ミッションたぶんPossible

どこにでもいるシステムエンジニアのなんでもない日記です。たぶん。

危うく飛び込み自殺をするところだった

まぁタイトルは釣りなんですが、実際のところ、もしちょっとオレに運がなかったら今頃そのように田舎の両親に連絡が行ってたんじゃ無いかと思います。


本件の事実としては、オレが朝、通勤時に駅で貧血を起こして倒れた、ただそれだけです。ただ、倒れ方が良くなかった。

  1. 朝、寝坊した。
  2. 身支度だけして家を出る。
  3. 駅までの道は全てダッシュ(6分程度)。
  4. 駅について、電車がまだ来ていないことを確認。ジャンプを買う。(「30にもなってジャンプかよ」とか言うヤツは死ね。男はいつまでも少年だ!)
  5. いつも乗る車両の位置までのんびり歩く。
  6. 定位置到着、走って汗かいたので上着脱いで待つ。
  7. 乗りたかった電車がホームに入ってくる。
  8. 電車が停車。ここで立ちくらみ。頭から血の気が引いて目の前が暗くなる。
  9. まぁ電車乗ってつり革さえ掴んじゃえば何とかなんべ。
  10. でもしんどいから開く前のドアに一回掴まろうかな。
  11. ...えっと、なんでオレ、床に寝てんの?


ってな感じで、ホームから電車の中に倒れ込み、気付いたときには電車の床とキスしてました。前歯が大きく内側に折れ曲がって異物感MAX。口のどこかを切ったらしく血がポタポタと床に垂れてしまう状態。耳からはiPhoneから流れる音楽がジャカジャカとうるさかった。


多分、貧血だったんだと思います。


いつのまにか駅員さんが来ていて声を掛けられ、連れ添われるように電車を降りました。そこからは車椅子で運ばれたり救急車に運ばれたりで病院に辿り着き、2万円強と引き換えに前歯2本の抜歯と唇を十数針を縫って諸検査の結果が問題なしだったことを聞き、解放と相成りました。麻酔が切れた今は口の中がそこら中壮絶に痛くて、未だに何も食べれていません。鏡で自分の顔を見ると、腫れ上がって「いかりや長介」ばりの下唇と化しています。


まぁオレの現在の症状はどうでもいいとして今回の件、条件としては

  • 中間管理職
  • 月曜の朝
  • 通勤ラッシュ

とまぁ、よく電車に飛び込み自殺する人の条件に合致します。オレが貧血になったのは電車がホームに到着してからですが、もしそれが30秒早かったら、倒れたのは「これから電車の入ってくるホームの線路」だった訳で、たぶん轢かれて死んでいた、そうしたら間違いなく周囲からは「飛び込み自殺」だと思われたでしょう。


オレの場合、自殺する様な理由は何もないのは周囲の人間もよく知っているので、おそらくは「謎の自殺」とか「衝動的な死」とか勝手なことを言われたんでしょう。ですが、実際にはただの貧血で、ただ倒れた先が命にかかわる場所だった、ということです。...今思い返しても冷や汗が出ます。


東京では電車の人身事故がほぼ毎日のように起こりますが、今回の件で体感したのが、「その全てが自殺ではない」ということです。どうしても「電車の人身事故」=「自殺」というイメージが強いですが、オレのようなケースもあるでしょうし、一概に決めつけるのは良くないですね。


あと、改めてですが、東京の人間は薄情なんだなぁというのを今回は思い知りました。オレが倒れている間、駅員さんが来るまでは誰も声を掛けてくれなかったし、オレの周りに5mくらい結界でもあるんじゃないかと思うほど誰も近寄ってこなかった。それどころか、オレが血で汚してしまった床を拭ったティッシュを、乗客のじいさんはオレの目の前で足でホームに蹴り捨てていました。それを見たらオレがどんな気分になるか、なんて考えた事もないんでしょうね。確かにオレのせいで電車を遅らせてしまったことは大変申し訳ないと思うが、とても人の血が通った人間の所業とは思えない。やっぱり東京では死にたくない、死ななくて良かった、と思った出来事でした。


オレは今30、もうすぐ31ですが、自他ともに「殺しても死なない人間」のように感じていました。それは真っ赤な勘違いで、ほんの些細な事、たとえば朝食を食べてない、とか、朝から走って駅に向かった、とか、そんな事で死に繋がってしまう、そんなモロい存在だという事を痛切に感じました。これからはもうちょっと自分を過信しないで、慎重に行動したいと思います。


最後にですが、助けて頂いた駅員の方、消防隊員の方々、本当に有難うございました。完治し次第必ずお礼をさせて頂きたいと思います。