ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

「アジャイルサムライDevLOVE道場 二周目 第三話」に参加してきました。 #devlove


はじめに

今日は東京:有楽町は株式会社ぐるなびで開催された「アジャイルサムライDevLOVE道場 二周目 第三話」に参加してきました。今回のテーマは「7人のアジャイルサムライ」でも扱った「アジャイルビュッフェ」がテーマということで、我々「7人のアジャイルサムライ」メンバーはナビゲーター役というか用心棒役というかでお呼ばれしてきました。

OPトーク


OPトークはいつものDevLOVE船長…ではなく、@banana_umaiさん。道場は素振りをする場所、つまり失敗しても大丈夫だから、思い切り失敗して現場に経験を持って帰ってください、とのことでした。あと、勉強会のコーディネートは初めてらしく「最初からグダグダになる」と宣言してたあたりは@banana_umaiさんらしいというかなんというか。


今日のテーマがアジャイルビュッフェであることが改めて説明され、7人のアジャイルサムライメンバーが用心棒として混ざってるということ、アジャイルビュッフェは中級者向けであることが説明されます。会場にアジャイル経験者をを尋ねると、半数くらいで各テーブルに半数くらいずつ散らばっていたのを受け、メンバーシャッフル等はなくそのままワークショップ(アジャイルビュッフェ)に移りました。


アジャイルビュッフェ1

まずはテーブルごとに自己紹介、そしてチーム名を決定します。我々のチームは女性1名を含む5名、アジャイル経験が全員乏しいことから「チームわかばマーク」に決定します。



全チームのチーム名が決まったところで@banana_umaiさんから1つ目のビュッフェのお題発表。


  • 旅行会社(以前までの道場でインセプションデッキ作りで扱った内容)
    • 制約事項
      • POはシステムのことばかり専念していられない、兼業(2h/日)
      • POは開発チームの隣の島にいる
      • 早く作れ!リリースは3月末(開発期間:4ヶ月)
      • スマートフォンサイトの試作開発
      • 予約はできるようにして欲しい
      • ターゲットは金を持ってる中高年
      • iPhoneだけできればOK
      • お金:500万(人件費は別)
      • スコープは柔軟に、リリース日優先
      • POはよろしくやってよ的なグダグダな性格(決して@banana_umaiさんのことではない)


これをうけてまずはチーム毎にコンテキスト作成。「コンテキスト」とはチームの条件…例えば、メンバーのスキルやアジャイル経験はどうか、とか、デザイナーはどこにいてどの程度コンタクトできるか、とか、環境的な問題はあるか、とかいった、開発チームの周辺を取り巻く状況のこと。我々の「チームわかばマーク」はアジャイル初心者の集合ということで、チームが超貧弱、ただしアジャイルコーチが週一で来たりデザイナーは同じフロアに居たりと比較的緩い条件を設定しました。


我々のチームで一番苦心したのは「このプラクティスの定義は何か?」ということ。そもそもアジャイルプラクティスに対する認識がメンバーの中でばらつきがあったので、そこを揃えたり、分からないプラクティスをどう解釈するかに一番時間を取られました。
次に苦労したのが「このプラクティスはこのコンテキストで実行することができるのか?」。コンテキストの設定が「初心者の集合体」だったので、実行出来ないプラクティスが多いんじゃないか、本当にこれできるのか、というのが議論の中心でした。


チームの総意として「いくら初心者だからといって、いや、初心者だからこそこのプラクティスは抑えとかないとダメだろ」というのがあったので、割としっかりしたプラクティスの集まりになったんですが、出来上がりを見ると、個人的には「これは初心者には不可能だろ、よしんばプロジェクトは遂行出来たとしても後から振り返った時に反省点が挙がり過ぎて『プロジェクト失敗』と認識してしまうメンバーが出ちゃうかもなぁ。」と後から思ったりもしました。


一通り出来たら各チームごとに結果発表。チーム毎にコンテキストが異なるので、それなりに重視した点は異なったんですが、同じ開発テーマを扱ったからか、そんなに極端に違う内容にならなかったなぁ、という印象です。


アジャイルビュッフェ2


時間が押していたこともあって休憩を挟む暇もなく2回目のビュッフェへ。今度は「7人のアジャイルサムライ」で実際に我々が議論したテーマをそのまま10個列挙し、チーム毎に好きなテーマを選ぶというもの。ただ、「7人のアジャイルサムライ」の時にはコンテキストは口頭で説明していたので、提示されたレシピではコンテキストが足りず。なので、チーム毎にコンテキストを追加する形を取りました。


我々はAWSで口コミサービスを開発するというレシピを選択。POが「企画部メンバー」と定義されていたものに「メンバーの誰が来るかは毎回異なり、その度に言ってることが違ってくる」というコンテキストが追加されました。後はだいたい我々に有利なコンテキストを勝手に追加しちゃいました。


やっぱり人数に対して選択したプラクティスが盛り沢山になってしまった印象。この辺は、テーブルにアジャイルで開発を最後までやり切った人がいないので、感覚的に「そのプラクティスが重いのか軽いのか」「プラクティスをやり切れるのか」という判断ができる人間がいなかったのが原因かもしれませんね。


この結果はチーム間で扱った内容が異なり過ぎるのと、時間が押してたこともあって発表は無し。


ふりかえり


KPTで各チームで「ふりかえり」を行い、結果をそれぞれ発表しました。



総評


いやぁ、久々にやりましたけど、難しいですね、アジャイルビュッフェ。でもスゴく楽しかったです。


一番時間を喰ったのがコンテキストの決定だったような気がします。「7人のアジャイルサムライ」の時には、案を出した人が全て決める、というルールになっていたのが、今回はチーム毎に好きなコンテキストを決められたので、まずそこに迷いが生じてしまったことが時間を喰う原因かもしれませんね。あと、制約事項が厳し過ぎると自分の都合の良いようにコンテキストを変更出来てしまうのが、ワークショップとしてはあまり良くなかったかもなぁ、と思いました。


「7人のアジャイルサムライ」で「アジャイルビュッフェ」を扱った時に一番魅力的だったのは「斬れば生温かい血がダラダラと流れる本物の現場の話が真剣にできる」ところだったと思います。それと比べると、コンテキストが調整出来てしまった今回は、ちょっと物足りなさがあった、というのがオレの本音です。他の人が楽しんでくれたならよかったなぁ、と思いますが、彼らにもそんな体験をさせてあげたかった、と思ってしまうのは、たぶん贅沢なんでしょうね。「7人のアジャイルサムライ」はメンバー固定で濃密な話し合いが出来たのに対し、アジャイルサムライ道場は初対面の人が多く、なかなかそこまで踏み込めない。これは「勉強会のスタイルのコンテキスト」の制約なんでしょうね。参加メンバーの練度とか優秀さとか、企画側が頑張るとか頑張らないとか、そういったことは全然関係なく、否応なくそうなってしまうというか。


たぶん、この集まりだとこれが限界で、これ以上深いことをやろうと思ったらもっと別の集まりが必要なんだろうな、と改めて感じました。それはひとつオレにとって大きな収穫だったと思います。



あと、「7人のアジャイルサムライ」が生んだ成果は、オレらが思った以上に大きいものだったんじゃないか、と今更ながらに思いました。あの経験がなかったらこの発見も、次へのステップのイメージも得られなかった。グダグダでメンバーもろくに時間内に集まらなくて、でも期待値だけは異常に高かったあの集まり。でもきちんと成果はあったんだ!自信を持ってそう言えるようになったことは、オレにとっては誇らしいことです。今回参加して、予想以上に大きな成果を得られたなぁという感触が残りました。