9/21(金)、LeanStartupNight - Eternal Rotation! - に参加してきました #DevLove
はじめに
先週金曜日は東京:初台は株式会社MTIで開催された「LeanStartupNight - Eternal Rotation! -」に参加してきました。開始時間を間違えて30分以上早く着いてしまったので、なんと一番乗り。…ま、早く着く分にはいいか。
開会挨拶
DevLove船長からいつものご挨拶。簡単な自己紹介と、DevLoveの解説がありました。
- DevLoveとは?
- デブラブ知らない人(会場挙手) →半分くらい
- 4年前から
- 開発の現場を楽しく
- 現場と現場のHub
- 91回目
- 質量のある残像?
和波さん リーンスタートアップ解説:前半戦
ここでスピーカーを和波さんにバトンタッチ。さっそくリーンスタートアップの解説が始まります。
- 「初めて僕の話を聞く人」(会場挙手)→大勢手を上げる→「結構ウケるかなぁ」
- DevLove
- 開発のコミュニティ
- 「リンスタ読んだ人」(会場挙手)→大勢
- 「読んだけどわかってない人」(会場挙手)→2〜3人
- 他人に説明できる状態までなってない
- チームでやるとき、どっからやるんだっけ?
- リーンスタートアップ
- エリック・リース 2008年にブログで発表
- そのくらいから世界で大きな変化が
- 今世界で何が起きているのか?
- 「iPhone5 持っている人?」(会場挙手)→2〜3人
- マーク・アンドリーセン
- Netscape
- インターネットブラウザを開発
- 「ソフトウェアが世界を飲み込んでいる」
- いつ起こるか、予測はむり
- ソフトウェアとインターネット
- 産業の中に根ざしたルールを制することで反映することができた
- ルールは既に変わってしまったのです。…
- デジタルへの移行
- メール→手紙
- 支払い業務
- 広告
- チケット搭乗券
- →全てソフトウェアが乗っ取っていく
- →気づかないうちに引っくり返される
- 講演も僕の代わりにロボットがやってくれるようになるかも
- 気づかないと…
- 次はどこに上陸するのか誰も予測がつかない
- →全員が警戒するしかない
- 綿密な計画より想定外の変化への対応力が必要
- 世界中のプレイヤーでオセロをやっているようなもの
- 誰がどこから隅っこに手を出して来ても不思議じゃない
- 想定外の変化に対して対応できるか
- ソフトウェアの事業は激変した
- データセンター
- サーバー
- ルーター
- OS
- DB
- 各種ライセンス
- etc…
- →イニシャルコストを全部1000万切ることなんてなかなかない
- →今ならイニシャルコストは0円
- 子供がライバル企業に
- 製品に対するノウハウ
- マーケットに対するノウハウ
- 右上だけは何もノウハウがない もっともリスクが高い
- 既存にとどまるべきか
- 既存の領域はソフトウェアが侵食を始めている
- 一番リスキーな所に攻めて行くのか
- 右上には若い才能 社内で承認プロセスを得ている間に動かれる
- そして負ける
- どういう心算でいるべきか
- リーンスタートアップの本質
- 概念的、戦略論
- 本にはプロセスやオススメジャンルは書かれていない
- 柔軟な対応で 走りながら考えるチームができる
- 新規事業のリスクが劇的に軽減できる
- リーンスタートアップ=変化に対応できる唯一のバイブル
- アジャイルとリーンスタートアップの親和性
- ものすごい数の新規事業が生まれている
- ほんの数ヶ月で死んで行く
- →なぜか
- 誰に向けた何のサービスか? フォーカスできていれば生き残れる
- ビジョンがきちんと向いていれば
- 誰が探してくれるの?
- 誰かの目に留まって成功できる
- 大勢の中で彼のためだけにならきっとできる
- 的を絞った
- ピボット
- バズワード化してる
- 素早く 繰り返す
- マーケットがWow!といってくるまで繰り返し探し続ける
- 強い反応(今すぐよこせ、金はいくら払ったらいい?)が来ない限り、成功はしない
- とにかく素早くやる
- 何回でもやる
- 小さいものからやる
- 特定のマーケットから
- 作ってからでも
- 何度でも改良する
- 起業家はスタートした瞬間から砂時計とのたたかい
- お金
- モチベーション
- サポート
- (お金とサポートはあとから継ぎ足しが可能)
- 資源が尽きるまでに何回ビジネスモデルを試すことはできるか
- 一勝九敗
- 加速する4つのポイント
- 小さく始める
- 最低限から拡大して行く
- Yahoo
- グルーポン
- 完璧はいらない
- 完璧が必要なのは圧倒的なスケーリングが必要な場合(開始時に一億人に届けないといけない)
- そんなニーズは、ニーズがはっきりしてからでよい
- システムなんか後でいい
- 後は走りながら考える
- 繰り返す
- 仮説から始める
- 失敗の元凶:ガントチャート
- 恋だって一回勝負で結婚なんかできない
- チェックリストを埋めることが目的になってる
- 新規事業の成功はではなく
- チェックリストを埋めることは気持ち良い
- 何も成功してないのに
- まだ終わってない
- 仮説から始める
- タスクから始めちゃダメ
- 常識を変える
- 経営者
- 「うちの社員は とっくに推奨しているよ!って言い出す」
- 新し過ぎて理解できない
- 今まで通りの報告書を要求してくる
- リスクを回避すると賞賛する
- →どんなタイミングでも、どんなレイヤーの人でも起こる
- 秘密兵器投入
- 小学生
- ↑理解できない
- ↑報告書を書けと要求される
- ↑お父さんが書いた偽の報告書を持ってくる
- 無難の塊
- 竹弁当しかでてこない
- 新橋のお父さんたちが大喜びなのはリスクを回避したプラン
- 全てを零から書いて行く覚悟がないと、新しいものなんて生まれない
- 新規事業開発=新しいものさしを作る
- 前に進んでいるのか、後退しているのか、とどまっているのか
- それまで事業を作って来たものさしじゃなくて
- どこに使うか
- 進捗
- 将来性
- 貢献
- タスクを消化している「以外」の形で評価する
- 新規性
- 小学生の中でホットになっているものはもう手遅れ
- チームワーク
- スピード
- まずタスク管理をやめる
- 仮説をやまほど書いていく
- リーンスタートアップの前と後
- これまで:計画7割、実行三割
- →これから:実行7割、計画3割
休憩
一時間ほどで10分ほどの小休止。メモを見返していたらpapandaさんから「ブログ楽しみにしてますよ〜♪」とプレッシャーをかけられるなど。負けじと「The Dragon Scrollはどうしたんすか?」とやり返すなど。
和波さん リーンスタートアップ解説:後半戦
ここからは後半戦。参加者にエンジニアが多いということで、DevLove向けに開発者寄りに、とちょっと毛色を変えて「和波さんの経緯」「いかにしてリーンスタートアップに辿り着いたか」についてがお話の中心になりました。
- エンジニア時代
- デスマーチ 肉親の死に目にあえない
- →何でこんなことになっちゃうんだろ?
- 上流工程
- この人たちは答えを出す気がない
- これはひどい
- 下流が影響受けるのは当然
- →俺が上流へ行くしかない
- 一番の源流
- 7年くらいで辿り着く
- 源流で見たものは
- 矛盾だらけ
- 2位じゃダメなんですか?→息子が1500mで一位ヤッター!
- 請負契約
- 発注者:
- たくさん
- 早く
- 安く
- 後からでも
- いい業者=召使
- 受注者:
- なるべく少なく
- 安い単価で下請けに
- 最低限の品質で
- 急がずながびかず
- 仕様変更で追加料金
- →粗利ビジネス
- 受発注の間で高い壁
- 一生相入れない
- 日本のリーンスタートアップは?
- いづれはベンチャーにチャレンジしてください
- 滝にうたれている
- ガントチャート一生懸命書いてる
- いいアイディア持っててウォーターフォールやってる人よりイマイチなアイディアでもアジャイルでやってる人の方がリーンスタートアップに近い
ディスカッション
ここで周囲の席の方とディスカッション。和波さんに対する質問を挙げようと色々意見を出し合ったのですが、我々のグループは起業家だったりサービス開発を目指して会社を退職済み、というアグレッシブな方がいらしたので、やや具体的な内容が上がりました。
Q&A
ディスカッションで上がった内容を踏まえて、和波さんに質問を聞いていきました。
研修会社講師だが、大手ITベンダーでIT技術者向けにリーンスタートアップの研修は可能か?
- 色んなところからの講演依頼がある
- 琉球大学
- 産学連携
- 某大手キャリア
- 可能性あるんじゃないんですか?
- リーンスタートアップJAPANで講師の派遣とかは?(質問者から)
- リーンスタートアップJAPANには自分しかいない
- 全然大丈夫
- 最短が5分バージョンから8時間バージョンまでありますよ
ハードウェアのベンチャーでリーンスタートアップやりたいと思った時どうすればいいか?とりあえず作って売ってみるのが最速?もっと手軽にできないか?
ユーザーの視点が抜けてる人に対してUXの大事さを伝えるにはどういう言い方をしますか?
日本でリーンスタートアップの成功事例は?
- 楽天:及部さん
- 新規事業の成功の定義が各社で違いすぎるので、どこが成功事例とかは言いにくい
- 成功している会社
- サイクルを回しながら改善するという仕組みがインストールされている企業は成功と言ってもいい
- 企業名は出せないので後ほどw
リーンスタートアップとアジャイルの違い
事業に対してコミットできない人が開発に携わってる時点でリーンじゃない。開発と事業が分離しているのが最大の問題。報告をどれだけ猶予してくれるか
- リクルート:宮原さん
- プロジェクト化した時点でリーンじゃない。
- プロジェクトを終えることが目的になる
- 日本でプロジェクトが1000コあったら、突き詰めれば1000個成功する
- 事業はそうじゃない、成功のパイは小さい、
お金をくれるひとと実際に使う人、価値を提供するひとと、どちらに注力すべきか?
- ぐるなび:島川さん
- BtoBtoCのケース
- 広告ビジネス
- 収益を確立させることから離れることは、事業では決して無い
- アカウントユーザーは100000人いるけど、アクティブユーザーが全然いない
- 仮説に基づいてチャレンジするだけ
- このモデルじゃ稼げないと思ったらピボット
英語の学習ソフトを作るという想定でインタビューを行ったことがあるが、仮説立て方、ターゲットの見つけ方の良い方法は?
- セグメントを「ビジネスマン」で切ると大きすぎる
- 本当に特定のニーズに対してターゲティングする
- もっともっと絞り込む
- 課題をベースに絞り込む
- インタビューを繰り返す
- 3日間ではむり
- インタビュイーのクオリティ × シナリオのクオリティ × 適切なインタビュアー
- ex)iPhoneを使っててしかもtodoを完璧に使い込んでいる
- ピントがぼやけた状態でインタビューを繰り返しても精度は上がらない
- 仮説を作るのにペルソナ作るまでやるのがいいのか?(質問者)
- →ペルソナ作る目的次第
- 課題を作った後にペルソナ作るなら有効なのでは
- プロモーションやるならペルソナ作ってみようか
レベニューシェアみたいな形で作っていくのは難しいのか? 内製じゃないとダメなのか?
クロージング
papandaさんから、つぶやいたりブログ書いたりしてくださいね、というお願いと、今後開催されるDevLoveイベントの宣伝がありました。
最後に会場を提供してくださったMTIさんからご挨拶。こちらからも「今日が結婚記念日なんですけど、どうやって怒られずに帰れますか?」という質問がありましたが、和波さんの回答は「リーンでは学びが重要。まずは過去の失敗事例の展開を!」と切り替えされ、笑いを誘っていました。
懇親会
懇親会、というか、なんとなく飲み行きたい人で勝手に集まって勝手に飲み行ったら開いてる居酒屋が少ないこともあって結果的に懇親会みたいになっちゃった、って感じでした。勉強会自体も濃かったんですが、こちらも内容が濃かったです。
総評
リーンスタートアップが話題になってからだいぶ経っていたこともあって「殆どの人が本を読んできている」「ある程度リーンスタートアップを理解できている」という前提があったからか、ピボットや革新会計、コホート分析といったリーンスタートアップ自体の解説は無く、よりマインド寄りな話がメインでした。書籍「リーンスタートアップ」自体も、個別の事業でどうやったら成功するか、なんて書いてありませんし、そういう意味では「より実践的な内容」だったんじゃないかと思います。うーん、うちの社長や取締役連中に聞かせたい。
個人的に思ったのは、その前日に受講した早稲田大学MBAのオペレーション戦略の内容にリンクしている点が多いなぁ、と思ったこと。「ピリオドを作ってしまった時点でそれはリーンスタートアップじゃない」という和波さんの言葉は、ずーっと改善を続けるヤマトやTESSEIの通じるものがあると思います。
と考えると、実はリーンスタートアップの考え方の根本は、スタートアップやベンチャーじゃなくて、長く脈々とサービスを提供し続けている、「強い現場」を持った会社にこそ本質が身についているのではないか、ベンチャーがリーンスタートアップをやりやすいのは、人数が少ないから現場力…というか現場のマインドを揃えて同じベクトル、同じ推進力で進むことができるからじゃないか、と感じました。だからこそ和波さんが列挙した「3つの砂時計」に「モチベーション」が入っていたんじゃないかと。
逆に言えばヤマトやTESSEIはベンチャーと同じマインドを、あれだけ大きな企業になりながらも保てているのかな、と、直前に教わった内容も鑑みて考えられたのは良かったと思いました。