタで定義されている項目の中でもひときわハードルが高い。それを、実際にインタビューを生業としている方から解説して戴きながら素振り(失敗しても誰にも迷惑をかけない所で試すこと)してみよう、インタビューに必要な技術を身に着けて行こう、というのが今回の勉強会の目的です。


 じゃあオレ自身の目的は、というと、オレ自身もリンスタは多少勉強したことがあるし、最終的には故郷に帰って自身のビジネスを始めたいと言う目標もありますが、現時点ではそこまで深く考えておらず、インタビューを「特殊状況下に置ける会話術」と位置付けてその手法を学びたい、というのが率直なところです。今でこそゲーム会社(?)で携帯コンテンツの開発・運用の管理者をやっていますが、元々はSIerで上から下まで担当していました。要件定義フェイズでは顧客から要求を引き出す為に会話を重ねていくことも非常に重要な役割の1つです。そういった際にひとつでも多くの引き出しを持ちたい、と考えて参加を決めました。


 日曜の午後、有料の勉強会、会場の都合で遅刻したら入れない(入りづらい)、という勉強会を開催するにはおよそ悪条件が重なり過ぎている、というレギュレーションながらも16名ものがほぼ遅刻者無しで参加した、という事実は、それだけ参加者の意気込みが強い事と、インタビューにチャレンジ出来る機会が殆ど無いという事実を表していると思います。


Tech Guild - Interview Skills - - DevLOVE | Doorkeeper


講師陣自己紹介

 今回講師をつとめて頂くのは、会場をして頂いたアドビシステムズ社にお務めの山崎 真湖人(やまさき まこと)氏。色んな肩書きで呼ばれるそうですが、現在はシニアエクスペリエンスリサーチャという立場でいらっしゃるそうです。同社でインタビューやリサーチ評価、製品・サービス検討、そして今回の様な講師のような立場を務められているそうです。


 オレ自身は山崎さんとは以前DevLOVEの別の勉強会でダイアログを同席させて頂いたことがあったのですが、まぁ覚えてらっしゃらないでしょうなw。



 そして山崎さんをサポートされるインタビューコーチの皆さん。どこかにお務めだったり自身で会社を経営されていたりフリーでやられていたりと状況は様々なれど、皆さん現役の「プロのインタビュアー」でいらっしゃいます。


講義「インタビューの技術解説」



 最初に山崎さんから、この勉強会のコンセプトとインタビューに際した心構え、実際のインタビューのおおまかなテクニックを講義形式で解説して頂きます。なぜテクニックがおおまかな内容になるかというと、「正解の形はどこにも無い」から。十人十色、その対話の進め方と引き出し方はそれぞれケースバイケースで、簡単に伝授できるようなものではなく、経験知でしか得られないからだそうです。人間関係と一緒ですね。





 いつもの勉強会メモは、普段だともうちょっとしっかり記録を残しているんですけど、今日はそもそも昨日はしゃぎ過ぎてバテてたので、自分が重要だと思うところだけメモする形で省エネしてました。記録が少なくて申し訳ないですが、その範囲で記録を残しておきます。後日山崎さんのスライドが公開されることを期待しつつ…。

  • 今日の進め方
    • 最後にちょっとビールを飲んだり食べたりしたいので、もしお時間に都合のある方は適時ご家族や奥様にご連絡をお願いします。
    • 気軽に、フランクにユルく進めます。
    • インタビューの場所はキッチリしすぎない方が良い。
    • 勝手ながら私(山崎氏)はみんなを仲間だと思ってるので、そういうつもりでビシバシ意見を上げて欲しい。
    • 継続的にスキルを高める為に仲間も必要だし、方法のシェアも必要
    • 何が提供されるか、ではなく、どう成功したいか
    • Twitter/Facebookは出来るだけ避けて欲しい
    • ワークショップに集中して欲しい
    • インタビューのやり方やワークショップを広める必要は無いし広めて欲しいとも思ってない
    • 自分のためにやってる部分が大きい
  • 今日手に入らないもの、手に入るであろうもの
  • 心理、論理、管理
  • 傾聴
    • たき火を囲んで
    • キャンプの夜をイメージ
  • インタビュイーの話している内容について
    • 同じ話を何度も繰り返されることもある
    • インタビュイー自身も下調べをしているので知っていることを相手も喋ることがある
      • →ああ知ってるな、じゃなくて、知らない体で聴く
      • →相手がそれをどう受け止めているかも知ることができる
    • →相手のリズムに合わせる
  • 言葉で無い言葉をつかむ
    • 格好つけてるな、
    • →(会場質問)ユーザーの態度や様子をメモして記録したりしていますか?
      • あくまでインタビュアーの仮説なので、必要に応じて間を置いたり話題を整理し直したりして相手に落ち着いてもらう 
      • 強い語調になったりしたところは下線を引いたりする形でメモをとることも
  • 論的に話す人、感覚的に話す人
    • →感覚的に話す人には注意が必要
  • 論理:確実な理解
    • 図を描きながら話す・共有する方が早いことがある
    • 相手に描いてもらうことも
    • 言い換えて確認を求める
      • →「…ということですか?」
      • ↑間違っていたら修正してもらえる、もっと理解が深まる
    • 回答が曖昧
      • 例:「よく使いますか?」
      • →頻度が分からない。
        • より深掘りして聴く、週何度とか
    • 例:「コンピュータに詳しいですか?」
      • →コンピュータを使って自身が出来る事を具体的に上げて聴いてみる
    • 例:「子供に書き置きで連絡するのが不確実」
      • →何に対して不確実なのか?
        • 子供がメモを理解出来ないのか?
        • 子供がメモを必ず見るかどうかについてか?
        • メモの書き方が難しい内容を伝える事が多いのか?
        • メモを残す、ということ自体の頻度が極端に低いのか?
    • インタビュイーが曖昧にしておきたいと感じた時には、あえて曖昧にしたままにすることがある
  • 色々な手段を用いてしか聴けない事は、そもそも相手が気にしてない事かもしれない
  • 困っている度合いを確認するには? それを会話上での誘導ではなく。
    • リンスタの課題検証インタビューではよくあること
    • リサーチクエスチョンと実際に聴くことは分けて考えなくちゃいけない
    • 知りたいことはどの位課題を抱えているか
      • ダイレクトに聞くと影響がある、聞き方はそれぞれ工夫をする必要がある。
      • 判断とか結果よりは、その背景になっているであろうことを引き出す
      • →目標:背景を聞く事でなんとなく分かってくる
  • 背景を開発メンバー間でシェアするのは難しそう
    • ↑レポートの方法は課題
  • 話を明確化するテクニック
    • 絞られた質問
  • 管理
    • ロジカルに必要なことを潰して行く
      • 現在の方法からスイッチするコストとかを考えながら
    • インタビュー全体を振り返る
      • 聞くべき事はちゃんと聞けたか
      • 自分の聞きたい事・都合の良い事ばかり聴いてないか?
  • 準備の大切さ
    • インタビュースクリプトは必ず書く
    • それも出来るだけ当日話すことばで書く


 これらの説明は、少なくともオレに限って言えば、正直この段階ではちっともピンときていませんでした。これらの内容の有り難みを身を以て知るのは、この十数分後、自分たちがインタビューを実践する段階になってからです。

インタビュー実践1 & 2

 解説が終わると短い休憩を挟んで、4人毎4チームに分かれて実際にインタビューを互いに行います。参加者はそれぞれ「インタビュアー(インタビューする人)」と「インタビュイー(インタビューされる人)」をそれぞれ15分一回ずつ持ち回りで体験します。一回毎にインタビューコーチの方にコメントを貰い、Q&Aを行います。インタビュアーのターンはみんな緊張した面持ちでした。


 まず全員が1回ずつインタビュアーとインタビュイーを一通り体験し、その後でチームをシャッフルして再度インタビュアーとインタビュイーを1回ずつ、つまり計2回ずつ体験します。


 参加者全員には事前に以下のような宿題が出されています。

  • インタビューしたいスタートアップアイディアを考えてくる
  • そのアイディアに市場ニーズがあるか聞き出せるようなインタビュースクリプト(インタビュー内容を事前に整理したメモ)を書いてくる


 今回のインタビュー素振りはその宿題を使って行われます。宿題をやって来ないとかなり悲惨なことになったはずですが、参加者の中に宿題をやって来なかった人は、程度の差はあれ、なんとゼロ!この辺にも意識の高さが表れていますね。ちなみにオレはアイディア出しからスクリプト書きまで全て当日11時から開始までの2時間でやりました。その割にはわりかしまともなものが出来たので、とりあえず宿題をやってこないことではピンチに陥らずに済んだのはラッキー♪



 自身がインタビューに参加していたこともあって、ここでのメモもやや少なめ。それぞれのインタビュー素振り終了後の講評のコメントだけ残しておいたので、以下にはそれを記載しておきます。

  • 聞き方を考える
    • 「分からないかもしれないけど」→×
      • 自分は違うのかもしれない、とインタビュイーが感じてしまう
      • 自分の知識レベルを探られるような気になる
  • 話題の戻し方を考える
    • 高齢者は大変
    • 短く切り上げること自体はアリ
    • 欧米とかは10分で終わらせることも
    • 気持ちよく帰って貰うことが大事
  • 自己紹介を忘れない
  • インタビュー全体の時間を伝える
  • メモを覗かれないようにする
    • 露骨に隠すと不信感を与える
  • 最初にアイスブレイクをしっかりする
    • 無駄話をして場を和ます
    • 最初に和ませるのに失敗するとアイスは固まって行く一方
  • 話を唐突に変えすぎない
    • 相手が話し尽くした、満足したと判断できるまで話させてから間を置いて切り替える
  • スクリプトの成り立ち
    • 全体としてこういう内容を聞きたいということを書いていく
    • 構造化されたインタビュースクリプトも必要だが、会話に応じて変更可能なプランだと望ましい
  • プランBは用意するのか
    • 普通は用意しない
      • →インタビューは依頼されて行うことも多いので
    • 箇条書きと構造化
    • なるべく一枚にまとめる
      • 会話の最中にペラペラめくりたくない
    • これは聴いた、これはまだ聴いてないということをチェックして行く
  • 質問を投げかける時に、語尾をぼかすテクニック
    • 「なんとかとかぁ〜なんとかとか〜・・・」
      • インタビュイーが自分で自発的に言ってしまう→Good
  • 課題を持っている人と自分の課題と異なる場合
    • →対象者の持ってる課題を引きずり出す
  • 自分が課題がまとまってない、相手がその課題のスペシャリストだった場合
    • 相手にまとめてもらう、くらいのつもりで
    • 相手が話をしたくなっちゃった、それを促すインタビューを。
  • 一般論を話そうとした。「私はこうですけど他の人だったらおそらくは…」
    • →そこを自分事に強制的に戻す
    • 「私が聞きたいのは貴方の話なんだ!」
  • 時間切れはNG
  • どうにもマッチしないインタビュイーの場合、
    • 「困ったなぁ」くらいのことは相手に伝えちゃってもいい、相手に協力を求める
    • 想像(仮想)の中で目的の話に辿り着く
    • 「例えばなんですけどこういうシチュエーションを想像して貰えますか?」
  • 「今(現在)」の話に集中しすぎない
    • 「昔(過去)」の話を思い返してもらったり
    • 「未来(想像・仮定)」の話をしてもらったりしながら
    • 本題の話に入る
    • 例:隣の同僚が考えていることを想像話して貰う
  • メモを取る取らないはそれぞれの自由
    • メンバーの多さにもよる
      • →記録係を連れて行く、とかも出来る
  • インタビュイーがちょっとした会話で話し出してくれる人とそうでない人がいる、それを早めに見極める
  • 必ずポジ・ネガ両方聞くようにする
    • ×「見る気になって頂けますか?」→これだけだと誘導になってしまう
  • 「どう思われますか?」
    • →漠然とし過ぎてる
    • →すんなり答えられる内容に小分けに落とす
    • 全体を説明しておいて、全部終わってから個々を別々に意見を聞いてみる
  • 一般のインタビュイーはこんなに上手く行かない
    • 今回はワークショップで参加者全員が両方やってるから互いに同情的
    • 実際のインタビューの際には、質問した直後に「今の質問何だっけ?」みたいに返しをくらうことはいくらでもある。


 オレのインタビューの指摘には「喋り方が早過ぎる。それだとインタビュイーを焦らせてしまうのでもっとゆっくり」というのもあったんですが、喋り方のスピードって、分かっててもなかなか調整出来ないですねぇ。特にインタビュイーの時は緊張しているので早口になるし。難しいわー。


 個人的に山崎さんに質問させて頂いた際には「最終的にインタビューの場自体は雑談の様な感覚で進められるのが望ましい。でもそれはあくまで背景にきちんとスクリプトを書いてきて、探りたい・確認したい内容が洗い出されていればこそ。心理←論理←管理 がきちんと自分の中でそれぞれの視点で確立出来ていることが大事」という話も伺えました。なるほど、意識を無意識レベルまで落とす為の準備が必要なのか。…なおさら難しいなぁ。


振り返り

 最後に全員で今日の勉強会の振り返り。まずは講師陣からの講評がありました。


 こちらも箇条書きでメモを取ったので、以下そのメモを記します。

  • オープンクエスチョンしてるのにすぐコレとかコレとか言う具合に具体的に例を上げてしまう もうちょっと待った方が良い
  • 15分っていうのは現実的ではない
    • ラポール形成しなくてはいけない
    • 落としどころを見つけなければいけない
  • →かなりきつかったはず
  • 言葉の選び方、質問の表現の仕方が、もっと落ちついて選んだ方がいい 
    • カタカナ語をつかってしまう
      • 「ナントカというステータスです」
    • 相手の知識を試す、自分がターゲットと異なるんじゃないかと不安にさせるような言葉
      • 「知識が無くても大丈夫」「今日は探らせてもらいます」
    • →「使っちゃ行けない言葉リスト」を用意しておくのも大事
    • →不用意な言葉遣いを避ける為にもスクリプトを用意する事が大事
  • ひとつの質問の中に2つの質問が入っている
    • 「ご自身のことでもいいですし、お友達のことでもいいですよ」←どっちかにせいや!
  • 質問に理由をつけてしまうことがある
    • 「こういう理由でこういう事をすることがありますか?」
  • 聞き方によっては失礼に聞こえてしまう
  • 「Can you …?」の質問はしない
    • 相手に無駄な見栄を張らせない
    • 「Can you?」ではなく「Do you?」
  • 今日のインタビュイーは良いインタビュイーだということを忘れずに。
    • 普段は口数が少ない人や見栄や嘘を吐く人が沢山いる
  • 意図しない回答が返って来た時に理由を聞きすぎない、時間は有限なので限られた中で効率良く聞く
  • 宿題で(事前に)用意してきたスクリプトが、実際に試してダメだった場合の修正が必要
  • 心理←論理←管理 の考え方を見直してみるのも大事
    • 人によって得手不得手が異なる
    • どこが苦手か振り返る事は非常に大事
  • 「自分が本当に何が聞きたかったんだっけ?」が分かっている人は少なかった
    • 発見や気付き、ニーズを掘り起こす為に事前にきちんと設計しておく
    • 本当に知りたい事をしっかりブレイクダウンしておく
      • →コレとコレとコレが揃えばこの仮説が実証される、はず
      • 枝葉に分かれ過ぎると本筋を問う時間が無くなってしまう、
  • 事前に全てをやるのは難しい、数人やってみてスクリプトを書き直すこともできる
    • しかし、できれば事前に全て作っておく
  • メモも取って無い人もいる
    • メモを取って、何を聴いてないかチェックし続ける
    • 心理←論理←管理を繋げて行く
  • 書いたスクリプトを元にテキストに落とし直してもういっぺん何が足りてないか再確認する
  • 「情報を戴いている」という心構え
    • 相手に敬意を払う
    • 言葉を丁寧に選ぶ
    • 礼儀をわきまえる

Q&A

 講師陣の講評が終わった後は参加者からの質問タイム。ここではやはりリンスタを意識した質問が非常に沢山出てきました。オレ自身はここで初めて「ああ、そういやこの勉強会ってリンスタの勉強会だったんだっけw。」と気付いた次第。マヌケにも程がある。

  • 謝礼:どのくらいでいくらくらい?
    • お医者さん
      • 一時間半で約束したのに一時間とか強要してくる
      • でも最初に約束したン万円はキッチリ取っていく
    • 平均的な事例
      • 一時間半でン千円
    • 15分とかはありえない
      • 実際には事務手続きの時間も含まれる(個人情報などに関する制約など)
    • リンスタの場合、謝礼は払えない
      • 短い時間で、謝礼無し、もしくは小額
  • インタビューの人数はどの程度やればよい
    • 誰を納得させたいか、によって決まる
    • 少な過ぎると偏った意見難じゃないか、という疑惑は出る
    • 10人呼ぶ時に100人とか1000人とかにWebアンケートを用いることで説得力のあるデータにする
    • リンスタの場合、お金は掛けられない
      • スタンスは最初に決める、それによって全然異なる
        • 聴いておいた方が良いよね、くらいなのか
        • 絶対にニーズを確認したい、くらいなのか
  • 謝礼を出す事自体にリンスタ的に自分に都合の良い事を引き出してしまう危険があるのではないか
    • →インタビュー直前の前提の意識擦り合わせでかなり緩和出来る
    • →ターゲットに見合った対象者を集める事は、フリーだと難しい、仲介料払ってでも頼んだ方が良い
    • →社内の人、仲の良い人を呼ぶというのは途中の仮定ではあってもいい
  • 遠隔(TELカンファレンス)でやる事について
    • 目的に合わせて異なる
    • 人数が欲しいならそう言う方法も選ぶ
    • 相手が迷ってる、などと言った感情のゆれは感じる事が難しい
      • 喋ろうとしたのか黙り続けるのかどうかは分からない
      • 状況に合わせて質問の内容を変えるといったことは難しい
    • 顔を出すことは求めない(女性とかは特に)
  • Webアンケートの弊害
    • 全部1で答えた人、とかは除外できるけど、それ以上はどうしようもない
    • 答えた時からインタビューするまで時間がかかるので意見が変わる
      • 「事前のWebアンケートではこう答えられていますけど?」→「え〜、そうだっけ?覚えてないなぁ」
  • リンスタで自分の意見にしがみつきがちな傾向って?
    • 人数を根拠に懐疑的な姿勢を取る人はいる
    • 依頼されてインタビューする立場だとしても、やる前からそのビジネスアイディアが行けるか行けないかは大体分かる
    • 予めフラットな姿勢で出るであろう良いところ悪いところを予想しておく
    • 易々とピボットしちゃうようなアイディアなら事業にしようとなんて思わないはず
    • ピボットし易いような意見のまとめを集めることが大事
    • 科学的・心理学的に論証していく

クロージング

 最後に山崎さんから、今回の場は彼らにとっても「検証の場」であったそうです。なので、今回のイベントについてフィードバックが欲しい、それを今後に活かして行きたい、と強くおっしゃっていられました。う〜ん、どこまでもプロの検証家だなぁ。

 また、これは講師講評の段階でも再三言われましたが、「割とみんなちゃんとインタビュー出来ていて驚いた!」とのこと。まぁ新人のペーペーじゃなくて、リンスタやりたいと考えているような人達ばかりなので、その辺はスタート位置から違ったという事なのかもしれませんね。



 ちなみに、今回の我らがDevLOVE船長:@papandaの様子。ややグッタリ気味で終始影が薄かったですが、その原因が前日神奈川県某所で彼に絡んだ催し物が行われたせいだという噂も…。


総評

 はっきり言って、すっげー難しかったです。オレにしたって中間管理職で何年も部下の面談をやってきたし、勉強会で色んな人と様々な議論を交わしてきています。他の人と比べると圧倒的に「対話」の場数が多いはずなんです。それでも全然上手く行かなかった、という感触が残っています。


 この「全然上手く行かない」感触は、そもそも宿題で作ってきたビジネスアイディアに対してニーズやポジティブな論証が、インタビューの素振りの中で上手く引き出せなかった、というのが大きいのは理解しています。これは同じチームの他の方達も同様のようでした。そもそも結構難しいんですよね、考えてきたアイディアがニーズがあったとしても、それがたった16名という参加者の中からそういう要望がありそうな人を探し出す、なんてのはどだい無理な話です。だからこそ「ユーザーニーズと合致したビジネスアイディアを持ってきた人のインタビュー」というのは是非聞いてみたかったです。


 実は全くそういう話が無かったわけじゃなくて、オレがインタビュイーを担当した際に「サッカー・フットサルをもっと上達したい人向けの新サービス」を考えてらした方がいて、オレはそれにはお金を払っても良いなぁ、と感じていました。それについては勉強会の時間の関係で残念ながら検証する時間があまり無かったので、「インタビューが上手くニーズを引き出す」という体験を十分共有出来なかったのは非常に残念です。



 今回の勉強会で面白かったのは、これは振り返りで特に感じた事ですが、勉強会の目的と手段がごっちゃになってる感が垣間見えたことでした。


 オレは冒頭でも述べたように、今回の勉強会を「特殊状況下に置ける会話術」の習得を目的としていました。役に立つかどうか分からんけど、まぁ役に立たんってことはないだろうし、それ自体が経験として面白そうだ、と。


 でもオレ以外にはそんな志が低いヤツは1人もいないわけです。ほぼ全員がリンスタという思想というか宗教というかにすがって、新しいビジネスを発掘したいと目をギラギラさせてる。語弊を恐れずに言えば、今日の勉強会の参加者というのは「一発当てたいと欲望を剥き出しにしている山師の集まり」なんですよね。こういっちゃなんだが、正直に言えばインタビューのテクニックとかどうでもいい連中ばっかりです。そんな事より金脈の探り当て方の方がよっぽど大事。今のところ強力な金鉱石のセンサーだと伝えられているのが「インタビュー」だから、そいつを掠め取ろうと集まった連中です。彼らは本当はこう思っているはずです。


インタビューがしたいんじゃない、ビジネスニーズが知りたいんだ!


 更に言えば、そのセンサーが完全な形で無くてもいいんです、そこそこ使える形であれば。だから、終わった後の振り返りでそれぞれの意見から垣間見えたのは「どうやったら手っ取り早くユーザーニーズを確認出来る程度のインタビューテクニックを掴めるか」その一点に彼らの興味は絞られていたように感じました。インタビューのテクニックなんか、極論を言えばどうでもいいんですよ。欲しいのはリンスタ(≒彼らのビジネスアイディア)を実現出来る道具なんです。


 オレは、その姿勢もその考え方も正解だと感じました。もっと言えば、自分の出来ないことで他人が出来る事であれば、自分自身がやる必要は無い。リソースの少ないスタートアップでは基本中の基本だと思います。インタビューコーチの方の1人が「一個人がビジネスアイディアに適切なインタビュー対象を見つけるのは非常に難しい。金銭的に可能であれば専門の会社に委託するのが望ましい」とおっしゃってましたが、それが一番正しい気がします。特に企業内リーンスタートアップの場合、お金は純粋なリンスタより比較的融通が効くでしょうから、本来やるべきことは、インタビューのテクニックを学ぶより(継続的に企業内リーンスタートアップを繰り返す場合には社内にナレッジを貯めるという意味では覚えておくべきでしょうが)信頼出来るインタビューを委託できる会社を探すことのはず。


 知的好奇心によって個々の差はあれど、本当の意味で「インタビュー」の事が知りたい人が、今回の勉強会でどれほどいたでしょうか?もしいたとしたら、手段と目的をごっちゃにしたトンチンカンのはず(あくまでリンスタを中心とした考え方の場合ですけど)。


 一方で山崎さんをはじめとした講師陣は「ユーザーインタビュー」というものを一生懸命伝えようとしていました。もちろん、今回の参加者のニーズが「リーンスタートアップの実現」だということは皆さん招致の上です。でも彼らが普段されているのは「リンスタの為のユーザーインタビュー」ではありません。彼らが普段インタビュイーに支払われている報酬の値ごろ感を伺っても、ちゃんとした企業の新規事業の為のインタビューを担当されているはず。「大手企業の依頼によるユーザーインタビュー」と「リンスタ向けのインタビュー」にどれほどの乖離があるのか、オレには見当もつきませんが、限りなく近しいとしても全く同じという事はないはず。そう言う意味では「リンスタ向けのユーザーインタビューのスペシャリスト」というのは、この世にはまだ存在していないのかもしれません。


 ただ、こういう勉強会はこれまで日本には無かったはずです。そのうちリンスタを実現させた人が勉強会の場に出て来て自身の経験を語ったり、今回の山崎さん達のようにインタビューのスペシャリストがテクニックを伝えたりすることで徐々に擦り合わせが行われ、だんだんと「リンスタ向けユーザーインタビュー」のストロングスタイルが出来上がって行くのかもしれません。そう言う意味では、今日の勉強会というのは非常に意義があったと思います。完成に至れるかどうかは…ちょっと分かりませんね、参加者の殆どは自分のアイディアが実現出来たら勉強会から抜けていってしまうでしょうからw。でも継続する事がまずは大事だと思います。


 あと、インタビューのテクニックの子細な部分は、個々の経験によるところが大きい、だから正解はなく人(インタビュアー×インタビュイー)と設問の数だけ方法が存在する、というのが講師陣の統一した見解だったように感じます。それはおそらく事実なんでしょうが、ある程度のパタン化は出来るんじゃないかな、とは素人考えで感じました。今井庭研が取り組んでいる様なパタン・ランゲージのようなものが、あってもいいんじゃないかと思うんです。ちょうどDevLOVEでも「Energized Pattern」に取り組んでいますけど、難易度的にはそんなに変わらないんじゃないかなぁ、とか思ったりするわけです(どっちも難しいという意味で)。トライする事自体はやってもいいんじゃないかな、そういう動きは業界内で無いのかな、実はあるんじゃないかな、とはちょっと思いました。


 エリック・リースの「リーン・スタートアップ」が出てから随分経つ気がしますが、世間の熱はちっとも収まらなくて、ついに「ユーザーインタビュー」のような枝葉の部分にまでフォーカスが当たるようになってきたんだなぁ、というのは感じてました。オレ自身は正直最初の書籍を読み終えてからリンスタから意識が離れてしまっていた部分があった(どちらかというとBMG周りに興味を持っていた)ので、もう一回リンスタと向き合う良い機会になった気がします。当初の目的であった「会話術」について大きな成果があった事は、言うまでもありません。