ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

#devlove1206 社内勉強会×勉強会に行ってきました。



12月6日 DevLOVE 社内勉強会×勉強会 「踏み出そう。小さな一歩を。」(東京都)


 昨日(もう一昨日か)は株式会社VOYAGE GROUPで開催されたDevLoveの勉強会に参加してきました。元々あんまり行く気無かったんですが、直前でなんとなく勢いで申し込んでみた次第。結果的には参加させてもらって非常に良かったなぁと思っています。

講演1「ぶんぶん、振りまわす!」 @kisshy さん

 初登壇とは思えない程堂々としており、貫禄のある様子から「同世代かなぁ」と思ってたらなんと10も年下でした。


 1,000人規模の従業員が働くSIerで、自社パッケージ開発に従事されているとのこと。所属する部門ではシステム開発・運営を担当する方は10-20%程度*1、その人たちには医薬系業務知識に不足がある傾向があり、上司からの打診もあって「正しい業務知識を身につける」為の勉強会を、業務時間を使って開く事になったそうです。

 0からのスタートだったところから計画を立て、上司の判断を仰ぎ、有識者(業務部門に知識のある人が沢山いる)に登壇を依頼し、実際に開催していく。登壇者が集まらない時には、たとえ知識不足であっても自ら名乗りを上げ、みんなの前で発表する。今年9月に最初の勉強会を開き、それからだいたい月一回のペースで開催を続けられているそうです。

 勉強会を開いていくポイントの一点目は「準備に時間がかからない様にしていく事」。業務が忙しいと優先順位が下がって勉強会が開けなくなってしまう、勉強会が定期的に開けずに間が空くとモチベーションが下がってしまう。なので、30分でもいいから出来る事を、間を空けずに定期的に開催していく事が大事だとおっしゃっていました。
 もう一点は「迷っているよりまず行動に移す事」。迷ったまま何もしないのが一番もったいない。結果は後からついてくるので、まずは動いて次をまた考えるようにしているそうです。


 将来的に目指していきたいのは「IT部門と業務部門の互いの知識・意識共有」だそうです。IT部門が一方的に業務知識を教わるだけじゃなく、IT部門からも業務部門に対してIT知識を教えて双方の意識を共有し、仕事をやり易くして行く事が当面の目標とのこと。


 個人的に興味深かったのは「業務時間に出来る、給料が出るが故の苦悩」でした。工数が出るからこそ、それ相応の結果というか成果物が求められる、また、ステークホルダーも多くなり日程等の調整が難しくなる。成果物に関しては、今後仕事でなにかしらの提案を行えるようにしたいとのことでしたが、ステークホルダーが多いだけにその人たち全員が納得する様な成果の形というのは難しそうですね。オレ自身は「お金が出ない」ことを前提にしか勉強会を開催したことがなかったので、この話は非常に新鮮でした。


講演2「とりあえずやってみる!!」 @STAR_ZERO さん

 パッと見若いなぁと思って後から話を聞いてみたら2〜3歳下なだけでした。人は見かけによらないですね。実は今月転職されたばかりで、今回話して頂いた内容は前職での体験談とのこと、いきなり意表を突かれました。なんとこれがDevLove参加2回目で、さっそく登壇させられるとか、DevLoveって集団は恐ろしい連中ですねぇ。


 会社では元々全社員参加型の勉強会が存在していたそうですが、これが

  • 内容が業務に直結しない
  • 興味の無い内容
  • 講義型(一方的に聞くだけ)で2時間もありシンドイ
  • 入門レベルの内容
  • そもそもやる気が無い

などなど、非常に不満のある内容だったそうです。なので仲間内で勝手に勉強会を開催することにしたそうな。上司から許可は取った上で、空いている会議室を使って、業務後に1時間程度の勉強会を開催したそうです。

 ただ、仲間内でもスキルや習得言語はバラバラ、興味の無い人もいて、おまけにスキルも乏しいことから、なかなか勉強会としての体を保つ事は難しかったようです。雑談がメインになったとのことでした。


 良かった点としては、コミュニケーションを取れる様になった事、みんなが開発に興味を持つ様になったことなどが挙げられていました。さらに、「この活動がきっかけになったかどうかはわからないが」と前置きはありましたが、既存の勉強会のあり方が見直された、社外勉強会に行く人が社内に増えた、という効果もあったそうです。それは素晴らしい。

 反対に悪かった点としては、計画性が0で前日に何やるか決めることもあった、参加者のスケジュール調整が上手く行かなかった、開催場所の確保、なにより退職直前に勉強会を開催し出したのでタイミングとして遅すぎた、とのことでした。彼の意思は他の人が継いでくれているといいですね。


 今は新しい職場で、しかもデスマーチのまっただ中だそうですが、一段落したらまた勉強会開催にチャレンジしたいと発表を結んでいました。新しいチャレンジがどうなったのかはまた聞かせて頂きたいですね。


ディスカッション

 3〜4人一組に分かれてのディスカッション。なんと同じ組に一昨日アジャイルサムライ道場でご一緒した方がいらっしゃいました。狭い世界だ・・・ってまぁ同じDevLove主催なんだからそんなこともあるか。オレとその方が社内勉強会の主催経験者、もう一方が社内勉強会未経験者でした。オレが客先常駐のSI、1人が自社内での受託開発、最後の1人が自社サービス開発従事という、三者三様の背景だったので、全く異なる意見が出てきたのが面白かったです。

テーマ1「社内勉強会の障壁」
  • 発言者の負担
    • 仕事が忙しい
    • 輪番制でやる気の無い人に当たる
  • 勉強会に集まるのが大変
  • 自分とレベルが合わない(低過ぎる)、出しゃばると他が萎縮する
テーマ2「勉強会に求めるもの」
  • ナレッジ共有
    • 伝えたい事がいっぱいある
    • 色んな事を教えて欲しい
    • チームで働けるという事を素晴らしい、有効に活かしたい
  • ビジネスに昇華させたい
  • 知識・技術力向上
    • 社内特有の技術・ノウハウ、企業秘密をもっと詳しくなりたい


打ち上げ

 なんとなく残った7〜8人で会場をそのままお借りして打ち上げが開かれました。個人的にはここが一番熱かったかもしれないです。DevLove行ったら飲みに行かないとねぇ。登壇者の方とも直接お話し出来て楽しかったです。なにより噂の白タイツ男にお会い出来て大変光栄でした。チームマネジメントで苦労されている様子や、「リリースされてからが地獄だ」という自社サービスを公開しているが故の特有の苦労もお聞き出来たのは大きな収穫だったと思っています。・・・盛り上がり過ぎて危うく終電逃すところでした。




 どーでもいいことですが、打ち上げの後ろではずーっと以下の動画が流れてました。別にエロでもグロでも何でもないですが、変な中毒性があるので閲覧注意。


総評

 今回登壇されたお二人に共通するのは「とりあえず動く」という姿勢でした。準備不足だったり考慮不足だったり色んな問題は孕んだままでも、まずはやってみて経験を積み、そこから得たフィードバックを次に生かそうという姿勢は、なかなか真似出来ないと思いました。凄い行動力だ。

 お二人ともまだ動き始めたばかりで、今後も社内勉強会への働きかけは続けていかれるそうなので、またしばらくしてお会い出来たら、その後の経過を聞いてみたいです。

*1:元々は「社員の殆どがIT以外に関わる仕事をされていて、ITに関わる社員では…」と書いていましたが、発表者の方から補足を頂き、修正しました。・・・ついにこのブログも指摘を受けるほど他者に見て貰える様になったか…。