無印良品の「炊き込みごはんの素 栗入り赤飯」が美味しかった
この記事は「無印良品 Advent Calendar 2019 - Adventar」の14日目です。
オレのオススメはこちら。
オレ自身は無印良品に特に思い入れはないんですが、お袋が大ファンでして。たまに新製品のレビューに付き合わされます。
この栗入り赤飯を初めて食べたのは先月ですが、個人的には非常に好きな味ですね。なんというか、塩加減が絶妙なんですよ。料理としては非常にシンプルなんですが、飽きのこない味で非常に美味しいです。ぜひご賞味あれ。
フリーランスに転身して半年の雑感
はじめに
この記事は「フリーランス Advent Calendar 2019 - Adventar」の13日目です。
今年7月に2年半働いた初台のSIerを退職し、フリーランスになりました。年明けに故郷に帰ることを念頭においたとき、リモートワークが中心になるだろうことを考えると会社に所属することが難しいのでは無いか、と予想してのことです。なんのかんのと半年間フリーランスとして身を立ててきましたが、アドベントカレンダーへの参加を機にちょっとだけ振り返ってみたいと思います。
アメーバのような働き方
オレはどれか特定の技術要素やジャンルに特化せず、広く浅くを旨としてITエンジニアをやってきました。長年働いてきたSIerの中だと、結果的にそう動かざるを得ない、というのもありましたけど、全体を把握した上で自分のやるべきことに落とし込みたい、という自分の性分が結果的にそういうキャリアの積ませ方を選択したように思います。良く言えばジェネラリスト、悪く言えば器用貧乏です。
フリーランスに転身する際、このキャリアこのスキルのあり様が、おそらくネックになるだろうな、となんとなく思っていました。広く浅くやっていると、自分を売り込もう・案件を獲得しようとした際に、自分のITエンジニアとしての際立ったセールスポイントが無いのです。なんでもできるけど何にもできない、やっぱり器用貧乏です。
実際やってみると、案件獲得は後述の理由であまり苦労しませんでした。必要な技術要素について経験したことがあるか無いか、程度を取っ掛かりとし、まぁ後は入ってから考えましょう的に始めることができました。
実際に案件に入ると、最初に求められた役割とは異なるポジションが手薄だったり問題があったりで、自然と自分の役割を変えていくことがありました。例えば今の参画案件では、JavaScriptやAWSの実装経験から開発を行うことを前提に参画しましたが、現在ではプロジェクトでの困りごとや抜け漏れの洗い出しとその進め方を担うスクラムマスター的な働き方(スクラムを採用してはいないので、あくまでそれっぽいだけ)をしています。
隙間を埋めて形をグニャグニャと変形させながらヌルヌル動く、なんだかアメーバみたいだな、なんて今は思います。
オレはシステムエンジニアという仕事を「問題解決を行う仕事」だと考えています。フリーランスに転身したことで会社組織に縛られなくなったことで、その本質にちょっと近づけたのかな、とは思っています。
アッピール重要!
フリーランスはいつ契約先から切られるか分からないという危うい立場です。毎日が企業でいう期末面談の様なものですね。企業なら期末面談でもまずクビになることはないから、それよりもっと危ういか。
なので成果に対して、多少過剰でもアピールをする様には心がけています。とは言え、オレは自己アピールってヤツが大の苦手なので、どうにもちゃんと適切な範囲で出来てるか、自信がないのですが。ちょっとやりすぎたかな、と心配していることの方が多いです。こういうのは失敗できる会社員のうちに練習しておけば良かったなぁと反省しています。
コミュニティで築いた人脈に助けられる
オレはエージェントを介した営業活動を行なっていません。以前仕事でお付き合いした方や、社外IT勉強会のコミュニティで知り合った人からお仕事をいただいています。エージェントを利用していない分、身入りも多くなりますし、余計なコミュニケーションコストもかからないので、非常に助かっています。
IT勉強会で知り合った方からお仕事をいただく際には、最初自分の単価をかなり安く(それこそ新人レベルで)設定しています。ひととなりは分かっていても、仕事ができるかどうかはコミュニティ活動では判りません。コミュニティの中で有名人だったとしても、その人が仕事ができるかどうかは全く別です。それはオレ自身にも言えることで、だからこそ最初の1〜3ヶ月は「お試し価格」での参画をお願いしています。仕事が合わない・成果が出ないのであれば、どちらにとっても不幸でしかありませんから。「お試し」で入って、大丈夫そうなら単価交渉をして継続し、ダメならさっさと契約を切る・切ってもらう様にしています。
確定申告が怖い
フリーランスに転身してまだ半年なので、確定申告をまだ行なったことがありません。これが実に怖い……。オレは事務仕事が苦手……というかいい加減なので、単に経験してないことが怖い、という以上に怖いですね。さっさと経験して、きっとそれなりに失敗するでしょうが、さっさと恐怖心を払拭したいです。
はじめてのぷろれす
この記事は「今年撮った写真 Advent Calendar 2019 - Adventar」の12日目です。
これまでオレはほとんどプロレスを観たことがなかったんですが、今年は色んな人から度々お誘いを受けてプロレス観戦をする機会を得ることができました。プロレスは席に依存しちゃうのはあるんですけど、タメがあったりショーアップされてたりと写真を撮るのが楽しいイベントだと思います。腕の方はまだまだではありますが、今年撮ったプロレス写真のうち、個人的に気に入っているものを貼ってみたいと思います。(アップローダーの都合で順番がバラバラになり、どの写真がどの試合かはまとまってません。ご了承ください。)
プロレス観戦するといっつも思うけど、ビールとか飲んでる余裕全然無いですね。席がリングに近いと場外乱闘とかもあるし。まったくもって油断ならない。
来年も面白い写真が撮れたらいいなぁ。
餃子にまみれたかったから蒲田飲み歩きツアーをやってみた。
はじめに
この記事は「餃子 Advent Calendar 2019 - Adventar」の11日目です。去年の6月に無性に餃子が食いたくなって、友人たちと蒲田で餃子の食べ歩き&飲み歩きをしました。その時写真も撮るには撮ったんですが、撮ったっきり放置してたのでまとめて載っけてみます。店名とかはかろうじて記録があったんですが、味とかは記憶にないので(まぁだいたい美味しかった、はず)、見た目のみお店選びの参考にしてもらえればと思います。
終わりに
なんで蒲田ってあんなに餃子屋があるんでしょうね。理由はさておき、とりあえずぜひまた行きたいです。
障害対応で仕方なしに仕事始めたらここをオフィスにしたいと思った旅先のポイント
はじめに
この記事は「旅するエンジニア Advent Calendar 2019 - Adventar」の10日目です。
ITエンジニアなら24h/365dayの運用保守を強いられることは珍しくないと思いますが、やはりオレもその経験があり、旅行先にも仕事用のノートPCを持参するのが当然かと思われます。……えっ、「旅先にノートPCなんて持っていったことがない」? 貴方本当にITエンジニアなんですか? ちゃんと仕事してます?
そしてそんな時に限ってシステム障害は発生するものでして。いやぁ、障害通知を京都駅で受け取って、駅構内のマクドナルドで修正→コミット→デプロイしたなんてこともあったなぁ。時と場所を選ばず通知されるシステム障害に、やはりこちらも仕方なしに時と場所を選べずノートPCを開くことがままありました。そんな経験の中で、案外居心地がよく仕事し易かった場所がいくつかあったので紹介します。
なお、あらかじめお断りしておきますが、これらの場所で仕事をすることは推奨されませんし、むしろ通常であれば怒られると思います。あくまで緊急避難的な行動であり、どうしても仕事せざるを得なかったという前提があることをご承知おきください。あと電源や電波は考慮していません、オレが仕事したタイミングでは、電波は届いたはずだけど。
大阪府:海遊館
オレは水族館が好きで、旅先に水族館があると必ず立ち寄るのですが、中でも海遊館は大のお気に入りです。でかい水槽、良いですよね。
海遊館は20時まで営業しているのですが、夜は館内BGMも落ち着いたものに変わり、ライトも落とし気味にしてムーディーな感じになります。休憩スポットが頻繁にあってベンチが至る所にあるのが助かります。平日だとなぜか客があまりおらず、そういった意味でも仕事しやすいです。
仕事に疲れた目をふとあげると、目の前には雄大に泳ぐジンベイザメ。ここを仕事場にできたらどんなに幸せか、と思いました。
ちなみに、午前中は団体観光客や幼稚園・保育園・小学校の遠足のお客さんで満載ですので、仕事したければさっさと館外に出ましょう。
宮城県:松島 福浦橋
日本三景のひとつ、松島には福浦橋という橋があり、200円で渡ることができます。その橋を渡った先を散策できるんですが、そこの東屋が仕事し易かったです。観光客も殆ど来ないのが素晴らしい。目の前には日本三景の美しい海、緑に覆われた静かな環境で涼しげに海風に当たりながら仕事をするのは最高でした。ちなみに蚊にめっちゃ刺されるので、蚊取り線香は必須でしょうね。
www.town.miyagi-matsushima.lg.jp
終わりに
以上、旅先で仕事し易かった場所でした。繰り返しになりますが、これらの場所で仕事することをオススメしているわけではなく、あくまで緊急避難的に作業せざるを得なかったけどやってみたら仕事し易かっただけ、ということをお忘れなきよう。
今オレは運用監視を行う必要がない仕事なので本来必要ないですが、しかしなんとなく怖くて旅行先にも仕事用ノートPCは持って行ってしまいます。職業病って恐ろしいですね。それでは
かつてITエンジニアの端くれが夢見た幻想郷「MF電脳部」
この記事は「#しがないラジオ Advent Calendar 2019 - Adventar」の9日目です。「しがないラジオ」のアドベントカレンダーとして相応しい内容かどうかは自信がありませんが、少し思うところがあってそれを書いてみたいと思います。
2017年7月からだいたい月1回のペースで土曜午後に「MF電脳部」という活動をやっていました。
「MF電脳部」という名前は、参加メンバーの多くがかつて所属していた会社の名前の頭文字をとりました。なので活動への参加条件は
- 現社員・協力社員
- OB・OG
- 上記1or2の知人・友人
のいづれかに該当することとし、オープンな参加募集は行いませんでした。
会場もその会社が持つコワーキングスペースのような場所を使わせてもらいました。20名くらいのワークショップくらいなら全然出来ちゃうようなスペースと、四谷という東京のど真ん中な立地という、贅沢な環境です。ただ、割と使用できるタイミングが限られるので、他の場所も色々試してみたんですが、使い勝手が悪くて、結局この場所に戻ってきちゃう感じでした。
キャッチフレーズは「ひとりでやったり、みんなでやったり。」ユルく、無理せず、気ままに、気楽に、楽しく、ITエンジニアリングとそれに関わることで遊べたらいいなと思ってやっています。みんな仕事やプライベートが忙しいので、無理して参加したりもしないし、参加を強要したりもしないです。会場が確保できない時も無理に開催したりしません。とりあえず会場が確保できて、2人以上集まるなら開催、みたいな感じです。なので、各回の参加人数は、多くて10名程度、少ない時には本当にたった2名でした。
MF電脳部を企画したきっかけですが、だいぶ前の話なんで記憶があいまいなものの、確かこれだった気がします。
takigawa401.hatenablog.com
友人たちと電子工作を体験しよう、という遊びだったんですが、世間のIoT需要についていけてない身の上でもあったので、「こういうのを定期的にやれる場所が欲しいね」って話を元上司兼現飲み友達の@twissyorgとしてたんです。ちょうどそんなタイミングで、我々の古巣の会社でいつのまにかコワーキングスペースを作った、しかもその管理責任者が、我々と酒飲み仲間だった元同僚だという話を聞きつけまして。空いている時でいいからコッソリ場所を貸してくれとお願いして快諾してもらい、かくしてMF電脳部が開催されることになりました。……え、経緯が薄っぺらいって? こういうのは勢いですよ、言い出して動いたモン勝ち。
結果的に管理責任者だった彼がちゃんと社長に報告してたので、会社からも黙認してもらえてたみたいです。元社員だから赤の他人にも等しいのに、こういうところは懐が広いなぁ、と思いました。
主な活動は「もくもく会」です。テーマはありません。参加者が自分でその都度テーマを設定し、自分のペースで勝手に取り組みます。
PythonやGo言語書いてるヤツもいるし、プレゼン作ってるヤツもいるし、ハンダ付けしてるヤツもいるし、ノートPCの初期設定してるヤツもいるし、ブログ書いたりとかしてるヤツもいました。
もちろん、せっかく集まっているので協業もあります。突発的にAlexaのモブプロが始まったこともあったし、計画的に大きめのプロダクトを数人がかりで作る人もいました。
また、外部から講師役の人を呼んでワークショップや座談会をやったりもしました。ワークショップの前提は「素振り」であること。ちゃんとした場でワークショップの講師を担当する人には、少なからず「事前に試しておきたい・反応を確認しておきたい」という思いがあります。大規模の人数を向けたワークショップ、しかもそれが有料だったりすると、やっぱり事前にある程度用意したワークショップを検証・確認しておきたくなります。そういったときに「電脳部」を活用してもらい、メンバーから希望者を募って受講者として参加してもらって、ワークショップの素振りをしてもらうことがありました。
登壇者からすれば、事前にワークショップの出来を確認できるし、メンバーからは本来有料のワークショップに無料で参加できる、本来関わりの薄い世界に触れられて見識を広げることができる、というWin-Winが成り立っています。電脳部のメンバーは基本的に好奇心の強く何事も面白がれる奴らばかりなので、ワークショップの参加は任意にしてあるにも関わらず、ほぼ全員が参加してます。最後にきっちり感想まであげて、改善のお手伝いもしたりするので、講師役の人にもそれなりに好評だったりします。
終わった後の打ち上げも参加したい人が自分のペースで勝手に飲んでもらうようにしてました。時間無制限セルフサービスで飲み放題ってすげー楽チン(時間無制限は土曜日だけのサービスです)。
tabelog.com
2019年12月07日の活動をもって、MF電脳部は全ての活動を休止しました。理由はいくつかあります。会場として使用させてもらっていたコワーキングスペースが使えなくなること、直近で参加者数が低迷していたこと、言い出しっぺの片割れであるオレがこの年末年始で東京を離れること。続ける理由も方法もありましたが、ダラダラと惰性で続けるよりはここで区切りをつけようと決めました。
本当にいろんなことをやりました。
みんなでモブプロやったり
VRで遊んでみたり
ボードゲームの試遊会をやったり
RSGT2019で実施する予定のワークショップの素振りに使ってもらったりもしました。
飲みにもいっぱい行きました。話もいっぱいしました。直近自分たちが関わっている技術の話、ビジネスの話、興味分野の話、会社の話、プライベートの話、ロクでもない話、それこそ色々です。
オレ達はかつて同じn次請のSIerに所属していました。SIerとは名ばかりの実質派遣業で、全員客先常駐で自社には事務方以外誰もいなくて。
だからこそ、半ば上からの押し付けではあったものの、土曜に自社に戻ってきてみんなで勉強する文化が根付いていました。土曜だから関係もフラットで、先輩後輩関係なく仲良くなって、そのまま遊びに行ったり飲みに行ったりして。なぜか個性の強い面々がたくさん揃う不思議な会社で(当時の採用担当の頭か方針がおかしかったんだと思う)、仕事や環境は決して良いとは言えないながらも、なんのかんのと面白おかしくやれてました。
MF電脳部はその文化を踏襲していました。会社に所属していた当時は、我々の関係は上司・部下であり、先輩・後輩でした。MF電脳部ではそういった肩書きは既になく、互いが尊敬すべき一エンジニアでした。だからこそ、細々とながらも2年以上続けることができたのだと思います。
メンバーの殆どは既に件の会社には所属していません。MF電脳部の活動中に転職した人、フリーランスになった人、主たる仕事のやり方を大きく変えた人、様々です。そういった中で会社に所属していた頃と変わらずITエンジニアリングで学び遊べていたのは、本当に楽しかったです。
MF電脳部は最後に各々の未来の話をして終わりました。それが相応しいと思ったんだよね。ずっと前向きにロクでもないことをし続けるのが、いつものオレたちだっただろって。最後だからって何も変わらないだろって。
— 日曜日よりの使者(ブルーマンデー) (@takigawa401) December 7, 2019
今日、1つの最期を迎えた。でも最後ではない事も伝えたつもりだ。来年からは定期的に顔を合わせることはないかもしれないが、いつでも頼りあえる関係であることもまた同時に定義したつもりである。
— 松本さんが…(松本山雅を訓読みでなぞらえた (@twissyorg) December 7, 2019
自らの軌跡である道筋に螺旋のように絡みつく強固な仲間達よ。一旦の終わりにありがとう。
MF電脳部という形での関係は、今回一旦終わりを迎えました。でもオレたちの関係はこれからもきっと変わらないんだと思います。いつまでも、どこにいても、互いにITエンジニアとして刺激し合える、そんな関係が続いていくんじゃないでしょうか。
改めて、みんなありがとう。またいつか一緒に楽しく遊びましょう!
なんとなく関係ありそうな過去記事。
「初恋ゾンビ」が「初恋」という淡い感情の比喩表現にチャレンジした作品だからみんなに読んでほしい。
この記事は「オススメ本 Advent Calendar 2019 - Adventar」の8日目です。
オレのオススメ本は「初恋ゾンビ」です。週刊少年サンデーでの連載を割と最近終え、現在は全17巻のコミックスが販売されています。サンデーうぇぶりでも過去話を一部無料で試読できるようになっています。
何事にも情熱を燃やさぬ平熱”省エネ”高校生・タロウくんの前に、超どストライクな空飛ぶ美少女・イヴが現れた!彼女の正体は、タロウの欲望&妄想&願望を凝縮した脳内彼女的存在=”初恋ゾンビ”だった!!タロウの平穏な日々は、かくして一変し──!?少年サンデーが放つ次世代ラブコメ、ここに開幕!!
(初恋ゾンビ - サンデーうぇぶりより抜粋)
主人公の久留米タロウは、NARUTOでいう血継限界によって「男性の初恋を可視化」できる能力を持ちます。とは言え、その能力は幼少時のとある事件で失われていました。高校一年生のある日、幼馴染の打ったホームランボールの直撃を頭部に受け、そのまま気絶。目が覚めた時には目の前に自分の理想を形にしたような可愛い女の子が宙に浮いていたのです。
彼女の正体はタロウの初恋そのもの。幼少期の初恋の女の子「イブ」が自分の理想通りに成長した姿で具現化されたものでした。頭部への衝撃をきっかけにタロウは「男性の初恋を可視化」できる能力に再び目覚めます。
タロウはその初恋が具現化したものを「初恋ゾンビ」と名付けます。初恋ゾンビは初恋が何らかの形で成就すると成仏(?)します。
つまりイブを消すためにはタロウ自身の初恋を成就させる必要があるのですが、転校という形で10数年ぶりにタロウの前に現れた初恋の相手は、何と男……指宿凛々澄でした。
実は幼少時にタロウが能力を失った時も、指宿と頭を激しくぶつけており(要するに頭突き)、それのショックで能力が失われていたのです。一方で指宿はその際にタロウから「男性の初恋を可視化」できる能力が感染させられており、10年以上たった独りでその能力に振りまわされ続けていました。
そう言った理由から指宿はタロウを激しく憎んでいます(という体裁を取っている)が、能力を消すヒントを探すために、タロウと指宿は初恋ゾンビたちと深く関わって行くようになります。
とまぁだいたいこんなあらすじです。ここまではサンデーうぇぶりでだいたい読めるのでぜひ読んでみてください。
この作品で個人的にオレが興味を強く持ったのは、「初恋」という感情の表現の可視化にトライしているところです。
例えば、失恋すると初恋ゾンビは「失恋ゾンビ」に変化し、創造主(=初恋をした男)を攻撃する存在になります。
こちらは初恋を認めたくない、拒絶したい、初恋自体をなかったことにしたい(殺したい)状態の初恋ゾンビ。
こちらは初恋が見えていない(自覚していない)状態。
初恋ゾンビ 3|峰浪りょう|小学館
自分の初恋の思い出を守りたくていばら姫状態な初恋ゾンビ。
初恋ゾンビ 4|峰浪りょう|小学館
初恋を忘れたくて氷漬けにしている状態。
初恋ゾンビ 6|峰浪りょう|小学館
こんな感じで様々な「初恋の形」が作品中には登場します。なかなか上手い表現だな、と思う初恋ゾンビも多いので、初恋のどの状態をどのように表現したか、に注目していっても面白いと思います。
一見よくあるお色気系の作品にも見えるんですが、終盤に近づくにつれ、タロウと指宿の初恋を巡ってどんどんヘビーな展開になっていきます。ラストはあまりにも切ない……。彼らの「初恋」がどうなって行くのか、ぜひ見届けてください。
作品としては、同じ週刊少年サンデーで連載し、アニメ化もした「神のみぞ知るセカイ」が比較的近い印象があります。あの作品が楽しめた人は、おそらくは「初恋ゾンビ」も楽しめるのではないでしょうか。
以上、オレのオススメ本でした。それでは。